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効果的な新人教育のコツ9選!新人教育カリキュラムの作り方も紹介

更新: 2023.10.17

新入社員の教育担当係に任命された
新人育成は初めてなので、どんなスタンスで教えたらよいだろうか?
教育担当の初心者も実践できる、効果的な新人教育のコツを教えて!

新人教育を任されたけど、新入社員とどうやって接したらよいかわからない、上手な教え方がわからないという方は多いでしょう。

そこで本記事では、OJTや教育担当を行う方向けに、効果的な新人教育のコツをご紹介。

指導内容の具体例や新人教育カリキュラムの作り方も解説するので、ぜひご参考ください。

新人教育の目的と重要性

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強い会社組織を作る上で、新人教育は重要なタスクです。

新人教育の重要性はおもに2つで、「戦力向上」と「人材確保」にあります。また、新人教育を担当する社員にとっては「幹部候補」の見極めも見られています。

本章では、これらの中身について解説します。

戦力向上

dodaの『転職求人倍率レポート』によると、2023年8月時点の求人倍率は、前年同月比0.29pt増の2.38倍となり、コロナ以前と比較しても高い倍率を維持。

求人数も右肩上がりで増えている状況であり、転職希望者よりも求人数の増加率が高い状況が続くと予想されます。

このように、売り手市場といわれる現在の転職市場において、リーダーとなり、経営の中心となる人材を中途採用で獲得することは難しいのが現状。

そのため、企業の中核を担い、経営の中心となる人材を確保するためには、能力の高い新人を採用して、育成する方が確実性が高いです。

企業が成長を続けるために重要なのは、自分自身の成長と働いている会社の成長をリンクさせて考えることができる人材の育成です。

企業で働いた経験のない新人であれば、企業風土にもなじみやすく、企業文化を継承していく人材になれる可能性を秘めています。

そして、それぞれの企業に合わせた新人教育を行うことで、新人に企業の求めるスキルを身につけさせ、戦力として活躍する人材へ成長させることが期待できるでしょう。

人材確保

総務省の『平成26年版 情報通信白書』によると、少子高齢化によって2013年10月時点で7,901万人だった日本の労働力人口は、2060年には4,418万人まで大幅減少するとの予測も。

このように、労働力人口の減少によって求人倍率は上昇傾向が続き、優秀な人材の獲得は年々難しくなるでしょう。

また、十分な新人教育を行わなかった場合には、自分の能力を存分に発揮できないことによる離職リスクが高くなり、社員の定着率が低くなるケースも。

その結果、優秀な人材の獲得だけでなく、人材の確保もさらに難しくなるでしょう。

そのため、新人教育が企業における重要な命題であることを理解し、戦略的・計画的に実施する必要があるのです。

幹部候補の見極め

新人教育で重要なのは、新人を育てることだけではありません。新人を育てる社員にとっても価値があるのです。

新人教育を通して、その指導力や管理力が認められれば、昇進してキャリアアップできたり、幹部候補として企業の経営活動の中心として活躍できるかもしれません。

このように、リーダーシップの能力を磨いたり、新人教育に必要な専門知識を強化したり、新入社員との信頼関係の構築なども重要な目的となるのです。

効果的な新人教育のコツ9選

効果的な新人教育のコツは、以下の9つです。

  1. 教える側も成長するのだと意識する
  2. 教える側から声をかける
  3. 具体的な指示を出す
  4. 理由も含めて説明する
  5. 新人教育マニュアルを作成する
  6. 上手な教え方を学ぶ
  7. うまく褒める・叱る
  8. メンター制度を検討する
  9. 深入りしすぎない

これらのコツの中身を解説します。

教える側も成長するのだと意識する

新人への指導は教える側にとっても成長するチャンスといえます。

なぜなら、当たり前に行っている仕事の方法を新人の方に説明することで、自分自身の業務の重要さや、より効率のよい方法に気づくきっかけになるからです。

また、新人の方は新しい視点による提案を採用されれば、企業に貢献できたというやりがいを感じられる機会にもなります。

教える側から声をかける

新人は仕事をはじめたばかりで「何がわからないかわからない」状況です。

わからないことが質問ができるのは、ある程度その仕事に対して理解できている方です。

そのため、教える側の上司・先輩から声をかけることが基本になります。

具体的な指示を出す

新人の方に依頼する業務に対して、具体的な指示を出しましょう。

これにより、教わる側・教える側の両方に短い時間で効率的な教育が行えます。

まず、新人の方への指導は業務の基礎となる技術を教えることが重要です。

その基礎によって、さまざまな業務に携わることができ、それぞれにあった仕事の方法を見つけることができます。

理由も含めて説明する

具体的な方法を指示する時には、その方法が正しい理由を含めて説明するとより効果的

ただ方法を覚えるだけでなく、なぜそれが正しいか本質を理解することで、ミスの少ない業務を新人は行うことができます。

また、1つずつ理由を説明することは時間がかかり非効率に思えますが、教える側も指導内容を見直すきっかけとなり、指導力の向上に役立つというメリットもあります。

新人教育マニュアルを作成する

新人教育において、マニュアルをつくることも効果的です。

事務処理などの基本的な業務は、マニュアルがあれば新人の方はそれを見ながら短時間で効率的に仕事を覚えられます。

また、マニュアルは業務に対する基準となり、企業の事業の品質を保つことにもつながります。

そして、マニュアルのアップデートを加えることで、他の新人や将来的な新入社員へと繰り返し使えるので、新人教育における知識・技術の共有にも役立つでしょう。

上手な教え方を学ぶ

新人教育を担当する方は、指導技術の習得を目指すのもおすすめ。

すぐに知識をインプットして実践するときは、人材育成・マネジメント関連の書籍から学ぶとよいでしょう。

あるいは、研修・セミナー代を補助してくれる会社の場合は、以下のようなコースに挑戦してみるのもおすすめです。

日本マンパワーが提供する「OJTトレーナーコース」では、指導者に必要な知識・思考・指導方法について学べます。

また、日本コンサルタントグループが提供する「Start」は、新人の「1年後の達成水準」をコンサルタントと共に目指す総合的なプログラム。

その中で、OJTを担当する方への研修もあり、指導技術を学べます。

うまく褒める・叱る

上下関係を良好に保つ上で、「ほめる」「しかる」技術も大切

うまくほめるためには、「ほめ方のバリエーションを持つ」「ほめる回数の目標を決める」といった具体的な方法を用いましょう。

適切にほめることで、新人はセルフイメージを高め、能力を伸ばしやすくなります。

しかる時には、相手の悪いところを責めるのではなく、問題を理解してもらい、成長するための意見を伝えましょう。

このように、うまくほめることでモチベーションが向上し、うまくしかることで反省を促し成長を加速させます。

これにより、あなたと新人の信頼関係を築くことにもつながるのです。

メンター制度を検討する

メンター制度とは新人教育において、精神的サポートができる人材を作る制度です。

メンター制度はOJTがもとになっており、仕事・生活などさまざまな悩みの相談を受けながら新人の育成を行います。

OJTが上下関係を保って育成を行うのに対して、メンター制度は対等な関係で話をしながら育成を行う点が異なります。

お互いを理解して支えるメンター制度を導入することで、悩みや不安が解消でき、OJTを効果的に進めることができるでしょう。

深入りしすぎない

OJTの指導を担当する場合には、新人と過ごす時間が長くなります。そのため、うまく人間関係が築けず、どう接していいかわからないと悩むこともあるでしょう。

また、教育の成果が上がらず、上司からのプレッシャーで精神的に追いこまれることも。

そのような場合には、あまり新人に深入りしすぎないことが大切です。

新人をあなたの理想とする人材に育てる必要はなく、企業として定めた育成計画をもとに、ひとつずつゴールを定めて指導を行えばよいのです。

そのゴールから考えた現状報告を行えば、上司と協力して教育が実施でき、あなたのプレッシャーを減らすことができます。

また、そのゴールから考えたコミュニケーションを行えば、精神的な負担を減らして新人と接せられるでしょう。

新人教育における指導内容の具体例

本章では、実際の新人教育で行われる指導内容の具体例を5つご紹介します。

  • 企業文化
  • ビジネスマナー
  • ITリテラシー
  • コミュニケーションスキル
  • 専門業務スキル

企業文化

新人教育では、企業文化を社員に理解してもらい浸透させることが大切です。

企業文化とは、企業が持っている価値観を指し、業績を継続的に伸ばし、経営戦略の実行や目標を達成するためのルール・しきたりのこと

企業文化を新人が理解することは、同じ志をもって他の社員の方とともに仕事へ取り組み、組織で活躍する人材となるために重要な要素といえます。

ビジネスマナー

社会人として生き抜いていくためには、ビジネスマナーを身につけることが大切です。

ビジネスマナーとは、仕事をするうえで必要となる多くのマナーの総称

具体的には、あいさつ・お辞儀・椅子の座り方・名刺の渡し方など多岐に渡り、食事・会議・人間関係などさまざまな場面で求められます。

ビジネスマナーがすべてではないにせよ、取引や商談において相手との良好な関係をつくるきっかけとなり、よい結果を得られる可能性は高くなるでしょう。

つまり、ビジネスマナーは人と人とをつなぎ、円滑な仕事を行うための一歩です。

さらに、ビジネスマナーを身につけることは、新人の方が相手に嫌な思いをさせず、仕事をよりよく進められる社会人としての武器にもなります。

社会人としての経験が浅く、ビジネスマナーへのなじみが少ない新人の方には、しっかりと意識して取り組める指導を行ってください。

ITリテラシー

IT技術は生活からビジネスまで幅広く浸透しています。

そのため、現代のビジネスにおいて、パソコンやインターネットを活用する能力であるITリテラシーは、IT業界に働く方に限らず重要なスキルです。

新人の方でもパソコンやネットワークのスキルを持っている場合がありますが、企業における利用時の注意点について指導が必要です。

社内のネットワークやデータはビジネスに必要となる基盤であり、USBなどの記録媒体やクラウドサービスによって、持ち運びも簡単。

しかし、そこには情報漏えいなどのセキュリティリスクも存在します。

どのような損害が生まれる可能性があるのかを、企業の仕組みを説明しながら教えると、新人のITリテラシーに対する理解を促せるでしょう。

このように、ITリテラシーの指導は、IT技術を活用するビジネスパーソンを育てることにつながり、ITトラブルを事前に回避する対策にもなるのです。

ITリテラシーについては、こちらの「ITリテラシーを高める6つのメリットと4つの方法を解説!」を参考にしてください。

コミュニケーションスキル

業務を進めていくうえで、上司・同僚・取引先とのスムーズなやりとりは欠かせませんから、新人教育におけるコミュニケーションスキルの指導は重要な内容です。

指導方法としては、レポート・マニュアル・資料などのビジネス文書の作成があげられます。

ビジネス文書を作成するためには、情報を整理し、相手の立場を考え、わかりやすい内容にまとめるロジカルシンキングが必要です。

また、それを活かしてお客様に提出する資料の作成を依頼すれば、新人の方が学んだスキルを活用できる機会が得られます。

そして、実際の業務に関わるため、作成の段階で上司の依頼した内容に沿うように細やかな報連相を行うことになります。

このような指導方法を利用すれば、「基本となる文書作成のスキル」「報連相の重要性」「相手の考えを理解し、整理できるロジカルシンキング」といったコミュニケーションスキルを、業務を通して身につけられるでしょう。

また、企業に貢献したという仕事へのやりがいにもつながり、効果的なOJTが実現できます。

専門業務スキル

それぞれの業界・職種において、その仕事ならではの専門スキルも必須。

例えばプログラマーは、プログラミングスキルは絶対的に必要です。

また、営業職ではビジネスマナーやコミュニケーションスキルによって、お客様との信頼関係を築くことがビジネスの前提となり、そのうえで専門スキルを活用すべきです。

このように、それぞれの企業や業務内容に合わせて優先されるスキルを考え、OJTトレーナーは指導内容を考える必要があります。

また、このような指導内容を教育するノウハウ・環境が整っていない場合には、外部の企業向けの研修を利用することも手段の1つ

新人教育カリキュラムの作り方

本章では、新人教育カリキュラムの作り方を4つの手順で解説します。

  1. 目標設定を行う
  2. 現状のスキルセットを把握する
  3. 新人教育カリキュラムを作る
  4. フィードバック手段を確保する

目標設定を行う

まず、企業における新人教育の目的と、目標を明確にします。

数年先の企業にとってあるべき姿を考え、それに基づいたプログラムを作り、社会人に求められる精神的な成長や能力開発を計画的・継続的に実行していきます。

また、このような育成に対する取り組みは業務に生かされなければ意味がありません。

目標設定の例としては「3ヶ月後に一人で顧客にサービス説明ができるようになる」など、どれだけの期間でどのような業務がどれだけできるかという具体的な目標設定が理想的です。

また、そのような育成目標があることで、教育を受ける側も自身の成長を実感できるでしょう。

現状のスキルセットを把握する

次に、新人の現状のスキルセットを把握します。

企業が求めるあるべき姿と比較して、不足している部分を明確にすることで、それぞれに合った効果的な新人の育成が可能になります。

たとえば、大学や新人研修によってITリテラシーが身についている方には、基本ではなく業務に直結した教育を行うことがベター。

それぞれのスキル・性格などの要素を把握し、企業として育成方針を持って新人の育成に取り組むことで、最大限の成果を得られるでしょう。

新人教育カリキュラムを作る

企業の育成目標と現状の新人のスキルを踏まえて、次は重要度が高い内容から新人教育カリキュラムを作成します。

そのために、教えるスキルを細かく分け、習得のしやすさやその後の教育へとつながる順番をしっかりと考えることが大切です。

そして、「研修として行うか」「OJTで行うか」といった、どのようなタイミングで教育を行うかについてもカリキュラムの設計において重要な要素

業務の基礎となるパソコンや営業の基本的な知識・技術を学ぶことで、発展的にコミュニケーションスキルや論理的思考が身につくでしょう。

このように、段階的な育成を行うことで、企業の求める業務への姿勢や、企業の経営理念に対して深い理解を持った人材への育成が可能になります。

フィードバック手段を確保する

新人教育を行う上で、面談を行うなど、新人からのフィードバック手段を確保することは、カリキュラムがうまくいっているかの判断材料になります。

ただ一方的に教育を行っただけでは、求める人材へと育てることは難しいからです。

また、新たな環境で学ぶことが多い新人が、自ら成長を振り返り、改善を行っていくことは難しいことからも、フィードバックの手段を確保することは大切になります。

教育の感想を聞き、習得したスキルの確認を行うといったフォローの体制を整え、育成の状況を把握し、企業として新人教育のPDCAを行える環境を作りましょう。

効果的な新人教育を通して強い組織を作ろう

効果的な新人教育のコツや新人教育カリキュラムの作り方について紹介しました。

新人教育は、教育を受ける新人はもちろん、教育担当者にとっても初めての場合は大きな負担となるかもしれません。

そのため、企業としてしっかりと目標を定めて計画を立てることが重要です。

それにより、一貫したスタンスで新人教育ができ、効果的な育成につながります。

その結果、優秀な人材を輩出し強い組織作りにつながるでしょう。

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この記事を書いた人

Kimura Hiroto
音楽・ITをはじめとするさまざまなジャンルのライティングを行っています。ITエンジニアの経験を生かし、テックキャンプ ブログでの執筆・編集を担当。好きな食べ物は豆腐。

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