「プログラミングを学び、WEBサイト制作やWEBアプリ開発をしたい」
このようにお考えですか?
プログラミング言語の学習を始める際、「どのプログラミング言語を選ぶべきか」を悩む初心者は非常に多いです。
この記事では、プログラミング初心者の方におすすめのWEB開発で使用するプログラミング言語やプログラミング言語のトレンドなどを解説します。
※記事内の年収等は2023年10月執筆時の内容です。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
※2019年1月22日編集:この記事は、現役エンジニアによって監修済みです。
この記事は現役エンジニアによって監修済みです。
この記事の目次
WEB開発とは?
WEB開発とは、WEBサイトやWEBアプリケーションを作ることの総称です。
WEBサイトでは、「www(ワールドワイドウェブ)」上にコンテンツを公開した上で、サイト訪問者に情報を提供します。
具体的な例としては、企業サイトやホームページなどが挙げられます。訪問者がコンテンツを受動的に閲覧する点が特徴です。
WEBアプリケーションは、情報だけでなく様々な機能を提供。コンテンツの訪問者が能動的に閲覧することを目的としています。
具体的な例としては、X(旧Twitter)やFacebookなどのSNS、Amazonや楽天などのECサイト、乗り換え案内アプリなどです。数えるとキリがありません。
WEBサイト・WEBアプリケーションも見た目はHTML/CSSで表現されており、Webブラウザ上で表示されている点は共通しています(クライアントサイド)。
WEBアプリケーションはこれに加え、サーバー側でプログラムの実行、データ管理を行う必要があります(サーバーサイド)。
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WEB開発で使うおもなプログラミング言語
ここでは、WEB開発に用いられることが多い代表的なプログラミング言語を紹介します。
クライアントサイドとサーバーサイドに分けて紹介しましょう。
クライアントサイドのプログラミング言語
まずはクライアントサイドのWEB開発に使用する言語を見てみましょう。
- HTML
- CSS
- JavaScript
HTML
「HTML」はウェブページの構造を記述するマークアップ言語です。
「タグ」と呼ばれる記号を使い「ここが見出し」「ここが文章」とブラウザがサイトの構造を認識できるように記述(マークアップ)していきます。
HTMLは「HyperText Markup Language(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)」の略称です。
それらがブラウザで読み込まれることによって、PCやスマートフォンの画面にウェブページが表示されます。
ウェブページは全て、HTMLコードで表されます。WEBサイトやWEBアプリケーションを開発する上ではなくてはならないものと言えるでしょう。
HTMLは文書の情報を整理し、ウェブサイトの表示を可能にするだけでなく、Googleなどの検索エンジンにサイトの構造を伝える役割を担います。
検索の上位で表示させるためには、適切なHTMLタグを使う必要があります。
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CSS
HTMLを用いてサイトの構造を記述しただけでは、非常に簡素なページになってしまいます。そこで見た目(デザイン)を指定するマークアップ言語「CSS」を記述します。
CSSを用いることで、文字や各要素の色や大きさ、配置(レイアウト)などを自由に指定することができます。
HTMLとCSSという2つの言語を組み合わせることによって、文書の構造と見た目を分けて考えることができます。
このように、Webサイト作成をするには、HTML/CSSの知識も身につけておくべきです。
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JavaScript
ウェブページをブラウザに表示させた後、各要素に動きがなく、文章や画像が静止しているページを「静的なページ」と呼びます。
これに対し、「ポップアップの表示」「スライドショー」「クリックすると要素が動く」といったようなページを「動的なページ」と呼びます。
JavaScriptを用いることで、各要素の動きを記述することができます。
近年は静的なページの数は減っており、よりスタイリッシュなページを作成する需要が増加。それに伴いJavaScriptを書ける人材の需要も増加しているのです。
JavaScriptはブラウザで実行される言語なので、PCに特別な環境を用意する必要はありません。簡単に学習を始められるので、初心者におすすめの言語と言えます。
サーバーサイドのプログラミング言語
次にデータベースなどを扱うサーバーサイドで使用される主なプログラミング言語を見ていきましょう。代表的なのは、以下の5つです。
- Ruby
- PHP
- Java
- Python
- Go
Ruby
Rubyは、WEB開発を効率良く行うことができるスクリプト言語です。
Rubyはまつもとゆきひろ氏によって開発された日本産のプログラミング言語です。そのため日本語の情報が多く、初心者でも学びやすい言語と言えます。
Rubyは「プログラミングを楽しむ」ことを目的に作られており、シンプルなコードで多くの機能が実現できる点が特徴的です。
また「Ruby on Rails」という、WEB開発の生産性を飛躍的に上げる強力なフレームワークを使えることも、Rubyを習得する大きなメリットです。
フレームワークとは、アプリを開発する際に必要とされる「汎用的な機能」をまとめて提供し、アプリの土台として使うことができるパッケージを指します。
ソフトウェアの骨組みまでを用意してくれているため、少ないコードで様々な機能(ログイン機能やメール送信機能など)を実現できます。
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PHP
PHPはWEB開発に広く用いられるスクリプト言語です。
WEB向けに特化した言語であり、PHPで構築されたWEBサイトは多数存在します。
PHPは歴史が長く、かつ国内外を問わず人気の言語であり、国内だけでも利用者が10万人以上いると言われています。
そのため、ネット上にも情報が多く存在しており、わからないことがあってもすぐに調べることができます。また参考書などの数も圧倒的にPHPが多いです。
また、 ブログやホームページを制作・管理できる WordPressもPHPで構築されています。PHPを学習することでWordPressのカスタマイズも行うことができます。
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Java
Java(ジャバ)は世界的にも人気のあるプログラミング言語です。
JavaはOSに依存しない開発ができるのが特徴です。Windowsで動作するが、Macでは動かない、ということがありません。環境に依存せず、システムを動かすことができます。
WEBアプリやデスクトップアプリ、Androidアプリに使用されています。さらにコンビニなどにあるPOSレジや勤怠管理システムに使用されることも。
汎用性のある言語なため、多くの企業でJavaが書ける人材の需要が高いと言えます。
WEBアプリ開発に向いた「Play Framework」というフレームワークも存在します。
Python
Python(パイソン)は、1991年に開発されたプログラミング言語です。
人工知能や機械学習の分野で使われるため、近年大きな注目を集めています。
Pythonはシンプルなコードで読みやすいことが特徴です。
WEBアプリケーションや機械学習などで使われており、世界的なサービスであるYouTubeやインスタグラム、EvernoteはPythonで構築されています。
シンプルながら高度な技術を扱うことができるPythonは、注目度が高く、今後需要が上がっていくと予測される言語です。
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Go
GoはGoogleによって開発されたプログラミング言語です。2009年にリリースされた比較的新しいプログラミング言語です。
開発当初はLinuxとMac OSのみのサポートでしたが、2013年に3月にリリースされたバージョン1.0ではWindowsにも対応しました。
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WEB開発初心者は「Ruby/PHP/Python」がおすすめ!2つの理由
上記で紹介した言語の中で、WEB開発を行う初心者の方におすすめなクライアントサイドの言語は、HTML・CSS・JavaScriptで問題はありません。
そしてサーバーサイド言語では、Ruby・PHP・Pythonが特におすすめです。
これらの言語がおすすめな理由は、以下の2つです。
- スクリプト言語だから
- フレームワークが使いやすいから
スクリプト言語だから
プログラムを作成する際は、まずファイルに「ソースコード(命令文)」記述します。
コンピュータが、その都度ソースコードを読み込んで実行する言語のことを、「スクリプト言語」と呼びます。
「スクリプト言語」は、ソースコードをその場で機械語に翻訳してくれるので、書いたコードをその場ですぐ実行可能です。
一方で、人間が書いたプログラムを、コンピュータが理解できる形式に変換する必要がある言語を「コンパイラ言語」と呼びます。
スクリプト言語は、ソースコードを書けば、その都度実行できるため、小規模な開発であれば、効率よく開発を進めることができます。
初めてプログラミングを学ぶのであれば、書いたソースコードをすぐに実行し、結果を確認できる「スクリプト言語」から学習することをおすすめします。
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フレームワークが使いやすいから
Ruby・PHP・Pythonは、初心者でもWEB開発を効率よく行うことができるフレームワークが充実しているのも特徴の1つです。
ログイン機能や画像のアップロードなどの機能を、比較的簡単に実装することができます。
もちろん、フレームワークを使わずに実装することも可能です。しかし、膨大なコードを書かなければならないこともあるため、初心者にはややハードルが高いと言えるでしょう。
WEB開発におすすめのフレームワーク
ここでは、WEB開発におすすめのフレームワークを言語別に紹介します。
- Ruby on Rails【Ruby】
- CakePHP【PHP】
- Django【Python】
Ruby on Rails【Ruby】
出典元:Ruby on Rails
SNSや掲示板サービスを作る際に使用される「Ruby on Rails」は、「Ruby」フレームワークの代表格です。
プロトタイプ(試作のアプリ)をスピーディに作ることができるため、ベンチャー企業などで多く導入されています。
CookPad、Retty、Wantedlyなどは実際にRuby on Railsで構築されています。
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CakePHP【PHP】
出典元:CakePHP
「CakePHP」は「あらゆるレベルのPHPユーザが、素早く快適に開発を行える事」を目的としたPHPのフレームワークです。
環境構築も比較的カンタンで、シンプルなフレームワークと言えます。開発するアプリケーションの規模が比較的小さい場合、効率的に開発することができるでしょう。
PHPはCakePHP以外にも多くのフレームワークがありますが、小規模に始めるならCakePHPはおすすめです。
比較的新しく作られたPHPフレームワーク「laravel」の人気も年々高まっています。今後laravelがCakePHPの需要を上回っていくことも十分考えられます。
Django【Python】
出典元:Django
「Django(ジャンゴ)」は、PythonでWEB開発を行う際に活用するフレームワークです。
品質の高いアプリケーションを少ないコードで作成することが可能です。
「ユーザー認証」「管理画面」「RSSフィード」など、一般的に使われる機能が含まれており、セキュリティ対策も施されています。
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プログラミング言語人気ランキング
オランダのTIOBE Softwareという会社が、いくつかの検索エンジンの検索結果を集め、多くの人から検索されている人気のプログラミング言語を毎月ランキングで発表しています。
ここでは、『TIOBE Index for September 2023』による、2023年9月時点での人気ランキングTOP20のプログラミング言語をまとめました。
- 1位:Python
- 2位:C
- 3位:C++
- 4位:Java
- 5位:C#
- 6位:JavaScript
- 7位:Visual Basic
- 8位:PHP
- 9位:Assembly language
- 10位:SQL
- 11位:Fortran
- 12位:Go
- 13位:MATLAB
- 14位:Scratch
- 15位:Delphi/Object Pascal
- 16位:Swift
- 17位:Rust
- 18位:R
- 19位:Ruby
- 20位:Kotlin
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WEB開発におけるトレンドについて
プログラミング言語のトレンドは日々変化しています。
現在「どの言語が人気があるのか」や「将来的にどの言語が生き残るのか」「どの言語を使用した仕事が多いのか」気になるところでしょう。
ここでは、WEB開発におけるトレンドについて解説します。
- トレンドはGitHubから参考にできる
- 現在需要が高いWEB開発言語
- ここ数年で人気が急上昇しているWEB開発言語
トレンドはGitHubから知ることができる
出典元:GitHub
「GitHub」はソフトウェア開発プロジェクトのためのソースコード管理サービスであり、開発のプラットフォームです。
システムの開発は、自ら全ての実装を行わなくても、オープンソースと呼ばれるソースコード(既存のソリューション)を使用して開発できます。
オープンソースはGitHubに公開されており、ユーザーは自分の気に入ったプロジェクトに星印(スター)をつけられます。
GitHubのスターが多いほど、そのプロジェクト(及び、そのプロジェクトで使用されている言語)が盛んであることを意味します。
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現在使用されている言語
paiza株式会社が発表した『プログラミング言語に関する調査(2022年版)』によると、転職で企業からニーズの高い言語ランキングTOP10は以下の通りでした。
出典元:paiza株式会社
- 1位:JavaScript
- 2位:Java
- 3位:PHP
- 4位:Python
- 5位:C#
- 6位:TypeScript
- 7位:Ruby
- 8位:Kotlin
- 9位:Swift
- 10位:C++
最も人気のある言語はJavaScriptという結果でした。
JavaScriptは、フレームワークや技術の変化も早く、新しい技術が次々と誕生しています。Node.jsなど、サーバーサイドでも使用できるようになっています。
求人数比率を見ていくと、TOP3のJavaScript・Java・PHPは高い水準です。
4位のPythonは世界的にも需要の高い言語で、機械学習やAI(人工知能)がトレンドとなっており、それに後押しされたのではないかと推測できます。
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ここ数年で人気が急上昇しているWEB開発言語
出典元:Ranking Programming Languages by GitHub Users
ここ数年で月間使用者数の割合が増加している言語はGo・TypeScript・Kotlin・Rustです(2018年度時点の調査)。
GoはGoogle、 TypeScriptはMicrosoft、 KotlinはJetBrains、RustはMozillaが開発した言語で、どれも有名企業が開発した言語であるという共通点があります。
特に「Go」は日本でも注目を集めています。シンプルな構文と軽量な動作が魅力的で、企業でも開発言語としてGoを採用する企業が増加しています。
「DropBox」ではGoを扱える技術者の採用を行っており、国内でもフリマアプリ「メルカリ」やニュースアプリ「Gunosy」でもサービス開発の一部でGoを活用しています。
また最新のプログラミング言語別の年収ランキング(2018年度)では、Goが1位という結果になっています。
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まとめ:基本を押さえてWEB開発を始めよう
WEB開発におすすめのプログラミング言語と、言語のトレンドについて解説しました。
C言語などプリミティブな言語は、挫折する可能性が高まってしまいます。
そのためプログラミング初心者の方は、マークアップ言語やスクリプト言語など、比較的書きやすいものを選ぶことをおすすめします。
まずはプログラミング学習の基本を押さえて、徐々にWEB開発をスタートしましょう。
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