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PDCAサイクルをうまく回すことができず悩んでいませんか?
PDCAサイクルとは目標を達成するための手法。「Plan,計画」「Do,実行」「Check,評価」「Action,改善」の枠組みに沿って、やるべきことを実施していきます。
ですが、PDCAサイクルのことは知っていても「使いこなせていない」という方も多いでしょう。
この記事では、「PDCAサイクルは知っているけど、うまく回せていない」と悩む方に向けて、PDCAサイクルの回し方を具体例や企業の事例と併せて解説します。
PDCAサイクルは仕事で大きな成果を上げるための手法として、多くの人が取り入れています。また組織改革や経営改善などのメリットもあり、PDCAサイクルを導入している企業も多く存在します。
この記事で紹介する具体例と自身のPDCAサイクルを照らし合わせてみてください。
この記事の目次
この記事のまとめ
PDCAサイクルをうまく回す方法まとめ
PDCAサイクルを回そうと思った時、「Plan,計画」「Do,実行」「Check,評価」「Action,改善」で行うべきことを漠然と考えていませんか。
スタートからゴールまでたどり着くまでには、実はそれぞれのステップごとに踏むべき手順があります。例えば計画であれば「計画を立てるための手順」です。
計画を綿密に立てることによって間違った方向に進まなくて済みますし、検証の精度を高めることができれば、1度の改善でより成果を上げることができるでしょう。
一見やるべきことがたくさんあってメリットがあるのかなと思われるかもしれません。しかしこの遠回りこそが目標達成の確率を上げるためには、最も近道なのです。
計画(Plan)
①期限と目標の定量化(具体的な数字にする)
②現状(スタート地点)とどれくらいギャップがあるか
③ギャップはなぜ発生しているのか
④優先的に解決すべきものは何か(優先度の低いものは外す)
⑤課題をKPI化(達成度がわかるように)
⑥解決策(仮説)を考える
行動(Do)
①解決案(仮説)→DOの形に
②優先順位をつける
③達成率を具体的にする
④Todoに落とし込む
⑤実行に移す
評価(Check)
①ゴールの達成率を調べる
②計画の達成率を調べる
③DOの達成率を調べる
④できなかった原因を突き止める
改善(Action)
①評価結果を踏まえ、改善案(仮説)を考える
②改善案に優先順位をつけ実行する
このように、単にPDCAの順に漠然と実施するのではなく、目標達成までのそれぞれのステップにやるべきことがあります。
実際に仕事で活用するとなると、少しイメージしづらいかもしれません。
この記事では、求人広告の営業マンを例に具体例を用いて解説します。自分が行っている業務と照らし合わせながら考えてみてください。

【具体例】売り上げ成績に悩む営業マンが新規受注件数を増やす
計画(Plan)
まずは目標に達するまでの計画を立てていきます。売り上げ成績に悩む営業マンが新規受注件数を増やそうと考える例を考えていきます。
①期限と目標の定量化(具体的な数字にする)
・1ヶ月後には、新規企業の広告掲載を10件受注する
②現状(スタート地点)とどれくらいギャップがあるか
先月の成績は7件なので、あと3件受注しなければならない
③ギャップはなぜ発生しているのかを考える
・アポのスケジューリングが効率的でない
・顧客の課題をしっかりヒアリングできていない
・第一印象で損をしている
・論理的に説明ができていない
・テレアポの数が少ない
・自社商品への理解が不足している(ゆえにうまく説明できない)
・勉強を習慣化できていない
④優先的に解決すべきものは何か(優先度の低いものは外す)
・アポのスケジューリングが効率的でない
・論理的に説明ができていない
⑤課題をKPI化(達成度がわかるように)
・アポの件数を1日5件→7件にする
・商談受注率40%→60%
⑥解決策(仮説)を考える
・業務の無駄を減らす
・業務効率化ツールを取り入れる
・エクセルの作業時間を減らすスキルを身につける
・論理的な話し方の本を読む
・上司に頼み商談練習とフィードバックをしてもらう
行動(Do)
①解決案(仮説)→DOの形に
・直属の上司Aさんに協力を仰ぐ
・営業成績部署トップの上司Bさんに協力を仰ぐ
・仕事終わりに商談練習をしてもらい点数をつけてもらう
・本屋で論理的な話し方の本を探して読む。これを習慣化する。
・エクセルVBAの本を1冊読み基礎的なスキルを身につける
②優先順位をつける
・完結型のもの(本を探すなど)は早速行動する
③達成率を具体的にする
・商談練習の点数70点以上
・エクセル作業の時間を30分短縮する
④Todoに落とし込む
・明日の業務終わりAさんに協力を仰ぐ
・来週Bさんに協力を仰ぐ
・論理的な本を1章読むごとにその日の商談で実践する
・エクセルVBAの本を1日10ページ読む→読んだら手帳にチェックを入れる
⑤実行に移す
ここまで準備して、行動に移しましょう。
評価(Check)
①ゴールの達成率を調べる
・新規企業の広告掲載、達成率50%
②計画の達成率を調べる
・アポの件数を1日7件にする→達成率30%
・商談受注率60%→達成率60%
③DOの達成率を調べる
・商談練習の点数70点以上→50%
・エクセル作業の時間を30分短縮する→できた
・論理的な本を1章読むごとにその日の商談で実践する→本を読むことは習慣化できたが、実践はできなかった
④できなかった原因を突き止める
・商談練習でA.Bさん両方から70点以上取れなかった理由
→Bさんからのアドリブにうまく返せなかった
・本で読んだことを実践できなかった理由
→商談に集中しすぎて余裕がなかった
→失敗を過剰に恐れていた
改善(Action)
①評価の結果を踏まえ、改善案(仮説)を考える
・アドリブにうまく返せなかった
→論理的な話し方だけでなく、次はコミュニケーションを学ぶ必要がある
・商談に集中しすぎて余裕がなかった
→余裕を持って商談に望めるようにメンタルコントロールのノウハウを学ぶ必要がある
→失敗しても大丈夫というマインドを身につける
②改善案に優先順位をつけ実行する
・実行→評価→改善を繰り返す
以上がPDCAサイクルをうまく回すためのステップです。
ポイントはスタートからゴールまでの計画(Plan)をしっかり立てること。計画の方向性が正しければ、無駄な行動を取るなどの失敗をせずに済みます。
記事後半で紹介する『鬼速PDCA』でも、「計画がPDCAの5割を占める」と断言されています。
まずは仕事を通して達成したいことと、その計画を立てることから始めてみましょう。
次の項では、PDCAサイクルが実際の企業で導入されている事例を紹介します。
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PDCAで業績回復した企業の事例【無印良品】
衣料品や雑貨、食料品など幅広い商品を取り揃える「無印良品」。幅広い層からの指示を集め、店舗も国内外に展開されています。
そんな無印良品が、かつて無印良品は業績不振に陥っていたことはご存知でしょうか。
無印良品を展開する株式会社良品計画は、1989年に設立されました。設立10年で驚異的な成長をとげ、1999年には売上1000億円、利益136億円をあげるほどに。
しかし、ユニクロやニトリ、ダイソーなどのライバル出現の影響もあり、業績は2001年には38億円の赤字となりました。
そんな中、2001年に株式会社良品計画の社長に就任したのが、松井忠三氏です。
松井氏は、大きな組織改革を実施、6年間で売上1.5倍、利益72億円にまで回復させました。
松井氏の組織改革は「実行力の強化」がテーマ。常に行動し、試行錯誤し、改善を繰り返すという考え方でした。これはまさにPDCAの考え方そのものです。
松井氏は実際に、「仮説を立て評価・改善を行う」というPDCAの手順で幾つかの効果的な施策を実施しています。
ここでは3つ紹介します。
紙の量(資料)を減らした
無印良品は組織改革の1つとして、「会議に出す資料はA4一枚」というルールを策定しました(計画)。
社内で実行(行動)した結果、会議時間が短縮(評価)。さらに紙の削減を進めました(改善)。
業績不振が問題となっていた当時の良品計画には、「紙をたくさん使うという文化」がありました。これは「資料を作りこむ」ことを意味しています。しかしその結果、資料作りや会議に時間や人員を費やしてしまい、実行力が弱まってしまっていたのです。
松井氏は、社内の状況を分析し、「行動力が弱い原因は、長いばかりでメリットがない資料」に原因があるのではと考えました。つまり「紙の量と実行力は反比例する」と仮説を立てたのです。
共通マニュアルを増やした
紙の資料を削減した一方、共通マニュアルを作り(計画)、全社員に同じノウハウを共有しました。
すべてのスタッフが同じサービスを提供できるようにしたのです(実行)。そしてそのマニュアルの精度を随時高めることにより、随時有益なノウハウが共有されることになります(評価)。その結果、どの店舗であっても顧客に対して高い水準のサービス提供が可能になりました(改善)。
注目すべきは「仕組み化、マニュアル化」です。接客や商品管理などが全てマニュアル化されているからこそ実現できることです。
しかし当時は今ほど業務はマニュアル化されていませんでした。そこで松井氏は「手元にデータを残していると、培ったノウハウが本人しかわからないものになってしまっているのではないか」「その結果サービスの質が低下するのではないか」と仮説を立てました。
そして、共通のノウハウをまとめたマニュアルを増やしたのです。
具体的には、経理などの業務のマニュアルを「業務基準書」として、店舗の仕事(売り場作りや商品管理など)を「店舗用マニュアル」として一括にまとめました。全て手順に沿って進めれば良い仕組みを作ったのです。
統一された仕事のやり方をいったん覚えてしまえば、どの店舗に配属されても対応できるというメリットがあります。その結果、あらゆる店舗で(海外店舗であっても)同様のクオリティのサービスを顧客に提供することが可能になったのです。
マニュアルがハイペースで更新される仕組み作り
無印良品のマニュアルは、社員の提案や日々の業務から感じていること(評価)が、マニュアルに反映される(改善)仕組みを作っています。
「業務基準書」と「店舗用マニュアル」によって、どの店舗でも高いクオリティのサービスを提供できるようになりましたが、組織改革はそこで終わりではないのです。
PDCAサイクルでは実行したあとも、随時評価と改善を繰り返します。
具体的には、「業務基準書は3カ月に1回、店舗用マニュアルは1カ月に1回更新する」というルールを設けています。店舗用マニュアルは1度に全体の1%を更新するという徹底した改善がなされています。
そしてそのマニュアル更新は、店舗スタッフを含めた社員の意見により行われるのです。。
社員や店舗スタッフは日々の業務で「もっとこうした方が良いのでは」と思ったことを社内ネットワーク上に書き込むことができます。現場で感じたことや提案が直接反映されるようになっているのです。
社員一人ひとりが当事者意識を持って提案することで、問題点を直ちに改善していく。PDCAの「改善」がうまく機能していることが見て取れます。
この記事のハッシュタグ
PDCAサイクルがうまく回らない理由
PDCAサイクルがうまく回らない人には共通する理由があります。当てはまることがないか確認してみてください。
計画(Plan)を綿密に立てていない
冒頭でも解説したように、PDCAの成果は計画をしっかり立てることができたかどうかに大きく左右されます。
PDCAサイクルをうまく回せない人の計画の立て方には特徴があります。それは「願望」で計画を立てているという点です。その結果曖昧な解決策を立ててしまい、途中で挫折してしまうことも。
計画が曖昧なままPDCAサイクルを回そうとしても、何をすべきか曖昧で何を評価し、どう対策すれば良いかわからないという状況になってしまいます。
言い換えれば、計画を立てる段階で数値目標に落とし込んだ計画を綿密に立てることができれば、その後の「Do,Check,Action」ステップはズムーズにいくということです。
PDCAをうまく回せる人は現状や行動の結果を「分析」してから計画を立ています。そうすることで現実的なタスクに落とし込める計画を立てることができるのです。
計画(Plan)に時間を欠けすぎている
計画の重要性については何度も解説しましたが、反対に計画に時間をかけすぎるのもよくありません。
分析と計画を入念にしすぎた結果、実行に移せなくなることもあるからです。
またビジネスにおける課題やその解決策は、世の中の流れとともに日々変化しています。本当に正しいのか評価している間に、原因や課題そのものが変わってしまうこともあるのです。
計画はあくまで仮説にすぎません。「間違って当然、当たればラッキー」というくらいの心構えが大切です。
振り返の習慣がない
PDCAサイクルがうまく回らない人には進捗の振り返り習慣がないという特徴があります。つまりPDCAの「CとA」が抜けているのです。
行動した後の「CとA」が抜けていると、実行の結果がうまくいかなかった場合「結果を分析して改善案を立てる」ことができません。いつまで経っても、ゴールにたどり着くことができなくなります。
また「実行の結果がうまくいった」場合も注意が必要です。
「実行の結果うまくいった」場合、往々にして振り返りを忘れてしまいがちです。しかし「なぜうまくいったのか」を評価しなければ、その解決策に再現性はありません。
他の問題が出てきた時に、対応できなくなってしまうのです。
実行の結果にかかわらず、評価を行うことを忘れないようにしましょう。
改善を焦りすぎている
改善を重視しすぎることも、PDCAサイクルがうまく回らない原因となります。
これは、とにかく行動することが第一と考えている人によく見られる傾向です。
成果を出すことに焦りすぎているため、PDCAの「DとA」ばかりに力を入れてしまいます。
先ほどの営業マンの例でいうと、受注件数が伸びないことに焦ってしまい新しい改善案を次々に実行してしまう、というようなことです。
しかし先ほど解決策として考えた「論理的な話し方」というのは、一朝一夕で身につくものではありません。本で読んだことの実践を何度も重ねることによって少しずつ体得していけるのです。
分析をせずに改善を急ぎすぎてしまうと、本当に効果的な施策を打てなくなってしまいます。
また改善を急ぎすぎてしまうと「はじめに考えた計画の方向性は正しかったのか」がわからなくなります。精度の高い計画の立てかたがノウハウとして身につかないので、これも仮にうまくいっても再現性がないものになってしまいます。
行動の結果は全てデータとして蓄積するという意識が重要です。
結果が出るのに時間がかかるものは、進捗を見極めながら着実に実行していきましょう。
PDCAサイクルをうまく回すために押さえておくべきポイント
PDCAサイクルを回すためには3つのポイントを押さえておく必要があります。ノウハウというより心構えのポイントなので、頭にいれておくだけでもPDCAサイクルの精度は上がっていくでしょう。
目的を明確にする
PDCAサイクルでもっとも意識すべきポイントは「なぜそのPDCAサイクルを回すのか」。
この部分を明確にすると、目標を達成できる確率が高くなります。
まず、自分が何のために行動しているのか明確であることで「挫折を防ぐ」というメリットがあります。PDCAサイクルやるべきことが多いため、慣れないうちは途中でやめたくなることもあるでしょう。そんな時に、自分の行動の「根本的な目的」をしっかり意識することで、モチベーションを高め、途中で挫折してしまう事態を防ぐことができるのです。。
また目標が明確であることは、計画を立てる指針にもなります。
例えば「英語ができるようになりたい」という目標はいささか漠然としています。どんな計画を立てれば良いか考えにくいでしょう。
これが「英語で外国人とビジネス会話ができるようになりたい」であれば、「ビジネスにも使われるTOEICの勉強をする」や「ビジネスマン向けの英会話教室に通う」のように、具体的な指針を立てることができます。
スタートからゴールまでの道筋をしっかり頭の中でイメージできているかどうかが目標達成の可能性を左右するのです。
進捗を記録する
行動の進捗やその結果を随時記録する習慣をつけておくと、うまくいった場合はそのノウハウを、失敗した場合はそのパターンや原因をデータとして蓄積することができます。
進捗のデータこそが何より重要です。PDCAサイクルを回すたびにデータを元にした仮説検証を行うことができ、目標達成の確率が高くなるでしょう。
また進捗の状況を見える化することで、現状を客観的に把握することもできます。
1日の終わりにノートに書くなど習慣化しておくと良いでしょう。
進捗とその結果を合わせて記録して見える化しておくことが大切です。
原因を徹底的に追求する
改善案の精度を高めるためには、評価のステップで「うまくいかなかった原因を徹底的に追求」することが必要です。
「カイゼン」の言葉で知られるトヨタでは、WHYを5回繰り返すことで原因究明を実施しています。実行がうまくいかなかった時に、「なぜ」を自分に問い続けるのです。
例えば、営業マンの例では「論理的な本を1章読むごとにその日の商談で実践する」ができませんでした。ここでなぜできなかったのかを繰り返し自問自答していきます。
まずは十分な時間をかけたかどうかを振り返ります。もし十分な時間をかけたのであれば「なぜ時間をかけてもできなかったのか」を考えます。「障害があった」「やり方に問題があった」など、いくつか仮説が立てられるでしょう。
そこで終わりではなく、「では、なぜそうなったのか」を具体的に深掘りして考えます。
「やり方に問題があった」→集中力不足、知識不足、経験不足、本のレベルがあってなかったetc.
「障害があった」→残業で時間が取れなかったetc.
ここまで原因を突き止めて、初めて改善案を考えることができるのです。
ノートやメモに見える化すると、考えやすいでしょう。
PDCAサイクルとはそもそも何か【正確な意味を理解】
ここまではPDCAサイクルの回し方やポイントについて解説しました。しかしそもそも「PDCAサイクルとは何か」を理解していなければ、目標に近くことはできません。
PDCAサイクルの各ステップについて、改めて確認しましょう。
計画(Plan)
目標に達成するためにはどうすれば良いかをプランニングしていくステップです。
目標ができるだけ具体的であることが好ましいとされています。期日や数値的な条件を設定することで制約が生まれ、そこから課題やとるべきルートが見えてくるのです。
課題が見えたらそれを解決する大まかな方向性を決めましょう。
計画をしっかりたてることで、評価・改善ステップでの修正を少なくすることができます。
常に意識しておくべきなのは、完璧な計画を立てようとしないことです。間違っても修正すれば良いだけのことだと、前向きに考えましょう。
方向性と仮説が立ったら、その仮説を実行してします。
実行(Do)
計画の段階で、課題を解決するための仮説が上がっているでしょう。
あとは、複数の「行動」に分けて、それらを具体的な「タスクレベル」に落とし込み、実行するだけです。
タスクはこちらも可能な限り具体的なものを設定すること。例えばマラソンを完走するために「持久力をつける」ではなく、より具体的に「毎朝2km走る」というようなイメージです。
もし方法がわからないものは「今日の仕事終わりに本屋に行く」など、できるだけ早くタスクに落とし込むことを意識しましょう。
評価(Check)
計画に沿った実行が出来ていたのか進捗を把握し、成果はどうなのかを評価します。
ここまで考えたことはあくまで仮説に過ぎません。仮説とは、今ある情報の中で考えられる最適解のこと。仮説が本当に最適解なのかを頻繁に評価する必要があります。
行動をすることで様々なデータを得ることができるので、最適解は更新され続けます。
こまめに進捗を振り返り、評価することで「無駄な実行」を減らすことにつながるのです。
改善(Action)
一般的に改善と呼ばれるステップですが、「Do」と「Action」の違いが少しわかりづらいかもしれません。
その場合は「調整する(Adjust)」と考えると分かりやすいでしょう。
調整すべきものは主に3つ。「ゴール」「計画」「行動」です。
・「ゴールの調整」:情報収集と行動の結果、目指すべきものや期日を変更することもある
・「計画の調整」:実行・評価することで今まで見えてなかった課題が現れることも
・「行動の調整」:やることの優先度を変えたり、方法をより効果的なものにブラシッシュアップする。軌道修正のイメージ
PDCAの各ステップの理解を深めることで、より一層PDCAサイクルを速く・正確に回せるようになるでしょう。
PDCAサイクルはなぜ必要なのか
PDCAサイクルは手順が多く、煩わしく感じられることもあるかもしれません。
そこで、そもそもなぜPDCAサイクルのメリットを理解しておきましょう。
成長速度を早めるため
PDCAサイクルを身につけることには、成長速度が飛躍的に上がるメリットがあります。
例えるなら、PDCAを回していない人は、地図を持たずに気の向くままに歩いているようなものです。一方、PDCAを回す人は、正確な地図を持ち、最短ルートを模索しながら歩いています。目的地にどちらが早く着くかは自明でしょう。
周囲より仕事が遅い・成果がでないと悩んでいる人こそPDCAサイクルの手法を身につけるべきなのです。
不安の原因を取り除くため
不測の事態に直面したした時や、物事がうまく進まない時は、精神的に落ち込んだり不安に感じることもあるでしょう。
そんな時でも前を向いて問題に立ち向かう原動力になるものこそがPDCAサイクルです。
目標や課題に挑む時、人が不安を感じ手を止めてしまう原因は大きく分けて3つあります。
それは「ゴールが見えない」「道が見えない」「手段がわからない」です。
PDCAはこれらを明確にする手法です。ゴールを設定し、その道筋を明確にする、そして解決策を実行します。
普段からPDCAサイクルに沿って行動し続けることができれば、どんな困難に直面したとしても冷静に打開策を考えられるようになるというメリットがあるのです。
PDCAができた背景
PDCAサイクルの手法は第二次世界大戦後のアメリカで考案されました。当時アメリカは工業製品の品質向上を目指していました。そのために「統計的品質管理」という手法を元に考案されたのがPDCAサイクルなのです。
考案したのは、ウォルター・シューターとエドワーズ・デミング。ふたりともアメリカの統計学者です。デミングは第二次世界大戦後、国勢調査の実施計画を調査するために来日したこともあります。
その際、デミングがもたらした統計的手法はやがて「カイゼン」や「トヨタ生産方式」などにつながり、戦後復興と高度経済成長を支えることとなりました。
現在も多くのビジネスマンがその手法を取り入れています。
PDCAサイクルのコツが掴める本3選
鬼速PDCA
野村証券の営業マンとして活躍した著者ならではの「PDCAの極意」がまとめられています。
PDCAサイクルの基本だけではなく、「問題を因数分解する方法」や、キャパオーバーを防ぐ「工数棚卸しシート」の書き方なの、非常にレベルの高い応用的な技術が網羅されています。
PDCAサイクルをしっかりと身につけようと思った時の1冊目におすすめです。
無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい
この記事でも紹介した無印良品で採用されているノウハウを解説する本です。「報連相は必要ない」「知恵は他社から借りる」など、常識を打ち破る仕事術が紹介されています。
社内で実施した施策の具体例やルールなどは日々の業務や目標達成の参考になるでしょう。
PDCAプロフェッショナル―トヨタの現場×マッキンゼーの企画=最強の実践力
トヨタとマッキンゼーに共通する「PDCAの精度の高さ」、実践に即した効果的な方法を解説する書籍です。
トヨタのグループ企業の豊田織機製作所、マッキンゼーを経験した著者・稲田将人氏だからこそ言える「PDCA」の本質が記載されています。
さいごに
PDCAサイクルは目標達成のためのフレームワークです。そのサイクルは奥が深く複雑で、いきなりやろうと思っても途中でつまづきやすいものでもあります。
しかし1つずつ手順に沿って実施すれば、誰でも簡単にできるようになるのです。
PDCAサイクル回す際に最も重要なのは「なんのためにPDCAを回すのか」と「継続して行うこと」。そしてスタートからゴールまでの道筋を明確にすることです。
目標達成までのステップに沿って効果的な施策を検討し実施することを習慣化しておきましょう。そうすることで失敗を事前に防いだり、ビジネスであれば顧客の満足度を向上させたりと、様々なメリットがあります。
この記事で紹介したPDCAサイクルの基本的な回し方を当てはめれば、日常で出くわす様々な問題を解決できるようになるでしょう。