「コロナ後に伸びる業界と伸び悩む業界について知りたい」
今後の働き方やビジネスについて考える上で、このような疑問を持つ方は多いと思います。
実際、新型コロナウイルスによる影響が及ぶのは、人体だけではありません。
その影響は、経済にも重くのしかかり、この短期間で多くの企業が倒産を余儀なくされています。
現在も続くコロナ不況の中で、このまま会社にいていいのか不安に感じる方も多いはずです。
そこで本記事では、新型コロナウイルスが経済に与える影響や、コロナ後に伸びる業界と伸び悩む業界について解説します。
またアフターコロナの仕事選びについても解説しますので、将来を見据えて転職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
コロナウイルスが経済に与える影響について
新型コロナウイルスは世界的に猛威を奮い、日本国内では初となる緊急事態宣言が発令されるほどでした。
外出自粛の流れは、解除後の現在も続いており、消費行動の変化による経済への影響は計り知れません。
こうした中で、コロナウイルスが経済に与える影響は、主に以下の4つです。
- 3密と関わりの大きい業界はサービスの見直しが必要
- テレワークの定着によって新たな需要が生まれる
- 自宅で過ごすことを前提としたサービスの成長に期待
- ただし世界全体の経済が停滞する可能性も
それぞれの中身について、解説します。
3密と関わりの大きい業界はサービスの見直しが必要
コロナウイルスの感染を防ぐ目的で、「3密(密閉、密集、密接)」を避けることが重要視されています。
3密が関わる業界の代表例は、飲食業、小売業、観光業、イベント業(音楽ライブ、演劇など)、テレビ業などです。
また、観光やイベントは「不要不急」なサービスのため、消費行動の優先順位が低いです。
そのため、当面は今までと同じようなサービス提供を続けるのが難しくなるでしょう。
したがって、人との接触が多いビジネスを展開する業界は、いかに「3密」を抑えて消費行動を促すサービスを提供できるかという見直しや変化が迫られています。
テレワークの定着によって新たな需要が生まれる
テレワークを導入した企業が増えたことで、新たな需要への期待も生まれています。
パーソル総合研究所の調査結果によると、5月末時点の正社員のテレワーク実施率は、全国平均で25.7%でした。
これは、緊急事態宣言の発令直後である、4月中旬時点の27.9%から、2.2%減少しています。
しかし、コロナ後のテレワーク継続希望率は69.4%で、4月の53.2%から大幅に上昇しています。
特に、若い年代や女性に多く、20代女性の希望率は79.3%にも及ぶそうです。
したがって、テレワーク継続の声が企業に反映されれば、Web会議システムや在宅環境の見直しなどで、新たな需要が生まれると予想されます。
自宅で過ごすことを前提としたサービスの成長に期待
自宅で過ごす機会が増えたことで、在宅時間を快適にするサービスへの期待も生まれています。
例えば、フードデリバリー、動画配信、YouTube、自宅での運動などです。
実際、フードデリバリーを展開するUber Eats(ウーバーイーツ)は、全国20都市以上に拠点を拡大しており、外食が制限された状況の中で、注目を集めています。
また、在宅フィットネス事業を展開するアメリカのPeloton(ペロトン)は、6月時点で株価が最高値に迫り、コロナ特需といえる状況にあります。
このように、当面はインドアを中心とするサービスが活況を帯びるでしょう。
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ただし世界全体の経済が停滞する可能性も
巻き返しを図る業界が動きを見せる一方で、世界全体を見渡すと、状況は予断を許しません。
世界のコロナウイルス感染者数は、6月22日時点で900万人を上回りました。
現在は、ブラジルやインドを中心に感染者が急増しており、アメリカは経済活動段階の第2フェーズに移行したことで、感染者数が拡大する恐れもあります。
こうして、世界全体の経済が長期的に停滞すると、当然日本経済への影響も少なくありません。
例えば、インバウンド(日本を訪れる外国人の観光客)の需要を取り込む宿泊業や観光業などは、影響は避けられないでしょう。
コロナ後に伸びる業界・分野
ADB(アジア開発銀行)のレポートによると、新型コロナウイルスによる世界の経済損失額は、最大8兆8,000億ドル(約940兆円)に上るそうです。
このような「世界同時不況」の中で、コロナ後に伸びる業界・分野に注目が集まっています。
それが、以下の4つです。
- EC(電子商取引)業界
- 医療業界
- 動画関連のサービス
- Web会議関連
それぞれ、理由を添えて解説します。
EC(電子商取引)業界
EC業界は、基本的に実店舗を必要としないため、外出が難しい現在も売上が増加。今後も市場の拡大が予想されます。
実際、アメリカのAmazonは4月13日、コロナウイルスによる注文増加に対応するため、75,000人の追加雇用を発表しました。
また、中国のEC業界大手のアリババは6月9日、今年度中に世界で5,000人の新規採用を行うことを発表しました。
こうした動きは、日本のEC業界にも波及すると考えられます。
医療業界
医療業界で注目されるのが、「オンライン診療」です。
オンライン診療は、スマートフォンなどの通信端末で予約、診断、処方箋の発行などができるシステムのことです。
厚生労働省は4月10日、オンライン診療を初診からも行えるよう、時限的に承認しました。あくまで時限的としつつも、継続される可能性は十分あると考えられます。
もちろん、コロナウイルスへの対策や創薬といった面においても、医療業界は関心が高まっている業界です。
さらに、2020年から導入される5Gにより、医療ロボットによる遠隔治療はさらに進むでしょう。
テクノロジーと医療をかけ合わせるMedtecによって、医療業界はさらに伸びると予想されます。
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動画関連のサービス
新型コロナウイルスによる外出自粛は、動画関連サービスにとっては追い風です。家での過ごし方として、動画の視聴を選ぶ人はとても増えています。
出典元:ネットフリックス【NFLX】:チャート/株価 – Yahoo!ファイナンス
例えば、動画配信サービス大手のNetflixは、2020年に入り株価が約30%上昇。
また、2019年11月に開始したDisney+は、半年を待たずに有料会員数が5,000万人を突破しました。
娯楽だけでなく、教育コンテンツ、営業ツールとしての活用も期待される動画サービス市場は、コロナ後も需要が伸びそうです。
Web会議関連のサービス
外出自粛によりテレワークを導入する企業が増えたことで、Web会議を提供するサービスが好調です。
Web会議のアプリで有名なのは、Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどです。
Web会議の導入により、人との接触を避けるだけでなく、会議の効率化、交通費の削減なども期待できるでしょう。
また、「オンライン飲み会」のように、ビジネスシーン以外の場でも活用の場が広まっています。
したがって、コロナ後もWeb会議関連のサービスは伸びると予想されます。
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コロナ後に伸び悩む業界・分野
コロナ後に伸びる業界もあれば、その逆もしかりです。
伸び悩む可能性のある業界・分野は、以下の3つです。
- 飲食業界
- 店舗を中心とした小売業
- ジムなどのスポーツ関連事業
それぞれ、対策も添えて解説します。
飲食業界
特に、実店舗を主体に経営する飲食店は、外出自粛のあおりを受け、売り上げを大きく下げています。
営業停止に伴い、従業員の給料や月々の家賃が払えず、閉店を余儀なくされる飲食店が増えています。
当面の間も、ソーシャルディスタンスによる席数の減少で、実店舗で売上を稼ぐことは難しいでしょう。
したがって、対応策としてフードデリバリーやテイクアウトの強化が求められます。
店舗を中心とした小売業
感染予防のためのマスクやアルコール消毒などの需要が増えたことで、ドラッグストアが売り上げを伸ばしました。
また、巣ごもりによってインスタント食品やレトルト食品などの需要が増えたことで、食品スーパーが売り上げを伸ばしました。
一方で、外出自粛による影響で、化粧品や服飾などの需要が下がっています。
コロナ後も、生活必需品以外の不要不急の買い物が減少すると予想されますから、実店舗を主体とした小売業は、伸び悩むと考えられます。
対策としては、ECサイトの強化や在宅時間を充実させる商品の訴求が求められるでしょう。
ジムなどのスポーツ関連事業
フィットネスジムについても、コロナウイルスによる影響で営業停止が相次ぎました。
緊急事態宣言の解除後は、順次営業を再開しているものの、ソーシャルディスタンスの確保や短縮営業により、実店舗の売り上げは下がっています。
コロナ後は、オンラインサービスの強化や自宅用フィットネス商品の販売強化が求められるでしょう。
また、スポーツ業界は当面の間は無観客試合が続くと予想されます。
これにより、グッズ販売の強化やITを活用したバーチャルライブ配信など、柔軟な対策が求められるでしょう。
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コロナ後に伸びる仕事の選び方・ポイント
コロナ後に伸びる仕事の選び方とポイントは、以下の3つです。
- 不要不急と判断されないサービス・製品を提供しているか
- 社会の変化に対して危機感を持っているか
- 需要の拡大が予想される業界を選ぶ
それぞれの中身について、解説します。
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不要不急と判断されないサービス・製品を提供しているか
1つ目は、不要不急と判断されないサービス・製品を提供しているかどうかです。
例えば、生鮮食品の宅配サービスや除菌・消毒サービスのあるハウスクリーニングなどは、生活に深く関連したサービスとして必要至急な価値を提供できると考えられます。
反対に、実店舗を主体とした飲食業や衣料品系の小売業などは、不要不急に該当するため、難しい対応が求められそうです。
したがって、仕事を選ぶ際は、コロナ禍であっても必要至急なサービスを提供する企業を選ぶことが大切です。
社会の変化に対して危機感を持っているか
2つ目は、社会の変化に危機感を持ち、柔軟に対応しているかどうかです。
今回のコロナウイルスによる消費行動の変化は、決して一時的ではありません。今後はコロナウイルスへの対策を考えた生活が日常になるでしょう。
それに加えて、2020年は5Gの開始、東京オリンピック、キャッシュレス決済の普及、昨年からの消費増税などで、複雑に社会が変化すると予想されます。
そのような変化に対して危機感を持ち、今までのやり方を改めてチャレンジできる会社が成長を続けられるはずです。
したがって、仕事を選ぶ際は、社会の変化に合わせて柔軟に対応できる企業を選びましょう。
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需要の拡大が予想される業界を選ぶ
3つ目は、需要の拡大が予想される業界・分野を選ぶことです。
EC業界、医療業界、動画関連のサービス、Web会議関連サービスなど、自宅で過ごすことを前提としたサービスなどが代表的な例です。
また、前述したようにコロナ後は社会が著しく変化しますから、新たな需要も生まれるでしょう
したがって、コロナ後に就職・転職を考えている方は、新聞、ニュース、書籍などで社会の動きに対してアンテナを張ることが、一層求められるでしょう。
コロナ後のビジネスはIT活用がカギ
コロナウイルスが経済に与える影響とコロナ後に伸びる仕事の選び方・ポイントについて、解説しました。
2020年6月現在においても、コロナウイルスへの感染は世界規模で拡大しており、経済は危機的状況にあります。
このような中で、今後ビジネスを成長させるには、いかにアフターコロナの社会の変化に対して、柔軟に対応できるかが大切です。
そのカギとなるのは、ITの活用です。
例えば、キャッシュレス決済を導入することで、固定費のコスト削減や人との接触を避けることにつながります。
また、5G回線による「低遅延・高速通信・多数同時接続」の実現は、AI(人工知能)や遠隔技術の追い風になるはずです。
アフターコロナにおける企業のIT活用についても、ぜひ注目してみましょう。
コロナ後に伸びる分野・業界とコロナ後に伸び悩む分野・業界について解説しました。
伸び悩む業界は、言い換えれば「変化を求められる業界」と捉えられます。
つまり、テイクアウトの強化やECサイトの拡充などの新たな取り組みが、アフターコロナを生き抜く鍵になるはずです。
「ピンチはチャンス」と捉え、変化を受け入れた企業であれば、業界を問わず成長できると思います。
コロナウイルスが経済に与える影響はとても大きいです。それをしっかりと理解することが、今後伸びていく仕事を見極めるカギになるでしょう。
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