技術の発展やニーズの変化により、昔にはあった仕事がなくなったり、新しい職業が生まれたりすることはよくあります。例えば、近年人気が高まっているエンジニアやWebデザイナーなども、ここ数十年のうちに新しくできた職業です。
将来にわたって長く働き続けたい場合、どのような仕事を選べば良いのでしょうか。この記事では将来なくならない仕事について、AIなどのIT技術の進歩やコロナなどの社会情勢を踏まえて解説します。
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将来なくならない仕事の特徴と職業9選
今は需要のある職業でも、10年後20年後も同じように求められているとは限りません。
本章では2024年現在、将来なくならないと見られている仕事の特徴とその職業の一例を紹介しましょう。なお、この仕事一覧はオックスフォード大学と共同研究を行った野村総合研究所の資料を元に、テックキャンプ独自の視点を入れて作成しています。
- AI(人工知能)・機械の開発
- データ分析
- 医療関係
- 法律関係
- 教育・コンサルティング関係
- エンターテイメント・クリエイティブ関係
- 不動産関係
- IT(情報・通信)関係
- 人同士の関わりが必要な仕事
AI(人工知能)・機械の開発
将来、人間が行っている仕事の多くが機械やロボットに代替されるという話を聞いたことがあるでしょう。
実際、様々なサービスや作業が自動化されている中、それらを実現する技術者・エンジニアの需要は高まっています。
もともとIT業界全体で人手不足の状況が続いているところに、近年のAI化・自動化の流れが加わりました。これにより、今後もAIエンジニアを始めとするITエンジニアのニーズは高い水準を保っていくことでしょう。
AIエンジニアになるには、プログラミングスキルはもちろん、機械学習や大量のデータ処理などの知識が必要です。詳しくは以下の記事で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
▶️【AIエンジニアとは?】年収・将来性・仕事内容・なり方を解説
データ分析
AIの発展と同じく時代の流れを受けて需要が高まっているのがデータ分析の分野です。
例えば、大量のデータ(ビッグデータ)を分析し、ビジネスに活用するための情報を引き出す「データサイエンティスト」があります。各企業がこれまで蓄積してきたビックデータの活用に乗り出してきており、データ分析が行える人材の確保に取り掛かっています。
IT業界全体の人手不足に加えて、比較的新しい分野であることから、未経験でも情報処理、人工知能、統計学などの知識があれば採用されるケースも。高度な知識が求められますが、将来性は抜群でしょう。
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医療関係
コロナウイルスの影響によって改めてその重要性と偉大さが認識された医療業界。医療関係の仕事が将来もなくならないと見られている理由は主に2つあります。
1つは、機械化や自動化ができない(難しい)職業であること。特に精神科など心のケアが行う分野は、医師やカウンセラーがコミュニケーションを通して患者の状態を敏感に察知する必要があります。
もう1つは、人の命に関わる行為全てをAIやロボットなどに任せることはできず、必ず最後は人間が判断が下す必要があることです。一方で、電子カルテなどの周辺分野については、IT技術の活用によって業務効率化がされていくでしょう。
医療関係の職業の一例はこちらです。
- 医師:外科医・内科医・歯科医・整形外科医など
- 看護師・准看護師
- 介護士:介護福祉士・社会福祉士・ケアマネジャーなど
- カウンセラー:産業カウンセラー・臨床発達心理士など
- 言語聴覚士・作業療法士
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法律関係
弁護士、検察官、裁判官など法律関係も、将来なくならない仕事の1つ。彼らは、法律への深い知識・理解だけではなく、各事件・事案の状況や双方の主張をふまえて柔軟に対応する必要があるためです。
なお、法律関係の中でも税理士、行政書士、社労士などの仕事はAIに代替される職業としてリストアップされています。
両者の大きな違いは、仕事をするために綿密なコミュニケーションが必要かどうか。弁護士などが行う依頼者や関係者の話を聞き、感情を汲み取り、法廷で主張するといった高度なコミュニケーションは、今後も人間が行う必要があります。
教育・コンサルティング関係
教育・コンサルティング関係の仕事も、高度なコミュニケーションが必要である理由から将来も求められ続けるでしょう。
例えば、教師の仕事は国語や算数などの科目を教えることだけではありません。他人への接し方や日々の生活など、これから社会で生きていくために必要なあらゆることを教えます。学校内や家庭内のトラブルには、個々の事情を踏まえて臨機応変に対応しなければいけません。
また、企業の問題や課題を解決するコンサルタントは、様々な事情や要素を見て総合的に判断する能力が求められる職業。こちらもAIや機械のように計算や統計学で対処できるようなものではないのです。
この分野の職業の一例はこちらです。
- 教師
- 塾講師
- 保育士
- 幼稚園教員
- コンサルタント(IT、キャリア、金融など)
- 中小企業診断士
エンターテイメント・クリエイティブ関係
創造性や独自性が欠かせないエンターテイメントやクリエイティブ関係も、将来なくならない仕事です。
統計学を元にすれば、機械でもある程度のレベルの芸術を表現することはできるでしょう。しかし、人を感動させるような表現・世界観を生み出せるのは人間だけです。
具体的には、次のような職業があります。
- 映画監督
- 作曲家
- 音楽家(演奏家、歌手)
- 芸術家
- スポーツ選手
- フリーライター・コピーライター
- デザイナー
- 美容師
- メイクアップアーティスト
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不動産関係
コロナウイルスの影響によって需要が高まっているのが不動産関係です。
リモートワークの普及により、都心から郊外や地方に移住する人や在宅勤務に適した物件に引っ越しする人が増えていることが背景にあります。
一口に不動産関係といっても職種や業態は様々で、例えば次のようなものが挙げられます。
- 販売営業
- 売買仲介
- 賃貸仲介
- 都市開発
- ビル・マンション管理
IT(情報・通信)関係
エンジニアやプログラマーなどのIT職種は、コロナ前からも人気・需要共に高い水準を保っていました。
コロナウイルスによる在宅勤務や外出自粛に伴い、Zoomなどのオンライン会議ツール、Slackなどのコミュニケーションツールの利用が一気に拡大。さらにオンラインゲームやWebカメラなどを新たに購入する人が増えたことで、多くの企業が業績を伸ばしました。
Webマーケティングに力を入れる企業も多く、HPやサービスサイトを構築するためのWebエンジニア、Webデザイナー、Webマーケターの需要が増加しているとのことです。
IT業界の状況については以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
人同士の関わりが必要な仕事
人同士が関わることで成立する仕事も、将来の技術の進歩によらず人が行い続ける必要があります。
機械やロボットはあらかじめプログラムされた内容を実行することは得意でも、その場の状況や雰囲気を汲み取ったり、人の感情を理解することは不得手です。AIが人の判断の補助的な役割を担うことはあっても、完全に仕事を代替することはないと見られています。
具体的には、次のような仕事が挙げられます。
- 営業職
- ツアーコンダクター
- スポーツインストラクター
- 産業カウンセラー
- 評論家
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10年後なくならない仕事かどうかを見極める5つの質問
ここまで紹介してきた「なくならない仕事」は、世の中にあるたくさんの職業のごく一部。今のあなたの職業がリストに載っていなかったとしても、不安になる必要はありません。
「私の今の仕事は大丈夫?」と思った方は、以下の質問を投げかけてその将来性を考えてみましょう。
- 正解がない仕事か
- マニュアル化・ルーティン化が難しいか
- 人によって結果が異なるか
- 独自性や想像力が必要か
- 人の感情を読み取る必要があるか
正解がない仕事か
あなたの仕事には、正解はありますか?
例えば、コンサルタントの仕事には正解はありません。コンサルタントの使命は依頼者を納得・満足させることであるため、それを達成するための手段は1つとは限りません。
一方、例えば会社の経理や一般事務には、明確にやるべきことや正解があります。このような仕事は、将来システムなどに代替される可能性が高いです。
マニュアル化・ルーティン化が難しいか
あなたの仕事の手順は、マニュアル化・ルーティン化ができますか?
最近、無人レジや店員が1人もいないコンビニなどが実現されています。これは、商品の販売に関するプロセス(バーコードの読み取り、金額入力、支払い)がマニュアル化できるためです。
このように、仕事でルーチンワークやマニュアル化された作業が多い人は、将来業務内容が変わったり、仕事を続けることが難しくなったりするかもしれません。
人によって結果が異なるか
あなたの仕事を他の誰かが行った場合、結果は同じになりますか?
マニュアル化・ルーチン化できる仕事と同じく、誰がやっても同じ結果になるような仕事は将来的にシステムなどに置き換わる可能性が高いです。例えば、銀行の窓口やホテルの受付、レストランなどの配膳係が挙げられます。
反対に、高度な技術を持つエンジニアや他人との信頼関係が必要な教師や看護師などは、その人でなければ仕事が上手くいかないため、将来も長く働けるでしょう。
独自性や想像力が必要か
あなたの仕事には、独自性や想像力が必要ですか?
アーティストやデザイナーなどの創造性、発想力、ひらめきが必要な仕事は、AIやロボットの苦手分野。また、独自性が求められることから他の誰かが代わりにやることも難しいでしょう。
芸術家以外には、空間デザイナーやインテリアコーディネーターなどのクリエイティブ職種もこれにあてはまります。
人の感情を読み取る必要があるか
あなたの仕事は、人の感情を敏感に読み取ることが必要ですか?
目の動きや口角の位置、声のトーンなどの情報から、人の感情を読み取ることは非常に難しいこと。同じ人間でも他人の感情を100%正確に読み取ることができないのですから、機械にはさらに困難です。
例えばマッサージ師やスポーツインストラクターは、個々の体の状況に加えて「痛そうにしている」「つらそう」といった感情を読み取り臨機応変に対応することが求められます。
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今後需要が減る・なくなる仕事とは
ここまで将来もなくならない仕事について解説してきましたが、反対にどのような仕事は今後需要が減る・なくなると見られているのでしょうか。
主な仕事を紹介するので、これから就職や転職を控えていて将来長く働き続けたい人は、注意しましょう。ただし、ここに挙げている仕事が100%なくなるというわけではありませんし、今すぐに働けなくなるわけでもありません。
現在その職業に就いている場合でも、悲観的になる必要はないので安心してください。
- 単純作業
- 機械を動かす仕事
- 監視・警備
- 販売
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単純作業
受付やデータ入力などの単純作業は、最もシステムが得意とする分野です。すでに請求書や納品書の作成などの事務作業は、システムの活用で効率化されています。
このような仕事を行っている人は、人の判断が必要なより高度な業務に従事できるようにスキルや資格を身に着けると良いでしょう。
機械を動かす仕事
機械そのものを動かしたり、機械を管理したりする仕事は、今後プログラムによって完全自動化される可能性が高いです。
身近な例を挙げると、ルートと時間を指定すれば勝手に掃除してくれるお掃除ロボットがあります。仕事については自動車や工場の生産ラインなどは将来人が関わることはどんどん減っていくでしょう。
監視・警備
監視・警備に関する業務は、カメラを設置しておけばシステムが異常を察知してくれるようになってきています。以前のように人が見回りをすることはなくなっていくでしょう。
また、スポーツの分野においても、サッカーや野球のビデオ判定、陸上や水泳のタイム計測などは、人よりも正確に行えることから導入が進んでいます。
販売
商品を棚に陳列する、レジを売って会計をするといったマニュアル化できる業務は、機械やシステムで代替されていきます。オンラインショッピングやキャッシュレス化の普及で「ショップ店員」という職業がなくなるかもしれません。
しかし「商品やサービスを選ぶ際にプロのアドバイスが欲しい」という需要は残り続けます。今後はオンラインで専門知識を持った人がコンサルティングをするようになってくるのではないでしょうか。
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将来なくならない仕事に就いて自分らしく働こう
将来なくならない仕事について、AIなどのIT技術の進歩や社会情勢を踏まえて解説しました。
将来なくならない仕事を見極めるポイントは「絶対に人がやる必要があるかどうか」。自動化できる仕事や、誰がやっても同じ結果になる仕事は、将来代替される可能性があります。
しかし、人間がやっていた仕事をAIやシステムが代替するということは、言い換えると人間はより個性を発揮した高度な仕事に従事できるということ。
悲観的にならずに、自分らしく働き続けられる仕事を探してみましょう。
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