アプリ開発に興味があるけど、iPadしか持っていないからできるのかどうか疑問に感じている方は多いかもしれません。
そこで本記事では、iPadでアプリ開発はできるのか、iPadでのアプリ開発に必要なもの、おすすめ開発ツールなどを解説します。
この記事の目次
iPadでアプリ開発は可能?
アプリ開発においては、「Eclipse」や「Xcode」などのIDE(統合開発環境)を開発環境とするのがポピュラーです。
しかし、これらのIDEはプログラミングに必要なスペックを備えたパソコンで使うことを前提としており、そもそもiPadOSには非対応であることが多いです。
したがって、iPadをメイン端末とした本格的なアプリ開発は、現状では難しいでしょう。
ただし、個人レベルの簡単なアプリならば、iPadOS対応のツールを用いて開発できます。
また、2021年秋頃リリース予定の「iPadOS 15」では、「Swift Playgrounds」を用いたアプリ開発やApp Storeへの登録が可能となるそうです。
このように、iPadを取り巻く環境は年々進化しており、将来的には本格的なアプリ開発が可能な時代がくるかもしれません。
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iPadでのアプリ開発に必要なもの
本章では、iPadでのアプリ開発に必要なものを解説します。
iPad本体
iPad本体は、CPU・ストレージ・メモリが高スペックのモデルが望ましいです。
特に、「iPad Pro」であれば、高スペックで画面サイズも大きいため、快適な操作でアプリ開発ができるでしょう。
数世代前のiPadをお使いの場合、開発ツールによってはバージョン未対応により使えないこともあるため、注意してください。
開発ツール
開発ツールは、作りたいアプリや使う言語に合わせて選びましょう。
開発ツールの多くは、App Storeからダウンロードできます。
キーボード&マウス
iPadでアプリ開発をする場合、なるべくパソコンに近い環境にした方が作業がしやすいです。
キーボードはApple純正のトラックパッド付き「Magic Keyboard」、マウスは同じくApple純正の「Magic Mouse」などがあります。
周辺機器は、お使いのiPadOSのバージョンと互換性があるか確認した上で使いましょう。
タブレットスタンド
快適な開発環境を整えるには、タブレットスタンドがあると非常に便利です。
タブレットスタンドを使うことで、正しい姿勢に矯正して体への負担が減る、キーボード&マウスの組み合わせによるパソコンライクな環境を作れるといったメリットがあります。
関連記事にて、タブレットスタンドのおすすめやメリットなどを紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。
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そのほかに必要なもの
そのほかに必要なものを挙げると、以下の通りです。
- インターネット環境
- テストプレイ用の実機
- アプリ開発の学習教材
iPadで使えるおすすめアプリ開発ツール
本章では、iPadで使えるおすすめのアプリ開発ツールを10個紹介します。
Monaca
出典元:アシアル株式会社
- 料金:2,000円/月(Proプラン)、無料プランあり
「Monaca」は、アプリ開発のクラウドサービスで、おもにJavaScriptとHTML5を用いたモバイルアプリ・デスクトップアプリ・Webアプリを開発できます。
iOS/Android両対応のハイブリッドアプリを効率よく開発できるとして、Monacaを開発プラットフォームに採用する企業も多数です。
料金は、個人向けのProプランで「2,000円/月」であり、一部機能の利用制限がある無料のFreeプランも利用できます。
JavaScript Anywhere
出典元:tnantoka
- 料金:無料
「JavaScript Anywhere」は、iPadOS/iOSで動作する、無料で使えるJavaScriptプログラミングの開発環境です。
おもな機能は、HTML/CSS/JavaScriptのソースコード編集、簡易ブラウザによるプレビュー機能、コンソーログの表示などです。
iPadによる操作のほか、電車移動中なども片手でプログラミングができるため、パソコンを開けない状況で気軽に使えるのも魅力だといえます。
Pythonista 3
出典元:omz:software
- 料金:1,220円
「Pythonista 3」は、iPadOS/iOSで動作する、Pythonプログラミングの開発環境です。
「NumPy」や「Matplotlib」などの標準ライブラリに加えて、uiモジュールによるiOSのショートカットのようなアプリが作成できるのも魅力です。
有料ながらiPadでPythonプログラミングができる数少ないツールであることから、ユーザーから高評価を得ています。
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Codea
出典元:Two Lives Left
- 料金:1,840円
「Codea」は、iPadが持つマルチタッチや加速度センサーなどの機能を存分に活用した、使いやすさに定評のあるコードエディタです。
Codeaでは、実行速度が速くiPadとの相性がよい「Lua」というスクリプト言語を使用してコーディングします。
iPadでのアプリ開発で嬉しい入力補完や便利ボタンが設置されており、簡単なゲームアプリを効率よく開発できるでしょう。
JointApps
出典元:デジタルハリウッド株式会社
- 料金:無料
「JointApps」は、簡単なタッチ操作でプログラムが組み込まれたブロックをつなげて、簡単なモバイルアプリを開発できるツールです。
ビジュアルプログラミングのように視覚的に分かりやすい構成で開発できるので、「プログラミング的思考」を養う学習教材としても活用できます。
Textastics
出典元:Alexander Blach
- 料金:1,220円
「Textastics」は、iPadOS/macOS/iOSに対応した、機能性・高速・使いやすさの3拍子がそろったコードエディタです。
おもな機能は、80以上のプログラミング言語のハイライト表示、FTP/SFTP/SSH/WebDAVサーバーへの接続、iCloud/Dropbox/Google Driveへの接続などがあります。
また、プレビュー機能によるHTML/CSS/JavaScriptの動作確認も非常に便利です。
Scratch
出典元:Scratch
料金:無料
「Scratch」は、マサチューセッツ工科大学 メディアラボが開発した、ビジュアルプログラミング開発環境です。
Scratch 3.0にて、iPadを含めたタブレット端末に対応したことで、ビジュアルプログラミングの間口が広がりました。
文字が書かれたブロックを組み合わせて簡単なゲームアプリを作り、作ったアプリを世界中のユーザーと共有できます。
ScriptKit
出典元:ScriptKit
料金:9.99ドル
「ScriptKit」は、ドラッグ&ドロップによる操作でプロトタイプ構築が可能なプログラミング開発環境です。
iPadによる操作を前提としており、UIは文字入力が少なくなるように設計されています。
ショートカット
出典元:App Store
- 料金:無料
「ショートカット」は、iPadOS/iOSで動作する標準アプリで、iPad内での作業を効率化できるショートカットを設置できます。
例えば、頻繁に連絡を取る友人に1発で電話をかけられるショートカットや、写真アプリで撮影した後に自動でリサイズするショートカットなどを作成できます。
そのため、iPadでの単純作業を効率化するアプリを作りたい方は、ショートカットで実現できるかもしれません。
なでしこ
出典元:kujirahand
- 料金:無料
「なでしこ」は、iPadOS/macOS/iOSを含めたマルチプラットフォームに対応した、日本語プログラミング言語です。
日本語ベースのコーディングを駆使して、簡単なWebアプリやバッチ処理などを開発できます。
iPadに関してはブラウザ版のみで、ダウンロード版は対応していません。
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iPadにXcodeはインストールできる?
「Xcode」は、Apple社が開発したIDEで、おもにSwiftによるApple製品向けのアプリ開発に適しています。
そして、XcodeはMac専用の開発環境のため、現時点ではiPadへのインストールはできません。
ただし、プログラミング学習アプリの「Swift Playgrounds」で作成したコードをXcodeに読み込むといった、間接的なやり取りは可能です。
iPadでアプリ開発を学べるプログラミングアプリ
本章では、iPadでアプリ開発を学べるプログラミングアプリを解説します。
Swift Playgrounds
出典元:Apple
- 料金:無料
「Swift Playgrounds」は、iPadOS/macOSに対応した、Swiftプログラミングアプリです。
「コードを学ぼう」では、Swiftの基本を3Dの世界で動く不思議なキャラクターをコードで動かしながら学べます。
「チャレンジ」では、多数の課題に挑戦でき、学んだ内容の復習や力試しに活用できます。
ちなみに、2021年秋頃の「iPadOS 15」へのアップデートにより、Swift Playgroundsでのアプリ開発やApp Storeへの登録が可能となる予定です。
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Progate
出典元:Progate
- 料金:1,078円/月(プラス会員)、無料会員あり
「Progate」は、200万人以上のユーザーおよび100カ国以上の提供国数を誇る、オンラインプログラミング学習サービスです。
学習方法は、スライド学習によるインプットとコーディングによるアウトプットのセットで、効率よくプログラミングを学べるのが魅力です。
ゲーム感覚で楽しく進められる工夫が随所にあるため、初めてプログラミングを学ぶ方はProgateで基礎を固めるのがよいでしょう。
Udemy
出典元:Udemy
- 料金:各講座ごとに料金が異なる
「Udemy」は、プログラミング・ビジネススキル・デザインなど、さまざまなスキルが学べる、世界最大級のオンライン学習プラットフォームです。
学習方法は、動画教材による学習が主体で、講師への質問も可能です。
プログラミング関連の講座は非常に豊富なため、初心者から上級者まで自分のレベルに合わせた講座を見つけられるでしょう。
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ドットインストール
出典元:ドットインストール
- 料金:1,080円/月(プレミアム会員)、無料会員あり
「ドットインストール」は、豊富なプログラミング言語を動画形式で学べるサービスです。
初心者向けから上級者向けまで460以上のレッスンが用意されており、Webサービスの作り方やサーバー環境の構築なども学べます。
また、有料のプレミアム会員になると、学習履歴の管理・講師への質問機能・プレミアムレッスン動画の視聴などが可能です。
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Minecraft
出典元:Mojang Studios
- 料金:860円
「Minecraft」は、世界的に人気なアドベンチャーゲームで、ものづくり・探検・戦闘などを自由に楽しめます。
本ゲームは、プログラミング学習アプリではないものの、さまざまなアイテムを組み合わせて建造物やトラップを作ることで、プログラミング的思考を養えるでしょう。
iPad版もリリースされており、手軽に遊べるのも魅力です。
アプリ開発を独学で習得するコツ
本章では、アプリ開発を独学で習得するコツを解説します。
正しい開発手順で進める
アプリ開発を独学で習得する上で重要なのは、正しい開発手順で進めることです。
開発手順をまとめると、以下の通りです。
- 作りたいものを決める
- 使うプログラミング言語を決める
- プログラミング言語および開発環境の使い方を学ぶ
- サンプルアプリを開発する
- 本格的なアプリ開発に入る
上記の開発手順に従って、スケジュールを立てて計画的に進めるのがよいでしょう。
開発手順の詳細は、関連記事にて解説しているので、合わせてご覧ください。
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本格的な開発はパソコンで行う
個人レベルのシンプルなアプリやショートカットなどは、iPadの開発ツールで作れます。
しかし、本格的なアプリ開発は限界があり、実際の開発現場で採用されているIDEはiPadでは使えないでしょう。
そのため、ある程度アプリ開発に慣れてきたら、MacBook ProなどのノートPCへ早めに移行した方がよいです。
実績を作る
アプリ開発のスキルを高める方法として、実績を作るのもおすすめです。
クラウドソーシングなどを利用して案件を受注して実際のアプリ開発を経験すれば、成長スピードは飛躍的に上がるでしょう。
また、実績が多いとエンジニアとしての評価が上がり、仕事を依頼されたり企業からのスカウトが届くこともあるかもしれません。
挫折したくないならスクールも検討する
アプリ開発を独学で習得するとき、開発環境の構築やエラーの解決などで学習が止まってしまうことも多々あります。
このような場合、初心者が独力で解決するのは非常に難しく、最終的に独学に挫折してしまうケースが見られます。
もし独学に挫折しそうになったら、プログラミングスクールを利用して確実にアプリ開発のスキルを習得するのも手です。
iPadでアプリ開発を楽しもう
iPadでアプリ開発はできるのか、iPadでのアプリ開発に必要なもの、おすすめ開発ツールなどを解説しました。
現時点で本格的なアプリ開発は難しいものの、開発ツールを使えば問題なく可能です。
また、iPadは年々進化しており、将来的にはiPad単体で本格的なアプリ開発が可能な土壌が整うかもしれません。
iPadでのアプリ開発に興味のある方は、開発ツールをインストールしてプログラミングの楽しさを味わってみましょう。
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