「ITエンジニアは稼げるって本当?」
「未経験からのエンジニア転職でも年収は上がるの?」
現在のあなたは、このように考えていませんか?
この記事ではITエンジニアの平均年収やITエンジニアの年収に差がつくポイント、未経験からITエンジニアになって年収を高める方法などを紹介していきます。
稼げるITエンジニアになりたいという方はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
未経験からエンジニア転職したら年収は上がる?
結論からいうと、ITエンジニアの平均年収は比較的高いですが、経験の年数と持つスキルによって年収に差が出ます。前職の収入によっては、上がったと実感できるケースも多いでしょう。
ではITエンジニアの平均年収はどれくらいで、全体の平均年収との差はどれくらいあるのでしょうか。以下で解説していきます。
- ITエンジニアの平均年収は452万円
- ITエンジニアの年収分布には幅がある
- 年齢が上がると年収も上がる
ITエンジニアの平均年収は452万円
出典元:転職サイトdoda
転職サイトdodaが2022年9月~2023年8月の1年間に調査したデータによれば、2023年時点のITエンジニアの平均年収は約452万円となっています。
また2018年からの推移を見てみると、以下のようになります。
- 2018年:456万円
- 2019年:457万円
- 2020年:452万円
- 2021年:438万円
- 2022年:442万円
- 2023年:452万円
いずれも全職種合計よりも40万〜50万円高い水準となっています。
ITエンジニアの年収分布には幅がある
一方、ITエンジニアの年収分布を表したグラフは以下の通りです。
出典元:転職サイトdoda
最もボリュームが高いのは300〜400万円未満で、次いで400〜500万円未満、300万円未満となっています。また全体の2.5%ではありますが、年収1,000万円以上も。
そのためITエンジニアの年収は、勤める企業・スキル・扱えるプログラミング言語・経験によって差があるとみられます。
年齢が上がると年収も上がる
出典元:転職サイトdoda
ITエンジニアの年代別平均年収を見てみると、20代の平均年収は380万円となっています。ただし30代になると512万円にアップしており、20代との差は約130万円。
ITエンジニアは35歳まではスキルレベルの高さ、35歳以降はマネジメント能力の高さが年収に関係する傾向があるとされています。
それではITエンジニアの中でも、年収に差がつくポイントとは何でしょうか。次の項目から紹介していきます。
ITエンジニアの年収に差がつく5つのポイント
前章でご紹介したデータの通り、ITエンジニアの平均年収には幅があります。それでは、年収に差が発生するポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、ITエンジニアの年収に差がつく5つのポイントを解説します。
- 企業規模
- 業界
- 職種
- 保有資格
- 習得言語
企業規模
ITエンジニアに限らない話ではありますが、企業規模によって平均年収には差が発生しやすいです。平均年収.jpによると、システムエンジニア(SE)の大企業・中企業・小企業それぞれの平均年収は以下のようになっています。
- 大企業:638万円
- 中企業:528万円
- 小企業:479万円
このデータを見る限り、中小企業と大企業との間には100万円以上の年収差があることに。この年収差は、一般的に20代後半から大きくなると言われています。
ではこのような企業規模による年収差はなぜ発生するのでしょうか。それは、大手企業にはブランドを生かした戦略を展開する力があり、取り扱う案件も大型なものが多いためです。
大型案件に携わることができれば、ITエンジニアとして大きな実績となり、キャリアアップの際にも効果的に働きます。
業界
ITエンジニアは、所属する業界によっても平均年収に差が出ます。平均年収.jpのデータによると、システムエンジニアの業界別平均年収は以下のようになっています。
- 金融・保険業:1664.3万円
- 情報通信業:1182.9万円
- 教育、学習支援業:1057.2万円
- 医療・福祉:878.2万円
- 卸売・小売業:770.4万円
- 建設業:758.9万円
- 製造業:661.1万円
- 生活関連サービス業・娯楽業:574.0万円
- 宿泊業・飲食サービス業:448.8万円
- 運輸業・郵便業:408.1万円
(その他:458.5万円)引用元:平均年収.jp
金融業界のITエンジニアの平均年収が高い傾向にあるのは、そもそも金融業界の平均年収が高いことにも起因します。転職サイトdodaを見てみると、金融の平均年収は10の業種分別の中でトップの469万円(2023年12月時点)でした。
また金融業界はIT投資に積極的であることも原因の1つとして考えられるでしょう。
出典元:日本情報システム・ユーザー協会
日本情報システム・ユーザー協会が実施した「企業IT動向調査報告書2020」によると、企業に情報技術に関する役員である最高情報責任者(CIO)を置いている企業は金融で突出して高く、IT技術の積極的活用も、社会インフラと並んで活発であることがデータとして出ています。
出典元:日本情報システム・ユーザー協会
ではなぜ金融業界ではIT投資が活発なのかというと、高度な計算システムが必要となるケースが多いため。例えば金利計算・信用計算・FXの余力計算などに必要なシステムには、高い要件が求められます。
このような金融業界のハードルの高いシステム要件を設計・実装するエンジニアには、その分高いスキルが求められ、結果、トップクラスの市場価値を得られるのです。
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職種
転職サイトdodaによると、ITエンジニアの職種別の平均年収は高い順に以下のようになっています(2024年2月時点)。
- プロジェクトマネジャー:691万円
- プリセールス:609万円
- ITコンサルタント:602万円
- IT戦略/システム企画:600万円
- セキュリティコンサルタント/アナリスト:597万円
- 研究開発:562万円
- データサイエンティスト:532万円
- セキュリティエンジニア(脆弱性診断/ネットワークセキュリティ):487万円
- システム開発/運用:472万円
- パッケージ導入/システム導入:469万円
引用元:転職サイトdoda
最も年収の高い「プロジェクトマネージャー」とは、プロジェクトの責任者。スキルの高さや知識の豊富さに加え、マネジメントスキルも求められる職種です。
次いで年収の高い「プリセールス」は、システム導入の際に営業に同行し、IT知識を活かしてサポートを行うエンジニア。3位の「ITコンサルタント」は、企業の経営における課題に対してIT技術を活かした解決策を提案する職種です。
これら年収の高いITエンジニア職種は、システムエンジニアなどとして一定の経験を積んだのち、キャリアアップの道として上がることが多い職種です。
つまりITエンジニアとしてキャリアアップし、年収を高めるためには、プログラミングスキルなどの専門スキルはもちろん、マネジメントスキルなども高める必要があることが分かるでしょう。
ITエンジニアが年収を高めるために必要なスキルについては、記事後半でも詳しく解説しています。
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保有資格
ITエンジニアは保有する資格によって年収に差が発生するケースもあります。なぜなら企業の中には保有資格によって資格手当が発生するためです。
リクナビNext Tech総研が行ったアンケート調査(2008年調査)によると、IT関連の資格で資格手当や合格報奨金がもらえるものとして回答が多かったのは、国家資格である以下の資格でした。
- 基本情報技術者
- ソフトウェア開発技術者(現 応用情報技術者試験)
- 初級シスアド(現 ITパスポート)
- テクニカルエンジニア(現 情報処理安全確保支援士)
引用元:リクナビNext Tech総研
同調査によると民間資格でも資格手当が出るという回答はあったものの、国家資格と比較すると少ない傾向でした。また中には合格報奨金の平均額が10万円以上の資格も。
【合格報奨金の平均額が10万円以上のIT系資格】
- CCIE-RS(現 CCIE Enterprise Infrastructure):15万円
- システムアナリスト(現 ITストラテジスト):14万9500円
- プロジェクトマネージャ:12万5952円
- システム監査技術者:12万833円
- 上級シスアド(現 ITストラテジスト):11万2895円
- ORACLE MASTER platinum:10万円
引用元:リクナビNext Tech総研
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習得言語
(※言語はアルファベット順に掲載/赤枠:年代別最高年収/青枠:年代別最低年収)
出典元:TECH Street
ITエンジニアは習得言語によって年収に差が出る場合もあります。TECH Streetの調査(2020年)によると、20代〜40代で最も平均年収が高いプログラミング言語は「R」で、50代で最も平均年収が高いプログラミングが言語は「C++」でした。
各年代のTOP3のプログラミング言語とその平均年収を以下にまとめましたのでご覧ください。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | |
1位 | R (476万円) |
R (569万円) |
R (753万円) |
C++ (635万円) |
2位 | Scala (440万円) |
Go (562万円) |
C++ (633万円) |
Java (629万円) |
3位 | Objective-C (407万円) |
Perl (555万円) |
Python (624万円) |
C (621万円) |
参照:TECH Street
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ビッグデータ解析で使用される「R」
20代〜40代で平均年収トップとなったR言語は、ビッグデータ解析・機械学習・AI開発に関するプログラミング言語。データサイエンティスト・データアナリスト・機械学習エンジニアといった職種が使用することで知られます。
データサイエンティストは前述した年収ランキングでも6位にランクインしており、ITエンジニアの中でも年収が高い職種であることが分かります。
またREPORTOCEANによると、世界のビジネス分析市場は2020年から2027年にかけて10.90%を超える健全な成長率が見込まれており、ビジネス分析市場に携わるデータサイエンティストなどのエンジニアの需要は今後も高い水準をキープすると考えられます。
また国内では深刻なIT人材不足が続いており、アメリカのガートナー社によると日本のデータサイエンティストは将来的に25万人不足すると予測。そのためR言語を扱うようなビッグデータ解析を担うエンジニアは市場価値が高く、年収も上げやすいと考えられます。
参考元:ビッグデータ分析に人材の壁、25万人不足見通し|日本経済新聞
IoT開発に活用される「C++」
一方50代の平均年収ランキングで1位となった言語C++は汎用性が高く、習得すると活躍できるフィールドが広いとされている言語です。具体的には車の自動運転システム開発、ロボット開発、スマホアプリやゲームなどのバックエンド開発に使用されます。
中でも注目すべきはIoT開発に活用される点です。IDC japanの調査によると、国内IoT市場は2019年から2024年にかけて年間平均成長率10.3%で成長すると予測されています。
一方でC++は習得難易度が高く、今後は扱うエンジニアが不足するとも予測されています。そのためC++を扱うITエンジニアの市場価値は高い傾向にあると考えられます。
稼げるITエンジニアになるために獲得したいスキル
稼げるITエンジニアになるためには、以下のようなスキルを獲得することをおすすめします。
- 先進ITスキル
- キャリアアップに必要なスキル
先進ITスキル
稼げるITエンジニアになるためには、今後も需要が高いスキルを身につける必要があります。今後も需要が高いスキルとして挙げられるのが、以下の3つのスキルです。
- ビッグデータ
- IoT
- AI(人工知能)
先ほど紹介した「平均年収が高いプログラミング言語」と照らし合わせても、これらのスキルが重要であることは理解できるでしょう。
ビッグデータ解析やIoT・AI開発は今後のIT市場の成長になくてはならない分野であり、それに携わるエンジニアの需要も高い水準が保たれると予測されます。
キャリアアップに必要なスキル
ITエンジニアとなって年収を高めるには、キャリアアップも求められます。エンジニアのキャリアアップに必要なスキルとしては、以下の3つが挙げられます。
- コミュニケーションスキル
- マーケティング
- マネジメント
例えば、前述した「平均年収が高いITエンジニア職種」の上位に入ったプロジェクトマネージャー・プリセールス・ITコンサルタントも、以上のようなスキルが求められます。
まずコミュニケーション能力についてですが、例えばITコンサルタントの場合、クライアントの課題を洗い出したり、IT知識にあまり詳しくないクライアントとのコミュニケーションをはかったりする際に重要。
続いてマーケティングについては、例えばシステム開発の上でマーケターと円滑なコミュニケーションを行うのに役立ったり、顧客のニーズに合ったサービス開発に役立ったりします。
マネジメントスキルは、特にプロジェクトマネージャーにとって重要。開発に携わるエンジニアやWebデザイナーといったメンバーの進捗を管理し、スケジュールに合わせて仕事の割り振りを決定する際に、マネジメントスキルは不可欠といえるでしょう。
未経験からITエンジニアになって年収を高めるには
ではこれから異業種からITエンジニアとなり、年収を高めるにはどうしたらいいのでしょうか。具体的には以下のようなステップを踏むことになります。
- プログラミミングスキルを習得する
- 転職活動を行う
- 転職後もスキルアップを継続する
プログラミミングスキルを習得する
ITエンジニアにプログラミングスキルは不可欠です。前述したような年収の高い傾向にある職種(プロジェクトマネージャー・プリセールス・ITコンサルタントなど)も、プログラミングの知識がなければなかなか務まりません。
プログラミングスキルを習得する方法としては、以下のようなものがあります。
- 独学(書籍やWebサービスを活用)
- 専門スクールで学ぶ
コストがかからない方法は独学ですが、未経験からプログラミングを始める場合は環境構築から戸惑うことも多く、実際に学習に進むまでに時間を要することも多いです。また今の仕事を続けながら転職活動とプログラミング習得を並行するのはなかなか厳しいでしょう。
なので一時的なコストはかかりますが、専門スクールでプログラミングを学んだほうが学習スタートまでのハードルが低く、初学者向けの学習コンテンツで学べるメリットがあります。
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転職活動を行う
未経験からのエンジニア転職を成功させるには、ゴールを明確にして転職活動を行うことが大切です。
- エンジニアになりたいと思ったきっかけは何なのか
- エンジニアになってどのようなことを達成したいのか
以上のようなことを明確にし、ゴールを叶えられる企業を探す必要があります。
また未経験からIT業界に転職する場合は、IT業界の仕組みを理解する必要もあるでしょう。以下の記事ではIT業界の4つの分野や代表的な職種について紹介しているので、あわせて参考にしてください。
▶️【初心者向け】IT基礎知識を解説!IT業界やIT技術の基本をおさえよう
転職後もスキルアップを継続する
「エンジニアになること」をゴールにしていると、稼げるITエンジニアにはなれないかもしれません。なぜならIT技術のトレンドは絶えず変化しているため。
変化が激しい業界に身を置くのであれば、自分もスキルを磨き変化に対応していく必要があります。「IT業界は学び続けられる人が活躍する世界」と考えておきましょう。
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未経験からITエンジニアになって年収アップした人の声
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※1. 2019年7月12日から2019年8月25日迄
※2. 所定の学習および転職活動を履行された方に対する割合。 2016年9月1日〜2020年12月31日の累計実績
※3 2016年9月1日から2020年12月31日迄
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