会社組織の中でもっとも問題視される「無能な働き者」。
一体どういった特徴を持った人が、無能な働き者として扱われるのでしょうか。
この記事では、無能な働き者にありがちな特徴や自分がならないための方法などを解説します。
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「無能な働き者」とは
そもそも「無能な働き者」は、ドイツ軍人から生まれた言葉と考えられています。以下で詳しく見ていきましょう。
- 「ゼークトの組織論」が元ネタ
- 「無能な働き者」の英語表現
- 「無能な働き者」の定義
- 無能な働き者は日本人に多い?
「ゼークトの組織論」が元ネタ
無能な働き者という言葉は、「ゼークトの組織論」と呼ばれる軍事ジョークが元ネタ。
これはドイツの軍人ハンス・フォン・ゼークト氏が語ったとされ、「やる気のある無能に関する名言」としてたびたび引用されます。
しかし実際には、同時期のドイツ軍人クルト・フォン・ハンマーシュタイン=エクヴォルト氏が語ったもの、という説が有力なようです。
この組織論の中では、『将校には「利口」「愚鈍」「勤勉」「怠慢」の4つのタイプがおり、多くの将校が2つの特徴を併せ持つ』とされています。
それぞれのタイプは以下のように示されました。
- 利口×勤勉(有能な働き者):参謀将校に向く
- 愚鈍×怠慢(無能な怠け者):ルーチンワークに向く(軍人の9割がこのタイプ)
- 利口×怠慢(有能な怠け者):高級指揮官に向く
- 愚鈍×勤勉(無能な働き者):責任ある立場を与えるべきではない
この中の「愚鈍×勤勉」タイプが「無能な働き者」に当てはまります。
また「ゼークトの組織論」は都市伝説的に語られる部分もあり、ゼークトの名言として以下のように紹介されることも。
「有能な怠け者は司令官に、有能は働き者は参謀にせよ。無能な怠け者は、連絡将校か下級兵士にすべし。無能な働き者は、すぐに銃殺刑に処せ」
ちなみに「愚鈍×怠慢」タイプは、いわゆる「やる気のない無能」にカテゴライズされ、ルーチンワークに向くとされています。
「無能な働き者」の英語表現
「無能な」と「働き者」をそれぞれ直訳すると、「incompetent」「incapable」、「hard worker」「workhorse」という表現になります。
つまり「無能な働き者」は以下のような英語表現が考えられるでしょう。
- incompetent hard worker
- incapable workhorse
「無能な働き者」の定義
「無能な働き者」は、以下のような人が当てはまると考えられます。
- 適切な判断をするのが苦手
- 何かしら手は動かすのは得意
- 正しい判断・行動ができないため周囲を混乱に陥れる
- 自分勝手な判断で行動に移してしまう
- 周囲に迷惑をかけていることに気づかない
- 非を認めない
組織の中で「無能な働き者」がもっとも問題視されるのは、行動力がある点でしょう。
一見すると「愚鈍×怠慢」タイプが一番問題視されそうです。しかし、このタイプは自ら考えて行動することがないため、対価(給与など)を与えて命令を出すことで指示した通りに動きます。
そのため、上の立場から指示を出す者にとっては扱いやすい人材として見られるのです。
しかし「愚鈍×勤勉」タイプである無能な働き者は、誤った判断で自ら行動に移してしまうため、思わぬ大きなトラブルに発展するケースがあります。
無能な働き者は日本人に多い?
日本企業は海外企業に比べて生産性や効率性が低いと指摘されることがあります。
結果よりも過程が大切とされる文化がある日本。結果が出なくても努力したことや姿勢が評価される傾向があるのです。実は無能な働き者は日本人に多いのかもしれません。
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会社における「無能な働き者」にありがちな10の特徴
ここではより具体的に、組織や会社で「無能な働き者」とされる人の特徴を見ていきましょう。
- 長く働けばいいと思っている
- 上から目線
- ミスを繰り返す
- 責任転嫁する
- 自己判断で進める
- 詰めが甘い
- 自分を過大評価している
- 間違いを認めない
- 給料に不満がある
- 傲慢
あなた自身や周囲の人を対象に「無能な働き者かどうか」を診断してみてください。
長く働けばいいと思っている
無能な働き者にありがちな特徴の1つ目は、長く働けばいいと思っていること。
働くことに対しては意欲的ですから、常に何かしらの行動は起こしています。
しかし「そもそもこれは必要なのか」「もっといい方法はないのか」といった改善につながる行動を考えるのが苦手。
そのため、「長時間働いている=会社に貢献している」と思いがちです。
上から目線
無能な働き者にありがちな特徴の2つ目は、上から目線になりやすいこと。
「自分は周囲の人よりも有能だ」と思い込む傾向があります。自分の考えに自信があるため、先輩や上司にアドバイスをあまり求めません。
むしろ周囲のやり方に口を挟んだり、アイディアを否定したりすることが多いでしょう。
ミスを繰り返す
無能な働き者にありがちな特徴の3つ目は、ミスをしても反省をしないこと。そのため、「ミスを繰り返す」という傾向があります。
どこを改善したらミスを繰り返すことがないかという振り返りもしません。
また、一度したミスに気をつけるようになっても、その経験を他のことには活かすことができない人も多いです。
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責任転嫁する
無能な働き者にありがちな特徴の4つ目は、自分にとって都合の悪いことや、ミスが起きると「自分は悪くない」と責任転嫁する傾向にあること。
責任転嫁をする人は、何かしら理由をつけて自分の過ちを認めようとしません。
責任転嫁する人のせいで、人材が流出することにもつながりかねないので大きな損害をもたらす可能性があります。
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自己判断で進める
無能な働き者にありがちな特徴の5つ目は、上司や先輩に確認せずに仕事を進めがちなこと。
自分の判断が正しいと思い込み、「過去にプロジェクトに携わった人に質問する」といったことを嫌う傾向にあります。
その結果、ミスやトラブルに発展しても、自分に原因があるとはなかなか思えません。
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詰めが甘い
無能な働き者にありがちな特徴の6つ目は、詰めが甘いこと。そのため、すべての業務において中途半端であるという事が多いです。
任された仕事も見通しが甘く、うっかりミスで大事な部分が抜け落ちていることも。計画性や危機管理能力があまりないため、不十分な仕事になってしまいます。
自分を過大評価している
無能な働き者にありがちな特徴の7つ目は、自分のスキルを過大評価してしまうこと。これにより、全て自分でできると思い込む傾向があります。
なかなか人を頼れないため、キャパオーバーになるまで抱え込み、周囲が気づいたときにはかなり進捗が遅れていることも。
仕事を安請け合いすることも多く、その結果納期に間に合わず、大きなトラブルに発展するケースもあるでしょう。
間違いを認めない
無能な働き者にありがちな特徴の8つ目は、間違いを認めないこと。
自分の業務に対して自負心が強いので、周囲から間違いを指摘されても認めようとしません。
やる気があるのはいいことですが、間違いを認めないことによって結果的に周囲に迷惑をかけてしまうことになります。
給料に不満がある
無能な働き者にありがちな特徴の9つ目は、給料に不満があること。
その中でも、自分の仕事へのスタンスは棚に上げて、会社への不平不満ばかり話す人は無能な働き者にありがちなようです。
愚痴ばかり口に出して、自らは給料を上げるために行動をしようとはしないのです。
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傲慢
無能な働き者にありがちな特徴の10個目は、謙虚な姿勢が見られないこと。
チーム全体の成果を自分のおかげだと思ったり、協力してくれた仲間に対して感謝の気持ちを伝えられなかったりします。
傲慢な人は周囲の人が離れてしまい、孤立するケースもあるでしょう。
無能な働き者にならないための7つの対策
前項で当てはまる部分があった人は要注意。無能な働き者にならないためには、以下の7つの対策をとりましょう。
- その仕事をする意味を考える
- 自己判断で進めない
- 周囲を巻き込んで仕事をする
- 優先順位を決める
- ミスは潔く認める
- 謙虚な姿勢を忘れない
- 周囲からのアドバイスを受け止める
その仕事をする意味を考える
「長時間働く社員ほど優秀」「とにかく何か仕事をやっていたい」と考えてしまう人にありがちなのが、無意味な仕事ばかりしてしまうこと。
このままでは、社内での評価は下がる一方です。仕事に取り掛かるときは、その意味や仕事をこなすことで生まれる結果を考える習慣をつけてください。
- この仕事をやることでどんな効果があるのか
- 誰かの役に立つ仕事なのだろうか
- 仕事を依頼してきた人にはどんな意図があるのだろうか
- 他に自分がやるべき仕事はないだろうか
このような観点を持っていると「無能な働き者」になりにくいでしょう。
仕事量も減り、効率的に成果を上げられるようになれれば一石二鳥です。
自己判断で進めない
「無能な働き者」が問題視される大きな部分が「間違った判断で動いてしまう点」です。
ですから少しでも不明点があれば、先輩や上司に相談することが非常に重要。
こまめに確認しながら業務を進めれば、大きなトラブル発生を避けられるでしょう。
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周囲を巻き込んで仕事をする
任された仕事全てを自分でやろうとせず、ときには周囲の人を頼りましょう。
もちろん、手伝ってもらった時はきちんと感謝の気持ちを伝えます。
そして手伝ってくれた相手が何か困っていることがあれば、自ら手助けしましょう。
優先順位を決める
仕事を頼まれたときは「いつまでにやるべきなのか」をその場で確認し、無理そうであれば調整をお願いしましょう。
また今進めている仕事の状況を上司に報告し、優先順位を再度確認するとよいでしょう。
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ミスは潔く認める
ミスがあった時は潔く認めましょう。そして改善策まで考えて次の行動に移すことが大切。
改善点がわからない場合は、上司や先輩など、周囲の人に指摘してもらうのが一番です。
フィードバックを真摯に受け入れ、自分の仕事のやり方をアップデートしましょう。
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謙虚な姿勢を忘れない
「オフィスで飲み物をいれてもらった時」「書類を渡してくれた時」など、誰かに何かをしてもらった時は必ず感謝の気持ちを伝えましょう。
何事も当たり前とは思わず、周囲の人のおかげで仕事が成り立っているのを忘れないこと。
そのような心がけができれば、自然と謙虚な姿勢になれるでしょう。
周囲からのアドバイスを受け止める
周囲からのアドバイスは非常に重要です。
特にチームリーダーや上司など、少し離れた目線で自分の仕事に対して指摘された部分は、真摯に受け止めましょう。
物事に一生懸命になっていると、周囲が見えずに突き進んでしまうことも。一旦歩みを止め、指摘された改善点に向き合うことも大切です。
また、以下の記事では、社内にいる無能な働き者を改善させる方法を紹介しています。ぜひ合わせてご覧下さい。
「無能は働き者」と決めつけるのは良くない
無能な働き者にありがちな特徴や自分がならない方法などを解説しました。
紹介した特徴と対策を踏まえて、自分が「無能な働き者」にならないように反省しながら仕事に取り組んでみてください。
ここで重要なのは、周りに無能な働き者と思しき人がいた時の対応です。
無能と決めつける前に、指示できることはないか、環境を変えてあげれば好転するのではないか、改善につながる行動へ導いてあげることも重要でしょう。
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