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ソーシャルワーカーとは?資格・年収・仕事内容を解説

更新: 2021.10.20

ソーシャルワーカーとは、どんな職業なのだろう?
ソーシャルワーカーになるには、どんな資格やスキルが必要?
ソーシャルワーカーについてわかりやすく教えて!

介護・医療・教育分野において、社会福祉の視点から問題解決を支援するソーシャルワーカー。

何となく介護福祉に関わる職業だとイメージするものの、具体的な仕事が何なのかわからないという方も多いでしょう。

そこで本記事では、ソーシャルワーカーの意味・資格・年収・仕事内容などを解説します。

ソーシャルワーカーとは?簡単に解説

ソーシャルワーカーとは、簡単にいうと「生活する上で困難な問題を抱える方々を社会福祉の観点からサポートする人」を指す職業です。

ソーシャルワーカーは、携わる業界や勤務先によって役割が変わり、共通する仕事のほかにも業務は多岐に渡ります。

また、サポート内容によっては学校・病院・警察などとも連携して問題解決に当たります。

そのため、問題解決能力や社会的能力が求められる職業です。

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ソーシャルワーカーの役割

ソーシャルワーカーの役割

ソーシャルワーカーの役割は、関わる業界・勤務先によって異なります。

そこで、ソーシャルワーカーの役割を以下の4つに分けて解説します。

  • 医療ソーシャルワーカー
  • 精神保健福祉士
  • スクールソーシャルワーカー
  • コミュニティソーシャルワーカー

医療ソーシャルワーカー

医療機関で働くソーシャルワーカーのことを、「医療ソーシャルワーカー(MSW:Medical Social Worker)」といいます。

医療ソーシャルワーカーの役割は、病院に来る人々の悩みや心配事の解決を支援すること

具体的には、「手術が決まったが、治療費を払えるか心配」「退院後のリハビリを誰がサポートするのか心配」といった、患者さんの経済的・心理的問題に対する解決のサポートです。

また、支援に際しては、患者さん・そのご家族・入院する医療機関などと連携し、一体となって患者さんを支援します。

精神保健福祉士

医療ソーシャルワーカーに関連する職業として、「精神保健福祉士」があります。

別名、「サイキアトリック・ソーシャルワーカー (PSW:Psychiatric Social Worker)」とも呼ばれます。

精神保健福祉士の役割は、精神科のある医療機関・医療施設にて、精神疾患を抱える患者さんの社会復帰をサポートすることです。

精神保健福祉士は、日本の社会問題と課している「いじめ問題」「職場のストレス」「高齢者の認知症」などと深く関わる重要な職業といえます。

スクールソーシャルワーカー

学校と連携して働くソーシャルワーカーのことを、「スクールソーシャルワーカー(SSW:School Social Worker)」といいます。

スクールソーシャルワーカーの役割は、学校に通う児童・生徒たちが抱える社会的問題の解決をサポートすることです。

例えば、さまざまな理由から学校に通いたくても通えない子供たち、学校に通いながら家族の介護を行う「ヤングケアラー」と呼ばれる子供たちに対して、社会福祉の観点で支援を行います。

コミュニティソーシャルワーカー

地域福祉に関わるソーシャルワーカーのことを、「コミュニティソーシャルワーカー(CSW:Community Social Worker)」といいます。

コミュニティソーシャルワーカーの役割は、高齢者・生活保護受給者・外国人など、社会生活を送る上で支援が必要な方々に対して、相談支援や関係機関への橋渡しなどを行うことです。

近年は、少子高齢化や所得格差の増大などに加えて、コロナ禍で生活が困窮する家庭も増えており、コミュニティソーシャルワーカーの必要性が高まっています。

ソーシャルワーカーになるには?必要な資格・スキル

広義の意味でのソーシャルワーカーには、必ずしも資格は必要ありません。

しかし、携わる業界・勤務先によっては、資格が必要となる場合があります。

一般的に、ソーシャルワーカーに必要な資格・スキルは、以下の通り。

  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 公務員試験
  • コミュニケーション能力
  • ITスキル

これらの内容について、解説します。

社会福祉士

ソーシャルワーカーの中でも、特に医療ソーシャルワーカーになるには「社会福祉士」の国家資格を取得するのが一般的です。

国家資格の取得方法はさまざまで、福祉系の大学・専門学校などで決められた科目を修了した後、国家試験に合格するのが一般的。

実際、採用条件の中に社会福祉士の国家資格を必須とする施設も多いようです。

精神保健福祉士

精神保健福祉士になるには、同名の国家資格が必要です。

国家資格の取得方法はさまざまで、福祉系の4年制大学にて決められた科目を修了した後、国家試験に合格するのが一般的。

また、業務未経験の社会人や主婦の方でも、専門学校などで決められた科目を修了すれば、受験資格を得られます。

公務員試験

ソーシャルワーカーの中には、地方自治体の福祉施設市区町村の役所に設置されている福祉課で働く方もいます。

このように、公務員のソーシャルワーカーになるには、「社会福祉士」「精神保健福祉士」などの国家資格の取得後、各都道府県・各市町村が実施する公務員試験に合格する必要があります。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、ソーシャルワーカーの必須スキルです。

ソーシャルワーカーの業務は、生活上のさまざまな問題を抱える方々からの相談を受け、関係機関と連携して解決に導きます。

そのため、社会的に弱い立場にある方から関係機関の専門家まで、ありとあらゆる立場の方々と関わる以上、高いコミュニケーション能力が求められるでしょう。

ITスキル

現代社会では、身の回りのあらゆる分野においてIT技術が応用されており、ソーシャルワーカーにおいても例外ではありません。

実際、学校におけるICT教育介護施設における介護ロボットなど、ソーシャルワーカーが関わる業界において、テクノロジーの導入が急速に進んでいます。

そのため、これからの社会では、ソーシャルワーカーもITスキルを活用することで、より正確で柔軟な相談支援に取り組めるはずです。

ソーシャルワーカーの求人倍率

出典元:Wikipedia

日本版O-NETの『医療ソーシャルワーカー』によると、2020年度の医療ソーシャルワーカーの有効求人倍率は、「3.9倍」でした。

つまり、全国の医療機関や福祉施設で医療ソーシャルワーカーが求められているのです。

また、上記の統計を参照すると、2050年には介護が必要になるであろう、75〜79歳の割合が人口全体に対して最も多くなると予測されています。

したがって、これからも慢性的なソーシャルワーカーの供給不足が続くでしょう。

医療ソーシャルワーカーの求人情報は、「公益社団法人 日本医療ソーシャルワーカー協会 | 医療ソーシャルワーカー」をご覧ください。

ソーシャルワーカーの年収

ソーシャルワーカーの年収

日本版O-NETの『医療ソーシャルワーカー』によると、2019年度の医療ソーシャルワーカーの平均年収は、「398.8万円」でした。

また、同サイトの『福祉ソーシャルワーカー』によると、2019年度の福祉ソーシャルワーカー(精神保健福祉士・スクールソーシャルワーカーを含む)の平均年収は、「397.9万円」。

これは、2019年の社会人の平均年収が「436万円」と考えると、ソーシャルワーカーの年収は低めに推移しています。

ソーシャルワーカーの仕事内容

本章では、ソーシャルワーカーの仕事内容を紹介します。

ソーシャルワーカーの1

以下は、医療ソーシャルワーカーの1日のスケジュール例です。

時間 仕事 内容

0800

出勤

白衣に着替えて準備を整えます。

0830

カンファレンス

看護師など他のスタッフと一緒にミーティングを行います。

0900

相談室にて面談

入院中の患者さんやその家族と面談をします。入院費用の相談、介護保険制度の説明、退院後に必要なサポートなど、相談者によって相談内容はさまざまです。

1230

昼休み

病院の食堂で昼食をとって一休みです。

1330

病棟訪問

病棟で、入院患者さんと面談を行います。不安を抱えている方も多いため、相手と真剣に向き合います。

1700

資料作成等

1日の相談記録などをまとめ、翌日の準備をします。

1830

退勤

ときには時間外に面談が入り、多少の残業をする日もあり。

引用元:キャリアガーデン

医療ソーシャルワーカーの仕事

医療ソーシャルワーカーの仕事は、厚生労働省の業務指針によると以下の通り。

  1. 療養中の心理的・社会的問題の解決調整援助
  2. 退院援助
  3. 社会復帰援助
  4. 受診・受療援助
  5. 経済的問題の解決調整援助
  6. 地域活動

引用元:Wikipedia

スクールソーシャルワーカーの仕事

スクールソーシャルワーカーの仕事は、おもに学校に通う子供や保護者との自立支援相談などに従事し、社会保障や生活保護など実際的なサポートを与えることです。

具体的には、以下の通り。

  1. 児童・生徒との心理カウンセリング
  2. 保護者への助言・援助などの心理コンサルテーション
  3. 教職員への助言・援助などの心理コンサルテーション

引用元:Wikipedia

スクールソーシャルワーカーの中には、社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格を持つ方もいれば、教育や福祉事業に従事してきた方もいます。

ソーシャルワーカーのブログも参考に

ソーシャルワーカーの仕事内容については、実際にソーシャルワーカーとして働いた経験のある方の経験談を参考にするとよいでしょう。

おもなソーシャルワーカーのブログは、以下の通り。

ソーシャルワーカーの将来性

大都市の医療機関にはソーシャルワーカーが一定数いるものの、地方に行くと極端に少なく、患者や高齢者へのサービスは行き届いていないのが現状です。

このような現状から考えると、ソーシャルワーカーの将来性に関しては、慢性的な供給不足が続くという観点では、期待できるでしょう。

一方で、医療業界では再来受付システムの「MERSYS」、オンライン診療の「curon」といった、テクノロジーを導入した業務効率化が図られています。

このような背景から、ソーシャルワーカー界隈においても、「遠隔ソーシャルワーカー」なるテクノロジーが出てくるかもしれません。

すると、患者の療養中のメンタルヘルスケアや煩雑な入退院処理などは、すべてパソコン・スマホを通して行われるように変化するでしょう。

そのようなニーズが出てきたとき、将来的にはIT技術に精通したソーシャルワーカーが必要になる日がくるかもしれません。

ソーシャルワーカーを目指すなら国家資格を取得しよう

ソーシャルワーカーの意味・必要な資格・年収・仕事内容などを解説しました。

生活上のさまざまな問題を抱える方々を、社会福祉の観点からサポートするソーシャルワーカーは、これからさらに需要が増えると予想されます。

ソーシャルワーカーを目指すなら、「社会福祉士」「精神保健福祉士」といった国家資格の取得から始めてみてください。

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