Webデザイナーは、Webサイトのデザインを作る人気の高い職種です。
その一方で、インターネット上では「やめとけ」と不安をあおる記事が散見されます。
そこで今回は、「Webデザイナーはやめとけ」といわれる理由、働くメリット、会社選びの注意点などを解説します。
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この記事の目次
「Webデザイナーはやめとけ」と言われる背景
本章では、「Webデザイナーはやめとけ」といわれるのは本当なのか、6つの理由をもとに解説します。
残業が多く労働環境が過酷
1つ目は、残業が多く過酷な労働環境と捉えられているからです。
そもそも、Webデザイナーの多いIT・Web業界は、基本給に一定時間分の残業代が含まれる「みなし残業」を採用する企業が多いです。
また、クリエイター職は、仕事の区切りを明確につけるのが難しく、こだわればこだわるほど残業時間が増えていきます。
さらに、クライアントワークの場合、企画・設計・開発などの各工程で納期が設定され、納期を守るために深夜まで働くこともあるでしょう。
このように、Webデザイナーは残業を前提とする働き方になりやすい職種のため、労働環境が過酷といわれるのかもしれません。
薄利多売になりやすく年収が低い
2つ目は、薄利多売で稼ぎづらい構造になっており年収が低くなりやすいからです。
国税庁の『令和元年分 民間給与実態統計調査』によると、給与所得者の平均年収は436万円でした。
また、dodaの『平均年収ランキング(職種別の平均年収/生涯賃金)』によると、2020年のWebデザイナーの平均年収は、363万円でした。
これらの結果により、Webデザイナーは全体と比較して年収が低い傾向にあると考えられます。
さらに、近年はクラウドソーシングが普及したことで、Webデザインの案件を個人で受注できる機会も多いです。
そのため、案件が多く単価が安いビジネスモデルになりやすい側面もあります。
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キャリアパスの幅が狭くなりがち
3つ目は、Webデザイナーのキャリアパスは幅が狭くなりがちだからです。
具体的なキャリアパスとしては、WebディレクターやWebプロデューサーといった、企画立案やメンバーのタスク管理などを担うディレクションメインの職種に限定されがちです。
それ以外には、Webマーケターやシステムエンジニアなどにスライドする方もいるものの、最終的にはマネジメントやディレクションに回る機会が増えるでしょう。
技術やトレンドの移り変わりが激しい
4つ目は、Webデザイン周りの技術やトレンドの移り変わりが激しいからです。
IT・Web業界は、日進月歩で成長し続けている業界であり、数年前まではメジャーといわれていた技術も、現在では使われなくなるのはざらにあります。
また、人工知能(AI)やビッグデータの活用による生産性の向上により、技術はより成長著しくなるでしょう。
そのため、Webデザイナーは日々の仕事をこなしつつ、最新技術やトレンドにアンテナを張らなければなりません。
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デザインだけではなくマルチタスクが必要
5つ目は、Webデザイナーはデザインの仕事だけではなくマルチタスクが必要になるからです。
Webデザイナーの仕事を一部まとめると、以下の通りです。
- コンテンツの企画・提案
- UI・UXの施策提案
- SEOの施策提案
- Webサイトのデザイン設計
- Webサイトに載せる画像の選定・作成
- Webサイトのコーディング
- 外注する場合は外注先の選定・手配
- 書類作成(見積書・請求書など)
上記の通りで、決してWebサイトのデザイン作成だけではありません。
また、Webデザイナーは1人で黙々と作業するわけではなく、クライアントと一緒に課題や施策を掘り下げつつ、最適な提案を導き出さなければなりません。
資格が必要ないのでなり手が多い
6つ目は、Webデザイナーに資格は必要なく人材確保に事欠かないことです。
Webデザイナーは、医師や弁護士のように資格が必要な職種ではありません。
また、クラウドソーシングやテレワークの普及により、パソコン1つあれば学生や主婦でも簡単なWebデザインの仕事を受注できます。
そのため、Webデザイナーはなり手が多く人材確保が容易なのも、薄利多売につながる要因と考えられます。
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Webデザイナーになるメリット
本章では、Webデザイナーになるメリットを4つのポイントに分けて解説します。
手に職がついて仕事に困らない
1つ目は、Webデザインのスキルを身につけることで手に職がついて仕事に困らないことです。
スマートフォンが普及し、いつでもインターネットにつながる時代になったことで、Webデザインに触れる機会は格段に増えました。
これにより、Webデザインに関わるスキルは業界を問わず求められる機会が増えるでしょう。
したがって、Webデザインのスキルがあると、仕事の幅が広がったり、転職や独立などを大きく後押ししてくれるでしょう。
Webデザイナーの需要が今後も見込める
2つ目は、Webデザイナーの需要が今後も見込めると予想できるからです。
新たな通信規格である「5G」の到来やWi-Fiスポットの整備などにより、いつでも快適にインターネットにつながれる土壌が整いつつあります。
さらに、現在のコロナ禍による状況も踏まえれば、インターネットを通じたビジネスやコミュニケーションはより増えるでしょう。
すると、Webサイトやインターネット広告などの需要が増えると予想できるので、Webデザイナーの需要も比例して増えるはずです。
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スキルや経験で単価・年収アップが見込める
3つ目は、Webデザイン周りのスキルや経験によって受注単価・年収アップが見込めるからです。
前述したように、Webデザインのスキルは業界を問わず求められる機会が増えるでしょう。
それに加えて、Webマーケティングの経験、個性的なデザインセンス、営業スキルなど、ほかのWebデザイナーにはない付加価値があれば、給与を上げるチャンスが広がります。
逆にいえば、最低限の知識やスキルしか持ち合わせていないならば、単価・年収アップは見込めません。
独立して自由な働き方ができる
4つ目は、フリーランスとして独立して会社に縛られない自由な働き方ができるからです。
前述したように、クラウドソーシングが普及したことで、個人で案件を受注できる機会が増えました。
また、SNSを通じて個人から仕事を受注する機会も同様に増えています。
フリーランスになれば、会社のあらゆる縛りから解放され、満員電車や職場の人間関係に悩むこともなくなるでしょう。
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Webデザイナーとして成功するために身につけたいスキル・知識
本章では、Webデザイナーとして成功するために身につけたいスキルや知識を6つ紹介します。
デザインセンスを継続して磨く
1つ目は、デザインセンスを継続して磨き続けることです。
クリエイティブな仕事が求められるWebデザイナーにとって、デザインセンスは欠かせない要素といえます。
デザインセンスを磨く方法をまとめると、以下の通りです。
- インプットの量を増やす:参考書やアートブックを読む、美術館に足を運ぶなど
- アウトプットの量を増やす:デザインをInstagramやPinterestに投稿する、個展を開くなど
- プロのクリエイターと交流する:SNSやセミナーを通じて知り合う、Web業界で働くなど
前述したように、Web業界は移り変わりが激しいです。
そのため、デザインセンスを継続して磨くのは大変である一方で、成功すれば時代の先端を走る存在として活躍できるでしょう。
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デザインツール(Photoshop・Illustrator)の操作スキル
2つ目は、Webデザインに必要なデザインツールの操作スキルです。
特に、画像編集ソフトの「Photoshop」とイラスト作成で使う「Illustrator」は、Webデザイナーならば必ずといっていいほど使うツールです。
納品形式をPhotoshop・Illustratorに限定する案件も多いので、最低限の操作スキルは学習しましょう。
また、Webサイトの構築によく使われる「WordPress」や「Dreamweaver」などの知識も状況に合わせて必要になるでしょう。
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HTML・CSS・JavaScriptスキルは必須
3つ目は、Webデザイナーに最低限必要なプログラミングスキルです。
HTML・CSS・JavaScriptの3つは、Webサイトを構成するプログラミング言語ですから、必ず覚えておきましょう。
それぞれの役割を簡単に説明すると、以下の通りです。
- HTML:「Hyper Text Markup Language」の略称で、Webページを構成する文章や画像などを定義するためのマークアップ言語
- CSS:「Cascading Style Sheets」の略称で、Webページの配色やレイアウトを定義するための言語
- JavaScript:Webページにアニメーションやポップアップなどの動的表現を加えるための言語
上記に加えて、サーバーサイド言語の「PHP」やJavaScriptのライブラリである「jQuery」などの経験があれば、プログラマー的観点も持ち合わせた人材として、付加価値を高められるでしょう。
UI・UXの知識
4つ目は、Webサイトを構築する上で重要な要素であるUI・UXの知識です。
UIは「User Interface」の略称で、Webサイトのレイアウトやフォントといった、ユーザーとの接点を指します。
UXは「User Experience」の略称で、Webサイトを通じてユーザーが得られる体験を指します。
これらは、ユーザーが快適にサービスを利用する上で重要な要素であり、WebデザイナーはUI/UXデザインを考慮した設計が必要です。
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マーケティング・SEOのノウハウ
5つ目は、集客に必要なマーケティング知識とSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)のノウハウです。
ほとんどのWebサイトには、「ファッションに敏感な20代の女性」や「筋トレに興味がある男性」のように、ターゲット層を設定します。
また、収益化や商品の販売促進を目的とするなら、アクセス数・広告のクリック率・コンバージョン率などを考慮した設計が必要です。
したがって、マーケティングやSEOの観点からクライアントに提案できるWebデザイナーになれば、付加価値が高い人材として活躍できるでしょう。
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企画力・提案力・コミュニケーション力
6つ目は、仕事の受注や仕事を円滑に進めるのに重要な企画力・提案力・コミュニケーション力です。
Webデザイナーは、クライアントが抱えている課題を明確にして、その課題を解決できる最適な提案を出さなければなりません。
まずは、クライアントと積極的にコミュニケーションをとり、悩みや課題を聞き出すのが第一歩です。
積極的に企画・提案を出せる人材になれば、信頼関係や人脈の構築につながり、任せられる仕事の幅も広がるでしょう。
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「やめとけば良かった」とならないための会社選びの注意点
本章では、「Webデザイナーになるのはやめとけば良かった」と後悔しないための会社選びの注意点を、3つのポイントに分けて解説します。
自社事業を持っている企業も探してみる
1つ目は、自社で事業を持っている会社も探してみることです。
事業会社を選ぶメリットとしては、以下の通りです。
- 自社サービスを持っているので、1つの企画に深く関われる
- Webデザインのみならず、サービス運営に関わるさまざまな経験を積める
- リーダー業務やディレクター職などの経験も積める
ただし、自社サービスのWebデザインがメインなので、幅広いデザインに関わる機会は少ないかもしれません。
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薄利多売のWeb制作会社は避ける
2つ目は、薄利多売といわれているWeb制作会社はなるべく避けることです。
現在は、大規模から小規模まで数多くのWeb制作会社が乱立しています。
また、Webデザインは案件が多く単価が安い薄利多売のビジネスモデルになりやすいと説明しました。
最新技術を身につけられる、さまざまなデザインに関われるというメリットはあるものの、安定して働き続けるのは難しいかもしれません。
仕事と家庭を両立している社員がいるか確認する
3つ目は、仕事と家庭を両立している社員がいるかどうか確認することです。
これは、ワークライフバランスが取れている会社かどうかを見極める上で、重要な指標です。
また、産休・育休制度や家族手当などの福利厚生が充実しているかどうかも、見ておくとよいでしょう。
まとめ
「Webデザイナーはやめとけ」といわれる理由、働くメリット、会社選びの注意点などを解説しました。
個人差はあるものの、Webデザイナーに特有の背景から不安をあおる記事は多く、実際Webデザイナーとして成功するには多大な努力が必要でしょう。
しかし、Webデザイナーに関わらず、どんな仕事においても一定の覚悟や努力が必要なのは共通しています。
これからWebデザイナーを目指す方は、ご紹介したメリットや身につけるべきスキルを参考に、入社前から準備を進めておきましょう。
そして、入社後は目標設定や将来像を明確にしつつ、目標達成に必要なスキルを高めていきましょう。
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