「基本情報技術者試験の参考書を探している」
「独学で基本情報技術者試験を合格したい」
「おすすめの参考書や勉強法を教えてほしい」
ITエンジニアの登竜門ともいわれる基本情報技術者試験は、IT系の人気資格です。
取得する理由はさまざまで、「会社で取得するように言われた」「就職・転職で有利になると聞いた」などあると思います。
しかし、簡単に合格できる試験ではないので、しっかりと対策を練る必要があるでしょう。
そこで本記事では、実際に試験に合格した筆者が教える、基本情報技術者試験の参考書と勉強法のおすすめを紹介。
独学で合学を目指す方はぜひ参考にしてください。
※記事内の情報は2022年6月末執筆時の内容です。最新情報は公式サイト等でご確認ください。
この記事の目次
基本情報技術者試験とは
基本情報技術者試験は、IT系で唯一の国家資格である情報処理技術者試験の1つ。
ITに関する基礎知識はもちろん、プログラミングに関する内容も出題されるので、ITエンジニアの登竜門と言われています。
主催元である情報処理推進機構によると以下のように定義されています。
1.対象者像
高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者2.業務と役割
基本戦略立案又はITソリューション・製品・サービスを実現する業務に従事し、上位者の指導の下に、次のいずれかの役割を果たす。(1) 需要者(企業経営、社会システム)が直面する課題に対して、情報技術を活用した戦略立案に参加する。
(2) システムの設計・開発を行い、又は汎用製品の最適組合せ(インテグレーション)によって、信頼性・生産性の高いシステムを構築する。また、その安定的な運用サービスの実現に貢献する。
この記事もオススメ
基本情報技術者試験のおすすめ参考書と勉強法
基本情報技術者試験に合格した筆者が、おすすめの参考書と勉強法を紹介します。
- 参考書で基本知識を身につける
- アプリで問題をひたすら解く
- 過去問を繰り返し解く
参考書で基本知識を身につける
問題集や過去問を解く前に、参考書を通して基本的な知識を身に付ける必要があります。IT用語は仕組みがわかりにくいものが多いので、図やイラストのある参考書がおすすめです。
筆者おすすめの参考書は以下の2つ。
- キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者
- うかる! 基本情報技術者 [午後・アルゴリズム編]
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者
この参考書は、全体的にイラスト・漫画形式で解説されているため、難しいIT用語でもすんなりと理解することが可能です。
うかる! 基本情報技術者 [午後・アルゴリズム編]
苦手意識を持つ人が多い「アルゴリズム」の分野に特化した問題集です。特に文系出身・非IT系企業で働いている人は苦手意識を持つ人が多いので、参考にしてみてください。
アプリで問題をひたすら解く
出典元:App Store
参考書を通して基本的な知識を身に着けたら、次は試験対策として問題をひたすら解きましょう。問題をたくさん解くことで知識が整理され、苦手な分野を知ることもできます。
練習問題は量を重ねることが重要です。通勤時間などでも練習できるよう、アプリで取り組むのがおすすめ。
おすすめのアプリは「基本情報技術者問題集(全問解説付)」で、無料で1000以上の問題を解くことが可能です。
すべての問題に解説がしっかりとついているので、安心して使うことができます。
この記事もオススメ
過去問を繰り返し解く
出典元:基本情報技術者試験ドットコム
アプリで問題数をこなしたら、次は過去問に移りましょう。
おすすめはアプリの問題集を1周するたびに過去問を解くこと。
これを2〜3回ほど繰り返すと、ある程度の点数が取れてくると思うので、過去問の結果を分析して自分の苦手分野を見つけてください。
参考書を使って苦手分野を徹底的に見直して、再度過去問を解くという流れを繰り返すことで、合格点に近づくでしょう。
過去問は情報処理推進機構のサイトからダウンロードできます。また、基本情報技術者試験ドットコムの過去問道場から試験日を指定してランダムで解くのもおすすめ。
演習を繰り返して、出題形式に慣れましょう。
基本情報技術者試験の試験概要
基本情報技術者試験の受験までの流れ・当日出題される分野などの概要を解説します。
- 試験会場・試験日程・申込方法・受験料
- 試験時間
- 【午前】試験内容・問題例
- 【午後】試験内容・問題例
- 配点
この記事もオススメ
試験会場・試験日程・申込方法・受験料
まずは、試験会場・試験日程・申込方法・受験料について順に見ていきます。
試験会場・試験日程
情報処理推進機構によると、試験会場は全都道府県に1カ所以上設置されているとのこと。
試験会場を確認する際は、こちらを確認してください。
また、試験日程に関しては例年以下のようなスケジュールとなっています。
- 春期試験:例年4月頃に開催、申し込み期間は例年1月〜1月末の間
- 秋期試験:例年10月頃に開催、申し込み期間は例年7月〜7月末の間
ただし、上記はあくまで目安です。
具体的な場所・日時は情報処理推進機構のサイトから確認してください。
申込方法・受験料
基本情報技術者試験は年に2回しか行われません。
そのため、1度タイミングを逃すと半年ほど待たなくてはならないのです。しっかりと申込み期限を把握しておきましょう。
インターネット申し込みと郵送申し込みがあるので、詳しくは情報処理推進機構のサイトから確認してください。
また、受験料は7,500円(税込)となっています。
試験時間
基本情報技術者試験は以下のように、午前の部と午後の部に分かれています。
- 午前:9:30〜12:00(150分)
- 午後:13:00〜15:30(150分)
長丁場な試験となっているので、集中力を保つ必要があるでしょう。
【午前】試験内容・問題例
まずは午前の分から見ていきましょう。
午前は以下のような構成となっており、すべて選択式の解答方式です。
- テクノロジ系:50問
- マネジメント系:10問
- ストラテジ系:20問
最新の試験内容はこちらの試験要綱を確認してください。
【午前】テクノロジ系
午前に出題される80問のうち、50問がテクノロジ系の分野です。つまり、この分野をいかに攻略するかが合否の鍵となります。
内容としては、IT全般に関する用語などの知識問題が中心です。
- 基礎理論
- アルゴリズムとプログラミング
- コンピュータ構成要素
- システム構成要素
- ソフトウェア
- ハードウェア
- ヒューマンインターフェイス
- マルチメディア
- データベース
- ネットワーク
- セキュリティ
- システム開発技術
- ソフトウェア開発管理技術
参考元:基本情報技術者試験ドットコム
この記事もオススメ
【午前】マネジメント系
マネジメント系からは10問出題されます。
この分野はプロジェクトマネジメントに関するものなので、テクノロジ系とは異なり、非IT系の仕事をしている人にも十分理解しやすい内容です。
10題しか出題されないとはいえ、比較的対策もしやすい分野なので、得点源として確保しておきたいところ。
基本的に複雑な問題はなく、単純な暗記だけで対応可能です。
この記事もオススメ
【午前】ストラテジ系
ストラテジ系からは20問出題されます。
主に企業活動・法務・システム戦略に関する内容です。
こちらもマネジメント系と同じく、理解に困る用語は少なく、単純な暗記だけで対応可能です。
SWOT分析・ROI・損益分岐点など、ビジネスマンであれば知っておくべき用語も出題。試験対策としてはもちろん、今後の社会人生活においてきっと役に立つはずでしょう。
【午後】試験内容・問題例
午後は幅広い分野から11問出題され、そのうち5問を答える形式です。
過去の傾向では、以下の分野から出題されます。
- コンピュータシステム
- 情報セキュリティ
- データ構造及びアルゴリズム
- ソフトウェア設計
- ソフトウェア開発
- マネジメント
- ストラテジ
「情報セキュリティ」「データ構造及びアルゴリズム」は必須、「ソフトウェア開発」は5問中1つ選択、その他からは2問選択することになります。
最新の試験内容はこちらの試験要綱を確認してください。
以下で、苦戦する受験生が多いと言われる科目を紹介します。
【午後問題】データ構造及びアルゴリズム
データ構造及びアルゴリズムは、配列・探索・数値計算・文字列処理・図形処理など、数学的なものの見方や考え方が問われる分野です。
そのため、文系出身・非IT系の仕事をしている人にとっては馴染みがなく、勉強し辛い内容といえるでしょう。
以下で、過去問から問題例を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
【午後問題】ソフトウェア開発
Java・表計算・Pythonなど、プログラミング言語に関して出題されます。
こちらは、プログラミング初心者は重点的に対策しなければならないところでしょう。
以下で、過去問から問題例を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
この記事もオススメ
配点
午前は1問につき、1.25点となっています。
午後は以下の通りです。
- 情報セキュリティ:20点
- その他:各15点
- データ構造とアルゴリズム:25点
- ソフトウェア開発:25点
配点に大差はないので、全体的に対策をする必要があるでしょう。
基本情報技術者試験の難易度と学習期間の目安
合格の難易度・必要な勉強時間はどれほどなのでしょうか。
難易度・合格率
平成31年度春期試験を参考にすると、合格率は以下のような結果でした。
- 社会人平均:22.3%
- 社会人(IT企業勤務):20.3%
- 社会人(非IT企業勤務):27.9%
- 学生:24.1%
学生・非IT企業勤務の方が平均以上に合格していることがわかります。しっかりと対策を行うことで、IT系のバックグラウンドがなくても十分合格できるといえるでしょう。
この記事もオススメ
必要な学習期間
実際に資格取得するとなると、勉強はつきもの。
IT系の仕事に就いていても1ヶ月ほどの学習時間が必要でしょう。ITの知識だけでなく、プロジェクトマネジメント・企業法務などの知識も必要になるためです。
また、IT系の知識がない場合は、3〜6ヶ月の学習時間が必要になるでしょう。
社会人である場合は、平日は時間がとれて2〜3時間が限界だと思うので、上手くスケジュールを管理する必要があります。
この記事もオススメ
ITパスポート・応用情報技術者試験との違い
似ている資格に「ITパスポート」と「応用情報技術者試験」があります。
本章では、基本情報技術者試験との違いについて解説。
ITパスポートとの違い
出典元:ITパスポート試験
ITパスポートは、基本情報技術者試験の午前の分と出題分野はほぼ同じです。
ただ難易度が低く、IT系の知識がなくても1〜3ヶ月の学習で十分取得できるのが特徴。基本情報技術者試験を受験する前に練習として受けてみるのがおすすめです。
この記事もオススメ
応用情報技術者試験との違い
知識面においては基本情報技術者試験と大差はありません。
また、基本情報とは異なり「アルゴリズム」や「プログラミング言語」に関する知識があまり問われないので、以下のように基本情報技術者試験より簡単だったという声もあります。
参考元:情報処理技術者試験の合格記録
一方で、基本情報技術者試験はマーク式ですが、応用情報技術者試験は記述式の設問も加わります。その点がやや難しいと感じる受験生もいるでしょう。
基本技術者試験と同様、半年に1度しか試験がありません。また、両試験ともに同日程で開催されるので併願ができない点に注意してください。
この記事もオススメ
基本情報技術者試験を取得するメリット
基本情報技術者試験を取得するメリットは、以下の3つです。
- 就職・転職に有利になる
- 知識が業務に活きる
- 資格手当が出る
就職・転職に有利になる
基本情報技術者試験は、IT企業の新人が取得するのが望ましいと言われています。
そのため、大学生のうちから取得できれば「ITに対するポテンシャルがある」と採用担当から思われるので、就職活動を有利にすることができるでしょう。
また、転職においてもIT業界が未経験の場合は「基礎的なIT知識を知っている」「やる気がある」などの証明ができるでしょう。
知識が業務に活きる
基本情報技術者試験はITエンジニアの登竜門と言われる資格です。
エンジニア1年目の場合「プログラミングはできるが、基礎的なIT用語は知らない」という人も多いでしょう。エンジニアの業務は、何もプログラミングだけではありません。
幅広いIT知識を身につけて、さまざまな業務に挑戦できる下地を作りましょう。
また、非エンジニアの人でもITに関わる仕事をしていれば業務に活かすことが可能。
特にエンジニアと関わる機会の多い人は、基本情報技術試験レベルの用語をおさえておくと業務が円滑になるでしょう。
この記事もオススメ
資格手当が出る
会社によっては資格手当・合格報奨金が支給されるところも。
実際、リクナビNEXTによると合格報奨金の平均は24,000円、資格手当の平均は5,400円という試算結果もありました。
ITエンジニアを目指すなら基本情報技術者試験にトライしよう
実際に試験に合格した筆者が教える、基本情報技術者試験の参考書と勉強法のおすすめ、試験概要や取得するメリットなどを紹介しました。
- IT業界への就職を検討している学生
- 未経験からIT業界へ転職を検討している社会人
- 業務でIT知識が必要になった方
上記に当てはまる方は、ぜひ受験を検討してみてはいかがでしょうか。
選考が有利になるのはもちろん、実際に入社後に必要となる知識も手に入れることができるので、取得して損することはないはずです。
この記事もオススメ
はじめての転職、何から始めればいいか分からないなら
「そろそろ転職したいけれど、失敗はしたくない……」そんな方へ、テックキャンプでは読むだけでIT転職が有利になる限定資料を無料プレゼント中!
例えばこのような疑問はありませんか。
・未経験OKの求人へ応募するのは危ない?
・IT業界転職における“35歳限界説”は本当?
・手に職をつけて収入を安定させられる職種は?
資料では、転職でよくある疑問について丁寧に解説します。IT業界だけでなく、転職を考えている全ての方におすすめです。
「自分がIT業界に向いているかどうか」など、IT転職に興味がある方は無料カウンセリングにもお気軽にお申し込みください。