あなたは「シニアエンジニア」という役職をご存知ですか?
システムエンジニアは聞き馴染みのある職種だと思います。しかし「シニアエンジニア」という役職を聞いて、どんなエンジニアなのか分からない方は多いかもしれません。
そこで本記事では、IT業界で活躍する「シニアエンジニア」について、その概要やほかのエンジニアとの違い、年収や目指す方法などを解説します。
この記事の目次
シニアエンジニアとは
シニアエンジニアの「Senior」とは、「年配」という意味でなく「上役の」という意味です。つまり、シニアエンジニアとは、ある分野のスペシャリストという意味合いを指します。
会社や組織によっては位置付けが異なったり、「スペシャリスト」と呼称される場合も。
しかし、スペシャリストとシニアエンジニアでは、シニアエンジニアの方が上役の立場となるケースが多い印象です。
スペシャリストとは「専門家」という意味を指し、これまで「技術者として、得意とする分野の技術を高めていきたい」と考えるエンジニアのために設けらるようになりました。
それまではこのような役職がなく、キャリアアップすることができず、どれだけ高い能力を持ち合わせていても、給与アップできないという現状がありました。
組織をまとめていく管理者ももちろん必要である一方で、豊富な経験や高い能力を持つ人材を育成していくことも重要です。
そういった点から、給与面で悩まずに技術者としてスキルアップし続けてもらうため、シニアエンジニアやスペシャリストといった役職が定着してきたのです。
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リードエンジニアとの違い
リードエンジニアとは、プロジェクトにおける開発チームのリーダーを担うエンジニアのこと。
1つのプロジェクトでは、機能単位で少人数〜大人数で開発チームが組まれることが多く、その開発チームの数だけリードエンジニアが配置されるイメージです。
シニアエンジニアとの違いは、シニアエンジニアはスペシャリストとしての側面が強く、リードエンジニアはマネジメントとしての側面が強いイメージ。
ただし、実績豊富なシニアエンジニアの中には、開発チームのリードエンジニアを兼務する場合もあります。
プリンシパルエンジニアとの違い
プリンシパルエンジニアは、スペシャリストとして特定の分野における専門性の高い知識とスキルを持ったエンジニアを指す役職。
シニアエンジニアとの違いは、シニアエンジニアはおもに高い専門性を持っておもに設計・開発などのプロジェクトの実務に相当する業務を担うことが多いです。
一方でプリンシパルエンジニアは、専門性の高い知識と技術を活かして、プロジェクト全体・組織全体の技術面におけるリーダーシップを担うことが多い傾向にあります。
シニアエンジニアの気になる年収は?
ここでは、シニアエンジニアの気になる年収事情について見ていきます。
- 平均年収は600万円〜700万円
- シニアエンジニア以外の平均年収【職種別】
- 雇用形態別の平均年収
- フリーランスの平均年収
平均年収は600万円〜700万円
組織や職位の位置づけによって様々なケースがあるものの、一般的なシステムエンジニアの上位職に当たるので、平均年収は600〜700万が基本だといえるでしょう。
例えば、インターネット関連サービスで有名なGMOペパボ株式会社では、下記のようなエンジニア職位制度によって、500〜800万円程度の年俸を設定しています。
・エンジニア職位制度
半期ごとの評価制度と同時期に行われ、エンジニア自身の立候補と面談を経て、通過すると4等級以上の専門職に昇格します。シニア・プリンシパルエンジニア、プリンシパルエンジニア、シニアエンジニアの3つの職位があり、対象の職位のエンジニアは各サービスや会社全体の技術的な問題解決、技術力の底上げ、事業価値の創出にコミットする業務を行います。
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シニアエンジニア以外の平均年収【職種別】
- プロジェクトリーダー:約500〜600万円
- プロジェクトマネージャー:約600〜700万円
- システムコンサルタント:約700万〜800万円
- ゼネラリスト:約800万〜1000万円
プロジェクトリーダーは、能力が認められやすいIT業界においては、20代前半でこの職位についている場合もあります。
プロジェクトマネージャーは、担当するプロジェクトの規模によっては、500万円〜の場合もあり、大規模な案件を任されると800万円以上となることも。
システムコンサルタントは、実績次第では1000万円以上の年収も決して珍しくはない、魅力ある職種の代表例です。
ゼネラリストは、課長や部長レベルの役職となるので、年収はかなり高いでしょう。
雇用形態別の平均年収
- アルバイト:時給約1000〜2000円
- 派遣社員:約250〜300万円
- 正社員:約400〜500万円
アルバイトでプログラミングをできる人材はまだまだ少ないので、たとえアルバイトだとしても時給は高い傾向です。
正社員と派遣社員の年収差は大きくないといわれることも。しかし、キャリアアップを考えると、正社員の方が年収が高いといえます。
エンジニアにとって、派遣社員・正社員のどちらの形で働いてもメリットがあります。
派遣社員では、いろいろな組織や仕事の仕方を知ることができ、様々なパターンの案件を経験できるので、人脈も広がるでしょう。
一方、正社員は一番のメリットは安定でしょう。今や大企業においても安心とはいえませんが、ある一定の安定は得られるはずです。
また、実績を積んでいくことでキャリアアップのチャンスにも恵まれます。
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フリーランスの平均年収
フリーランスで働くシニアエンジニアの平均年収は、約600万〜800万円が相場。
正社員として、経験を積みながら仕事の仕方を学び、フリーランスとして独立するということは、エンジニアではよくある話です。
技術者としての高いスキルとコミュニケーション能力のあるシニアエンジニアは、フリーランスになった方が年収もアップしやすいかもしれません。
仕事を自分のペースに合わせて管理できたり、人間関係や職場の雰囲気など、ストレスが少なく働けることなどからメリットは大きいでしょう。
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シニアエンジニアを目指すには?
ここでは、シニアエンジニアを目指すにはどうすればよいのか、3つの観点で考察します。
- シニアエンジニアに求められる能力
- シニアエンジニアに向いている人
- スキルアップのポイント
シニアエンジニアの条件
シニアエンジニアを目指す上で、最低限必要となる条件があります。それは、以下の4つです。
- 特定の分野に精通している
- 精度が高く迅速な作業が可能
- コミュニケーション能力
- 専門分野以外の知識にも強い
特定の分野に精通している
技術者としての能力を持って、シニアエンジニアとして評価されるので、特定の分野で高いスキルがあることは必須です。
社内で「この分野はあの人に任せれば安心」といわれるポジションであることも重要です。
1つの専門分野だけでなく、関連する複数の分野においても知識とスキルを持っていると、より評価されやすいでしょう。
精度が高く迅速な作業が可能
高い技術力や豊富な知識があっても、精度が低かったり作業スピードが遅かったりすることは、会社にとってのメリットは少ないです。
基本的なことながら、精度の高さや迅速な作業が求められるでしょう。
コミュニケーション能力
クライアントと関わることが少ないといっても、実はエンジニアこそ高いコミュニケーション能力が求められます。
ここでいうコミュニケーション能力とは、人間関係を良好に保つことだけではありません。
専門的な知識や技術を適切に説明することで、人材育成に活かしたり、チームや他部署の人間に正確に理解してもらい、プロジェクトを円滑に進められることも指します。
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専門分野以外の知識にも強い
専門分野に関わる分野について知識が浅いと、シニアエンジニア及びスペシャリストとして活躍するのは難しいでしょう。
専門家としての一面を持ちながら、得意とする分野に関わる技術についても、ある程度学知っておくとよいでしょう。
自分の専門分野が他の技術と合わせることで、どのようなことができるのか、どんなリスクがあるのかなどを把握することで、より自分の能力を活かせるのです。
シニアエンジニアに向いている人
専門的な技術を持ち合わせながら、常に変わりゆく技術の変化に柔軟に対応していくためには、スキルアップへの向上心や技術への探求心の強いことが大切です。
現場の人間として、一生手を動かしていきたいと考えている人が向いています。
スキルアップのポイント
「一般的なエンジニアからシニアエンジニアへステップアップしたい」
そのためのスキルアップにおけるポイントは、以下の3つです。
- 上級の資格を習得する
- 常に情報収集する
- マネジメントについて学ぶ
上級の資格を習得する
数ある資格の中でも、国家資格として認められている情報処理技術者試験。
ここでは、「データベーススペシャリスト試験」「ネットワークスペシャリスト試験」「システムアーキテクト試験」「ITストラテジスト試験」などの難関資格が存在します。
これらの取得を目指すことでスキルアップでき、明確に技術力を証明できます。
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常に情報収集する
最新技術やIT業界の動向についていくには、ITメディアのニュースを常にチェックしたり、積極的に交流会やイベントに参加したりすることが重要です。
特に、交流会やイベントは新たな刺激を受ける機会に恵まれるでしょう。
今後のキャリアモデルとなる人物を見つけられたり、人との交流を通して悩みを解決するヒントになったりするのでおすすめです。
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マネジメントについて学ぶ
シニアエンジニアなどの上位の役職となると、プロジェクトを引っ張っていく存在として期待されるようになります。また、組織の中でも重要なポジションとなるでしょう。
組織の一員として、部下やチームの能力をより活かすためにも、マネジメントについて学んでおいて損はありません。
シニアエンジニアについて理解を深めよう
技術力を高め続けるシニアエンジニアという役職について、紹介しました。
また、その他のエンジニア職についても知ることで、シニアエンジニアという職位の位置づけをご理解いただけたと思います。
シニアエンジニアを目指す方でも、20代の方はこのような新たな評価制度について、今後も関心を持ち続けることをおすすめします。
なぜなら、IT業界におけるエンジニアのキャリアパスは、未だに形成しきれていません。常に最先端を追いかけ続ける職種であり、エンジニアの母数自体が少ないからです。
どのように働いていきたいか、どのような仕事をしたいか、よく考えながらキャリア形成をしていく必要があります。
そのためには、ロールモデルとなるような人物や理想とする制度の会社を見つけ、参考とするといいでしょう。
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