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【2021年版】転職するなら知っておきたい人手不足の業界・職種を解説

更新: 2021.07.02

最近、ニュースで「人手不足」という言葉を耳にすることはありませんか?

人口減少に伴い、人手不足に陥る企業や業界が顕在化してきました。

「人が足りないのはその企業や業界に魅力がないからなのでは?」と思うかもしれません。

しかし、業界や企業が拡大するにあたって、採用が追いつかないという理由も考えられます。

安心して長く働くためにも、市場が拡大していて需要のある業界や職種で働きたいものです。

この記事では「転職前に知っておきたい人手不足の業界や職種」を紹介します。

【2021年】人手不足の業界

2021年以降、人手不足が見込まれる業界を紹介します。

※2021年6月17日にdodaが発表した転職求人倍率レポートを参考にしています。

人手不足の業界①IT・通信

人手不足の業界1つ目は「IT・通信」業界です。

IT業界の人手不足についてはテレビやネットのニュースなどでよく見かけるかと思います。

実際、2019年の求人倍率は5.63倍。前年比は-0.21倍でした。

IT・通信業界の人手不足の背景として以下の理由が考えられます。

□業界が拡大しているので、採用が追いつかない
→毎年市場が拡大しており、総務省によるとIT産業(情報通信産業)の市場規模は99.1兆円で国内最大規模となっています。(2018年時点)

□国内のIT人材(特にエンジニア)が足りない
→経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、国内のIT人材は2030年に約79万人不足すると言われています。

□若者のIT業界離れ
7K(きつい・帰れない・給料が低い・規則が厳しい・休暇がとれない・化粧がのらない・結婚ができない)という噂が蔓延しています。

上記の理由を背景に、今後もますますIT業界の人手不足が続くと考えられます。

しかし、産業としては成長する見込みがあるので、転職を検討している方はIT業界も視野にいれることをおすすめします。

人手不足の業界②サービス

人手不足の業界2つ目は「サービス」業界です。

飲食業界や介護業界などを中心に、人手不足が続くというニュースが頻繁に取り上げられてきたサービス業界。

実際のところ、2021年の求人倍率は1.93倍となっていますが、2019年の3.36倍と比較すると低下傾向にあることが分かります。これは新型コロナウイルスの影響が考えられるでしょう。

一方、全体としては求人倍率が第2位ですので、サービス業界での人手不足は依然継続中であることが伺えます。その理由はどこにあるのでしょうか。

背景として、以下の理由から離職してしまう人が増加していると予想できます。

□業界の生産性が低く、低賃金な構造になっている
→背景として国内のサービス業は「おもてなし」の精神が根強く、支払われる対価以上のサービスを提供することが前提となっていること。また、労働集約型のビジネスなので人件費が一定かかることが挙げられます。実際、公益財団法人日本生産性本部の「質を調整した日米サービス産業の労働生産性水準比較」によると、日本の労働生産性はアメリカの半分を下回るとも言われています。

□シフト制による不定期な休日、夜勤、早朝出勤。
→友人やパートナーとの休みが合わないこと、長期休暇や年末年始でも出社することを考慮すると、プライベートに余裕を持てなくなる人が多い傾向にあります。

□肉体的・精神的な疲労。
→仕事の特性上、直接顧客にサービスを提供するので、肉体的・精神的に疲労を感じやすい傾向にあります。また、シフト制の場合が多く、まとまった休日をとることができずに疲れがとれないと感じる人が多いようです。

人手不足の業界③メーカー

人手不足の業界3つ目は「メディカル」業界です。
超高齢化社会に突入する日本において、労働力人口の減少は深刻な問題。その影響がメーカーの人手不足にも影響を与えていると考えられます。。

メーカー業界の人手不足の背景としては、以下の理由が考えられます。

□人材の流動化や後継者不足
→日本では長年「やって見せる」「実際にやらせてみる」といった手法で技術継承が行われてきました。そして着実に技術が身につくまで経験を積んだのちに、上流工程の部署への異動といったキャリアが開けるのが一般的でした。

しかし近年は人材の流動化が活発化。技術継承の時点でよりよい条件の企業へ人材が流出してしまう傾向があります。実際に経済産業省によると「ものづくり現場が直面している経営課題」として、大企業の41.9%・中小企業の42.2%が「人手不足」と、大企業の22.7%・中小企業の17.1%が「後継者不足」と回答しています。

□3Kなどの負のイメージ
→メーカー業界の負のイメージとして3K(きつい・汚い・危険)が挙げられます。業務形態にもよりますが24時間稼働の工場の場合は夜勤などもあり、シフトの入り方によっては肉体的にキツいこともあるでしょう。

また製造する製品によっては作業着が汚れたり化学薬品などを取り扱ったりすることもあり、汚い・危険というイメージから人材が集まりにくい傾向にあります。

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【2021年】人手不足の職種

2021年以降、人手不足が見込まれる職種に関して紹介します。

※2021年6月17日にdodaが発表した転職求人倍率レポートを参考にしています。

人手不足の職種①技術系

人手不足の職種1つ目は「技術系」の職種です。

技術系にはIT・通信や、建築・土木など様々な種類があり、中でももっとも求人倍率が高いのがIT・通信。求人倍率は8.25倍となっています。

このほか、建築・土木は4.58倍、電気・機械が2.97倍、メディカルが1.48倍、化学・食品が0.83倍の求人倍率です。

ではなぜIT・通信系の技術職は不足しているのでしょうか。これは、記事前半で述べた市場規模の急拡大や技術者へのイメージ以外にも以下の理由が考えられます。

□長時間労働
→建設業界と似た多重下請け構造により、下請け先の企業は納期に追われることが多いです。また、そもそもシステム開発は相当な労力をかけて行われるもので、技術者が十分に揃っていない企業では、必然的に長時間労働にならざるを得ないケースもあります。

□技術の急速な進歩
IT技術は日々進化しており、一度身につけた言語やフレームワークが数年後には使えなくなることも珍しくありません。若いうちはスポンジのように新しいことを吸収できる人も多いですが、年を重ねるにつれて新しい情報に疎くなってくるケースもあるようです。

□緊急出社
システムにトラブルが見つかると、休日でも夜間でも関係なく、出社して対応しなくてはならない場合もあります。頻繁に起きることではないですが、ユーザーやクライアントのためにも早急な対応が必要となるので、避けることは難しいでしょう。

人手不足の職種②専門職

人手不足の職種2つ目は「専門職」です。

具体的には、コンサルティングファームや専門事務所、監査法人などを指します。

一見すると「あまり人手不足な職種とは思えない」と感じたかもしれません。

しかし求人倍率を見てみると5.16倍となっています。

特にコンサルティングファームは近年採用をかなり強化しており、最近では未経験でも新卒中途問わず積極的に採用する企業が増えてきました。

専門職(特にコンサルティングファーム)が人手不足となっている理由として以下が考えられます。

□景気拡大による案件数の増加
→景気拡大により、コンサル案件を発注する余裕のある企業が多い傾向にあります。

□グローバル化やデジタル化の案件増加
急速なグローバル化やデジタル化に対応するため、コンサルに依頼をする企業も増えてきました。これらの案件はプロジェクトとして大規模なものが多く、それに伴い人員を増加する必要があります。また、コンサル業界は群雄割拠な状態なので、各社が生き残りをかけて幅広い案件に挑戦するようになりました。

人手不足の職種③企画・管理系

人手不足の業界3つ目は「企画・管理系」の職種です。

企画・管理職の求人倍率は1.63倍となっており、前年より0.12高くなっています。

より経営側に近いポジションで働く企画・管理系の職種は、企業が属する業界や経営の専門知識が求められます。

キャリアパスとして目指す人も多い職種と考えられますが、なぜ人手不足となっているのでしょうか。

考えられる原因を以下に挙げました。

□業務が多岐にわたり負担が大きい
→管理職の業務は多岐にわたり、負担が大きくなる傾向があります。実際にリクルートが行った調査によると、約7割の企業が「ミドルマネジメントの負担が荷重になっている」と回答しました。

また、管理職は従業員と経営層との板挟みになりやすい立場でもあります。特に近年は働き方改革が進み、経営層から残業時間の削減が求められる一方で、業務量は削減できない企業も少なくありません。その結果中間管理職が業務を巻き取ることになり、大きな負担を抱えるケースも。その結果肉体的・精神的負担が増大し、退職してしまうこともあります。

□求められるスキルが高い
→企画職は企画力をはじめマーケティングや課題解決などのスキルが求められます。また管理職は人材育成能力や決断力など、専門知識に加えて部下を率いるための人間力に近いスキルが求められます。

いずれも知識のみではカバーできない分野も多く、経験を積み重ねる中で培われるスキルも多いです。そのため十分な経験を重ねられないまま企画・管理職に昇格し、スキル不足を実感する従業員も多くいるのが現状。この課題を解決するには、社内で企画・管理職を育成する体制を整える必要もあるでしょう。

□中途採用が難しい
→企画・管理職は求められる業務が多岐にわたり、経営層からの期待値も高いポジションのため、中途採用を行う際も望ましい人材が見つかりにくい傾向があります。条件に合致するスキル・経験を持った人材が見つかったとしても、給与面などの折り合いがつかず、なかなか採用に結びつかないケースも。

社内で人材育成するにもリソースが足りず、中途採用も難しいとなると、慢性的に管理職が不足する事態に陥ることもあります。

人手不足の業界・職種に転職するメリット

「人手不足」と聞くとあまりポジティブな印象を受けないかもしれません。

しかし、転職するにあたって以下のようなメリットも考えられます。

メリット①採用されやすい

人手不足の業界・職種に転職するメリット1つ目は「採用されやすい」です。

ここまでに紹介してきた業界、職種は求人倍率の高いものでした。

先ほど紹介したように、求人倍率の高い業界・職種は「求人数が多い」「求職者数が少ない」状態にあります。

つまり、このような業界に当てはまる企業は「人を欲しているのに、応募者が集まらない」という状況です。

そのため、必然的に未経験者まで採用ターゲットを広げることになります。

やる気さえあれば、ポテンシャル採用として採用される可能性も高いです。

自分のスキルや経歴に自信がない人は、ぜひ人手不足の業界も転職先の候補として考えてみてはいかがでしょうか。

メリット②仕事の幅が広がる

人手不足の業界・職種に転職するメリット2つ目は「仕事の幅が広がる」です。

人手不足の業界は、一人当たりの仕事量が多くなる傾向にあります。

しかし見方を変えると「様々な仕事に挑戦できる」と捉えることもできるでしょう。

「現在働いている会社は業務が細分化されていて、将来的なキャリアアップにつながらない」と焦りを感じている若手社会人にはうってつけの環境といえます。

人手不足と聞くとネガティブな印象を受けますが、なかにはIT業界のように「人材供給が業界の成長に追いついていない」場合も。

しっかりと業界の将来性を見極めれば、今後のキャリアアップに繋がる仕事に就くことも可能です。

メリット③出世しやすい

人手不足の業界・職種に転職するメリット3つ目は「出世しやすい」です。

人手不足ということは、言い換えると「出世競争の相手が少ない」と考られます。

IT業界のように今後も成長が見込まれる業界は、新しいポジションも次々に生まれます。

「現在働いている会社はポストが埋まっていて出世できるか不安」と感じている人は、チャンスのある業界を探してみるのがおすすめです。

メリット④企業によっては働き方改革に積極的

人手不足の業界・職種に転職するメリット4つ目は「企業によって働き方改革に積極的」です。

労働環境の悪さから人材が定着せず、人手不足に陥っている企業もあります。

そのような企業では、人材確保のために労働環境改善・働き方改革などを推し進めているケースがあるのです。

具体的には「リモートワーク」や「ノー残業デー」「育休・産休制度」など。

例えば、平成29年に総務省の「テレワーク先駆者百選」に選ばれた株式会社キャスターでは、全社員がリモートワークで働く体制をとっており、毎月約1,000人から応募が来ているそうです。

参照:WORK PJ

「福利厚生の内容や社内制度的に働きたいと思える企業が見つからない」とお悩みなら、人手不足の業界・企業にまで視野を広げてみるのがおすすめです。

転職前に知っておきたい人手不足の業界・職種の問題点

人手不足の業界・職種にはどのような問題点があるのでしょうか。

以下で、転職前に知っておくべき人手不足の業界・職種の問題点を挙げました。

問題点①離職率が高い

人手不足の業界・職種の問題点1つ目は「離職率が高い」です。

そもそもなぜ人手が不足しているのでしょうか。

考えられる原因は以下の2つです。

①採用数が事業拡大に追いつかない
②何らかの原因で離職率が高い

①の場合は問題ないのですが、②が原因で人手不足の場合は注意が必要となります。

転職する前に「なぜ人手が不足しているのか」背景にある原因を慎重に探ってみることが重要です。

問題点②業務量が多い

ネガティブ人手不足の業界・職種の問題点2つ目は「業務量が多い」です。

人手不足の場合、必然的に一人当たりの業務量は増えます。

キャリアアップを狙って積極的に仕事がしたい方は、仕事の幅が広がるので問題ないでしょう。

しかし、「仕事とプライベートを両立させたい」「給料以上のことはしたくない」と考えている方は注意が必要です。

自分自身が何を目的に働くのか、しっかりと考えてから転職を検討することをおすすめします。

問題点③将来への不安

人手不足の業界・職種の問題点3つ目は「将来への不安」です。

人手不足で積極的な採用を行っている業界・職種のなかには将来性の低いものもあります。

将来性の低さから離職する人が増え、人手不足に陥っているケースです。

例えば、スーパーやコンビニのレジ係がその1つ。

昨今では、セルフレジを導入する店舗が増えており、AIを駆使した「無人コンビニ」も誕生しているので、将来的には人手が不要になる可能性が高いです。

参照:BUSINESS INSIDER「実証開始の深夜ローソンには日本の未来があった」

業界研究をしっかりして転職するべき

人手不足の業界・職種のなかには、成長が見込める業界・職種がある一方で、将来性のない業界・職種もあります。

せっかく転職をするのであれば、将来性があって長く働ける業界・職種が理想ですよね。

転職前にしっかりと業界研究しましょう。

業界研究に役立つ業界一覧は「転職活動に役立つ業界一覧表!各業界の特徴や代表的な企業も紹介」で紹介しています。

業界研究・企業研究のコツ

では、将来性の高い業界・職種を調べるために、具体的にどのようにして業界研究・企業研究を行えばよいのでしょうか。

主な業界研究の方法を挙げてみました。

・ニュースサイトやwebメディアで見る
・業界地図などの書籍で読む
・業界研究セミナーに参加する

まずは上記の方法で業界研究を始めてみてください。

その後、興味がある業界が見つかった場合は、以下の方法で企業研究をしてみてください。

・コーポレートサイトを見る
・決算書や事業報告書を読む
・勤めている人の話を聞く
・会社四季報などの書籍を読む
・OpenWorkなどの口コミサイトを見る

業界研究や企業研究の方法について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

就職・転職で失敗しないために!業界研究と企業研究のコツを解説

履歴書・職務経歴書の書き方

興味のある企業が見つかった場合、応募前に履歴書・職務経歴書を準備する必要があります。

以下に注意して履歴書を作成してください。

・黒のペンかボールペンで書く
・誤字脱字に注意する
・ウソの内容は避ける
・できるだけ空欄がないようにする

また、転職の場合は過去の仕事内容や実績をまとめた職務経歴書を書かなくてはなりません。

以下に注意して職務経歴書を作成してください。

・レイアウトに工夫して見やすくする
・できるだけ1〜2枚に抑える
・簡潔に書く

履歴書・職務経歴書の書き方を詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

履歴書と職務経歴書の書き方は?初めて転職するあなたをサポート

面接対策もしよう

履歴書・職務経歴書の作成が終わり、書類選考が通過した後、面接となります。

面接は事前準備が大切です。

当日に慌てて「伝えたいことが伝えられなかった」と後悔したくないですよね。

面接では以下のようなことを聞かれるので、最低限答えられるようにしておきましょう。

・自己PR(過去の実績や、どのようにチームに貢献したか)
・志望動機(なぜその会社、なぜその職種)
・将来どのようなキャリアを歩みたいか
・条件面の希望(給料、残業)
・逆質問

面接対策に関して詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

転職に役立つ面接対策!質問項目や基本マナーを理解して成功に近づこう

初めての転職で不安ならエージェントの利用もおすすめ

今回初めて転職活動をする方には「転職エージェント」の利用もおすすめです。

転職エージェントは転職希望者の意向に沿った企業を紹介してくれます。

また、以下のようなサポートもしてくれます。

・履歴書の添削
・選考における疑問や不安の相談
・企業との面接日程の調整
・給料などの条件交渉

無料で利用できるので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

転職エージェントに関して詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

転職エージェントとは?サービス内容や利用するメリット・デメリットを解説

人手不足の業界・職種はしっかりと調べることが大切

企業が人手不足となる背景には様々な理由が考えられます。

転職を検討する際には「なぜ人手不足になっているのか」をしっかりと調べてから行動に移すことが大切です。

噂などを信用するのではなく、自分の頭でしっかりと考えてから転職先を決めましょう。

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この記事を書いた人

shota
IT・ガジェット記事のライティングをしています。過去には携帯キャリアでエンジニアもしていました。また、人材業界で数社働いたので転職関連の記事もたまに書きます。趣味はサウナとネットサーフィンです。

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