「コーディングとプログラミングの違いは?」と聞かれて、答えられる人は多くないでしょう。
そこで今回は、初心者向けにコーディングとは何か、プログラミングとの違いを解説します。
また、コーディングを学ぶ方法やスキルアップのコツなども合わせて紹介します。
※本記事は、現役エンジニアが監修した記事です(2021年11月)
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この記事の目次
コーディングとは?
コーディングの具体例を挙げると、以下の通りです。
- HTMLを用いてWebページのレイアウトの構成・画像の挿入・文字の表示を行う
- CSSを用いてWebページの背景色・文字フォント・画像サイズを変更する
- PHPを用いてWebページで選択した商品を購入する内部処理を作成する
- 完成したソースコードをテストコードを用いてテストする
- テストで発見したバグを修正する
ちなみに、HTMLはマークアップ言語、SQLはデータベース言語であり、厳密にいえばプログラミング言語ではありません。
しかし、コードを記述するという点においてプログラミング言語と共通しています。
そのため、コンピュータ言語の種類に関わらず、ソースコードを作成する行為を総称してコーディングと呼ぶのが一般的です。
コーディングとプログラミングの違い
ここで、Webサイトの制作過程を簡易的に説明すると、以下の手順を踏みます。
- Webサイトの設計書を作る
- 設計書をもとにソースコードを作成する
- ソースコードをテストする
- バグを発見した場合は修正する
- 再テスト
- プログラムの完成
このうち、プログラミングは1〜6のすべての工程に該当し、コーディングはソースコードの作成に関わる2〜5に該当します。
したがって、コーディングはプログラミングの構成要素の1つと捉えておきましょう。
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コーディングに必要な知識・スキル
プログラミング言語の基礎知識
1つ目は、プログラミング言語の基礎知識です。
Webサイトを作るなら「HTML/CSS/JavaScript」、iOSアプリを作るなら「Swift」といったように、作りたいものによって、選択するプログラミング言語は変わります。
また、プログラミング言語は1から10まで覚えようとせず、基本構文にとどめて後は作りながら慣れていくのがセオリーです。
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開発環境の構築・操作スキル
2つ目は、開発環境の構築・操作スキルです。
初心者にとって開発環境の構築はハードルが高いイメージですが、必要なソフトウェア群がパッケージ化されたIDE(統合開発環境)を使えば、構築自体はさほど難しくありません。
また、IDEには開発者をサポートする補完機能やプラグインがついており、コーディングの生産性を飛躍的に向上できます。
そのため、使用するプログラミング言語に合わせたIDEを用意して、使いやすくカスタマイズしつつ活用するのがおすすめです。
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コーディング規約・ルールに関する知識
3つ目は、コーディング規約・ルールに関する知識です。
例えば、句読点が1つもない、段落分けも一切ない文章を読むのは、非常に一苦労でしょう。
これと同様に、コーディングにおいても規約・ルールがあり、理解した上でソースコードに落とし込むのが鉄則です。
規約・ルールを守ることで、ほかの人がソースコードを見たときに一目で内容を理解できる、バグの早期発見につながる、メンテナンスの負担を軽くできるなどのメリットがあります。
バージョン管理システムの操作スキル
4つ目は、バージョン管理システムの操作スキルです。
バージョン管理システムとは、コンピュータ上にあるソースコードやドキュメントファイルなどの変更履歴を管理するシステムを指します。
変更履歴を管理すると、1つのファイルを複数人で編集した際に、ファイルの競合(コンフリクト)を防いだり、過去バージョンに戻すなどの作業が可能です。
バージョン管理システムで代表的なのは、「Git」や「Apache Subversion(SVN)」などです。
ソースコードは、バージョン管理システムで記録するのが大前提なので、基本的な操作方法は必ずおさえておきましょう。
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タイピングスキル
5つ目は、パソコンのタイピングスキルです。
コーディングを効率よく行うには、ある程度のタイピングスピードが求められます。
ただし、タッチタイピング(ブラインドタッチ)までのスキルは必要ありません。
あくまで、快適にコーディングができる範囲のタイピングスキルがあればよいです。
タイピングの練習には、楽しく学べる無料のタイピングゲームがおすすめです。
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CMSに関する知識
6つ目は、CMSに関する知識です。
CMSとは、「Content Management System」の略称で、日本語に訳すと「コンテンツ管理システム」と呼ばれる、Webサイトの作成・管理を支援するツールを指します。
最も有名なCMSは、オープンソースのWeb制作ツールである「WordPress」です。
CMSに関する知識は、コーディングにおいて必ずしも必要というわけではありません。
個人ブログの作成やWeb制作の案件を受注する場合は、必要最低限の知識としてWordPressの操作スキルを習得しておくべきでしょう。
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コーディングを学ぶ方法
プログラミング独学のやり方に沿って学ぶ
1つ目は、プログラミング独学のやり方に沿って学ぶことです。
一般的に、初心者がプログラミングを学んでアプリを開発できるレベルに成長するには、300時間の学習時間が必要といわれています。
さらに、業務レベルのプログラミングができる人材に成長するには、1000時間を要するともいわれています。
したがって、個人差はあるものの、コーディングは一朝一夕で身につくものではないため、独学のロードマップに沿って学習することが不可欠です。
関連記事にて、プログラミング独学の勉強法や効率的に進めるコツを紹介していますので、参考にしてみてください。
学習本やオンライン学習サイトを活用する
2つ目は、学習本やオンライン学習サイトを活用することです。
学習本は、選択したプログラミング言語が学べるもの、アプリ開発の基礎が学べるものなど、独学の目的に沿ったものを選びましょう。
オンライン学習サイトは、「Progate」や「ドットインストール」など、一部無料で学べるものから始めてみるのがおすすめです。
関連記事にて、おすすめの学習サイトを紹介していますので、参考にしてみてください。
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初心者はとにかくコードを書きまくる
3つ目は、初心者はとにかくコードを書き続けることです。
コーディングは、座学よりも実際にコードを書いて経験を積む方が、成長スピードが速いです。
したがって、初心者は「習うより慣れろ」の精神で、サンプルコードの模写や簡単なWebアプリの開発を通して、アウトプットを意識してみましょう。
独学で挫折しそうならスクールで学ぶのもあり
4つ目は、独学で挫折しそうならプログラミングスクールも検討することです。
目標の達成に必要なスキルが分からない、開発環境の構築が難しい、エラーの解決方法を見つけられないなどの理由から、独学に挫折する人は多いです。
特に、転職やフリーランスがゴールの場合、1人で続けるのは限界があるかもしれません。
スクールで学ぶ場合、講師の方とマンツーマンで効率よく学べるだけでなく、転職サポートや案件獲得などのサポートも充実しています。
したがって、確実にコーディングスキルをモノにしたい方は、スクールも選択肢の1つとして残しておくとよいでしょう。
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コーディングスキルを高めるコツ
ソースコードを共有・公開する
1つ目は、ソースコードを共有・公開することです。
共有・公開により、世界中のエンジニアと情報共有ができる、フィードバックをもらえる、コミュニティ形成などの機会を得られるでしょう。
ただし、情報セキュリティの観点から、参考元のソースコードをそのまま公開する、個人情報が含むソースコードを公開するといった行為は、くれぐれも行わないよう注意してください。
周辺スキルを習得する
2つ目は、コーディングに付随する周辺スキルを習得することです。
具体例を挙げると、以下の通りです。
- 設計系:基本設計、詳細設計、クラス図、シーケンズ図、フローチャートなど
- コーディング系:デザインパターン、関数型、手続き型、オブジェクト指向など
- テスト系:ホワイトボックス・ブラックボックスのテストケース作成など
- その他:セキュリティ、ネットワーク、クラウドサービスに関する知見など
上記の通りで、周辺スキルを習得すると多角的な視野で効率のよいコーディングができるため、成長スピードも上がるでしょう。
勉強会やセミナーに参加する
3つ目は、勉強会やセミナーに参加することです。
イベントに参加することで、最新の技術トレンドに触れられる、人脈作りにつながる、学習意欲の向上などにつながります。
また、プレゼンやLT(ライトニングトーク)などのスピーカー側に立つと、エンジニアとしての自信もついてより成長を感じられるはずです。
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質問サイトにQ&Aを投稿する
4つ目は、質問サイトにQ&Aを投稿することです。
質問サイトを活用することで、疑問点を早期に解決できる、足りない知識を補える、独学の自走力が身につくなどのメリットを得られます。
また、回答側に立つことで、知識の整理や小さな成功体験の積み重ねによる学習意欲の底上げにもつながるでしょう。
関連記事にて、おすすめの質問サイトを紹介していますので、参考にしてみてください。
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コーディングの案件を受注する
5つ目は、コーディングの案件を受注することです。
より実践的なスキルをつけるなら、クラウドソーシングでWebデザインやWebサイトの制作案件を獲得してみるのがよいでしょう。
案件をこなせば、コーディングスキルを活かした在宅ワークや副業につながるはずです。
コーディング関連の案件を探すには、初心者は「クラウドワークス」や「ランサーズ」から始めてみるとよいでしょう。
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IT企業に入社する
6つ目は、IT企業に入社することです。
エンジニアとして実務経験を積むことで、コーディング以外の周辺スキルや汎用的に使えるビジネススキルも身につきますから、一石二鳥ともいえます。
ただし、企業が求める人材と自分のスキルセットがミスマッチであると、やりたい仕事ができず、心理的なストレスを抱える要因につながります。
したがって、企業選びはエンジニア人生を大きく左右するので、慎重に行いましょう。
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コーディングができる仕事
コーダー
コーダーとは、設計書をもとにプログラミング言語を使ってコーディングを行う職種です。
おもに、「HTML/CSS/JavaScript」を使ったWebサイト制作のコーディング業務が多く、必要とするスキルは限定的です。
しかし、Webデザイナーが用意したWebデザインを忠実に再現できる高いコーディングスキルが必要なため、責任感のある仕事といえるでしょう。
テスター・デバッガー
テスター(デバッガー)とは、テストケースをもとにアプリケーションのバグを見つけ、バグや不具合を修正する役目を持つ職種です。
場合によっては、テストケース・テストデータ・テストコード(スタブ・ドライバなど)の用意も行うため、一定のコーディングスキルも要求されるでしょう。
また、テスト結果の詳細をまとめてプログラマーに報告するなど、エンジニア間の円滑なコミュニケーションも必要です。
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プログラマー
プログラマーとは、システム開発現場において、おもにプログラミング言語を用いた開発業務に携わる職種を指します。
コーダーとの違いは、「HTML/CSS/JavaScript」以外にも、各プロジェクトで要求される言語を使って開発業務に携わるという点です。
そのため、WebアプリならRuby/PHP、汎用系システムならJava/C#といったように、現場に合わせたプログラミングスキルが要求されます。
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Webデザイナー
Webデザイナーとは、企業のコーポレートサイトや自社のWebサイトのWebデザインを担当する職種です。
クライアントの要望をもとにデザインを設計し、形が決まれば開発メンバーを集めて設計書をもとに実装に入ります。
そのため、Webデザインに関する知識はもちろん、Webサイト制作に関わるコーディングスキル、マネジメントスキルなども要求されます。
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システムエンジニア
システムエンジニアとは、おもにシステム開発における上流工程を担当する職種です。
上流工程とは、システムの機能要件をまとめる「要件定義」、要件定義をもとにシステム設計を設計書に落とし込む「外部設計」「内部設計」が該当します。
しかし、実際は開発・テスト・リリースなどの下流工程まで担当するシステムエンジニアも非常に多いため、幅広い知識が必要です。
難易度は高い分、得られる経験値は非常に多いため、プログラマーが次に目指すべきキャリアパスの1つでもあります。
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セールスエンジニア
セールスエンジニアとは、営業とエンジニアの両方の特徴をあわせ持つ職種です。
セールスエンジニアの業務範囲は非常に広く、活躍する業界・企業によってさまざまです。
例えば、自社サービスを展開するIT企業の場合、客先にて自社サービスの営業活動のほか、契約後の導入サポートや自社のエンジニアへ不具合の共有などを行います。
また、顧客の要望や課題を吸い上げて、解決手段を提案するといったITコンサル業務に携わることもあります。
高い専門性と営業力が要求される反面、会社の顔としてさまざまな人と関わって仕事ができるため、やりがいも非常に多いでしょう。
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コーディングとは何かを理解してプログラミングに活かそう
コーディングとは何か、プログラミングとの違い、コーディングを学ぶ方法、スキルアップのコツなどを紹介しました。
コーディングとは何かをまとめると、「プログラミング言語を用いてソースコードを作成すること」を指すIT用語です。
興味関心のある方は、コーディングを通してプログラミング学習を始めてみましょう。
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