「これからの社会で生き残っていくためには、ITリテラシーが重要らしい」
「でも、そもそもITリテラシーという言葉の意味もあまり分かっていない」
「具体的な勉強方法もわからないので教えてほしい」
「ITリテラシー」は現代人が必須で持つべきスキルの1つで、ますます重要視されています。しかし上記のようにITリテラシーの意味や勉強方法がわからない方も多いでしょう。
そこでこの記事では、「ITリテラシー」の意味やITリテラシーを高めるメリット、具体的な勉強方法などを解説します。
今のあなたのITリテラシーをチェックするテストや、学んでおきたいトレンドのITリテラシーについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
ITリテラシーとは
ITリテラシーとは、情報(information)と識字(literacy)を合わせた言葉です。つまり、情報を自己の目的に適合するように使用できる能力のこと。
もともと「リテラシー」とは、適切に理解、解釈し、活用する能力のことを表します。
「◯◯リテラシー」という言葉はITリテラシーの他にも存在し、例えば文化的なものへの理解・知識を指す「文化リテラシー」や金融に関する知識や能力を指す「金融リテラシー」などがあります。
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ITリテラシー=情報を取捨選択する能力のこと
上述した通り、ITリテラシーとは世の中に溢れる情報の中から、自分にとって重要なものを適切に選択する能力です。
インターネットが普及した現代、ある一般人がSNSで何気なくつぶやいた一言に世の中が過剰に反応したり、デマが広がったりすることがあります。
しかし、個々人がITリテラシーを持ち、情報を取捨選択することで不適切な情報を流したり、またそれらを真に受けることを防ぐことができるでしょう。
ITリテラシーの3つの要素
ITリテラシーは、具体的に「情報基礎リテラシー」「コンピュータリテラシー」「ネットワークリテラシー」の3つの要素で成り立っています。以下で詳しく解説していきます。
情報基礎リテラシー
情報基礎リテラシーとは、情報を正しく使うための能力です。
「ググる」という言葉が日常的になったように、インターネットで誰でも簡単にあらゆる情報を手に入れることが出来るようになりました。
その一方、欲しい情報になかなかたどり着けなかったり、嘘の情報に振り回されることも多くなっているのが現状です。
このような状況の中で、情報を正しく扱うための情報基礎リテラシーの重要性が高まって着ているのです。
コンピュータリテラシー
コンピュータリテラシーとは、コンピューターを操作する技術や知識のことを指します。
かつてデバイスはパソコンが各家庭に一台あるくらいだった時代から、タブレットやスマートフォンなど一人で複数台の端末を持つ時代になりました。
ビジネスにおいても、業務でコンピューターを全く使用しない企業を見つけるのはかなり難しいでしょう。
どのような職業・年代においても、コンピューターの基本的な操作ができるスキルは「持ってて当たり前」となっているのです。
ネットワークリテラシー
ネットワークリテラシーとは、ネットワークやセキュリティに関する技術的な知識を理解する能力です。
「インターネットの正しい使い方」や「インターネットを利用するうえでのモラル」といった意味でも用いられ、プライバシー保護やセキュリティ対策への理解・対策も含まれています。
デマや炎上などインターネットを介したトラブルが頻発する中、インターネットを利用する人全てが身につけておくべきスキルです。
ITリテラシーを高める6つのメリット・重要性
ITリテラシーを高めるための方法を考える前に、ITリテラシーを高めることでどのようなメリットがあるかを理解しておくことが重要です。
理由は、この目的を意識して学習することで、より効率的に身につけることができるため。そこで本章ではITリテラシーを高める6つのメリット・重要性について整理します。
- セキュリティ事故を防止できる
- 自身の市場価値を高められる
- ITツールを利用して業務の生産性を向上できる
- 会社に依存せずに稼ぐことができる
- 適切な情報を収集・発信できるようになる
- SNSでの炎上リスクを防げる
セキュリティ事故を防止できる
ITリテラシーを高める大きなメリットの1つに、セキュリティ事故の防止があります。
一度インターネットに流れた情報を完全に削除することが難しいと言われている一方、あまりにも気軽に個人の情報や写真をSNSなどのネット上に公開している人が多くいます。
また、よく確認せずに不審なメールやファイルを開いたことがきっかけで企業の機密情報が流出するといった事故もある通り、ITリテラシーを高めることは、現代人の義務とも言えます。
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自身の市場価値を高められる
個人や企業の機密情報の漏洩やサイバー犯罪などが頻発している状況下で、IT業界に限らず全ての業界でITリテラシーを持つ人材が求められています。
また、ほぼ全ての企業で業務にコンピューターを利用している中、ExcelやPowerPointなどの基本的なオフィスツールが使えることは「当たり前」です。
情報の取捨選択ができる能力や正しいセキュリティ知識を身につけることで、企業から求められる人材になることができるでしょう。
ITツールを利用して業務の生産性を向上できる
タスク管理やビジネスチャット、顧客管理や勤怠管理システムなど、多くの企業が業務で複数のITツールを利用しています。
若い世代が難なく複数のツールを使いこなしている一方、上の世代の人が使い方がわからずにあたふたしている、という状況も多くの企業で見られます。
しかしITリテラシーがあれば、便利なITツールを使いこなすことができ、業務の生産性を向上できます。
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会社に依存せずに稼ぐことができる
フリーランスのエンジニアやデザイナー、ブロガーやYouTuberなどの職業は、全てインターネットがあってこそ成り立っています。
彼らは他の人よりもインターネットの優位性や活用方法に気づき、正しい知識を身に着けて行動したことで、会社に依存することなく生計を立てることができているのです。
こういったネットを通じた仕事をするためには、その仕組みやリスク、活用方法を理解しておくことが重要。
また、最近普及しつつあるテレワーク(リモートワーク)についても、ツールを正しく使いこなすためのITリテラシーは必要です。
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適切な情報を収集・発信できるようになる
不適切な発言でSNSを炎上させたり、フェイクニュースに惑わされたりするリスクを減らすことができます。
ネット上に溢れる情報の中から求めている情報・正しい情報を適切に取捨選択し、またインターネットのリスクを理解して情報発信をすることで、トラブルを防ぐことができるのです。
SNSでの炎上リスクを防げる
インターネットをよく利用する人の中には、その危険性をよく理解していない人もいます。
最近だと、アルバイトが仕事中の不適切な動画をSNSに公開したり、企業の公式アカウントが不適切な発言をしたりといったニュースもあります。
ITリテラシーを持ち、インターネットの危険性と正しい使い方を理解することで、トラブルを避けることができるでしょう。
ITリテラシーの低さがもたらす2つのリスク
ITリテラシーを高めるメリット・重要性については上述した通りです。ではITリテラシーの低さは実際にどのようなデメリットを引き起こすのでしょう。
- 視野が狭まる
- 情報格差(デジタルデバイド)を生み出す
視野が狭まる
IT技術を活用した新しいサービスへ対応ができなくなり、結果として「今までのやり方」から抜け出すことができなくなります。
少し前で言うと、クラウドファンディングやUber、電子マネーなどが話題になりました。
しかし、「信頼できるのか」という警戒感や「よくわからない」という拒絶反応から、「今のままでいい」と自分の行動を制限してしまうのです。
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情報格差(デジタルデバイド)を生み出す
ITツールを使いこなし、情報の取捨選択できる人との情報格差も生まれます。
ITリテラシーのある人が、どんどん便利になっていく世の中に対応して生活を豊かにしていく一方で、リテラシーを持たない人は生活の不便さや情報の質・量の低さに苦しむことになります。
この情報格差については、例えば、SNSを活用した効率的な宣伝活動をしている商店と、昔ながらのチラシでの宣伝活動をしている商店との状況の違いをイメージしてみるとわかりやすいでしょう。
デジタルデバイドの詳細は、「デジタル・デバイド(情報格差)とは?例・原因・解決策などをわかりやすく解説」で解説しています。合わせて参考にしてください。
【無料でできる】ITリテラシーの理解度テスト
「普段からスマートフォンやタブレットを使っているから、自分にはITリテラシーがあるはずだ」と思っているあなた。本当にそうでしょうか。
SNS炎上や情報漏えいなどに巻き込まれる前に、あなたのITリテラシーをチェックしておきましょう。
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P検5級
出典元:P検
P検とは、ICTを活用した問題解決能力を測る試験です。試験は1級から5級までありますが、初級者向けの5級はオンラインで無料で受験することができます。
試験範囲はコンピュータ知識、情報通信ネットワーク、情報モラルと情報セキュリティについてで、それぞれ10問ずつ、計30問が出題されます。
クイズ感覚で気軽にできるので、ぜひ今すぐやってみましょう。
ITパスポートの過去問
出典元:ITパスポート試験ドットコム
ITパスポートとはIPA(情報処理推進機構)による、IT関連の知識・スキルを網羅的に習得する国家試験です。
就職や転職活動でのアピール材料として取得する人もおり、IT業界だけでなく全ての業界で通用する資格です。
本来の試験は有料ですが、ITパスポート試験ドットコムなどのサイトで過去問を無料で受験することができます。
ITリテラシーのチェックテストとしての活用はもちろん、過去問で勉強して実際に資格を取得するのもおすすめです。
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ITリテラシーを高める4つの方法
チェックテストの結果があまり思わしくなかったのであれば、今日から少しずつでも、ITリテラシーを身につけていきましょう。
ITリテラシーは、個々の目的や必要性に応じて身につけることが求められ、その勉強方法も一つではありません。ここからはITリテラシーを高める主な方法を解説します。
- ネットや本で勉強する
- ITリテラシーの高い著名人をフォローする
- 資格を取得する
- Webサイトやブログの構築・運営をやってみる
ネットや本で勉強する
まず、IT関連のWebサイトや書籍で勉強するのが1つ目の方法です。
話題のワード、最新のテクノロジー、WebマーケティングなどIT関連の情報を手軽に手に入れることができます。
IT関連の言葉は専門用語が多いため、解説が丁寧なサイトやイラスト入りで解説している雑誌などを探してみましょう。
Webサイトであれば、新しい記事が投稿されると通知が届く設定にしておけばうっかり見逃すこともありません。
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ITリテラシーの高い著名人をフォローする
ITに関する最新情報や個人の意見などをよく発信している人をフォローする方法もあります。
最近では落合陽一さんや堀江貴文(ホリエモン)さんなどを思い浮かべることができます。
それ以外にも、YouTubeでIT関連の情報を発信している人も多いので、お気に入りの人を見つけてみましょう。
資格を取得する
資格取得も方法の一つです。ITリテラシーを身につけるだけでなく、就職・転職時のアピールにもなります。IT関連で使える資格には以下のようなものがあります。
- P検定
- ITパスポート
- ネットワークリテラシー検定
- 情報セキュリティマネジメント試験
- IC3
- 情報検定
P検定の5級はオンラインで無料で受験ができるので、試しにやってみるのもおすすめです。
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Webサイトやブログの構築・運営をやってみる
読む勉強が苦手、という人には自分でWebサイトやブログの運営をやってみる方法があります。
インターネットに多くの情報があふれる現代で、Googleの検索上位にかかるブログを作ることは実は非常に難しいです。
実際に手を動かしてやってみることで、SEO(検索エンジン最適化)やセキュリティに関する知識を身につけることができます。
特に学んでおきたいITリテラシーの知識
ITリテラシーが大切なことはわかったが具体的に何を勉強すればよいかわからない、という方のために、これからのために学んでおきたいトレンドのITリテラシーをいくつか紹介しましょう。
- Webサイト(ブログ)やSNSの活用方法
- 動画編集・YouTubeの活用方法
- プログラミングスキル
- 知っておきたい話題のワード
Webサイト(ブログ)やSNSの活用方法
InstagramやX(旧Twitter)などSNSを活用した宣伝に企業が力を入れている中で、WebサイトやSNSの活用スキルは全ての業界で求められています。
どのような方法・言葉で情報を発信すればターゲットに届くのかを考え、アクセス状況から今後の戦略を打ち出すWebマーケティングのスキルは、あなたのキャリアアップにもプラスに働くことでしょう。
動画編集・YouTubeの活用方法
5Gが本格的に一般に普及することで、YouTubeを始めとしたインターネット動画はさらに普及していくと予測されています。
テレビと違い一般の人も気軽に投稿できるYouTubeでは、見てもらえる動画・高評価がもらえる動画を作成できることは立派なスキルと言えるでしょう。
動画編集ソフトの使い方やYouTubeのビジネス活用の方法などを学ぶことで、将来そのスキルを生かして仕事ができる可能性もあります。
プログラミングスキル
インターネットやSNS、その他のITツールは全てプログラミングによって構築されています。
今後も継続的な発展が確実なIT業界への転職の他、自身でサービスを立ち上げたり、副収入を得たりと、持っていて損はないスキルです。
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知っておきたい話題のワード
常に新しい言葉が生まれるIT業界。今知っておきたい話題のワードを紹介するので、これらのワードは最低限理解しておくようにしましょう。
- AI(人工知能)
- IoT
- ビッグデータ
- クラウド(AWS、Azure、Google Cloud Platform)
- 5G
- ビッグデータ
- AR、VR、XR
- ブロックチェーン
- シェアリングエコノミー
- 限界費用ゼロ社会
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ITリテラシーを高める上に大切なポイント
ITリテラシーを効率的に高めるためには、ポイントがいくつかあります。
ITリテラシーを高めるために余計な時間を浪費したり、せっかくの勉強を無駄にしないために気をつけるべきことを解説しましょう。
- SNSを最大限活用する
- 情報収集は毎日行う
- 自分の意見を持つ
- 学んだことを記録する
SNSを最大限活用する
誰でも気軽に情報発信ができるSNSには、新聞や雑誌と比べて最新の情報がいち早く公開されることが多いです。
ITリテラシーの高い著名人や興味や関心のある分野に関する情報を発信してくれる人はフォローし、毎日手軽に情報を入手できるようにしましょう。
情報収集は毎日行う
ITリテラシーは一度身につけたら終わり、というものではなく、情報は常にアップデートされます。
そのため情報収集は毎日、あるいは定期的に行い、常に最新情報を把握しておくようにしましょう。
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自分の意見を持つ
集めた情報は、あなたの言葉で理解し、あなた自身の意見を持つことが大切です。
興味を持った内容についてさらに深堀りして調べてみたり「この技術が進化すればこんな世の中になる」などイメージを膨らませてみましょう。
このように情報を自分で処理することで、フェイクニュースかどうかを見極める力を養うことができます。
学んだことを記録する
人の記憶力は意外と長続きしません。せっかく学んだことはノートやスマホのメモなどに記録していきましょう。
あなたの意見を一緒に記録したり、後で追加情報が出てきた時には書き加えたりすることで、より知識を定着化させることができます。
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まとめ:現代人はITリテラシーを高めよう
ITリテラシーはインターネットに関するトラブルを防ぎ、あなたの身を守るために必要な知識です。
これまでITリテラシーについてなんとなく理解していた、という人はこれを機会に改めて理解度をチェックし、対策を取りましょう。
また、ITリテラシーを高めるためには、SNSやインターネットを上手く活用することがポイントです。
「なぜITリテラシーが必要なのか」「何のために高めるのか」を理解し、あなたのキャリアアップ・ステップアップになるITリテラシーを身につけていきましょう。
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