【回答例】
転職を決意した理由は、より自分の裁量で仕事ができる企業で働くことで、思考力や決断力を養いたいと考えたためです。今の職場は、上司の指示に従って動くことが原則とされています。私よりも現場経験が長い上司から学ぶこともありますが、その指示に甘えてしまう場面や、自分で考えることを怠ってしまう場面もありました。これからは、自発的な思考や行動が求められる環境に身を置き、成長していきたいと考えております。
「面接で転職理由を聞かれたらどう答えればよいのだろう」
「転職理由のいい回答例が思いつかない…」
「面接で転職理由を聞かれた時の回答例や上手な伝え方が知りたい」
経験者(中途)採用の面接では、「なぜ転職を決意したのですか?」「なぜ現在の会社を退職したいのですか?」といった質問がよく聞かれます。
そのため、面接対策として事前に回答を用意しておきたいところです。
しかし「現職の不満などをそのまま話してよいのか」「どのような理由であれば話してよいのか」と悩む人も多いでしょう。
そこでこの記事では、面接で転職理由を聞かれたときの回答例、転職理由で面接官に好印象を与える上手な伝え方を紹介します。
面接で転職理由がよく聞かれる理由や、履歴書での書き方なども解説するので、転職活動中で転職理由にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
【ランキング】転職理由で一番多いのは?
そもそも、転職理由で最も多い理由は何なのか、データを元に見てみましょう。
まずは厚生労働省の『令和3年雇用動向調査』における、「転職入職者が前職を辞めた理由 」の項目を参照してみます。
男性全体は、その他の理由を除いて「定年・契約期間の満了」(16.5%)、「職場の人間関係が好ましくなかった」(8.1%)が多いという結果。
女性全体は、その他の理由を除いて「定年・契約期間の満了」(12.3%)、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」(10.1%)が多いという結果。
続いて、2021年7月~2022年6月のデータを元にした、dodaの『転職理由ランキング(2023年版)』も参照してみます。
すると、男女総合の転職理由のランキングTOP3は以下の通りでした。
- 給与が低い・昇給が見込めない(32.8%)
- 昇進・キャリアアップが望めない(25.2%)
- 社内の雰囲気が悪い(23.4%)
まとめると、転職理由として多いのは、定年・契約期間の終了、職場の人間関係、労働条件の悪さ、キャリアアップなどが挙げられます。
転職理由のランキングについては、以下の関連記事も参考にしてみてください。
面接で転職理由がよく聞かれる理由
「転職をしたい理由」や「今の会社を辞めたい(辞めた)理由」は、企業の採用面接で聞かれる質問の1つです。
ここで気になるのは、そもそもなぜ企業の採用担当者は転職理由を聞くのでしょうか。
それにはおもに3つの理由があります。詳しく解説していきましょう。
- 入社後に同じ理由で辞めてしまう可能性を知るため
- 求める人物像とのマッチングを測るため
- 応募者の意欲・熱意を見るため
入社後に同じ理由で辞めてしまう可能性を知るため
新しい人材の雇用には、募集から選考、入社手続き、教育まで、大きなコストがかかります。
せっかく採用した人がまたすぐに退職してしまわないかを判断するために、応募者の「なぜ現職を辞めたいのか」という動機・原因を重視するのです。
仮に転職の理由が「残業が多くて大変だったから」という場合、企業は「同じような状況になった場合にまた辞めてしまうのでは」と思わざるをえないでしょう。
このため、転職理由は正直に答えつつも、担当者に対して長期的・安定的に働けることを伝えることが大切です。
求める人物像とのマッチングを測るため
応募者が企業が求める人材と一致しているかどうかも、転職理由を通して判断されます。
例えば「現職の仕事のノルマがつらい」という理由で転職を希望する人が、チームではなく個々人で成果を出していくポジションに応募しているとしましょう。
この場合、「ノルマのプレッシャーを受けたくない」という求職者の考え方と、「個人で努力して成果を出してほしい」という企業の考え方は一致しません。
担当者は「うちの仕事にはあわないのでは?」と疑問を感じる可能性が高いでしょう。
応募者の意欲・熱意を見るため
応募する企業やポジション(業務内容)に対しての十分に理解があるかや、どれだけの熱意で転職を決意したのかなども、転職理由の質問で見られるポイントです。
このため、使い回しできる当たり障りのない内容や、給与や待遇など求人情報に掲載されている情報のみを伝えてしまうと、「企業研究が足りない」と判断されることも。
転職理由を聞かれた場合には、応募している企業や職種での業務内容や自身のキャリアビジョンにからめて回答するようにしましょう。
【ケース別】面接で転職理由を聞かれた時の回答例6つ
面接で面接理由を聞かれた際には、正直に転職を決意した事情を話すことが基本。
一方で、「前の職場が嫌だから転職したい」といった回答は印象が良くありません。面接官にネガティブな印象を与えない配慮が必要です。
ここでは、面接で転職理由を聞かれた時の回答例と答え方のポイントを6つのケースで解説します。当てはまるケースを参考に、転職理由をまとめてみてください。
- 職場の人間関係が悪い
- 残業が多い
- 給与が低い・評価に不満がある
- キャリアチェンジしたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 結婚・介護などプライベートな事情である
職場の人間関係が悪い
日々顔をあわせる職場の人とは、できるだけ良好な関係を築きたいものです。
しかし、どうしても性格が合わない人もいるでしょう。実際、人間関係が原因で転職した人も多いものの、面接での伝え方には気をつけなければいけません。
「職場の人間関係が悪い」が転職理由の場合、以下のように言い換えてみるとよいでしょう。
「上司が嫌いだから」といった好き嫌いを理由として挙げてしまうと、感情のコントロールができない人や、協調性がない人だと判断されてしまう可能性もあります。
他人の批判で終わるのではなく、考え方の相違があったことをポジティブな表現に言い換えて伝えてみましょう。
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残業が多い
残業が日常化している、休日出勤を余儀なくされるなど、労働時間への不満も主な転職理由の1つとして挙げられます。
「残業が多い」が転職理由の場合、以下のような回答例がおすすめ。
【回答例】
繁忙期や締切前などに時間外労働が発生するのは仕方のないことですが、前職では残業が慢性化し、労働時間の長い人が評価されるような風潮もありました。少しでも残業を減らすために業務効率化を提案してみても「昔からこの方法でやっている」と、業務のやり方を変えられる雰囲気でもありませんでした。成果に対して適正に評価してもらえる職場で働きたいと思い、転職を決意しました。
残業はどの職場でも少なからず発生してしまうものです。
このため「残業はしたくない」といった不満ではなく「残業が評価やスキルアップにつながらなかった」といったように伝えるとよいでしょう。
給与が低い・評価に不満がある
給与や評価に対する不満は、そのまま伝えてしまうと「給与が高ければうちの会社でなくてもいいのでは?」と思われてしまう可能性があります。
「給与が低い・評価に不満がある」が転職理由の場合、以下のような回答例がおすすめ。
【回答例】
今の職場は勤務年数や役職によって報酬が決定するため、成果を挙げてもあまり手応えがなく、努力することへのモチベーションを得られづらい環境でした。今後は努力や成果が報酬や評価として表される環境で、スキルアップしていきたいと考えております。御社には、成績に応じたインセンティブがあるため、御社の売上に貢献しながら、自己研鑽に励む所存です。
「努力が報酬に結びつかなかった」「勤務年数などではなく成果で評価される環境でチャレンジしたい」といった言葉に言い換えます。
これを、応募する企業・職種にからめて回答すると良いでしょう。
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キャリアチェンジしたい
職種や業界を変えてキャリアチェンジをしたい場合には、「◯◯に挑戦したい」といった熱意を伝えるだけでは足りません。
質問内容である転職理由についてしっかりと答えつつ、前職で培ったスキルや経験で活かせることをアピールしましょう。
【回答例】
新卒として入社してから数年間、営業職としてお客様に商品の良さを伝える仕事を続けてきました。お客様から様々なフィードバックをいただくのですが、開発部門に要望を伝えるも費用や工数の関係でなかなか実現が難しかったりなど、お客様の声を活かせない環境にやりきれなさを感じていました。今後は営業としてこれまで培ってきた業界知識や顧客ニーズを汲み取る力を活かして、商品開発の現場で貢献していきたいと考え、転職を決意しました。
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ワークライフバランスを重視したい
「趣味に費やす時間を確保したい」「家庭を優先させたい」といったワークライフバランスが転職理由であることもあるでしょう。
この場合は、「仕事よりもプライベートが大切」といった印象を持たれないように注意することが大切です。
「ワークライフバランス」が転職理由の場合、以下のような表現がよいでしょう。
【回答例】
現在の仕事では、担当しているクライアントの業務時間にあわせて勤務を行うため、勤務が平日の深夜や休日になることも少なくありませんでした。仕事をする上で◯◯のスキル習得や◯◯の資格取得が必要だと感じていたのですが、勤務の不規則さから学習時間を十分に確保できない状況がありました。今後はスキルアップに積極的に取り組みながら、社会に貢献していきたいと考えております。
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結婚・介護などプライベートな事情である
結婚や出産、介護、病気の治療などの個人の事情で前職を退職した場合や転職する場合には、これからは安定して働けることをしっかりと伝えることがポイントです。
「結婚・介護など」が転職理由の場合、回答例は以下の通り。
【回答例】
前職は◯◯の事情により勤務が難しくなり、やむを得ず退職いたしました。現在は状況が落ち着いたため、以前の営業としての経験を活かしながら社会に貢献したいと思い、応募いたしました。
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面接における転職理由の上手な伝え方
転職理由への回答例をいくつか紹介しました。しかし、転職の理由は人それぞれなので、個別のケースにあわせて伝え方を考える必要もあります。
ここからは、面接における転職理由の上手な伝え方を4つ紹介。
- 履歴書の内容を元に具体的に伝える
- 志望動機・キャリアプランと一貫性を持たせる
- 漠然とした不満など曖昧なことは言わない
- 本音で話す
これらを意識することで、質問にしっかりと回答しつつ、面接官に熱意や本気度をアピールできるでしょう。
履歴書の内容を元に具体的に伝える
転職理由や志望動機は、履歴書にも記載する欄があります。
面接では、履歴書に書いたことを元に、スペースの関係で書ききれなかった具体的なエピソードなどを話すようにしましょう。
例えば、履歴書で「より自己研鑽の時間を確保するために退職を決意した」と書いた場合、面接では具体的にどうやって自己研鑽をしたのか、身につけたいスキルなどを述べます。
また、履歴書だけを先に書いて、面接の日程が決定した後に面接の準備を行う場合には、履歴書と面接で話す内容に相違が生じないように気をつけましょう。
履歴書への転職理由の書き方は、「履歴書における転職理由の書き方」で後述します。
志望動機・キャリアプランと一貫性を持たせる
転職は、あなたが仕事を通してなりたい姿や実現したいことの達成に近づくための手段。
そのため、転職理由はキャリアプランや志望動機につながるものである必要があります。
「個人の成果よりもチームで協力しながら大きな仕事を成し遂げたい」
このように話したのに、転職理由が「個人としてスキルを発揮する機会がなかったから」であると、面接官は矛盾に感じるでしょう。
キャリアプランについては、応募者の目指す姿が企業の方向性と一致するかを見るためにもよく聞かれる質問です。
矛盾が生じないように、論理的に考えていきましょう。
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漠然とした不満など曖昧なことは言わない
面接では自分を取り繕うことなく、ありのままでいようと思う人もいるでしょう。
確かに、質問に対して正直に答えることは重要です。しかし、退職や転職を判断した理由をすべて話す必要はありません。
転職先の企業でも解決しないような漠然とした不満などは言わず、転職理由は転職によって解決するもののみ説明するようにしましょう。
本音で話す
「面接でできるだけ自分をよりよく見せたい」と思う気持ちはわかります。しかし作り話をしたり、実際には思っていないことを言ったりすることはよくありません。
本音ではないことを言って内定をもらえたとしても、転職先の企業で前職の退職理由と同じような状況になってしまう可能性があります。
面接は、転職希望者にとっても「この企業は自分に合っているか」を判断する貴重な機会。
企業と人材のミスマッチが発生しないよう、嘘はつかず転職理由は本音で話し、誠実な回答を心がけましょう。
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履歴書における転職理由の書き方
履歴書の志望動機の欄などに転職理由を書く際には、要点のみを簡潔に書くことを意識しましょう。ここでは、具体的な書き方のポイントを2つ解説していきます。
- 簡潔・論理的に書く
- 仕事に関連しない個人の経験は書かない
簡潔・論理的に書く
転職理由はあなたが仕事において重視していることを示すものでもあるため、特に転職の決め手となった理由を1つ2つに絞って書くのがおすすめです。
加えて、履歴書の欄をみっちりと埋めてしまうと読みづらくなってしまうため、読む人に配慮した文字のサイズや行間で書くことも大切です。
詳細は面接で話すことを想定して、履歴書では概要のみを簡潔に、論理的に書きましょう。
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仕事に関連しない個人の経験は書かない
履歴書に書く内容はあくまで仕事に関するものに限定することもポイント。
社会人経験のない大学生の就職活動では、志望動機を趣味などプライベートな経験にからめて書くこともあります。
しかし、転職活動においてはこれまでの職歴から書くのが一般的です。
ただし、ITエンジニアやWebデザイナーなどIT業界においては、個人制作のWebサイトなどがポートフォリオとして提示されることもあります。
応募する職種や業界によって、適切な判断するようにしましょう。
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まとめ:好印象を与える転職理由を考えよう
面接で転職理由を聞かれたときの回答例、転職理由で面接官に好印象を与える上手な伝え方、履歴書での書き方などを一挙に紹介しました。
転職理由はあくまで正直に答えることを基本としつつ、企業の担当者が悪い印象を持ってしまわないように言葉を選ぶことが重要です。
個別のケースによって伝え方は変わるため、現職や前職の不満をポジティブな言葉に置き換えながら、好印象を与える転職理由を考えてください。
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