「教育とITを融合した『エドテック(EdTech)』に興味がある」
「国内外で注目のEdTech企業が知りたい!」
IT技術が業界・分野を問わず普及している現在、「EdTech」という言葉を耳にする機会も増えたと思います。
これに伴い、EdTechサービスを提供する企業も増え、実際に学習サービスを利用した人も多いでしょう。
そこで本記事では、注目を集めるEdTech企業を国内外合わせて18社紹介します。
この記事の目次
エドテック(EdTech)とは?
「EdTech(エドテック、エデュテック)」とは、「Education(教育)」と「Technology(テクノロジー)」を組み合わせた造語・ビジネス用語です。
これまでの教育体系は、学校教育に代表されるような、机の上に教科書・ノート・鉛筆を用意し、先生が黒板に書いた内容を板書する、といったアナログな方法が当たり前でした。
しかし、近年はIT技術やインターネットが発達したことで、パソコンやタブレット1つあれば、時間も場所も問わず学習環境を作れます。
このように、教育にテクノロジーを融合することで、教育分野にイノベーションを起こす領域のことを「EdTech」と呼ぶのです。
EdTechの詳細は、「Edtechとは? 教育×IT分野をわかりやすく解説」もご参考ください。
EdTech企業一覧【国内】
本章では、国内で注目のEdTech企業を13社紹介します。
- スタディプラス株式会社
- 株式会社フラミンゴ
- 株式会社レアジョブ
- 株式会社葵
- 株式会社Schoo
- 株式会社Progate
- 株式会社ワオ・コーポレーション
- 株式会社スマートエデュケーション
- 株式会社ベネッセコーポレーション
- 株式会社ARROWS
- atama plus株式会社
- ライフイズテック株式会社
- 株式会社Libry
スタディプラス株式会社
出典元:スタディプラス株式会社
- 2010年5月創立
- 資本金:約9億2,000万円
- 未上場
- 企業HP
スタディプラス株式会社は、学習管理アプリ「スタディプラス」、法人向けサービス「スタディプラス for School」などを展開するEdTech企業。
スタディプラスのユーザー数は500万人を突破。学習管理SNSとしても使え、学習仲間とコミュニケーションできモチベーションを保てるようになっています。
株式会社フラミンゴ
出典元:株式会社フラミンゴ
- 2015年6月創立
- 資本金:約2,500万円
- 未上場
- 企業HP
株式会社フラミンゴは、カフェ語学レッスン予約サービスの「フラミンゴ」、法人向けの語学研修サービス「Flamingo for Corporation」などを展開するEdTech企業。
フラミンゴは、約80種類の言語・8,700人以上の先生から選べるサービスで、自分の都合のいい時間を利用してカフェでマンツーマンレッスンを受けられます。
株式会社レアジョブ
出典元:株式会社レアジョブ
- 2007年10月創立
- 資本金:約5億5,400万円
- 2014年6月にマザーズ上場
- 企業HP
株式会社レアジョブは、オンライン英会話サービス「レアジョブ英会話」や、法人向け海外留学プログラムなどを展開するEdTech企業。
レアジョブ英会話の累計会員数は約80万人で、業界トップレベルの実績を誇ります。
Skypeを利用したオンライン英会話サービスと、アプリ上の通話システムでレッスンを受けられるサービスがあります。
株式会社葵
出典元:株式会社葵
- 2012年3月創立
- 資本金:約3億9,000万円
- 未上場
- 企業HP
株式会社葵は、中高生向けのスマホ学習塾「アオイゼミ」や「Aoi For School」などを展開するEdTech企業。
アオイゼミは、全国の中高生40万人が利用する、日本最大級のスマホ学習サービス。
公開されている授業動画は4,000本以上で、ライブ配信授業も開講されており、タイムラインで同じ目標を持つ仲間と励まし合いながら学習を継続できます。
株式会社Schoo
出典元:株式会社Schoo
- 2011年10月創立
- 資本金:5億1,300万円
- 未上場
- 企業HP
株式会社Schooは、動画学習サービス「Schoo(スクー)」を提供するEdTech企業。
Schooは、19のカテゴリと7,000本以上の授業を配信するオンライン学習サービスで、登録する先生は大学の教授やスタートアップベンチャーの社長、俳優、ミュージシャンなどさまざま。
生放送の授業への参加は無料なので、誰でも気軽に参加できます。
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株式会社Progate
出典元:Progate
- 2014年7月創立
- 資本金:8,210万円
- 未上場
- 企業HP
株式会社Progateは、オンラインプログラミング学習サービス「Progate(プロゲート)」を展開するEdTech企業。
Progateはオンライン上でコードを書ける、イラストを使用した分かりやすい図解など、学習を継続するためのノウハウが詰まっています。
ユーザー数は230万人を突破、インドやインドネシアに現地法人も設立しています。
株式会社ワオ・コーポレーション
出典元:株式会社ワオ・コーポレーション
- 1976年5月創立
- 資本金:1億円
- 未上場
- 企業HP
株式会社ワオ・コーポレーションは、エデュテイメント(娯楽の要素を取り入れた教育プログラム)事業を展開するEdTech企業。
知育アプリ「ワオっち!」や在宅学習コンテンツ「ワオスタディー」などを提供しています。
「ワオっち!」は、幼児・小学生向け知育アプリで、シリーズ累計1300万を突破。
株式会社スマートエデュケーション
出典元:株式会社スマートエデュケーション
- 2011年6月創立
- 資本金:約11億2,600万円
- 未上場
- 企業HP
株式会社スマートエデュケーションは、知育アプリ「こどもモード」シリーズ、保育施設向けプログラム「KitS(キッツ)」などを提供するEdTech企業。
KitSは国内の300施設超に導入されています。
こどもモードは、乳幼児向けアプリシリーズで、子供たちに人気のワオっちファミリーと一緒に楽しく学べる知育コンテンツです。
株式会社ベネッセコーポレーション
出典元:株式会社ベネッセコーポレーション
- 2009年10月創立(現・株式会社ベネッセホールディングスより会社分割、同社の完全子会社)
- 資本金:30億円
- 未上場
- 企業HP
株式会社ベネッセコーポレーションは、「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」などの学習サービスを展開するEdTech企業。
「進研ゼミ」の2021年4月時点の国内会員数は272万人。
ベネッセホールディングス全体の売上高4,275億円(2021年3月期)のうち、国内教育事業が占める割合は48.1%(約2,056億円)です。
株式会社ARROWS
出典元:株式会社ARROWS
- 2013年2月設立
- 資本金:非公開
- 未上場
- 企業HP
株式会社ARROWSは、全国の教員向けサービス「SENSEI ノート」や「SENSEI イベントポータル」などを展開するEdTech企業。
SENSEI ノートは、全国の小中高校の先生・教員志望者向けのSNSで、全国25,000人の先生とつながることが可能です。
教育現場での悩みをSNS上で相談すれば、経験豊富な先輩先生からアドバイスを受けられます。
atama plus株式会社
出典元:atama plus株式会社
- 2017年4月設立
- 資本金:非公開
- 未上場
- 企業HP
atama plus株式会社は、AIを用いた学習システム「atama+」を提供するEdTech企業。
atama+は、全国2,600以上の塾・予備校に導入されており、2020年度の日本e-Learning大賞も受賞しています。
ライフイズテック株式会社
出典元:ライフイズテック株式会社
- 2010年7月設立
- 資本金:15億934万円
- 未上場
- 企業HP
ライフイズテック株式会社は、ディズニーの世界観でプログラミングを学べる教材「テクノロジア魔法学校」や4日間の短期学習プログラム「CAMP」などを提供するEdTech企業。
2021年10月には、25億円を資金調達し、さらなる事業拡大に注目が集まります。
株式会社Libry
出典元:株式会社Libry
- 2012年5月設立
- 資本金:非公開
- 未上場
- 企業HP
株式会社Libryは、中高生向けのデジタル教材プラットフォーム「リブリー」を提供するEdTech企業で、全国500校以上で導入されています。
リブリーは、従来の勉強方法のメリットを活かしつつ、ICT化による学習の効率化や先生方の業務負担の削減などを実現します。
EdTech企業一覧【海外】
本章では、海外のEdTech企業・団体を5つ紹介します。
- Khan Academy
- Skillshare
- Udemy
- Riiid
- Duolingo
Khan Academy
出典元:Khan Academy
Khan Academyは、2006年に設立されたアメリカの非営利団体。
誰でもどこでも無料で授業を受けられる、オンライン学習プラットフォーム「カーンアカデミー」を提供しており、ビル・ゲイツやグーグルからの支援で設立しました。
カーンアカデミーでは、10,000以上のビデオ講義、40,000以上の演習問題が提供。
レベルは、幼児向けのものからマクロ経済学などの大学レベルまで対応しており、動画授業は各国のボランティアが多言語に翻訳しています。
出典元:Skillshare
Skillshareは、2010年11月アメリカで設立したEdTech企業。
P2P(Peer to Peer:ネットワーク上の複数端末間で通信を行う)教育サービス「Skillshare」を提供しています。
Skillshare上で開講されるクラスは20,000以上で、15万以上の演習問題が公開。
クラス内容は、Illustratorマスタークラスからカップケーキの作り方まで、多岐に渡ります。
Udemy
出典元:Udemy
Udemyは、学習教材プラットフォーム「Udemy」を提供するアメリカのEdTech企業。
世界で数千万人以上が利用しており、183,000ものオンライン講座が開講されています。
特に、AI・プログラミング・統計・BIツールなどの講義が人気です。
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Riiid
出典元:Riiid
Riiidは、TOEIC対策の学習アプリ「Riiid Tutor(リドチューター)」を提供する韓国のEdTechベンチャー企業。
ソフトバンクもRiiidに大型投資を行っており、AIベースの教育アプリとして今後も拡大すると予想されます。
Duolingo
出典元:Duolingo
Duolingoは、無料の言語学習アプリ「Duolingo」を提供するアメリカのEdTech企業。
40言語・103コースを提供しており、累計ダウンロード数は5億人を突破。
EdTechサービスの分類
本章では、EdTechにおけるサービスを6つのグループに分類して解説します。
公的教育向け
他国と比較すると、日本の教育現場はITサービスの導入が遅れているというのが現状。
公的教育向けのサービスによって、生徒も教師もより良い環境が提供されるでしょう。
また、生徒の学習管理や先生同士の情報交換を目的としたサービスも展開されています。
学習サービス
教育機関や学習塾業界でタブレット導入などのICT(情報通信技術)化が進んでいます。
タブレット学習などは、人気講師の動画を視聴できるサービスが多数存在。
テキストを読んでいくだけの勉強と違い、集中を維持したり、好きなタイミングで停止したり、巻き戻って再生したりと、個人に合った方法で学習を進められます。
個人に最適化された学習サービスは他にも、「苦手問題を集中して出題することで効率的に苦手を克服する」など、生徒にとってたくさんのメリットがあるでしょう。
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語学
近年拡大しているのが、オンライン英会話や英会話アプリなどの語学学習系のEdTechです。
子供はもちろん、社会人の学び直し(リカレント教育)向けにサービス展開する企業が多くあるのも特徴。
オンライン授業で外国人講師と実際に会話することで、より実用的な外国語を学べます。
プログラミング学習
小学校でプログラミング教育が必修化されたことで、プログラミング教育市場が拡大中。
プログラミング学習アプリや、インターネット上でプログラミングの動画講義を受けられるサービスも登場しています。
学習の前の段階での環境構築や、途中でエラーが出た時の解決など、プログラミングを独学で学ぶ際は、途中で挫折してしまうポイントが多く存在します。
また、市販の技術書はある程度の知識がある人向けが多いのも現状。
プログラミング学習サービスは、オンラインで講師へ質問を行ったり、アドバイスを受けることができるものがあります。
また、環境構築が一切不要、ブラウザだけを使用しゲーム感覚でプログラミングを学べるのもあり、プログラミング学習のハードルは下がっているといえるでしょう。
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社会人教育
EdTechでは、社会人教育事業も盛んで、これまで紹介した語学・プログラミングをはじめ、ビジネスマナーや資格取得講座などもオンラインで学習できるサービスがあります。
また、企業がEdTechサービスを社内研修プログラムとして導入するケースも。
幼児教育
幼児教育分野のEdTechでは、絵本の読み聞かせや知育アプリなどがあります。
簡単な算数やパズル、なぞなぞなど、アニメキャラクターと一緒に楽しく学べるアプリを開発している企業が多数あります。
EdTech企業の将来性は?
ここからは教育業界の現状をはじめ、予測されるEdTechの市場規模について解説します。
教育業界の現状
まずはEdTechを内包する教育業界全体の傾向を見てみましょう。
経済産業省の資料によると、日本の民間教育産業の市場規模は毎年2.5兆円前後、国や地方における教育関係予算は毎年23兆円前後。少子化のあおりを受けて縮小傾向にあり、海外先進国との差が広がりつつあります。
また、矢野研究所の『教育産業市場に関する調査(2021年)』によると、2021年度の教育産業全体の市場規模は2兆8,333億円と予測しており、2017年度よりほぼ横ばいの状況。
教育業界の市場予測
前述した矢野研究所の調査によると、教育産業全体としては横ばいや微増という結果でした。
コロナ禍で教育のオンライン化・リモート化が進んだこと、休校措置などの活動制限の影響が少なくなるとの予測から、2022年以降の教育業界は、回復および拡大していくと予想されます。
EdTechの市場規模推移予測
次に、EdTech業界の将来性について見てみましょう。
上記グラフは、野村総合研究所の調査結果資料で、EdTech市場規模の推移を示しています。
資料によると、2016年以降のEdTech市場規模推移は右肩上がりで、2023年には3,000億円に達する見込み。
さらに、2020年以降はコロナ禍も相まって教育現場でのICT化が急速に進んでおり、今後はさらに市場が拡大する可能性が高いでしょう。
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EdTech企業に就職するには
EdTech業界へ就職、転職するにはどうすればいいのでしょうか?
教育関連の知識×ITの知識を身につける
実際に転職サイトを調査したところ、EdTech業界における求人案件には以下のようなものがありました。
- 人工知能型教材のコンサル営業
- クラウド型学習教材のシステム企画
- 保育施設向けアプリのサーバーサイドエンジニア
これらを見ると、EdTech業界を目指すためには、教育分野の知識だけでなく自社サービスを理解するためのIT知識が必要と言えます。
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転職サイトを活用する
EdTech業界の求人は、転職サイトで見つけられます。
総合型の転職サイトでは「doda」「リクナビNEXT」「Wantedly」など、業界特化型の転職サイトでは「Education Career」「教育・EdTech転職ナビ」「Green」などがあります。
自己PRの部分で、教育機関での経験や今後取り組みたいこととして、EdTech領域への興味をアピールしてみましょう。
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転職エージェントを活用する
転職エージェント活用のメリットは、あなたのこれまでの経験を元に求人を紹介してくれたり、企業側との面接日の擦り合わせなどをおまかせできたりする点です。
こちらも総合・業界特化型からいくつか紹介しますので参考にしてください。
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総合転職エージェント
教育業界に特化した転職エージェント
EdTech企業にはどんな仕事があるのか
EdTech企業にはどのような仕事があるのでしょうか。本章では4つ紹介します。
営業
EdTech企業の営業の仕事では、公教育機関へのコンサルティング営業、サービスPRのためのイベント企画や運営などの業務があります。
Webマーケティング
EdTech企業のWebマーケティングの業務内容は、学習サービスのグロースハッカーや、サービスのデジタル広告のマーケティングなどが挙げられます。
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エンジニア
EdTech企業のエンジニアの業務内容は、アプリ開発(iOS、Android)やweb学習コンテンツの開発などが挙げられます。
使用言語は企業やサービスによって異なりますが、iOSアプリであればSwift(スウィフト)、AndroidアプリであればKotlin(コトリン)が多く使われます。webアプリケーションであれば、PHPやRuby、Javaが広く使用されているようです。
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バックオフィス
EdTech業界にはスタートアップ企業が多く参入しています。ですのでそのような企業が上場前の人員強化のためバックオフィス求人(労務や総務、経理など)を出すケースがあります。
将来性のあるEdTech企業の動向に注目しよう
注目を集めるEdTech企業を国内外合わせて18社紹介しました。
EdTech業界には、子供向け教育サービスだけでなく、社会人の学びなおしや法人における研修サポートなど、さまざまな事業を展開する企業があります。
教育分野およびEdTech界隈は、これからさらに盛り上がりを見せる業界ですから、興味のある方や就職を考えている方は、今後の動向に注目しましょう。
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