近年では、企業において「アウトソーシング」という経営戦略が普及しつつあります。これは売上・利益の向上に加え、コスト削減の観点からです。
IT業界を中心に、多くの企業が取り組みつつあるアウトソーシング。しかし、その実態やメリットをご存じない方も多いかもしれません。
そこで本記事では、「アウトソーシング」の正しい言葉の意味を解説します。
またアウトソーシングが拡大している背景、アウトソーシングのメリット・デメリット、アウトソーシングが抱える今後の課題なども解説。
この記事を読めば、一般的な派遣やクラウドソーシングとの違いや、今後の市場規模はどうなっていくのかがわかります。ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
アウトソーシングとは?
経営・ビジネスの分野で広く登場する「アウトソーシング」について、その詳細な内容をご紹介していきます。
アウトソーシングの言葉の意味とは、その需要が高まっている背景とは一体どういったものなのか。アウトソーシングが持つメリット・デメリットも踏まえ、見ていきましょう。
アウトソーシングの正しい言葉の意味
アウトソーシングとは「会社の業務の一部を、外部の専門業者や個人に委託する」という経営手法を指します。
例えば、あるメーカーがメインの事業である製造事業に注力するため、経理などの中間業務を外部に委託することをアウトソーシングと呼ぶのです。
一般的には、事務処理・受付などの「経理・総務業務」や、荷物の「梱包・配送業務」、また「店舗運営管理」などを委託するケースが多いです。
また近年では「人事」や「法務」、「情報システム」といった高度な専門知識を有するコーポレート部門の業務を委託するケースも見られます。
これにともない、業務請負の外部委託先(受託企業)のことを「アウトソーシング先」と呼びます。
アウトソーシング実施企業が増えている背景
アウトソーシングは、特にIT業界で多く活用されています。
情報・通信分野専門の市場調査を行う、ミック経済研究所の「国内ITアウトソーシングサービス市場の推移予測」(2018年)を見てみましょう。
すると、アウトソーシング業界の市場は、2016~2023年度までの年平均成長率が10.4%。そして2023年度には、8兆9,615億円の市場規模に拡大すると予測しました。
参考元:国内ITアウトソーシング市場、2023年には8兆円規模に拡大–ミック予測|ZDNET Japan
アウトソーシング市場がここまで拡大を予測、期待されている背景には、以下のような2つの理由が挙げられます。
- 経営の多角化
- 労働人口の減少
経営の多角化
近年では経営を多角化する企業が増えてきています。
幅広い分野の業務を手がける一方で、企業が確保できる人材には限りがあるため、どうしても思うように多角化を進めることができないという場面もありえるのです。
様々な事業を起こしつつ、それらのクオリティも維持するというのはなかなか難しい問題です。
このため、限られたリソースを有効活用するためにも、一層業務の効率化を図る必要があります。
こういった背景から、特定業種の業務請負の専門業者や代行を求める傾向があると考えられます。
労働人口の減少
アウトソーシングの需要の高まりの要因のもう1つが、労働人口の不足です。
経済産業省の調査では、雇用人員判断を示すD.Iが、2013年以降はマイナスに転じ、2016年には大企業・中小企業問わず全規模産業全てにおいて、マイナスを記録しました。
年々、労働者が減り続けていることから、今まで企業が取り組んできた業務を同様のリソースでこなすことが難しくなってきているのです。
このため、人手不足の問題への対策としてアウトソーシングを活用している企業が増えています。
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アウトソーシングの委託形態のおもな種類
アウトソーシングには様々な委託形態があります。
委託形態には、以下のようなものが挙げられます。
- BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)
- シェアードサービス
- 派遣契約
- クラウドソーシング
- システムインテグレーション(SIer)
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)
BPOとは、企業が担う一連の業務プロセスを一括して外部委託することを指すアウトソーシングの形態の1つです。
本来、アウトソーシングは自社の強みや基幹部分を担うメインの業務を社員が担当し、その他の業務を外部委託するやり方を指します。
これに対しBPOは、メイン業務も含む一連の業務を外部委託することが可能なやり方となります。
例えば特定の部署を社内に設置せず、部署単位で外部委託するといった形態です。
業務プロセスの一部分だけを外部企業に委託するのに比べ、経営資源の有効活用やコストの削減、業務プロセスの最適化などといった多くのメリットを享受できます。
シェアードサービス
シェアードサービスは、M&Aや分社化によって増えた各会社のコーポレート機能を一箇所に集約する、アウトソーシングの形態の1つです。
例えば、人事部や総務部などを各子会社に設置するとコストがかかってしまいます。これは、内部の統率が取れにくくなってしまうことが原因です。
このため、これらの部署を一箇所で管理することで重複するリソースを減らし、コスト削減、業務の効率化ができるというわけです。
コストが削減できるだけでなく、アウトソーシングのデメリットである知識や経験の蓄積、業務の透明性の確保なども期待できます。
派遣契約
アウトソーシングは「業務、成果物の提供」サービスであるのに対し、派遣は「人材の提供」サービスです。
派遣の場合、受け入れ側の会社が派遣会社と「労働派遣契約」を結び、派遣スタッフを会社の中に受け入れ社員の管理下で事務を行います。
社員が派遣スタッフに対し成果に至る手順やプロセスを指示した上で、進捗を社員自身が管理することができます。
アウトソーシングの場合は業務そのものを委託するため、プロセスの管理や改善を直接アウトソーシング業者や個人に指導、指示することはできません。
そのため、派遣とアウトソーシングは「費用の発生する箇所」が違うといえます。
派遣はスタッフが働いた分に費用が発生するのに対し、アウトソーシングは成果物の完成(クオリティ)によって費用が発生するのです。
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クラウドソーシング
クラウドソーシングとは、インターネット上で不特定多数の人に業務を委託することを指します。
例えばHP作成であれば、フリーランスのエンジニアを公募形式で募集したり、コンペ形式でコーディングやデザインなどの仕事を依頼する形になります。
システム開発であれば、システムの一部機能のみを対象として作業依頼を行い、成果物に対してあらかじめ定めた報酬を支払います。
他の委託形式に比べて低予算かつスピーディーに作業を進めることができるのが、クラウドソーシングの特徴です。
しかし一方で、顔の見えない個人とのやり取りが前提となるため、トラブルが発生する可能性も大きいというリスクも持っています。
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システムインテグレーション(SIer)
システムインテグレーションとは、顧客の業務内容を分析し、それに合わせた情報システムの企画、構築、運用などを一括して行うことを指します。
システムの企画・立案からプログラムの開発、必要なハードウェア・ソフトウェアの選定・導入、さらに完成したシステムの保守・管理までトータルで行うことになります。
また、システムインテグレーションを行う事業者(会社)をSIerと呼びます。
アウトソーシングは、その企業の業務の一部を委託されて請け負うことになりますが、対してシステムインテグレーションはシステムの企画から保守管理まで総合的に請け負います。
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SIerとSEの違い
SIerと似た言葉として「システムエンジニア(SE)」があります。
SEはシステム構築して導入するまでの一連の作業を行う人を意味しており、システムを構築する「プログラマー」がさらにキャリアアップをしてSEとなります。
SIerとSEの違いとしては、SIerは「事業者(会社)」を指し、対するSEは「人」を指すことが大きな違いとなります。
大手SIerでは、下請けに「発注+プロジェクトマネジメント」が中心となり、開発に携わらない場合もありえます。
また、中堅SIerまたは零細企業の大規模プロジェクトでは、下請けになることが多く、「下流作業」を担当することが多くなります。
下流作業とは「実装」や「テスト」、「導入」など、具体的なソフトウェアの構築・配備に関する工程のことを指し、これらをSIerが担当することとなるのです。
一口に「エンジニア」と言っても、このように担当する作業や工程は様々。
もし、エンジニア転職を行う際は「開発がしたい」「分析や設計がしたい」など、希望をはっきりさせておきましょう。
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企業がアウトソーシングを行うメリット
企業がアウトソーシングを取り入れることで、そこには様々なメリットが発生します。
近年、アウトソーシングは急速に進化し続けており、単なる事務仕事の外注を超える意味を持ちはじめています。アウトソーシングがもたらしてくれるメリットについて、見ていきましょう。
- 人件費を抑えられる
- 競争力を高められる
- 業務効率化を図れる
- サービス品質を向上できる
人件費を抑えられる
アウトソーシングのメリットとしては、やはりコストの削減が見込めることです。
人件費や給与計算などの管理システムなどを含めてアウトソーシングすることで、結果的に大幅なコスト削減につながります。
業務次第では人件費をコントロールすることも可能です。特に大手企業だと人材が増えていくことで企業自体が肥大化し、無駄にコストがかかってしまうということもありえます。
こういった問題を解消するため、一部の人材をアウトソーシング社に移すことでコストを見直し、組織をスリム化することもできます。
また、ゼロの状態から新たな人材を育て上げるにしても、非常に多くの育成コストがかかってしまいます。
急激に進歩する現代社会では、なかなか人を育てている時間も確保できず、変化に対応するにもかなりの労力を要するでしょう。
このため、アウトソーシングを利用することによってスピーディーに変化に対応し、よりコアで必要とされる人材の育成に集中することができるのです。
競争力を高められる
そのためには、少しでも社内での作業の無駄を減らし、効率化することで変化を取り入れていく必要があります。
本来は事業に集中したいところですが、企業では実業務以外にも経理や給与計算など、組織を形成するために欠かすことのできない作業が発生します。
こういった業務をアウトソーシングすることによって、工数の削減が可能となり事業に注力することができるのです。
必要な時に、必要なリソースやサービスを、必要な分だけ調達することができるので、臨機応変に対応し競争力を向上させることにつながります。
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業務効率化を図れる
ある分野に特化したアウトソーサーは、知識が豊富なだけでなく、仕事の効率やスピード、品質がすぐれています。
このため、社員複数で行う作業をアウトソーサー側は一人で対処できる、なんてことも。
企業が業務の多角化を目指していても、経験のない分野に切り込んでいく際には、一から部署を設立する必要があり、人材の育成や業務の完了までに多大な時間がかかってしまいます。
こういった場面では、企業の内部で運用するよりも、専門分野のアウトソーサーに業務委託を行ったほうが、結果的によりクオリティの高い成果物が出来上がります。
完成品の品質が高いだけでなく、より短時間で作業を完了できることからもコスト削減に高い効果が見込めます。
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サービス品質を向上できる
現代社会での仕事はまさに「実力主義」といえます。
サービスや商品の品質は何よりも重要視され、またそれを届ける顧客への対応も丁寧に行う必要があります。
評判が落ちると次の仕事を獲得できなくなり、致命的な利益の低下をまねいてしまいます。
アウトソーシングは、外部の専門家リソースを活用することができるため、仕事の効率、スピードに優れており、高い品質を保証してくれます。
その道のプロに仕事を委託することで、より高品質に、より効率的に作業を進めることが可能となるのです。
こういった能力のあるアウトソーサーは、常に高い水準で納品すると同時に、日々最新の知識やスキルを身につけています。
企業がアウトソーシングを行うデメリット・問題点
コストの削減や経営の多角化に非常に有効的なアウトソーシングですが、やはりそこにはデメリットも存在します。
業務を別の会社や個人に委託するということは、それなりのリスクも持ち合わせているのです。アウトソーシングが持つデメリットについて、しっかりと理解しておきましょう。
- ノウハウを社内で共有・蓄積することができない
- 業務の進行管理が難しくなる
- 情報漏えいのリスク
ノウハウを社内で共有・蓄積することができない
アウトソーシングでは業務を社外に委託するため、その仕事に関わる「ノウハウ」を自社で共有することはできません。
どんなに専門的な業務内容だったとしても、それを自社内で蓄積することができないため、成長するための機会が失われているともいえます。
本来、こういった専門的な業務をこなすことで社員が成長し、また同じ分野で新たな仕事を取得することもできます。
しかし、アウトソーサーに任せることでそういった社内ノウハウの構築を行うことができなくなるのです。
もしも、アウトソーサーが倒産や事業撤退といった、なんらかの理由で契約ができなくなってしまった場合、企業のリソースでは作業を行えません。
これにより、業務が停止してしまうといった事態もありえます。
業務の進行管理が難しくなる
業務を他の企業、個人に委託してしまうと、その業務が現在どのように進められているのか、把握する機会が失われます。
結果として業務を管理することが難しくなり、委託先に進捗を委ねることになってしまいます。これによって、依頼側との認識がずれるという可能性もあります。
そうなってしまうと、本来必要ではない作業の戻りが発生したり、再度業務内容を見直す必要が出てくるなど、想定外のコストがかかってしまうというリスクがあるのです。
こういった不測の事態を防ぐためには、依頼側はアウトソーサーと定期的な情報共有を行い、業務の進行管理をできる限りおこなっていく必要があります。
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情報漏えいのリスク
近年では、個人情報を扱う人事、カスタマーサポートなどもアウトソーシング業務に含まれることがあります。
個人情報は様々なシステムで利用されるため、アウトソーシングの際もこういった機密情報に社外の方が触れる可能性が出てきます。
アウトソーシングにおいては、こういった機密情報の漏洩リスクは少なからず存在するのです。
このため、まずはきちんとした設備を整えているアウトソーサーを選ぶことが大事。
料金が安いからという理由だけでアウトソーサーを選んでしまうと、貴重な情報が流出する原因になりかねません。
検討しているアウトソーサーの施設見学や保有認証資格の確認は、面倒であってもきちんと行なっておくことが重要です。
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アウトソーシングしやすい職種・業務
ここからは、アウトソーシングによって業務委託することが可能な職種・業務をご紹介します。
これらの業務を委託することで、企業のコスト削減、作業効率化といった効果が見込めます。
- 専門的な知識やスキルが必要な業務
- 事務
- 店舗の運営
- 物流
専門的な知識やスキルが必要な業務
専門性の高い業種はアウトソーシングの対象になります。具体的には、人事や法務、会計、情報システム関連などがこれに当たります。
特に人事部門では、新卒採用や従業員のモチベーション向上施策、人事制度の策定、教育研修の企画、面接など企業の将来を左右する重要な業務を担っています。
こういった部門をアウトソーシングでプロフェッショナルに任せることで、今後の企業全体の力を底上げすることが可能となってきます。
社員教育や研修カリキュラム作成なども高度なスキルや経験が必要なので、専門業者にアウトソーシングすることで高い効果を得ることができるのです。
また、毎月の人件費・給与計算などのルーチン業務は外注しやすいことも理由の1つ。
事務
近年ではIT技術の発展により、あらゆる事務作業が自動化できるようになってきてはいますが、未だにデータ入力など人の手でやらなければならないことも残っているのが現状です。
こうした作業は企業を成り立たせる上では必要不可欠となってきますが、実業務とはまた異なる作業となるためあまりコストをかけすぎるのも避けたいところではあります。
メインの業務に集中するためにも、単純作業などは外部に委託して効率化を図ってしまうと良いでしょう。
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店舗の運営
店舗の運営には、高度な運営組織体制が必要となってきます。
また、店舗を支えるために必要となる販売員の教育には、膨大な時間的・費用的コストがかかってしまいます。
スピーディーな経営のためにも、こうした教育などはより専門的で効率的なプロに委託してしまうことで、質が高い能力を短期間で販売員に身につけてもらうことができます。
複数の店舗を一括で管理したり、高いスキルとホスピタリティを持った販売スタッフをアウトソーシングすることで、販売実績の達成や向上が期待できます。
物流
ネット通販やフリマアプリ市場の拡大もあって、物流業務の国内市場規模は24兆円まで増加し、国内市場規模第7位となっています。
このため、物流はまだまだ規模を拡大しており、そのため配送形態を見直し、コスト削減を図る企業も増えてきています。
在庫管理や梱包配送業務の委託、物流業務担当スタッフの雇用や派遣、トラック・物流センターなどのハード投資、物流品質の向上などのコストを大幅に削減できるメリットがあります。
企業におけるアウトソーシング導入事例
ここでは、実際の企業におけるアウトソーシングの導入事例を3つ紹介します。
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AIR DO
AIR DOは、東京と北海道内4空港を結ぶ企業です。給与計算業務を、ECOMICの給与計算によりアウトソーシングしました。
複雑な給与計算のためこれまで社員は税理士の先生に聞きながら進めていましたが、給与計算業務をアウトソーシングしてからは業務の効率が上がったとのことです。
ベネッセスタイルケア
ベネッセスタイルケアは、高齢者介護事業と保育事業を展開する企業です。
急激に採用人数が増えたため、HRアソシエの採用代行をするアウトソーシングサービスを利用しました。
学生へ丁寧な電話対応をしているので安心して任せられ、サービスに満足しているようです。
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プルデンシャル生命保険
ライフプランナーによるコンサルティングセールスを行う企業です。
社員の退職が重なったことがきっかけで、NOCアウトソーシング&コンサルティングによる人事関連の業務のアウトソーシングを利用しました。
これまでの人事業務の質を落さずに安定して実施するため、常駐型アウトソーシングの導入しているようです。
アウトソーシングの今後と課題
前述の通り、現在の社会においてアウトソーシングの市場規模は増加傾向にあります。
企業が成長を続ける中で、より効率的に、より高品質を求める上でアウトソーシングは必須の概念となってくるでしょう。
今後もアウトソーシングの需要が高まっていくことが期待されますが、一方で課題もまだまだ残っているということも事実です。
以下に挙げるものは、現在のアウトソーシングが抱えている課題になります。
どれも、今後アウトソーシングが市場拡大していく上では無視することのできないものばかり。ぜひ参考にしてみてください。
- グローバル基準への適応
- 新興国の人件費高騰
- 業務の内製化への流れ
グローバル基準への適応
経済のグローバル化やIT技術の急速な進歩により、アウトソーシングはさらに活用されると予想されます。
しかし、日本の企業の中には終身雇用や職務等級制度などの慣習が根付いているところも多く、世界基準の働き方を取り入れることは難しいというのが現状です。
どうしても自社だけで全ての業務を完結したがったり、世界に比べても日本の働き方はまだまだ柔軟性に欠ける部分が見えます。
国際社会における競争力を確立するためにも、アウトソーシングの積極的な活用が必要でしょう。
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新興国の人件費高騰
今回紹介したアウトソーシングは日本国内のアウトソーサーを対象としていますが、受託企業が海外に存在するような形態のことを「オフショアアウトソーシング」と呼びます。
これはどちらかというとIT分野で活用される場面が多くみられます。
海外、特に新興国のエンジニアによる開発は人件費を抑えることができ、技術力も高いことからIT分野では重宝される傾向にあります。
しかし一方で、国の政策や国内情勢、為替相場などあらゆる要因によって、思わぬ損失や人件費の高騰が発生する場合もありえます。
オフショアアウトソーシングは国外ゆえの独特のリスクがある、ということを理解した上で利用する必要があります。
業務の内製化への流れ
アウトソーシングが広がりを見せる一方で、一部では業務の内製化を進める企業もあります。
これはアウトソーシングに反発する従業員への対応や、企業の好業績が理由として考えられます。
前述したシェアードサービスも自社のグループ内に業務を集約するという点でも、外部委託から内製化への流れといえるのです。
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アウトソーシングは企業における業務効率化の一手
アウトソーシングには低いコストで業務の効率化・品質向上ができるメリットがあります。
近年では、IT企業でも外部へのアウトソーシングによって、プロジェクトを進めるという体制が増えてきています。
特に個人で働くフリーランスエンジニアなども多くなってきており、こういった方々にアウトソーシングで業務を委託することも、珍しいことではなくなってきました。
求人サイトの登録者だけでなく、一個人として業務を行なっている方々にも委託をできるようになってきているのです。
常に新しいテクノロジーが生み出されるIT業界では、新たな技術を身につけた専門家に業務を委託する方が、高い効果が見込められるのです。
また、エンジニアなどは過去の制作物を見れば、おおよその技術力がわかります。
これにより、委託する側も大きなリスクを取らずに仕事を依頼できるのも、アウトソーシングのスタイルが噛み合っている点でしょう。
働く側から見ても、システムやアプリケーションの開発などであれば、機密性の高いプロジェクトでもない限り場所を限定して働く必要はありません。
これによってエンジニアからしても自由な働き方ができるのも、大きな魅力となっています。
メリットが双方にあることから、特にIT企業でアウトソーシングは広がりをみせています。
はじめての転職、何から始めればいいか分からないなら
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例えばこのような疑問はありませんか。
・未経験OKの求人へ応募するのは危ない?
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