「IT系の資格を取得して、転職を有利に進めたい」
「でもIT系の資格は種類豊富で、どれを選べばいいのかわからない…」
上記のような悩みを持つ方は多いでしょう。
そこで本記事では、転職に役立つIT系資格(国家資格・民間資格)についてまとめました。
IT系資格の選び方や勉強のコツなども解説していますので、参考にしてみてください。
※記事内の情報は2023年7月時点の内容です。最新情報は公式サイト等でご確認ください。
この記事の目次
いま役立つIT系資格まとめ【転職に有利】
早速、転職に有利ないま役立つIT系資格を紹介していきます。
- 国家資格と民間資格(ベンダー資格)がある
- 主要なIT系国家資格一覧
- 主要なIT系民間資格(ベンダー資格)一覧
国家資格と民間資格(ベンダー資格)がある
まずIT系資格は大きく「国家資格」と「民間資格(ベンダー資格)」に分かれます。
以下は、それぞれの特徴です。
- 国家資格:製品に特化しない知識を得られる。有効期限はない。民間資格よりも受験料は低い傾向。
- 民間資格(ベンダー資格):企業が自社製品に関する知識・技術が一定水準以上あることを認定するもの。有効期限が設けられており更新が必要。受験費用は比較的高額。
主要なIT系国家資格一覧
就職・転職に有利なIT系国家資格は、以下の通りです。
資格名 | 対象者 |
ITパスポート(IP) | IT未経験者・初心者。主にITに関する幅広い知識を身に付けたい人 |
情報セキュリティマネジメント(SG) | 情報セキュリティの知識を身につけ、ITの安全に利活用したい人 |
基本情報技術者(FE) | ITエンジニアの基礎となる資格。情報処理のベーシックな知識を身につけたい人 |
応用情報技術者(AP) | IT業界で高度人材として活躍したい人 |
ITストラテジスト(ST) | ITを高度に活用し企業の経営戦略に活かしたい人 |
システムアーキテクト(SA) | 上級エンジニアを目指す人。システムエンジニアとして一定のスキルを証明したい人 |
プロジェクトマネージャ(PM) | プロジェクトメンバーを率いるマネージャーを目指す人 |
ネットワークスペシャリスト(NW) | ネットワークエンジニア・インフラ系エンジニアを目指す人 |
データベーススペシャリスト(DB) | データベース管理者・インフラ系エンジニアを目指す人 |
エンベデッドシステムスペシャリスト(ES) | 組込みエンジニア・IoT系エンジニアを目指す人 |
ITサービスマネージャ(SM) | ITサービスマネジメントの業務に従事する人 |
システム監査技術者(AU) | 情報システムや組込みシステムを監査する業務に従事する人 |
情報処理安全確保支援士(SC) | セキュリティコンサルタントを目指す人 |
人気は「基本情報技術者」
今回紹介した国家資格の中で最も応募者が多いのは「基本情報技術者」です。
こちらは「ITエンジニアの登竜門」とされており、ITエンジニアのキャリアをスタートしたい人に推奨される資格です。
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主要なIT系民間資格(ベンダー資格)一覧
就職・転職に有利なIT系民間資格(ベンダー資格)は、以下の通りです。
資格名 | 対象者 |
AWS認定試験 | AWSに必要な知識・スキルを習得したい人 |
オラクルマスター | オラクルデータベースの管理スキルを習得したいエンジニア |
Java SE 11 認定資格(Oracle) | プログラミング言語 Javaのスキルを習得したいエンジニア |
Microsoft認定資格プログラム | マイクロソフト製品についての知識と技術を習得したい人 |
シスコ技術者認定プログラム | Cisco製品に関する知識やネットワーク技術を習得したい人 |
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IT系資格の試験日・難易度
ここでは、おもなIT系資格の試験日や難易度を紹介します。
- 主要なIT系国家資格の試験日と難易度一覧
- 主要なIT系民間資格の試験日と難易度一覧
主要なIT系国家資格の試験日と難易度一覧
試験日は令和5年度時点、合格率(難易度)は令和4年度の合格率を参照しています。
資格名 | 試験日 | 合格率(難易度) |
ITパスポート(IP) | 随時 | 51.6% |
情報セキュリティマネジメント(SG) | 随時 | 56.2% |
基本情報技術者(FE) | 随時 | 37.4% |
応用情報技術者(AP) | 春季(4月)・秋季(10月)の年2回 | 25.3% |
ITストラテジスト(ST) | 春季(4月) | 14.8% |
システムアーキテクト(SA) | 春季(4月) | 15.0% |
プロジェクトマネージャ(PM) | 秋季(10月) | 14.1% |
ネットワークスペシャリスト(NW) | 春季(4月) | 17.4% |
データベーススペシャリスト(DB) | 秋季(10月) | 17.6% |
エンベデッドシステムスペシャリスト(ES) | 秋季(10月) | 19.7% |
ITサービスマネージャ(SM) | 春季(4月) | 14.8% |
システム監査技術者(AU) | 秋季(10月) | 15.9% |
情報処理安全確保支援士(SC) | 春季(4月)・秋季(10月)の年2回 | 20.2% |
主要なIT系民間資格の試験日と難易度一覧
資格名 | 試験日 | 合格率(難易度) |
AWS認定試験 | 随時 | 非公開 (基礎レベルの認定・アソシエイトレベルの認定・プロフェッショナル認定・専門知識認定がある) |
オラクルマスター | 随時 | 非公開 (レベル別にBronze・Silver・Gold・Platinumがある。GoldはSilver取得、PlatinumはGold取得が条件) |
Java SE 11 認定資格(Oracle) | 随時 | 非公開 (レベル別にBronze・Silver・Gold がある) |
Microsoft認定資格プログラム | 随時 | 非公開 (レベル別にFundamental・Associate・Expertがある) |
シスコ技術者認定プログラム | 随時 | 非公開 (レベル別にエントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパートがある) |
IT系資格を取得するメリット
IT系の資格がどのように役立つのか疑問に思う方もいるでしょう。
IT系資格を取得するメリットは、以下の4つです。
- 客観的なスキルの証明になる
- 知識を体系的に学べる
- 就職・転職に有利になる可能性
- 資格手当がもらえることも
これらのメリットについて解説します。
客観的なスキルの証明になる
例えば、異業界からIT業界への転職を目指す場合や新卒採用でIT業界を目指す場合、資格を取得すると一定の知識レベルを証明できます。
就職・転職面接において、面接官に「自分にはこのレベルのスキルがある」と口頭で伝えても、本当にそのレベルに達しているかどうか判断する基準がありません。
資格があれば、判断基準になります。また、キャリアアップにおいても、資格取得は客観的な技術レベルの証明になります。
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知識を体系的に学べる
例えば、異業界からIT業界に転職する際、インターネット上の情報を集めてIT分野について勉強する人もいるでしょう。
しかし、基礎知識がない中でインターネット上の情報を参考にしても、そもそも現在の自分に必要な知識がわからず、情報をバラバラにインプットしてしまう可能性があります。
一方、資格は学習範囲が限定されているので、何を学べばよいかが明確です。
そのため、資格取得を目指して学習することで、効率よく体系的な知識を取得することが可能となります。
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就職・転職に有利になる可能性
IT系資格を取得する人の中には、文系学生(あるいは在学中の学生)もいるでしょう。
一般的に理系よりも文系に進学する人は多く、就職・転職活動でも必然的に分母が大きくなり、競争率も高くなる傾向があります。
その中でもIT系の資格を取得しておくと、文系大学にありがちな「文系でIT系企業に就職するのは難しい」といった思い込みを払拭するきっかけになります。
また、資格取得自体が評価されることも。誰かに強制されたわけでもなく、コツコツ努力して何かを成し遂げる姿勢は、入社後の働き方を考える上で高評価になる可能性も。
ITスキルを求める企業が増えていることも考えると、IT系資格を取得しておいて損になることはまずないでしょう。
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資格手当がもらえることも
リクナビNEXT Tech総研がITエンジニア200人に行ったアンケート調査によると、IT系資格の中でも以下のような資格で合格報奨金が出るとされています。
- 基本情報技術者
- ソフトウェア開発技術者(現在の「応用情報技術者試験」)
- 初級シスアド(現在の「ITパスポート」)
- テクニカルエンジニア(現在の「情報処理安全確保支援士」)
また月々の資格手当が出るものも。アンケートによると以下のような回答でした。
- システムアナリスト(現在の「ITストラテジスト」):平均2万6,000円
- プロジェクトマネージャ:平均1万4,900円
- テクニカルエンジニアのデータベース・ネットワーク・システム管理・エンベデッドシステム(現在の「データベーススペシャリスト」「ネットワークスペシャリスト」「ITサービスマネージャ」「エンベデッドシステムスペシャリスト」):それぞれ1万1,000円台
ちなみに、これらはいずれも国家資格。民間資格で資格手当がもらえるという回答は、比較的少なかったです。
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IT系資格の選び方【ジャンル別】
IT系資格は大きく分けると、情報系・エンジニア系・マネジメント系の3種類に分かれます。
ここでは、取得するのにおすすめの順番やパターンを解説します。
- 未経験者は情報系資格から
- 技術を証明したいならエンジニア資格
- キャリアアップに役立つマネジメント系資格
未経験者は情報系資格から
異業界、あるいは新卒で未経験の状態からIT業界を目指す人もいるでしょう。
そのような人には知識を体系的に学べる情報系資格をおすすめします。
例えば以下のような資格です。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
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技術を証明したいならエンジニア資格
エンジニアとしての技術を証明したい場合は、エンジニア系資格をおすすめします。
- ネットワークスペシャリスト
- 情報セキュリティスペシャリスト
- オラクルマスター
- シスコ技術者認定プログラム
- システムアーキテクト
キャリアアップに役立つマネジメント系資格
IT業界内でのキャリアアップをはかりたい場合や、ITコンサルタントを目指す場合は、以下のようなマネジメント系資格を検討しましょう。
- ITストラテジスト
- プロジェクトマネージャ
- 情報処理安全確保支援士
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IT系資格を取得するための勉強方法
IT系資格を取得する方ための勉強法は、おもに以下の4つです。
- 参考書や問題集を購入して独学
- 通信教育を受講
- オンラインセミナー・動画学習サービス
- 専門スクールに通う
これらの方法について解説します。
参考書や問題集を購入して独学
各資格対策の参考書や問題集が市販されています。Amazonで評価の高いものを購入してみたり、書店で実際に中身を見て選んだりするとよいでしょう。
勉強する際は、問題集から手をつけ、不明点は解説をすぐ読むのがおすすめ。
解説を読んでもあまり理解できないところを参考書で調べ、理解を深めましょう。
IT系の知識は初学者にはとっつきにくいものです。最初はイラストが多い本がおすすめ。
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過去問を解く
IT系資格の中でも国家資格は、実施するIPA(情報処理推進機構)の公式サイトから過去問をダウンロードできます。
配点割合・解答例・採点講評も見られます。まずはどのような内容なのかをこちらで把握するのもよいでしょう。
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通信教育を受講
通信教育で資格の勉強をする方法もあります。
参考書選びの手間がかからず、初学用に作られたカリキュラムで学べます。
通信教育では、資格ごとにカリキュラム修了までの目安時間が表示されていることが多いです。なので、合格したいタイミングから逆算して計画を立てやすいでしょう。
オンラインセミナー・動画学習サービス
最近では、動画学習サービスを活用して資格の勉強をする方法もあります。
例えば「Udemy(ユーデミー)」で基本情報技術者試験に関する動画を検索すると、数千件ほどのコンテンツが配信されていることが分かります。
民間資格(ベンダー資格)の場合はウェビナーも開催
民間資格の場合、公式のWebセミナー(ウェビナー)が開催されていることも。
例えばAmazonの「AWS 認定」では『AWS 認定「ソリューションアーキテクト – アソシエイト」を目指そう』といったウェビナーが開催されています。
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専門スクールに通う
資格を取得するために専門スクールに通う方法もあります。
特に資格取得と就職・転職活動を並行するなら、効率的に学べる専門スクールがおすすめ。
未経験者でもスキルが身につくカリキュラムが用意され、プロの講師の下、学習をするめることができます。
自分を律して自学自習することが難しい方にも、専門スクールはおすすめです。
IT系資格取得に向けた効率的な勉強のコツ
IT系資格を取得する人の中には、資格を活かして就職・転職を目指す人も多いでしょう。
ここでは、就職・転職活動で忙しい中でも資格を取得するための勉強方法を7つ紹介。
- 自分にあった内容・難易度のものを選ぶ
- スキマ時間をうまく活用
- 朝を勉強時間にあてる
- 一緒に取得を目指す仲間を見つける
- 場所を変えて勉強する
- 集中できる音・音楽を聴く
- 集中が切れる前に休憩する
自分にあった内容・難易度のものを選ぶ
勉強を始める前に慎重に資格選びを行いましょう。
例えば未経験からIT系資格を取得する場合は、IT分野の基礎知識が得られる情報系から始めるのがおすすめ。
いきなり難易度の高いものや合格率が低いものを選ぶと、挫折の可能性を高めてしまいます。
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スキマ時間をうまく活用
通学・通勤などの移動時間をうまく学習にあてましょう。
電車の中で参考書や問題集を読んでもいいですし、スマホアプリを活用する方法もあります。
問題集アプリや暗記アプリを活用したりして、時間を有効活用してください。
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朝を勉強時間にあてる
資格勉強は朝行うのがおすすめです。
なぜなら起床〜3時間は「脳のゴールデンタイム」。睡眠によって脳がリフレッシュした状態なので、思考力・記憶力も高まっています。
また「朝から勉強した」という充実感から、その後の仕事も効率的になるでしょう。
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一緒に取得を目指す仲間を見つける
一人だと、「何のために頑張っているのだろう」といった不安な気持ちに襲われがちです。
そのようなとき、一緒に勉強している仲間がいると支えになります。
SNSで仲間を見つける
同じ資格を勉強する仲間は、SNSを活用すると見つけやすいです。
例えばTwitterで「#ITパスポート」「#勉強垢」といったハッシュタグでをつけて勉強した内容をツイートすると、同様に学習する人を見つけて相互フォローしやすいでしょう。
また学習管理SNSを使用する方法もあります。
例えば「スタディプラス」というアプリでは、自分の学習記録をつけるだけでなく、同じ資格を勉強している人とコミュニケーションを取ることもできます。
勉強仲間ができると、モチベーションも上がりやすいでしょう。
場所を変えて勉強する
ずっと自宅で学習していると煮詰まることもあると思います。
そのようなときは気分転換に場所を変えて勉強するのもおすすめ。カフェや図書館などを利用しつつ、集中できる環境を整えましょう。
集中できる音・音楽を聴く
時間がない中で効率的に集中するためには、音や音楽を活用するのもおすすめ。
例えば「ホワイトノイズ」と呼ばれるマスキング(雑音が気にならなくなる)効果のある音を聴く方法があります。以下の記事でも解説しているので参考にしてください。
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集中が切れる前に休憩する
集中力を効率的に持続させる方法に「ポモドーロテクニック」があります。これは「25分間の作業+5分間の休憩」を繰り返す方法です。
「25分間」と聞くと、まだまだ集中できそうなイメージがあるかもしれません。しかし集中力が切れる前にあえて休憩をとることで、結果的に集中できるようになるのです。
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IT系資格は目的に応じて選ぼう
「IT系資格」と一口に言ってもさまざまな種類があります。まずは、あなたの現状や資格取得によって叶えたいことを明確にしてから、受験する資格を選びましょう。
自分のレベルにあった資格を選び、挫折の可能性を下げることも重要です。
ちなみに、IT系資格の中でもWebデザイン関連の資格に興味のある方もいると思います。そのような方は以下の記事も参考にしてください。
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