「自立」は子どもの頃からよく耳にする言葉。なんとなく「一人でなんでもできる」というイメージを持っている方もいるでしょう。
じつは、この自立は仕事における業務への取り組み方やまわりの人との関わり方に大きな影響を与えます。
この記事では、自立の4つの種類をはじめ、社会人にとって自立が大切な理由や自立するために必要なことなどを解説します。
この記事の目次
自立とは
普段何気なく使っている「自立」とはどういう意味なのか、以下で解説します。
- 自立=支配や助力を受けずに存在すること
- 自立と自律の違い
自立=支配や助力を受けずに存在すること
自立とは、他から支配されたり助けられたりせずに存在することを意味します。
1 他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。「精神的に自立する」
2 支えるものがなく、そのものだけで立っていること。
引用元:コトバンク
簡単に言えば、他の人などに頼ることなく自分一人でいられる状態と考えてよいでしょう。
自立と自律の違い
自立と自律は、シンプルに言うと「一人で独立しているか」と「自分をコントロールできるか」という違いがあります。
「自立と自律の意味の違いとは?自律するにはどうしたらいいか解説」にて、自立と自律の違いについては詳しく解説しています。
自分が描くキャリアプランを実現したいという方は、ぜひ参考にしてください。
4種類の自立について
自立には大きく分けて以下の4種類が存在します。
- 仕事における自立
- 経済面での自立
- 精神的な自立
- 身体的な自立
仕事における自立
仕事における自立は、自分で考えて業務ができる状態。
働き始めたばかりであれば、先輩に教えてもらうこともたくさんあります。また、働いている会社や事業に対する理解も十分ではないでしょう。
経験を積んでスキルや知識を身に付けて、仕事において問題解決などができれば、仕事において技術的に自立した状態です。
経済面での自立
経済面での自立は親や国などに頼ることなく、生活するためのお金を稼げる状態。
実家暮らしなどの場合には、自立できているのか判断が難しいかもしれません。
そのような場合には、自分で食費・光熱費・交際費などの生活費が賄えるという基準で考えるとわかりやすいと思います。
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精神的な自立
他の人に過度に依存することなく、自分で考えて選択や行動ができるのが精神的に自立した状態。
人は誰でも他の人に影響を受けるものです。ですので、誰の意見も聞かない・自分の意見こそが正しいというわけではありません。
「親がこの会社がいいと言ったから入社したのに、自分のやりたいことができる会社ではなかった」などの他責思考でではなく、自責思考で考えられる状態ともいえます。
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身体的な自立
身体的な自立は、身体的なサポートを必要としない状態です。これは、先天的な要素などで自分では解決できない場合もあります。
また、ケガや病気で助けが必要になることもあるでしょう。
上記の3つとは異なり、自分自身の努力では自立が難しい要素です。
自立している人の特徴
以下で、自立している人の特徴を4つ解説します。自分がしっかりと自立できているか判断する参考にしてください。
- 自分の芯をしっかりと持っている
- 主体的に行動ができる
- 自分の強みを理解している
- 生活できる収入がある
自分の芯をしっかりと持っている
自立している人は、自分の考えや行動に芯があることが特徴です。仕事やプライベートで「何をするか」「何をしないか」という選択も自分で考えて行えます。
そのため、会議などでも自分の考えを自分の言葉で伝えることが可能。一貫性のある振る舞いができるので、まわりの人にも頼りになる印象を与えます。
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主体的に行動ができる
自立している人は、頼まれたことだけをやるのではなく、必要なことを自分で考えて主体的に行動できます。
これは、仕事において自立している人の特徴ともいえるでしょう。
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自分の強みを理解している
自立している人は、客観的にまわりと自分を見るので、自分ならではの強みを理解し言語化できることが特徴の1つ。
そのため、自分の強みを生かして、まわりの人や会社に貢献するにはどうしたらよいか、どんなアクションを行うのが適切かなどを考えられます。
また、強みとは逆に自分の弱点や苦手なことも把握しており、必要があれば、他の人に頼れる素直さもあります。
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生活できる収入がある
当たり前のようですが、生活を維持できる収入があることは経済的に自立している人の絶対条件。
もしも、収入と支出が見合っていないのであれば改善が必要です。
- 転職をして収入を増やす
- 家賃が少ない・かからない住居に引っ越す
- 家計簿をつけて支出を見直す
など、さまざまなアプローチが考えられるでしょう。
社会人にとって自立が大切な理由
社会人にとって自立することがなぜ大切なのか。その理由を2つ解説します。
- やりたいこと・やるべきことに積極的に取り組める
- 長所・短所をフラットに理解できる
やりたいこと・やるべきことに積極的に取り組める
やりたいこと・やるべきことに積極的に取り組めるというのは、自立して働く大きなメリット。
例えば、「新たなプロジェクトの立案は楽しい。でも、それに付随する事務作業などの雑務は面倒」と考える人は、イヤイヤながらやるかもしれません。
あるいは、面倒な作業を後回しにすることもあるでしょう。
しかし、自立している人は、やりたいことを実現するためにやらなければならないことがあると理解しています。そのため、どのような業務でも積極的に取り組めるのです。
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長所・短所をフラットに理解できる
自立している人は、相手と自分のことを客観的に見ることが可能。それにより、長所・短所をフラットに理解できるのです。
人それぞれのできること、できないことを冷静に考えるので、その事柄に優劣をつけたり人を卑下したりすることはありません。
そのため、苦手なことを人に頼む場合も、「雑務を押し付けていたずらしてやろう」といった感情的な態度を取ることはないのです。
得意な人に敬意を持って仕事を頼めるので、一緒に働く人からも信頼されます。自分のよいところを生かして、相手のよいところも生かせる人と言えるでしょう。
【社会人向け】 自立するために必要なこと
社会人として自立するには、以下のような考え方が必要です。
- 自分の現状を理解する
- 自分の行動に責任を持つ
- 他人の気持ちを考える
- 依存先を増やす
自分の現状を理解する
自立した社会人になるためには、以下の現状を正確に理解する必要があります。
- 自分の長所・短所
- 仕事のスキル・知識のレベル
- 経済状況
自分の現状を理解して、「強み・弱み」「やるべきこと・やるべきではないこと」などを明確にすることが大切。
それにより、自立するためのアクションプランが立てやすくなります。
自分の行動に責任を持つ
自分の行動に責任を持つことが自立した社会人になるためには重要。
人によっては、当たり前のことに感じるかもしません。
しかし、仕事中にミスや失敗があった時に「自分で考えて行動した結果」と素直に受けとめることは簡単ではないでしょう。
「上司に指示されたことをやっただけ」「同僚に仕事を頼まれて、時間がなかったから」など他人のせいにしてしまうことはよくあります。
社会人として自立するためには、そのような他責思考をやめる必要があります。
自分が選択した行動の責任は自分にあると自責思考に切り替えましょう。
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他人の気持ちを考える
他人が何を考えているのかがわかるようになると、結果として自立した社会人として成長できます。
自立とは、人の話を聞かない自分勝手な状態ではありません。まわりの人の状況や考えを尊重して、自分がやるべきことに取り組める状態が仕事における自立です。
客観的な視点で行動するよう意識してみましょう。
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依存先を増やす
他人に依存することは、自立とかけ離れた考え方だと思われるかもしれません。
しかし考え方を変えてみると、誰かに依存したり社会に依存することは、至極当然なのです。
例えば、東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎先生は、脳性麻痺により子どもの頃から身体が不自由な生活を送ってきました。
日常生活では他人の介助が不可欠で、家族のサポートが必要でした。しかし、このままでは親が死んだ時に自分は生きていけないのではと思うようになりました。
そこで、あえて大学進学は地元より遠く離れた親が付いてこれない場所を選択しました。
すると、下宿先の友人や見ず知らずの人が介助してくれた経験から、「親がいなくても自立できるんだ」と気づいたそうです。
つまり「依存先をなくす」ではなく、「依存先を増やす」こそが自立につながる考え方だったのです。これは、健常者の方にとっても当てはまる考え方だといえます。
参考元:自立とは「依存先を増やすこと」|全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)
まとめ:正しい自立とは自己実現にチャレンジできること
自立の4つの種類、自立している人の特徴、社会人にとって自立が大切な理由、自立するために必要なことなどを解説しました。
自立という言葉は、言う人によって都合のいいように解釈される場合も多いです。
親や会社などが手がかからないという意味で、自立という言葉を用いる場合もあるでしょう。
しかし、それは正しい自立ではありません。やりたいことを自ら選んで、それにチャレンジできることが正しい自立です。
もちろん、やりたいことを実現するためには、自分だけではできないこともあります。
それを受け入れて人を頼ったり、テクノロジーで補ったりなどしながら自分がやりたいことを実現できるのが自立の大きなメリットなのです。
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