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マルチタスクは生産性が40%も減少する?原因とシングルタスクのコツを解説

更新: 2019.11.28

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仕事が終わらない、と悩んでいませんか?

ビジネスパーソンは日々さまざまなタスクを抱えています。

電話を取りながら資料に目を通したり、メールを返したり、いわゆる「マルチタスク」を行っている人も多いのではないでしょうか。

マルチタスクは一見効率的に見えます。しかし実際は生産性を大幅に下げる行為なのです。この記事では、マルチタスクが生産性を下げる理由や、心や身体に及ぼす悪影響について解説していきます。

また生産性を向上させる「シングルタスク」を行う方法や、どうしてもマルチタスクをしなければならない人に向けてマルチタスクを上手にこなすコツも紹介します。

仕事を効率的に終わらせたい人は、ぜひ参考にしてください。

この記事の目次

この記事のまとめ

本記事の内容を、一枚の画像にまとめました。

こちらをご覧いただくことで、マルチタスクをするべきでない理由と、シングルタスクのコツがわかります。

では、詳細を解説していきます。

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マルチタスクとは

マルチタスクとは元々コンピューター用語で、「同時に複数の処理をする」という意味です。マルチタスキング(Multitasking)とも言われます。

パソコンもたくさんの処理を同時に実行すると、動作が重くなったり、CPUが熱を帯びたりすることがあるでしょう。

マルチタスクを行うと、人間の脳もパソコンと同様の現象が起こるのです。

この記事では仕事を効率的に行う方法だけでなく、勉強や日常生活にも応用できるノウハウも紹介します。

実際は脳のスイッチを切り替えているだけ

複数のタスクを同時にこなすことは、ビジネスパーソンなら頻繁にあることでしょう。
しかしこれは複数のタスクを同時に処理しているのではなく、実際は脳のスイッチを切り替えているだけなのです。

スタンフォード大学の神経科学者エヤル・オフィル博士はこう述べています。

「人間はじつのところマルチタスクなどしていない。タスク・スイッチング(タスクの切り替え)をしているだけだ。」

自分がそれぞれのタスクの処理に集中するとき、脳が活動する領域が切り替わっているだけなのです。

マルチタスクができる人はたったの2%

ここで驚きのデータを紹介します。

実はマルチタスクに向いている人は、たったの2%しかいないというのです。

それ以外の98%、つまりほとんどの人はマルチタスクをすると生産性が落ちるとされています。

あなたの周りに「仕事が早くできてマルチタスクがうまくいっている」人がいるかもしれません。しかし、実は「仕事ができそうに見えているだけ」の可能性が高いのです。

マルチタスクをしても問題ないケース

マルチタスクは生産性を下げるとされていますが、タスクの組み合わせによっては問題ないケースもあります。
例えば以下のような組み合わせは同時並行で行っても悪影響はないでしょう。

・歩きながら携帯電話で話す
・音楽を聴きながら掃除をする
・コーヒーを飲みながら読書をする
・歯磨きしながらテレビを見る

これらのマルチタスクは、片方の動作が「無意識化」されているからこそ成立します。歩きながら携帯電話で話す場合、体を動かす処理は小脳が自動的に行ってくれます。

わざわざ「右足を出す」などと意識して歩く人はいないですよね。

この他にも習慣化された行動は無意識に行えます。そのような行為との組み合わせならば、同時進行しても問題ないでしょう。

マルチタスクが非効率な3つの理由

ではマルチタスクはなぜ非効率とされるのでしょうか。ここからは3つの理由を解説していきます。

理由その1:生産性が落ちる

マルチタスクは生産性を40%も低下させると言われています。

ハーバード大学の研究によると、以下のような研究結果も出ています。

「あたふたとせわしなく働いている社員たちは1日に500回も注意を向けるタスクを変えるが、もっとも能率の高い社員たちは注意を向けるタスクを変える回数が少ない」

テキパキと仕事をこなしているように見える人も、実はタスクスイッチングが膨大すぎて生産性が下がっている可能性があるのです。

理由その2:IQが低下する

ロンドン大学精神医学学科のチームは、イギリスの企業で働く1,100人のビジネスパーソンを対象に、マルチタスクが与える影響を調査しました。

その結果「Eメールや電話によって気を散らされたときビジネスパーソンのIQは低下しており、徹夜明けの数値とほぼ同等である」ということが明らかになりました。

さらに、マルチタスクをした成人男性のIQは15ポイントも低下するとの報告もされています。8歳の子供の平均IQまで下がるという衝撃の結果も出ているのです。

理由その3:判断力の低下をもたらす

スタンフォード大学が100人の学生を対象に行った研究によると、「普段からマルチタスクを行っている学生は、そうでない学生に比べ判断能力が低い」ことが明らかになりました。

具体的な事例を言うと、「うまく考えを整理できない」「関係のない情報にすぐに気を取られる」「タスクの切り替えが遅い」などです。

マルチタスクによる判断力の低下は情報の処理だけでなく、分析的・論理的に考える思考力にも悪影響を及ぼします。

重要な仕事をマルチタスクの一つとしてこなしてしまうと、判断のミスにつながる可能性があるのです。

マルチタスクに対するTwitterでの意見

マルチタスクをしてしまう脳の仕組み

そもそも人間の脳はひとつの処理にしか集中できないようになっています。

同時並行で作業を実行することをそもそも苦手としているのです。ここからはそのような脳の仕組みについて解説していきます。

人間の脳は未完のものを意識する

マルチタスクの影響を考える上で大切になるのが「ツァイガルニク効果」です。

ツァイガルニク効果とは、達成できなかった事柄や中断している事柄に対して、より強い記憶や印象を持つという、心理学的な現象です。

人間の脳は未完のものに意識がいくようになっています。例えば連続ドラマなど、気になるところでストーリーが途切れると「早く続きが知りたい」と強く意識してしまいますよね。

これは仕事上でも同様で、中途半端な状態のタスクをいくつも抱えていると、意識が散漫になり目の前のことに集中できなくなるのです。

マルチタスクによって脳は満足感を得る

マルチタスクは生産性を下げる一方で、精神的な満足感を与えます。
これは脳が新しい刺激を好むことに関係しています。

脳は新しい刺激を感じるとドーパミンを分泌します。脳はドーパミンを求めるようになっているため、新しくて小さいタスクについ気が向いてしまうのです。

つまりマルチタスクをすると、仕事をしている充実感や満足感が得られるものの、前述したように生産性は下がってしまいます。

マルチタスクは悪循環を生み出す

マルチタスクを行うと、たくさんの未完タスクを抱えている状態になります。このままだと、中途半端になっている物事に気を取られてしまい、目の前のことに集中できなくなってしまいがちに。

集中できなくなると、充実感を得るために新たなタスク取り掛かろうとします。しかしさらにタスクを抱えてしまって集中できず、作業を処理する効率はどんどん悪化する一方に。

その結果、達成できていないタスクが次々と溜まってしまうのです。

シングルタスクを実践するための10の習慣

マルチタスクを行わずに生産性の高い仕事をするにはどうすればよいのでしょうか。

ここでは高い生産性を発揮すると言われているタスクの進め方「シングルタスク」について解説します。

シングルタスクとは

シングルタスクとは「ただひとつのこと」だけに集中し、作業を進めるやり方のことです。目の前のことだけに集中できるので、マルチタスクの場合とは生産性に大きな差が生まれます。

一見非効率的に思えるかもしれませんが、マルチタスクではなくシングルタスクを行うことで結果として仕事が早く終わったり、成果を上げることができると様々な研究で明らかにされています。

ここからはひとつのタスクに集中するための方法を解説していきます。

習慣その1:ブラウザのタブやアプリを複数開かない

多数の業務を抱えていると、どうしても一気に情報を得たいと思いがちです。
しかしその状態は作業の効率を下げる原因にもなります。

一つのタスクに集中するためには、アプリやソフト、情報を得るためのブラウザのウィンドウなどを一度にたくさん開かないようにしましょう。

習慣その2:次の日のToDoリストを作る

シングルタスクを実行するためには、まず仕事終わりに明日やるべきことをリストアップしておきましょう。

その上で、翌日何から手をつけるのかを計画しておけば、迷わずにやるべきことに集中して取り組めます。

更に効率を上げる方法として、ToDoリストを同僚や上司、友人や家族に話すことが挙げられます。

言語化してアウトプットすることで頭の中が整理できるのでおすすめです。

習慣その3:仕事をする場所を変える

特にフリーランスの場合、自宅のデスクで作業をしていると煮詰まってしまうこともあるでしょう。集中力が途切れると、充実感を得たいがために複数のタスクに手を出してしまいがちです。

そのようなときは、カフェなど違う場所に移動して仕事をしてみましょう。環境が変わると脳がリフレッシュします。

脳は同じことを続けると疲労を感じ、逆に新しいことを始めると活性化するようにできています。

簡単に場所を変えることができない職場でも、休憩はデスクではなくラウンジに行くなど、気分を変える方法を探してみましょう。

習慣その4:「最も大切なこと」を考える時間を作る

マルチタスクを避ける方法として、タスクの優先順位を決めることが挙げられます。
まずやらなければならないタスクを箇条書きしていき、重要度の高いものから番号をふってみましょう。

これを習慣化させるためには、仕事前に散歩したり、瞑想したり、じっくりと考える時間を最低5分程度取るのがおすすめです。

このような時間を取ると、頭の中が整理され、今最も重要なことが何なのかを把握できるでしょう。

習慣その5:関係ないことを考えない習慣を身につける

集中力が下がると、関係のない物事が気になったり、新しいことに手を付けたい衝動にかられたりします。

そのような時は、「パーキングロット法」を実践してみましょう。パーキングロットとは駐車場という意味で、会議を効率的に進めるために使われるテクニックです。

方法は簡単。何か作業を進行している時に関係ないことが発生したり、アイデアを思いついたりしたら、その考えを一旦そばに置いておき後で時間ができたら取り掛かるのです。

例えば会議中に関係のない話に発展しそうになったら、一旦ボードの隅に記録して保留しておきましょう。また普段の仕事で急なToDoを思いついたら、手元のメモに書き留めて置いておきましょう。

そうすると今行っている作業を中断させず、完了した後で取り掛かるタスクとして管理できます。

習慣その6:アナログ機器を使う

マルチタスクになる原因として、スマホやパソコンで業務を一括管理できるようになったことが挙げられます。
あなたも作業の途中でSNSの通知が頻繁に来て、集中力が途切れた経験がありませんか?

このようなことを避けるためには、デジタル機器で取り組む作業で可能なものはアナログに変えてみましょう。

例えばパソコンでアイデアを書き留めていたのを紙のメモ帳に変えたり、スマホのタイマーを時計のタイマー機能に変えたりしてみましょう。

探してみると、意外とアナログにしても不便ではないものがあるはずです。

習慣その7:タスクはグループ化する

マルチタスクをしないためには、タスクをグループ化するのがおすすめです。例えばメール返信は一画面で終えられるものなので、複数のクライアントに対する返信でも同じ時間に一気にやってしまうと効率的でしょう。

このように似たタスクがいくつかあればまとめて同じ時間、同じ場所で片付けると、集中力を途切れさせずに業務を行えるでしょう。

画面の切り替えの途中で他の作業が目に付き、目の前のことに集中できなくなるような事態を避けられます。

習慣その8:すぐに片付くものから順番に取り組む「1分,10分,1時間」

タスクが積み重なると、何から手をつけていいのか混乱することもあるでしょう。

例えば10分以内に終わるような小さなタスクでも、ToDoリストにずらりと並んでいると「やるべきことがたくさんある」と焦ってしまいます。

そのようなときは、まずは1分で片付けられるタスクを集中して終わらせてしまいましょう。その際、終わったタスクを線で消していくと達成感が得られやすいです。

その次に10分で終わるもの、その次は1時間以上かかるものという具合に、段階的に長くかかるタスクに移行させていきましょう。

習慣その9:敢えて何もしない時間を作る

シングルタスクを実践するためには、強制的に何もしない「余白の時間」を30分ほど設けておくと効果的です。

タスクを実行中にイレギュラーな出来事が起こったときも、まずは全てメモして保留しておきましょう。そしてそのタスクが完了した後に、メモしたタスクを余白の30分で終わらせるようにできます。

休憩なしで予定を詰めてしまうと、予定になかったハプニングやトラブルが発生したときに対応するのが難しいでしょう。

一つ一つの業務に集中するためには、計画通りに進まないことを前提に、余裕をもったスケジュールを立てるのがポイントです。

もし何も起きなければ、その30分間を散歩の時間に充てたり、ストレッチをしたり、頭をリフレッシュする時間に使いましょう。

習慣その10:スマホを見る代わりに「水を飲む」

イーストロンドン大学とウェストミンスター大学の研究によると、知的作業を行う前に0.5Lほどの水を飲むと、14%反応時間(頭の回転)が早くなるという結果が出ています。
この研究以外にも、脱水状態が認知機能に悪影響を及ぼすことを示唆したデータが存在します。

ですのでこの記事を読むあなたも、作業をする際は水をデスクに置いて、いつでも飲める状態にしてみましょう。

もし今まで手元にスマートフォンなど集中を切らすものを置いていた人は、それを飲み水に変えるだけで業務をスムーズに進められるかもしれません。

例えば業務を30分くらいで区切り、そのたびに水を飲んでみてもいいでしょう。自分なりのタイミングを見つけて、脳の活性化を図ってみてください。

どうしてもマルチタスクをしなければいけない時は?

マルチタスクは満足感が得られるだけで、業務効率化には繋がりにくいことが分かりました。

とはいえ仕事を続けていると、突発的にたくさんのタスクが発生することもあります。

そこでここからは、発生してしまったマルチタスクを効率的にこなす方法を解説します。

マルチタスクにもメリットはある

マルチタスクで「仕事をした気分になってしまう」のはデメリットと言えます。しかしやる気が出ない時は「モチベーションを上げる」というメリットも。

マルチタスクは心理的に達成感が得られるため、気分を乗せるには効果的でしょう。

経済学者タイラー・コーエンも著書の中で、『マルチタスクには仕事をする上で「人の興味を保ち続けることができる」という、決して過小評価できない点がある』と指摘しています。

マルチタスクをうまくこなすためには、以下の3つのポイントを意識しましょう。

ポイント1:同時に行う作業は2つまで

どうしてもマルチタスクを行わなければならない場合、2つの作業までに絞りましょう。
フランス国立健康医学研究所の研究によれば、2つの作業ならば集中力と効率は下がらないという結果も出ています。

ポイント2:無意識的にできる作業を探す

マルチタスクの中には効率を下げない組み合わせもあります。「音楽を聴く」や「歩く」など無意識的にできる作業との組み合わせを考えてみましょう。

ポイント3:モチベーションを上げるマルチタスクを行う

仕事中どうしてもやる気が出ない日があるでしょう。

そのようなときはマルチタスクでモチベーションを上げるのもいい方法です。

この場合、前述したような1分間で完了できるようなタスクをグルーピングし、テンポよくこなしていくのがおすすめです。

また好きな音楽やオーディオブックを聴きながら作業するのもいいでしょう。

効率化は望めないとしても、作業に対して前向きな気持ちになれるのは大きなメリットと言えます。

おすすめ書籍

ここまで紹介した内容をさらに深堀りできるおすすめの書籍を紹介します。

マルチタスクからシングルタスクに切り替えたい人は、ぜひ参考にしてください。

SINGLE TASK 一点集中術

一点集中のノウハウが書かれた書籍です。ハーバードやMITなどの脳科学の最新研究を元に書かれています。

脳科学の観点から仕事を効率化させる方法が分かる内容です。シングルタスクの重要性を、脳のメカニズムから理解できるようになっています。

DEEP WORK 大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法

メールやSNSの普及など、インターネットに常に繋がっている現代は、一点集中しにくい時代と言えます。その中で本当にやりたいことに集中する「ディープ・ワーク」について書かれた書籍です。

一点集中することがいかに大切か、その実践方法とともに学べるようになっています。著者の実体験も盛り込まれた内容なので、実行に移すいいきっかけを得られるでしょう。

以下の記事でも、仕事の効率を上げるための方法を解説しています。合わせて参考にしてください。

参照:作業時間を短くし、ITスキルもアップできる仕事術を紹介

さいごに

マルチタスクは業務や勉強を効率化する観点では効果的ではありません。これはさまざまな研究で判明しています。マルチタスクを行うほど物事が中途半端に溜まり、「時間がない」とますます焦ってしまう悪循環に陥ります。

この悪循環を断ち切るためには、今回紹介した方法でマルチタスク→シングルタスクに切り替えてみましょう。意識的に余白の時間を作り、一点集中しやすいスケジューリングを行うのが大切です。

余裕をもって仕事・勉強を行うことで、高い成果も上げられるでしょう。

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この記事を書いた人

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フリーランスのWebライターです。小学生の娘と一緒にプログラミングを学習中です。テックキャンプブログではITの最先端を学びつつ記事を書いています。
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