転職は仕事のみならず、人生や日々の生活にとっても重要なイベント。
「キャリアアップのため」「ワークライフバランスの向上のため」と転職を決断したものの、漠然とした不安な気持ちが拭えず、一歩を踏み出せないという方もいるでしょう。
転職への不安には、その原因を考えたうえで対策をすることが大切です。
そこでこの記事では、「転職が不安・怖い」と感じるおもな原因と解消法、年代別の不安の乗り越え方などを解説します。
初めての転職で不安が多い方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
「転職が不安・怖い」と感じる理由ランキング
出典元:転職が怖いと感じる理由ランキング!不安な場合の対処法7選も紹介【男女500人アンケート調査】
株式会社ライズ・スクウェアのアンケート調査(2022年6月22日~28日)によると、転職が怖いと感じている500人の「転職が怖い理由」のランキングは以下の通りでした。
- 転職先の人間関係・社風(312人)
- 転職後の仕事内容(114人)
- 収入ダウンの可能性(82人)
- 転職できない可能性(73人)
- 転職を後悔しそう(50人)
- 転職先の労働環境(45人)
- 転職活動そのものが怖い(24人)
またOpenWorkの「Z世代&ミレニアル世代の転職活動に関する意識調査(2022年12月)」によると、「転職を考えるにあたって感じる懸念や不安」として、以下の回答がありました。
出典元:OpenWork「Z世代&ミレニアル世代の転職活動に関する意識調査」 | 共同通信PRワイヤー
- 希望にあった仕事が見つからないかもしれない(37.4%)
- 転職先の社風や風土が自分に合わないかもしれない(33.1%)
- 新しい職場で良い人間関係が築けるか不安(32.0%)
- 収入が下がるかもしれない(30.9%)
- 転職先で活躍できないかもしれない(29.6%)
- 新しい企業・環境に適応できないかもしれない(22.0%)
- 現職の業務が忙しくて転職活動の時間がとれない(22.0%)
- 過去の転職で失敗した(12.8%)
- 家族や知人の反応が不安(9.4%)
- どのように企業を探したらいいかわからない(7.3%)
上記の結果は、「実際に転職している・転職した」人の回答結果です。
2つの調査結果をあわせて見ていくと、転職の不安として挙げる理由として、人間関係・仕事内容・収入に関連するものが多い印象。
また、転職に失敗する可能性・過去に失敗した経験などからくる不安もあるようです。
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転職の不安は大きく分けると2種類
転職は働く場所(企業)や業務内容はもちろん、同僚や上司などの人間関係、通勤経路などの行動範囲、勤務時間などのライフスタイルといった、生活のあらゆる面に変化をもたらします。
「自分を採用してくれる会社があるのか」「新しい職場でもうまくやっていけるか」など、転職に対して不安を感じてしまうことも無理はありません。
転職への不安は、大きく分けると「転職活動に対する不安」「転職後の不安」の2種類。
不安の原因を取り除くためにも、まずは自分が具体的に何に対して不安を感じているのかを整理してみましょう。
転職活動に対する不安
転職不安の1つ目が、転職活動そのものへの不安です。例えば、次のような不安を抱える人が多く見られます。
- 希望の会社が見つかるか
- 今の仕事と転職活動を両立できるか
- 自分のキャリアや強みを評価してもらえるか
- 面接でちゃんと受け答えできるか
- 転職先が見つからずに無職になってしまわないか
- 転職のタイミングは今でいいか
- 本当にこの業界・職種でいいか
転職活動への不安へは、自己分析でスキルや適性を整理すること、さらにキャリアカウンセラーなどの力も借りつつ自身の市場価値を客観的に判断することで、軽減・解消が可能です。
転職活動への不安への対処法については、この後で詳しく紹介していきます。
転職後の仕事・生活に対する不安
転職不安の2つ目が、転職後の生活や仕事に関する不安です。具体的には次のようなことを不安に思う人が多い傾向があります。
- 新しい職場に溶け込めるか
- 希望する仕事を担当できるか
- 残業や休日勤務などでワークライフバランスが乱れないか
- 新しい生活ペースになじめるか
- 今までのキャリアが無駄にならないか
- 5年後、10年後のキャリアアップが実現できるか
- 人間関係は良好か
転職後の仕事や生活については、実際に転職してみないとわからない部分もあるでしょう。しかし、事前に希望する企業や業界について入念に情報収集することで、ある程度は予測できます。
転職後の仕事や生活の不安への対処法については後述いたします。
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「転職活動が不安・怖い」を乗り越える4つの解消法
多くの社会人が人生で一度は経験する転職活動。2回目、3回目になると慣れてくるものの、初めての転職活動では、不安なことも多いでしょう。
「本当にこの業界・職種でいいか」「自分のキャリアや強みを評価してもらえるか」といった転職活動への不安は、自身のスキルや能力への理解を深めることで対処可能です。
ここでは、「転職活動が不安・怖い」を乗り越える4つの解消法を紹介します。
- 自己分析・キャリアの棚卸しを行う
- 企業選びの軸・優先順位を設定する
- 第三者の意見を聞く
- 内定が出てから退職する
自己分析・キャリアの棚卸しを行う
自己分析とは、自分自身の性格やスキル、人生や仕事に対する価値観などについて掘り下げていく作業を指します。
キャリアの棚卸しとは、これまでに積んできた経験や成果を整理する作業です。
これらの作業を通して自身の価値観やスキル、能力を整理をすることで、本当に今転職をするべきか、どのような企業・職種に転職すべきかの判断ができるようになります。
新卒の就職活動時に行ったという人も多いでしょうが、社会人として数年働いた後に行う自己分析は、大学生の時のものとは異なる結果になるはずです。
就活当時の分析結果が残っている場合には、その変化にも注目してみると良いでしょう。
企業選びの軸・優先順位を設定する
「給料は◯◯万円以上」「残業なし」「裁量権がある」「テレワークができる」など、転職活動においては誰しもが理想の企業を持っているもの。
しかし、残念ながら理想をすべて叶えられる完璧な会社を見つけるのは難しいのが現状です。
条件にこだわるあまりに応募する企業が見つからないという事態を避けるためにも、企業選びの軸を設定することが重要です。
あなたが仕事において重視することや、絶対に譲れないポイントを整理することで、どの条件を優先すべきかを明確にします。
例えば給与であれば希望額と最低額を決めるなど、それぞれどの程度まで妥協できるのかも考えてみましょう。
第三者の意見を聞く
自分のことは自分が一番よくわかっている、という気持ちもわかりますが、転職活動においては第三者の意見を聞くことも重要です。
一人で行う自己分析には「こうあるべき」「こうありたい」といった思い込みや理想が反映されていたり、企業選びの軸に実現不可能な条件が入っていたりするためです。
より転職活動をスムーズに進めるためにも、キャリアカウンセラーや転職経験のある人、希望する業界や企業で働いている人など第三者の意見を聞いてみましょう。
内定が出てから退職する
転職活動にかかる時間は人によって異なり、1ヶ月で終わらせる人もいれば、数ヶ月にわたって行う人もいます。
転職活動中に経済的な不安やストレスを感じないために、退職は内定が出てからにすることをおすすめします。
また、退職の準備は転職活動中でも進められます。これまでの仕事の整理をしたり、引き継ぎのための資料を作ったりなど、時期がきたらスムーズに退職できるよう準備を整えましょう。
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「内定後・転職後の不安」を乗り越える4つの解消法
希望の企業が見つかり、無事内定がでた後にも「本当にやっていけるのか」「新しい職場になじめるか」といった不安を感じることも。
このような内定から入社までの不安には、情報収集と事前準備で対応しましょう。
ここでは、「内定後・転職後の不安」を乗り越える4つの解消法を紹介。自身の不安の原因にあわせて必要なことを行っていきましょう。
- 情報収集をしっかりと行う
- 業務内容・必要スキルを確認する
- キャリアプランを明確にしておく
- 入社までに足りないスキルを習得する
情報収集をしっかりと行う
「新しいライフスタイルに適応できるか」「職場の人間関係は良好か」といった不安は、徹底した情報収集である程度判断できます。
メディアなどから得られる世間一般的なイメージにとらわれず、入念に企業や業界の研究を行いましょう。
特に次のような情報は、その企業の社風やそこでの働き方を判断する重要な材料になります。
- 勤務(残業)時間
- 有給の取得率
- 社員の平均年齢
- 社員の男女比率
- 平均年収
- 女性管理職の数
- 育休の取得率
実際にその企業で働く人の話を聞いてみると、より精度の高い情報が得られる可能性があります。
またHPなどで確認できなかったことを面接で確認するのも一つの方法です。
業務内容・必要スキルを確認する
自身のスキルや経験が評価されたからこそ内定が得られたと考えられる一方で、「本当に仕事がこなせるのか」と不安になることもあるでしょう。
募集要項で「実務経験2年」「◯◯資格保有」などの条件は確認できても、具体的に現場でどれくらいのレベルが求められるのかはわからないのも現状です。
業務内容やスキルについて気になることがあれば、面接の場で聞いてみましょう。同時に、入社後の業務のサポート体制(いきなり単独で仕事を任されるのか、一定期間はサポートがつくのか)なども確認しておくと安心です。
キャリアプランを明確にしておく
キャリアプランとは、5年後、10年後、20年後といった将来に、どのようなスキルを身に付け、どのような仕事をしたいのかなどを描いた計画のことです。
キャリアプランはあなたの社会人としての人生プランにあたるもので、企業選びや仕事選びの軸になります。
反対に言えば、キャリアプランがない状態で転職活動をすると、給与や勤務地などの目先の条件だけで就職先を決めてしまい、後で後悔してしまう可能性もあります。
そのようなことにならないよう、しっかりとキャリアプランを作成した上で、転職エージェントやキャリアカウンセラーなどに相談しながら転職を進めるようにしましょう。
入社までに足りないスキルを習得する
仕事を変えると、今までとは異なるスキルが求められることもあります。入社後にスムーズに仕事で成果を出せるように、新しい職場での業務に役立ちそうなスキルや資格は、入社までに習得しておくとよいでしょう。
スキル習得は、職種や業界を変えない転職の場合は内定獲得から入社までの期間にやっておけば間に合うこともあります。
一方、未経験職種への転職など大幅なキャリアチェンジをする場合は、転職活動を開始するまでにスキルを習得できると、面接時に熱意や本気度のアピール材料としても使えます。
【年代別】転職の不安を乗り越える方法
転職は個人の自由で何度も行うことができますが、多すぎる転職はあなたのキャリアに悪影響を及ぼしかねません。
一度入社した会社では最低でも数年は働くことを考えると、転職活動は慎重に進めたいもの。
転職活動の具体的な進め方や注意点は、年代によって異なります。ここからは、20代、30代、40代の年代別に転職を成功させるためのポイントを解説しましょう。
20代の転職
社会に出て数年が経過した20代の転職者の最大の強みは、若さです。
体力やフレッシュさに加えて、定年退職まで数十年あるため、企業もコストをかけて育成する価値がある点も評価される傾向があります。
特に第二新卒にあたる人が多い20代前半は、未経験でも応募可能な求人が豊富な点が特徴。
「ずっと憧れていた業界に入ったが理想と違った」「将来のために今のうちから将来性のある業界に転職したい」といった人は、20代前半でも思い切って転職しましょう。
社会人として5年程度の経験が積み上がってきた20代後半は、キャリアアップや年収アップの転職を狙える年代です。
20代前半よりも自分一人でできる業務が増えてきて、仕事のやりがいや楽しさも余裕を持って実感できるようになる頃でもあります。
もっとも、「転職は30代になってからでいいかも」と迷うかもしれません。
しかし、20代後半は若さと社会人としての基礎力を武器に、未経験の職種・業界にも転職しやすい時期ともいえます。
キャリアチェンジをしたい人は、このタイミングで転職に踏み出すのが良いでしょう。
20代の転職については、以下の関連記事で詳しく解説しています。
30代の転職
20代の社会人よりもさらにスキルや経験を高め、即戦力として企業からの評価も高い30代。
キャリアやスキルを棚卸しして、マネジメントスキルや交渉力などのポータブルスキルをアピールしながら転職活動に取り組みましょう。
転職市場ではまだまだ需要が高い一方、即戦力としての活躍が期待される年代です。
そのため、20代に比べると未経験職種への転職は難しくなります。大幅なキャリアチェンジを希望する場合は、30代前半までを目安に行動を起こしましょう。
また、結婚や出産など私生活においても大きな変化が訪れる人が多い年代。
適切なワークライフバランスを保つためにも「本当に転職が必要か?」「何を求めて転職するのか?」をしっかりと考えてから転職活動を開始しましょう。
30代の転職については「30代後半の失敗しない転職術!未経験・異業種への転職についても解説」も参考にしてみてください。
40代の転職
20代、30代と比較すると転職者が減る40代は、転職に対して精神的なハードルを感じる人も多いでしょう。
しかし、40代であっても転職は十分可能です。マネジメント能力や適切な判断力、問題解決力など、社会人経験が長いからこそ得られたスキルをアピールすると良いでしょう。
転職活動においては、幅広い視点で企業や業界を見ることも大切です。
例えば、金融業界での経験が豊富な人は、Fintech(フィンテック)と呼ばれる金融サービスとIT技術を組み合わせた領域でも活躍の場があるかもしれません。
IT業界では金融の他にも医療、介護、建設、運輸、人事や経理などのバックオフィスなどの業界や分野に特化した事業を展開する企業が多くあります。
これらの企業では業界知識のある経験者は歓迎されるため、「同じ業界・職種でないと仕事がない」と決めてしまうはもったいないです。
新しい仕事や働き方にもオープンな姿勢で取り組むと良いでしょう。
また、転職する企業の社員の平均年齢によっては、上司や同僚が年下である可能性も。
新しい職場に馴染めるか不安な人は、「転職先では自分は新人」と意識しましょう。
つい癖で、過去に勤めていた会社の部下へ接するような態度を年下の同僚に取ってしまうと、良好な人間関係が築けない場合があります。
これまでの地位や経験にかかわらず、まずは謙虚な態度でいることが大切です。
この記事もオススメ
転職の不安は入念な準備で解消しよう
この記事では、「転職が不安・怖い」と感じるおもな原因と解消法、年代別の不安の乗り越え方などを解説しました。
転職に不安はつきものですが、必要以上に恐れる必要はありません。不安の原因を分析し、適切な行動を取ることで、不安を軽減・解消させることができます。
また、不安な気持ちは「転職を成功させたい」という真剣な思いがあるからこその感情。
本気でキャリアや将来を考えていると前向きにとらえて、積極的に転職活動を行いましょう。
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