あなたの周りに、いつも誰かからの指示を待っていて、自発的に動こうとしない「指示待ち人間」はいませんか。
「指示待ち人間の部下や後輩にイライラしている」
「なぜ自分で考えて行動することが出来ないのかと不思議に思っている」
という人は、まずは指示待ち人間の心理的特徴や原因を理解した上で、彼らとの正しい接し方を考える必要があります。
この記事では、指示待ち人間と言われる人たちが取る行動の特徴やその原因、彼らが周囲に及ぼす悪影響について解説。また指示待ち人間の人に向いている業務なども紹介します。
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指示待ち人間とは
指示待ち人間とは「部下が指示待ち人間だ」「指示待ち人間にならずに自発的に行動すべき」といったように使われる言葉です。一般的にネガティブな意味合いで使われます。
まずは具体的にどのような人のことを指すのか確認していきましょう。
- 自分で考えて行動できない人を指す
- ゆとり教育が問題というわけではない
自分で考えて行動できない人を指す
「指示待ち人間」とは、仕事などにおいてやるべきことを誰かから指示してもらわないと動けないような人のことを指します。
指示を出してもらえればその通りに作業を行うだけのスキルを持ってはいても、これから何をすべきかや突発的に発生したトラブルに対してどのように対処すべきか、などについて考えるのは苦手。
または自主的な行動を起こせないという人もそれにあたります。
結果的に誰かの指示を持ってしまう人や、考えるスピードがゆっくりで結果的に自身で決断する前に指示が下りてくる人もいるのです。
いずれの場合にしても、自主的な判断や行動が出来ない指示待ち人間は、自発的な行動が取れる人と比較して能力が低いと判断されてしまうことが多いです。
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ゆとり教育が問題というわけではない
「指示待ち人間を生む原因=ゆとり教育」というイメージを持っている方もおられるかもしれませんが、ゆとり教育が指示待ち人間を生んだというのは誤解です。
ゆとり教育は、それまでの詰め込み教育から方向転換し、学校で学習する内容を削り「ゆとり」を持たせ、家族との時間や課外活動を通して個性や生きる力を伸ばすというものです。
その後、日本の学力低下を招いたという批判が「脱ゆとり」への方針転換に繋がったことで、ゆとり教育に対してネガティブなイメージを持った人もいます。
しかし、ゆとり世代の中にも若くして自分で会社を立ち上げたり、積極的に社会で活動・活躍していたりする人もおり、指示待ち人間とゆとり教育を必ずしも関連付けることは無理があるでしょう。
指示待ち人間のおもな心理的特徴
仕事現場で同僚をイライラさせてしまう指示待ち人間には、具体的にどのような心理的特徴があるのでしょうか。指示待ち人間には指示待ち人間にあった接し方や指示の仕方があります。ここでは彼らの特徴10個を理解しましょう。
- やりがいを持って仕事をしていない
- 周りの状況や自分への評価に無関心
- 自分の意見を述べない
- 優柔不断で自分で判断できない
- 臨機応変に対応できない
- 丸投げで質問をしてくる
- 責任を負いたくない・負えない
- 業務への知識量が足りていない
- 萎縮して質問ができない
- 合理主義
やりがいを持って仕事をしていない
自ら考え、自主的に行動をしない(できない)背景には、その仕事に対しての意義が感じられず、やる気を持てていないということがあります。
例えば、希望していた職種とは違った部署に配属された人や、やりたいこととは違う仕事をやっている人などです。
そのような人は「本当はこんな仕事をしたくない」「なぜ自分がこの仕事をさせられているのだろうか」という気持ちを持っているため、積極的に動くことが出来ないのです。
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周りの状況や自分への評価に無関心
昇進・昇格や周囲からの評価に興味がある人、向上心がある人は、積極的に動くことで自らの能力をアピールしようとします。
一方、そういったことに興味がない人は「言われたことだけやっていればいい」「指示に従いながら時間が過ぎるのを待つ」といった姿勢でいるため、誰かからの指示がないと動こうとしません。
周囲の状況にも興味がなく、隣の同僚が忙しくしていても助けようとしなかったり、他の同僚が残業続きであっても自分だけは指示されたことが終わったらさっさと退社します。
自分の意見を述べない
指示待ち人間は、あらゆることについて考えることを怠るため、例えば会議などの場においても自分の意見を述べることはあまりありません。
自主的な行動が出来る人は、質問されていないことやそれが自分にとって直接関係のないことであっても「自分ならどうするか」と考えようとします。
しかし、指示待ち人間はそういった思考をすることは基本的になく、誰かが考えてくれるのを待っているため、質問されると「わかりません」「◯◯さんと同意見です」といった言葉で答えようとします。
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優柔不断で自分で判断できない
「どうすればいいんだろう」「誰かに聞きたいけど、悩むな」と行動する前に優柔不断なところがあります。自分に自信がなかったり、ネガティブ思考で自分の選択に確証が持てないのです。
成功体験や仕事で誰から評価されたことがないために、自信をなくしまいます。
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臨機応変に対応できない
マニュアルに沿っての仕事や単純作業はできるのに、突発的な仕事やトラブルなどになると思考停止状態になります。新社会人や転職したての人に見られる傾向です。
今までは誰かの指示で生きてきた人もこの傾向が強いです。親や先生などに「こうしなさい」と言われ続けていたが、急に主体的にやらなければいけない環境になり精神的にも不安定になっています。
丸投げで質問をしてくる
仕事場で自主的に頭を使うことが習慣化されていないため、丸投げで質問することが多いという特徴もあります。
例えば、自分で考えることを常にやっている人は、分からないことや質問があった場合以下のような聞き方をします。
「自分はこう思うのですが、どう思いますか」「この場合は◯◯をやるべきだと思いますが、どうしましょうか」など自分の考えを言った上で相手の意見を聞くでしょう。
一方、それが出来ない指示待ち人間はただ漠然と「どうしましょうか」と聞いてくるので、質問された側は「この人は何も考えていないのか」とイライラしてしまったりします。
責任を負いたくない・負えない
自ら判断して行動した際に「何か失敗やトラブルが発生したら嫌だ」「責任を負いたくない」と思ってしまう特徴もあります。
また、自分は権限のある立場ではないから責任を取ることが出来ない、という場合にはなるべく自主的な判断を避けて指示を待とうとします。
前者は無責任な人、後者は経験が少ない新人社員などに多く見られるケースです。
業務への知識量が足りていない
新人社員の頃に上司や先輩から「指示待ち人間になるな」と言われた経験がある方もいるでしょう。
ですが根本的な部分として、業務への知識が足りていないことで指示を待たざるを得ないこともあります。
同じように、知識が足りない新人社員はそもそも何から手をつければいいかわからない、それどころか何を質問すればいいのかもわからないといった状況になり、何も出来ずにただ指示を待つしかなくなります。
萎縮して質問ができない
職場の人間関係が苦手で、質問ができず萎縮している人もいます。「この質問したら怒られないだろうか」などと考えていると動けなくなるのです。このタイプの人はやる気が無いわけではありません。
指示を出したらしっかりと仕事はこなします。過去に質問をすることで怒られたりした経験がある可能性があります。また、コミュニケーションが苦手である人が多いです。
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合理主義
なるべく余計な仕事は増やしたくないと考える合理主義的なタイプもいます。
自分の手持ちの仕事が終われば指示されるまで仕事をやろうとしません。損得勘定で動いており、無駄は一切省こうと考えています。指示があれば文句も言わずしっかりと仕事はこなします。
指示待ち人間が周囲に及ぼす悪影響
同僚をイライラさせてしまうだけでなく、指示待ち人間はチームや会社のパフォーマンスやモチベーションの低下など、様々な悪影響を及ぼします。
上司として指示待ち人間を部下に持っている人は、指示待ち人間の悪影響を理解し早めに対処する必要があるでしょう。
- 会社単位で生産性を下げてしまう
- 周りに不満を持つ人が増える
- マネジメント面の問題から上司の評価も下がる可能性がある
会社単位で生産性を下げてしまう
指示がないと動けない人は、ただ戦力として現場に貢献できないだけなく、他の人の足を引っ張ることにもなります。
特に指示待ち人間に指示を与え、その人の仕事の状況や結果などをチェックしたり次の指示を与えたりする人は、その人の面倒を見る間は自分の仕事をすることが出来ません。
また、主体的に動ける人に対しては「これやっておいて」と振れるような仕事でも、指示待ち人間の人に対しては細かく作業内容を指示しなければいけません。
ですので、頭を使わなくても出来るような簡単な作業を見つけたり、わざわざその人のために仕事を作ったりしないといけない場面も出てきてしまうのです。
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周りに不満を持つ人が増える
「自分はこんなに頑張っているのに、あの人は言われたことが終わったらさっさと帰ってしまう」など、職場の中で不満が溜まってしまう可能性もあります。
もちろん、主体的に動いている人はその分上司や周囲からの評価が高く、難易度の高い仕事ややりがいのある仕事を任せてもらえるでしょう。
そういった姿を目にしてしまうと、周りの人は頑張りと報酬が釣り合わないような気持ちになってモチベーションが低下してしまうこともあります。
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マネジメント面の問題から上司の評価も下がる可能性がある
指示待ち人間を部下に持っていても、その人に作業を継続的に依頼して上手に使えているのではあれば特に問題はないでしょう。
しかし、指示待ち人間である部下の使い方や教育方法がわからず、なんとなくそのままにしてしまっている場合、上司自身の評価が下がってしまう可能性があります。
上述した通り、指示待ち人間は職場の雰囲気も悪化させてしまいかねません。
指示待ち人間を上手く扱えていない上司に対して他の社員から不満が出たり、マネジメントが出来ない人として部下からの信頼を失ってしまう可能性もあるでしょう。
指示待ち人間の人に向いている業務は?
指示待ち人間の人にはどんな業務が向いているのでしょうか。
指示待ち人間の人はマニュアルがあったり、ルーティンのある仕事だと責任を持って業務をこなす人が多いです。ぜひ参考にしてみてください。
- 事務作業
- 法務職
- 工場勤務
事務作業
コツコツとデータを打ち込む事務作業は、言われたことを地道にやる仕事なのでおすすめです。
指示待ち人間の人は主体的に動くことに対して自信が持てないので、指示されると安心して作業をこなします。また地道な作業を得意とする人も多いため高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
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法務職
法知識に基づき、細かい作業をコツコツと重ねる法務職は指示待ち人間の人にも向いています。契約書の作成や、契約書の一言一句をチェックをするのは丁寧さと根気があればできる仕事と言えます。
もちろん高い法知識が必要になるので、学習意欲の高さは求められます。
工場勤務
工場のライン業務や組み立て、仕分け作業はマニュアルがしっかりとあります。変化のあまりないルーティーンワークなので指示待ち人間の人に向いている仕事と言えます。
何か変更点があったとしてもしっかりと指示されるので働きやすい環境と言えます。
部下が指示待ち人間ならば対策を考えよう
指示待ち人間を生み出す原因は、性格的な問題ややる気のなさといった個人の感情、そして知識不足などさまざまです。
いずれの場合にしても、部署や会社全体の効率を下げる可能性のある指示待ち人間は、上司として、同僚として対処することが必要でしょう。
以下の記事では、部下が指示待ち人間である場合の対策について詳しく解説しているので、ぜひ合わせてご覧下さい。
▶️部下が指示待ち人間を脱却するために上司が取るべき対策方法を紹介
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