「プロジェクトマネージャー」とはどんな職種なのかご存じでしょうか?プロジェクトマネージャーは、プロジェクト遂行の要となる役職です。
「年齢や収入的に、プロジェクトマネージャーにキャリアアップしたい」
「プログラミングの作業量が多く、マネジメント職に転職して負担を減らしたい」
このように考えている人もいるかもしれません。
確かにプロジェクトマネージャーは、IT業界の職種の中でも年収・需要が高いです。しかしその分、経験がモノをいう役職で、高い専門知識とマネジメントスキルが必要となります。
そこでこの記事では、プロジェクトマネージャーを目指す人に向けて、その役割・必要なスキル・年収・資格・キャリアアップの方法などを解説します。
この記事を読むことで、プロジェクトマネージャーに求められるスキルや、自分なりのアプローチ方法が見えてくるでしょう。
プロジェクトを成功に導くプロジェクトマネージャーを目指したい人は、ぜひ参考にしてください。
※記事内の情報は2024年1月執筆時の内容です。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
この記事の目次
プロジェクトマネージャー(PM)とは?
プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクトの責任者であり管理者です。プロジェクトチームの中でも、リーダー的役割を担います。
プロジェクトマネージャーの主な業務には、プロジェクトの進捗状況管理、チームメンバーの選定、クライアントとの打ち合わせなどがあります。
プロジェクトマネージャーがマネジメントするのは、自社の社員だけではありません。プロジェクトによっては、外注スタッフと共に仕事をするケースも。
社内や社外に関わらず、プロジェクトメンバー全体のスケジュール管理も担います。
以下では、プロジェクトマネージャーの概要について以下の流れで解説します。
- プロジェクトマネージャーの役割
- エンジニアがPMを兼任する場合もある
- プロジェクトリーダー(PL)との違い
- プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)との違い
プロジェクトマネージャーの役割
プロジェクトマネージャーの主な役割は、以下の通りです。主にプロジェクトに関わる人・時間・お金などの管理を担当します。
- プロジェクトにおける意思決定
- プロジェクトの推進・管理
- クライアントとの交渉
- チームの対人関係の円滑化
各項目について、詳しく解説していきます。
プロジェクトにおける意思決定
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの方向性や意思の決定を行います。
その際、当然プロジェクトメンバーの意見を仰ぐこともあります。しかし、チーム全体としての意見をまとめるのは、プロジェクトマネージャーの役目です。プロジェクトの責任者として、最終的な決断を下します。
例えば、プロジェクトマネージャーは、クライアントのニーズをヒアリングします。その上で、プロジェクトに関わる人材、予算、規模、スケジュールなどを決定まで担当するのです。
また、具体的にどのようなシステムを作るのか、システムの仕様を決めるのもプロジェクトマネージャーの仕事に含まれます。
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プロジェクトの推進・管理
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトが円滑に進むよう、タイムマネジメントや進捗管理を行います。
まず、システム開発で必要な作業を把握。その際、システム開発リソースの収集や分析時間、エラー発生のリスクも考えることが大切です。
プロジェクトマネージャーは、システム開発に必要な作業をメンバーに正確に伝え、作業量がなるべく均等になるよう、バランスをとりながら業務を割り振ります。
プロジェクトの作業進捗や、スケジュールをメンバーに徹底させ、納期に遅れないようにプロジェクトの進捗状況を管理します。
しかし、時間を守れば多少のエラーが許される訳ではありません。成果物のクオリティを保ちつつ、スピーディーに納品できるように、チーム全体を統括します。
また、フィードバックを行い、納期の範囲内でプロジェクトが完了するようにタイムマネジメントするのも重要な業務の一つです。
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クライアントとの交渉
プロジェクトマネージャーは、クライアントの要求を引き出すために交渉を行います。
例えば、クライアントの事業内容を把握し、システムを導入する目的や、システム運用後に達成したい目標などをヒアリング。その上で、システム戦略を提案します。
そして、クライアントが希望するシステムと予算との兼ね合い、工数、納期などを調整し、実行可能な計画に落とし込んでいくのです。
当然、担当するクライアントによって、考え方や条件はさまざま。ですので、プロジェクトマネージャーは、相手の要求に対して柔軟な応対ができるコミュニケーション能力が必要となります。
ときにはクライアントの要望を聞くだけでなく、自身の意見を相手に納得してもらえるよう話を組み立てる力も求められるでしょう。
クライアントや顧客が求める高品質な成果物を生み出すためには、ヒアリングや交渉の段階がとても重要です。
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プロジェクトチーム内の対人関係の円滑化
プロジェクトマネージャーは、チーム内の対人関係を円滑に保つ必要があります。「たかが人間関係」と高を括っていると、思わぬリスクが生じかねません。
プロジェクトチームでは、プロジェクトリーダー(PL)、システムエンジニア(SE)、プログラマー(PG)といった、さまざまな人材が連携をとりながら作業を行っています。
それぞれ考え方は違いますし、時には意見がぶつかることもあるでしょう。
プロジェクトの遂行のためには、それぞれの職種でハイレベルなスキルがあることも大切です。しかし、それ以上に人間関係も重要となります。
作業中に軋轢が生まれたり、不満が生まれたりすれば、プロジェクト進行の妨げになりかねません。高品質な成果物を目指すためには、職種の垣根を越えて考え方を共有できる環境が必要です。
プロジェクトマネージャーには、チームメンバーの人間関係を加味しつつ、人員を配置することが求められます。場合によっては、個人レベルで仕事の相談に乗る必要も出てくるでしょう。
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エンジニアがPMを兼任する場合もある
プロジェクトマネージャーの業務は明確に決まっていません。業務内容は、会社の方針や規模によって異なります。
特に人数の少ない中小企業などでは、チーム運営に十分な人員を割けないケースも。
その場合、エンジニアがプロジェクトマネージャーからプログラマーまでこなすのです。中には、システム開発における全行程を、エンジニアが担当することもあります。
プロジェクトリーダー(PL)との違い
プロジェクトマネージャー(PM)という名称は、会社によって異なります。別称としてよく用いられるのが「プロジェクトリーダー(PL)」です。
大規模なプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーの下の役職として、プロジェクトリーダーが設けられます。
この場合、プロジェクトリーダーの主な業務は、プロジェクトマネージャーの下で小さなプロジェクトチームをまとめることです。
ただ、プロジェクトリーダーが、プロジェクトマネージャーと同じ業務をし、同じような役職として扱われることも珍しくありません。
チーム運営の考え方は、会社やプロジェクトによって異なることを理解しておきましょう。
プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)との違い
「PMO」とは、「プロジェクトマネジメントオフィス」の略称。プロジェクトを管理・運用しているプロジェクトマネージャーをサポートします。
また、プロジェクトマネージャーが不在の時は、PMOがプロジェクト責任者の代理となります。
一般的に、プロジェクトマネージャーが一つのプロジェクトのマネジメントを行うのに対し、PMOは社内の複数プロジェクトを横断してマネジメントを行います。
PMOは、社内全体のプロジェクトマネジメントを円滑に行う目的で導入されることが多いです。
PMOを導入すると、プロジェクト運営リソースの共有、社内全体のプロジェクト管理や成果物の品質を上げられるなどのメリットがあります。
プロジェクトマネージャーはなぜ必要なのか?3つの理由
プロジェクトマネージャーの必要性は、以下の3つにあります。
- プロジェクトチームをまとめ上げるため
- チーム内でのコミュニケーションが図りやすくなるため
- 経験のある人材がいるとプロジェクトが進めやすくなるため
次の項目から詳しく解説していきます。
チームをまとめ上げるため
小規模な開発であれば、プロジェクトマネージャーが必要ないこともあります。
しかし、大規模なプロジェクトになると、チーム運営に必要な人員や予算も増加。成果物の納期に間に合うように、作業進捗を調整するのは難しいです。
大きなプロジェクトを遂行するためには、プロジェクトマネージャーは必要不可欠と言えます。プロジェクトチーム全体をまとめあげる、リーダー的存在なのです。
コミュニケーションを円滑にするため
大規模なプロジェクトになると、チームメンバー同士で直接コミュニケーションを図ることが難しくなります。
しかし、関係者全体を取りまとめているプロジェクトマネージャーを通してコミュニケーションを図れると、作業の滞りを防げることにつながるのです。
関わり合いがない人たち同士でも、安心しながらコミュニケーションが取れるでしょう。
具体的な方法として、「ノーミングセッション」が挙げられます。ノーミングセッションでは、プロジェクト全体の目標や、その達成のためにメンバー各自が果たすべき役割が共有可能です。
このような場を設けることで、チーム全体の士気を上げ、コミュニケーションを円滑にできるでしょう。
プロジェクトが進みやすくなるため
プロジェクトマネージャーは、エンジニアやプログラマーなどを長年経験してきた人材が抜擢されることが多いです。
経験者がプロジェクトマネージャーを務めるメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
- 経験者ならではの視野の広い考え方ができる
- 経験を踏まえたあらゆるリスクを考えながら行動できる
- 参考にすべきリソースの取捨選択ができる
プロジェクトの専門知識や遂行経験が豊富な人材がいることで、進捗がスムーズになりやすいでしょう。
またトラブルが発生した際も、経験のあるプロジェクトマネージャーなら、最適な解決方法を導き出しやすいです。
プロジェクトマネージャーに必要な6つのスキル
プロジェクトマネージャーに必要なスキルは、以下の6つです。
- システム構築に関するプログラミングスキル
- Webデザインのスキル
- クライアントと打ち合わせするコミュニケーション能力
- プロジェクトを進捗させるマネジメント能力
- チームを率いるリーダーシップ
- メンバーを育成する指導力
次の項目から詳しく解説します。
システム構築に関するプログラミングスキル
プロジェクトマネージャーは、主にシステム開発に関わる人材の選定や、プロジェクトの統括を行います。
プロジェクトの統括には、システム開発の進捗状況を把握することも大切です。そのためには、プログラミングの知識やスキルは必要でしょう。
プロジェクト上で、実際にプログラミングを行うのはエンジニアやプログラマーになることが多いです。その際、プロジェクトリーダーがプログラミングの知識があれば、開発側のことを意識した計画を立てられるでしょう。
また、開発と営業双方の理解を深められると、チーム運営を円滑にできます。
Webデザインのスキル
プロジェクトマネージャーは、チーム全体のリーダーとして、さまざまな役割を理解する必要があります。チーム内にデザイン部門があれば、当然その業務も把握する必要があるでしょう。
またプロジェクトマネージャーにキャリアアップするには、WebデザイナーやWebディレクターからのアプローチ方法もあります。このアプローチ方法については、後ほど詳しく解説します。
サイト開発では、デザイン部分の知識やスキルも必要となります。その部分をプロジェクトマネージャーが統括する場合もあるのです。
プロジェクトリーダー自身にデザインのスキルや知識があると、チームリーダーとしての能力をあげることにもつながるでしょう。
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クライアントと打ち合わせするコミュニケーション能力
プロジェクトマネージャーの役割の一つに、クライアントとの打ち合わせがあります。
打ち合わせでは、システム開発に関わるニーズをいかに引き出せるかがポイントとなるでしょう。
クライアントに質問をし、クライアント自身すら気づいていないニーズを引き出すためには、高いコミュニケーション能力が必要です。
クライアントによって、システム運用で達成したい目標は違います。さまざまなパターンを分析して立案するスキルも必要でしょう。
それを行うためには、希望通りのシステムを生み出すリソースを引き出さなければなりません。
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プロジェクトを進捗させるマネジメント能力
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を見渡して、常に適切な判断を下して実行しなければなりません。
そのためには、以下のような経験を持っていたり、状況を十分に把握したりする必要があります。
- 人材の選定
- 各自の持つスキルの理解
- システム開発スケジュールの把握
- チームのコミュニケーションや連携の調整
このような要素が揃っていると、プロジェクトは円滑に進められると言えます。
また、プロジェクトをスムーズに遂行するために、関わる人材や時間、予算などを見直していかなければなりません。
その上で、考えられるリスクや実際に生じた問題点を解決するためには、高いマネジメント能力が重要となります。
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チームを率いるリーダーシップ
プロジェクトの規模が大きくなるほど、関わる人材の数も多くなります。チーム全体をまとめ上げ、作業進捗に遅れが出ないように調整・管理するためには、リーダーシップも必要です。
プロジェクトマネージャーがリーダーシップをとるためには、チームメンバーから信頼を得ることが必須となるでしょう。
もちろん、プロジェクトマネージャー自身のスキルの高さも、信頼獲得のためには欠かせません。しかし、もっと基本的なことにも気を付ける必要があります。
例えば、自ら有言実行する姿を見せたり、チームメンバーの頑張りを認め褒めたりすることです。
些細なことかもしれませんが、チームメンバーはリーダーの行動をしっかり見ています。このことを意識するだけでも、信頼獲得の一歩を踏み出せるでしょう。
リーダーシップをとるためには、「この人に付いていこう」「この人の言うことなら間違いない」と思われるよう、コツコツと信用を蓄積することも重要です。
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メンバーを育成する指導力
プロジェクトを率いるプロジェクトマネージャーは管理職です。ですので、他の社員以上に後進を育成する指導力が求められます。
プロジェクトには、新人や若手社員が関わることもあります。技術的にまだ未熟なメンバーへの指導が必要となるケースもあるでしょう。
新人への細かい指導は、各部署・部門の先輩社員が行うことが多いです。しかし、「次世代の育成」は、組織で働く上で誰もが求められる課題でしょう。
プロジェクトを進める上では、プロジェクトの全体目標や、目指す成果物のために自分がどこの役割を担っているのかを、若手に意識させることが大切と言えます。
ただでさえ、若手メンバーは自分の目の前の仕事にとらわれがちです。目先のタスクだけでなく、チーム全体の利益は何なのかを理解させることが重要でしょう。
そのためには、プロジェクトマネージャー自身が、チーム全体を見渡せる余裕を持つ必要があります。リーダーとしてどっしり構えて、若手の指導に取り組みたいものです。
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プロジェクトマネージャーの平均年収
dodaの調査(2023年12月時点)によると、プロジェクトマネージャーの平均年収は約691万円ほどです。これは、「技術系(IT/通信)職種」の中で、最も高い年収です。
また男女別では、男性が約714万円、女性が約592万円。全体平均年収が414万円(男性464万円・女性356万円)なので、年収の高さがうかがえます。
そもそもプロジェクトマネージャーは、豊富な実務経験が必要な役職。そのため、30代後半以降で担当することが多く、経験や年齢からも年収は高くなりやすいのです。
さらに、実績を積めば、年収は理想年収の800万円以上にもなります。大手企業や外資系企業だと、年収1,000万円に上ることもあるでしょう。
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プロジェクトマネージャーを目指すなら取得したい資格4選
基本的にプロジェクトマネージャーは誰もがなれる役職です。必要な専門資格はありません。
しかも、プロジェクトマネージャーの重要な要素であるマネジメントスキルは、場数を踏まないと養えない部分が大いにあります。
しかし、誰もが初めてプロジェクトマネージャーを任される可能性はあります。
その時、以下のような資格を持っておくと、専門用語をスムーズに理解できたり、クライアントからの信用度を上げられたりするでしょう。
また、このような資格は、採用試験で優遇されるケースもあります。資格手当がつき、収入が上がる企業もあるのです。
ここでは、プロジェクトマネージャーに活かせる資格を4つ見ていきましょう。
- 基本情報技術者試験(FE)
- プロジェクトマネージャ試験(PM)
- PMP(Project Management Professional)
- ITストラテジスト試験(ST)
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基本情報技術者試験(FE)
基本情報技術者試験(FE)は、「ITエンジニアの登竜門」とされる国家試験。対象者は「ITの基礎知識を持ち、さらに高度なIT人材となるために実践的な力を身に付けた人」です。
主催する情報処理推進機構(IPA)が行う情報処理技術者試験の中では、「基本的な知識や技能」を問う試験です。難易度は「レベル2」とされています。
試験問題はインターネットに関する基礎知識から、ソフトウェア設計、プロジェクトのコスト管理など、広範囲にわたって出題されます。
試験は令和5年度よりCBT方式(試験会場に設置されたコンピュータで受験)に変更となり、受験者が試験日時と会場を選択し、随時試験の実施が可能となりました。
試験内容は科目A(120問・90分)と科目B(40問・100分)に分かれています。ちなみに合格率は平均40〜50%程度。決して簡単に取れる試験ではありません。
会社によっては、社員の取得を推奨しているところも多いです。例えばNTTデータでは、全ての新入社員に受験を義務付けています(※)。
※参考元:株式会社NTTデータユニバーシティ | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
基本情報技術者試験では、ITの基礎知識からPMになるための実践的知識まで身に付けられます。プロジェクトマネージャーへのステップアップを図るための「土台固め」におすすめ。
▶️基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
プロジェクトマネージャ試験(PM)
プロジェクトマネージャ試験(PM)は、「ITプロジェクトの成功請負人」の試験。対象者は「高度なIT人材として、システム開発プロジェクトを運営する人」です。
主催するIPAの情報処理技術者試験の中では、「高度な知識や技能」を問う高度試験です。難易度は「レベル4」とされています。
出題分野はプロジェクト計画の立案、スケジュールやリスクのコントロール、計画と実績の分析方法などです。プロジェクト立ち上げから完了報告まで、プロジェクト遂行のための幅広い知識が問われます。
高度試験は春期(4月)と秋期(10月)の年2回実施され、プロジェクトマネージャ試験はこの内、秋季のみ。つまり年1回しか受験のチャンスがありません。
試験は午前と午後にそれぞれ2回ずつ行われ、四択や記述、論述式となっています。計60問が出題されます。
ちなみに令和5年度秋季の合格率は、13.5%(合格者数1,066人/受験者数7,888人)となっています。これは、IPAの情報処理技術者試験の中では、最も低い合格率です。
プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクト遂行のための一通りのスキルを身に付けられます。合格率が低いため希少性を評価される可能性もあります。
プロジェクトマネージャーのスキルをブラッシュアップし、実践力を磨けるでしょう。
▶️プロジェクトマネージャ試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
PMP(Project Management Professional)
出典元:一般社団法人 PMI日本支部
PMP(Project Management Professional)は、プロジェクトマネジメントの基礎知識を始め、プロフェッショナルのスキルを確認することを目的とした資格です。国際資格で、受験には一定期間のプロジェクトマネージャー経験が必要です。
出題分野は、先に紹介したプロジェクトマネージャー試験と同様です。プロジェクトの立ち上げから終結までの、プロジェクト遂行に関わる知識全般が問われます。
試験時間は3時間50分で、175問が出題されます。出題形式は4択で、パソコンで受験できます。言語は英語・日本語などで受験可能です。
受験申請が承認されると、主催するPMIから受験承認のメールが届きます。そこから、プロメトリック社のホームページに直接アクセスし、試験日や会場を予約するようになっています。
合格率は非公開ですが、一定の経験を持つプロジェクトマネージャーでも、合格が難しい資格とされます。
PMPを取得すると、プロジェクト全体を見る力が付きます。そのため、効果的に作業の効率化を図れるでしょう。
また、資格取得後も、CCR(Continuing Certification Requirements Program)と呼ばれるプログラムで継続的な学びが可能です。
ITストラテジスト試験(ST)
ITストラテジスト試験(ST)は、「経営とITを結びつける戦略家」の試験です。対象者は、「プロジェクトの改革や最適化のための戦略を提案する人」となっています。
IPAの情報処理技術者試験の中では、「高度な知識や技能」を問う高度試験です。難易度は「レベル4」とされます。
試験は毎年春(4月)の年1回のみです。午前と午後それぞれ2回に分けて、4択や記述、論述形式で出題されます。計5時間かけて、60問に取り組む試験です。
ちなみに令和5年度春季の合格率は、15.5%(合格者数769人/受験者数4,972人)です。プロジェクトマネージャ試験と同様に難易度が高いといえます。
出題範囲は、クライアントの事業を反映したシステム戦略の立案から、サポートや保守計画に関することなどです。ITシステム戦略に関する問題が幅広く出題されます。
ITストラテジスト試験に合格すると、クライアントの経営戦略を把握し、IT活用戦略を提案する力がつきます。
また、システムの開発のみならず、製造や保守といった全体のライフサイクルまで統括できるようになるでしょう。
▶️ITストラテジスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
プロジェクトマネージャーへのキャリアアップ方法
プロジェクトマネージャーを目指すには、以下の3つのアプローチ方法があります。
- エンジニアからのキャリアアップ
- ヘルプデスクやPMOからのキャリアアップ
- Webデザイナー・ディレクターからのキャリアアップ
次の項目から詳しく解説します。
エンジニアからのキャリアアップ
プロジェクトマネージャーを目指す場合、エンジニアからキャリアアップするのが一般的な方法です。
同じ社内にこだわる必要はありません。エンジニアの経験を武器に転職活動をし、他社のプロジェクトマネージャーの求人に応募するのも一つの方法です。
ヘルプデスクやPMOからのキャリアアップ
ヘルプデスクからPMOになり、プロジェクトマネージャーにアプローチする方法もあります。
プロジェクトマネージャーにはコミュニケーション能力が必要です。通常の業務でコミュニケーションを要するヘルプデスクは、プロジェクトマネージャーになってからも、そのスキルが役にたちます。
しかし、ヘルプデスクとして働いていても、プログラミングスキルを身に付けていない人も多いでしょう。
前述したように、プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの責任者として作業進捗を管理しなければなりません。開発現場の状況を把握するためにも、プログラミングの知識は重要です。
ヘルプデスクからプロジェクトマネージャーになるには、キャリアアップの中でプログラミングスキルの習得も必要と言えます。
Webデザイナー・ディレクターからのキャリアアップ
WebデザイナーやWebディレクターから、プロジェクトマネージャーにキャリアアップする道もあります。
プロジェクトの作業工程には、デザインに関わる部分もあります。プロジェクトマネージャーがデザインの知識も持っていると、作業工程を把握できるようになり、計画をスムーズに進められます。
Webディレクターの場合、HTML/CSS(Webページの見た目を構成する言語)、JavaScript(Webページに動きをつける言語)のスキルを持つ人が多いでしょう。
そこからプロジェクトマネージャーを目指す場合、さらにRuby(Webアプリケーション開発に多く用いられる言語)、Java(OSに依存しない汎用性の高い言語)、Python(機械学習やIoT分野で用いられる言語)などのスキルも求められます。
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未経験からプロジェクトマネージャーになるには
未経験からいきなりプロジェクトマネージャーとして採用される可能性は非常に低いです。
ですので、プログラミング経験やエンジニアとしての実務経験がない場合、まずはプログラミングスキルを身に付けましょう。
その上で、エンジニア・プログラマーに転職し、その後プロジェクトマネージャーへキャリアアップする道が、もっとも着実と言えます。
ここでは、未経験からプロジェクトマネージャーになる現実的な手順を紹介。
- スクールに通ってプログラミングスキルを身につける
- エンジニアやプログラマーに転職してからキャリアアップ
プログラミングスクールに通ってプログラミングスキルを身につける
エンジニア系職種に就くのであれば、プログラミングスキルは必須。未経験者からプログラミングスキルを身につける場合、プログラミングスクールに通うことをおすすめします。
スクールでは未経験者に特化したカリキュラムで確実にプログラミングスキルが身に付きます。加えて、転職サポート付きのスクールならば、転職活動と平行して学習可能。
プロジェクトマネージャーになるために、まずは本気でエンジニアになりたい・IT業界に最短距離で転職したいという人は、プログラミングスクールを検討してみてください。
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エンジニアやプログラマーに転職してからキャリアアップ
スクールでプログラミングスキルを身に付けたら、まずはエンジニアかプログラマーに転職しましょう。
エンジニアやプログラマーとして実務経験を積み、社内でキャリアアップを目指してください。
あるいは、エンジニアとしての経験を積んだら、他社のプロジェクトマネージャーに転職するのも一つの方法です。
まとめ:プロジェクトマネージャーは重要な存在
プロジェクトマネージャーを目指す人に向けて、その役割・必要なスキル・年収・資格・キャリアアップの方法などを一挙に紹介しました。
プロジェクトマネージャーはシステム開発の大規模案件で全体管理を行い、エンジニアやプログラマーのタスクを割り振りプロジェクトを成功へと導く重要な職種です。
それだけに、高度な専門知識・円滑なコミュニケーション能力・プロジェクトマネジメントのスキルが要求されます。その分、ほかでは味わえない濃密な経験や達成感を感じられるでしょう。
IT業界の成長を支える重要な役職なので、気になる人はぜひプロジェクトマネージャーへのキャリアアップを検討してみてください。
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はじめての転職、何から始めればいいか分からないなら
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例えばこのような疑問はありませんか。
・未経験OKの求人へ応募するのは危ない?
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