「日本の生産性を上げたい」元フィギュアスケーターが語るエンジニア転職に込めた決意

元フィギュアスケーターの橋爪峻也さんは、全日本選手権への出場経験やインターハイ優勝など輝かしい実績を持つ男性です。

しかし、フィギュアスケーターが現役で居続けられる時間は長くありません。24歳になった橋爪さんが、新たなキャリアとして選んだ仕事はITエンジニアでした。

エンジニアになることを決めた時には、何一つとしてITスキルを持っていなかったという橋爪さん。それでも大胆なキャリアチェンジを決意した裏には、橋爪さんが予感した「テクノロジーに仕事を奪われる未来」への思いがありました。

橋爪さんにフィギュアスケーター時代の話や、エンジニア転職の理由を聞いてみました。

元フィギュアスケーターが予感した、テクノロジーに仕事を奪われる未来

――橋爪さんは大学時代、フィギュアスケート選手として活躍された後に一般企業に就職。退職後に未経験から最短10週間でエンジニア転職を実現するTECH::EXPERTを受講されました。まずエンジニアへの転身を決意するまでに、どんなことを考えていたのか教えてください。

前職を退職した理由は、大きく2つです。

まず1つ目は将来性への不安です。僕はテクノロジーに仕事を奪われる人ではなく、テクノロジーを使いこなす側に回りたかったんです。

というのもIT化が進み仕事が奪われると言われていますが、技術を駆使して、どうやって新たな価値のある仕事を生むかが今後の課題だと考えており、そういった関係の仕事に就きたいと思いました。

もう1つの理由は、社風によるものです。前職は古い体質が残る企業で「家に仕事を持ち帰ってでも、やるべき仕事を終わらせた人が偉い」という評価軸がありました。

本当は業務時間をただ伸ばすことはせず、いかに短時間で効率よく仕事を終わらせるか、生産性を重視する方が有意義ですよね。いわゆる”良い横着”をする技術は何だろうかと考えるうちに、プログラミングに興味を持ちました。

――前職で仕事をしている間から、人工知能をはじめとするテクノロジーに興味があったのでしょうか?

そうですね。前職は電気系の会社に勤めていたので、ITはそう遠い分野というわけでもなかったんですよ。

――大学時代から電気系の学習をされていたのですか?

いえいえ、全く。大学時代は英米文学の勉強をしつつ、ずっとフィギュアスケートに打ち込んでいました。

職業としてのフィギュアスケート選手が直面する厳しい現実

橋爪さんの現役時代の写真(※本人提供)

――フィギュアスケーターとしての橋爪さんはどのような選手だったのでしょう?

どちらかと言うと、パワフルな演技をするタイプでしたね。ゆったりした演技をすることはあまり無かったです。

――フィギュアスケートの指導者になる道もあったのではないかと感じます。そうした道を選ばなかった理由は何なのでしょう。

フィギュアスケート選手が現役を続けられるのは、どんなに長くても30歳前後までというのが現実です。競技を続けるのも、食べていくのも大変です。

同様に指導者の世界も、決して甘くはないです。フィギュアスケートの指導者は、学びたいという人に対し供給過多だと言われています。

スケート業界のいまを目の当たりにする中、ほかの職について調べるうちに、僕は「就職」に魅力を感じるようになりました。

――スポーツの世界を離れることは怖くなかったですか?

もちろん怖かったです。ずっとスポーツばかりやってきたので・・・。正直、まともに受験勉強すらしたことが無かったです。就職したところで自分は身につけるべき内容をインプットし、アウトプットできるのか不安でした。

実は、同じような不安をプログラミングに対しても抱いていました。

自分にエンジニアに求められるような頭の使い方ができるのか分からなくて。実際に受講が始まってからも、僕はTECH::EXPERTのカリキュラムの進みが遅い方でした。

キャリアチェンジへの大きな不安を乗り越える方法

――橋爪さんは電気系会社への就職とエンジニア転職、2度のキャリアチェンジに成功されています。人生の大きな変化への不安を、どう乗り越えてきたのでしょう?

「まずやってみる」というだけです。

何事もやってみないことには始まらないじゃないですか!細かいことは、行動してから考えれば十分ですよ。

――ITにはWEBプロデューサーやWEBディレクターなど、様々な職種があります。その中でもエンジニアという職種に興味を持った理由は何でしょう?

ゼロから何かを生み出した経験がなくては、マーケティングやプロデュースの能力も思うようには身につかないだろうという直感がありました。

エンジニアはゼロからものを創る仕事です。ものづくりの経験を得るには、エンジニアとして働くのがベストだと思ったんです。

TECH::EXPERTで学んだのは「何とかなる」ということ

――エンジニア転職を決意した時点での、ITスキルはどの程度のものでしたか?

一切、何もないです。

――TECH::EXPERTの受講を決めた理由は何でしたか?

10週間、1日10時間はみっちり学べることがとにかく魅力的でした。環境は完璧なので、あとは自分のやる気さえあれば本当に未経験からエンジニアになれるに違いないと思ったんです。

――橋爪さんは受講を通じて、どのようなことを学習しましたか?

プログラミングの3大美徳とされる怠惰・短気・傲慢が本当に大切であることを学びました(笑)とにかく面倒くさがり屋の人には天職だと思います。

技術的には、プログラミング言語のRubyとフレームワークのRuby on Railsを学びます。受講期間中、基礎カリキュラムを終えた後には既存サービスのクローンサイトを学びます。

僕の場合は、NewsPicksを作りました。非常に画期的なサービスですし、元々僕もユーザーだったんです。そうしたサイトの裏側を、作る側の視点から色々勉強できたのはうれしかったです。

フィギュアスケートからITへ。実力主義の世界で生き続ける理由

――実力主義のスポーツの世界に身を置いていた経験は、同じく実力主義であるエンジニアになってからも活きていると感じますか?

活きていると思います。

僕は無駄なことを一切せずに如何に楽して結果を出すか工夫するのが好きなんですよ。いわゆる”日本社会の集団行動”は「文化だから」「そういう空気だから」「社長が言っているから」という理由で個人の行動を制限します。

僕はそういうことに疑問を感じるタイプです。

仕事も同様です。僕はどちらかと言えば、1人で色々と自由にやりたいタイプです。

そういった意味で、TECH::EXPERTでプログラミングスキルを得られたのは本当に大きかったです。いまはまだ未熟ですが、実務を通じて経験を積んだら、やがては自分の手で形はどうであれ生産性を上げられる新しいサービスを生み出してみたいです。

――自分で新しく作ってみたいサービスはありますか?

eラーニングのスケート業界への応用に興味を持っています。eラーニングが実現すると、いまより安価に子供達や選手がフィギュアスケートの練習をできるようになると思うんですよね。

スケート業界はIT化が大きく遅れています。

練習はいつも対面で行われています。だから練習があるたびに、1回1回地方在住の振付師がスケートリンクのある都市まで移動するなんてことはザラです。当然、交通費だけでもそれなりの額がかかります。

こうした課題の解決にチャレンジしてみたいです。

Kazuto Seki Kazuto Seki
音楽ライターとしてエイベックス、ビクター、トイズファクトリー等に所属するアーティストの取材を担当。2016年に開催された『Bjork Digital』の取材経験から、VR×音楽に関心を抱く。2017年よりテクノロジーに関するライティングを開始し、TECH::NOTEにジョイン。猫とウサギを飼っています。
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