JavaScript開発に興味があるけど、まずはどんなことができるのか知りたいという方は、多いと思います。
そこで本記事では、JavaScriptでできること、できないこと、初心者におすすめの学習方法などを解説します。JavaScript初心者の方は開発の参考にしてみてください。
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この記事の目次
JavaScript(ジャバスクリプト)とは?
本章では、JavaScriptの概要や特徴について解説します。
- Webページで使われるスクリプト言語
- 人気・需要の高さはトップクラス
- JavaとJavaScriptの違い
Webページで使われるスクリプト言語
JavaScriptとは、おもにWebページ作成で使われるプログラミング言語で、可読性の高い記述が可能なスクリプト言語の1種です。
おもな役割は、「HTML操作」と「サーバー通信」の2つで、あらゆるアプリ開発に採用されることから、汎用性の高いプログラミング言語として知られています。
JavaScriptがどのような言語なのかについては、関連記事で詳しく説明していますので、合わせてご覧ください。
人気・需要の高さはトップクラス
エン・ジャパン株式会社が運営する「エンジニアHub」がまとめた『Webサービスの開発環境ランキング』によると、2021年時点でPHPと同率でJavaScriptが1位を獲得しました。
また、プログラミング質問サイト「Stack Overflow」がまとめた『Developer Survey 2020』では、「最も使われているプログラミング言語」として、JavaScriptが8年連続の1位を獲得しました。
つまり、人気・需要においてJavaScriptが圧倒的な地位を確立していることが分かります。
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JavaとJavaScriptの違い
プログラミング初心者の中には、名前が似ている「Java」と「JavaScript」の違いが気になる方も多いと思います。
Javaは、コンパイラ言語の1種で、おもに大規模開発や複雑なアプリのサーバーサイド開発で使われるプログラミング言語です。
そして、JavaScriptの主戦場はフロントエンド開発のため、両者の使い方は異なります。
JavaとJavaScriptの違いは、関連記事で詳しく説明していますので、合わせてご覧ください。
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JavaScriptでできること
本章では、JavaScriptでできることを7つ紹介します。
- Webページに動きを加える(DOM操作)
- バリデーションチェック
- Ajax
- Webアプリ開発
- スマホアプリ開発
- サーバーサイド開発
- kintoneのカスタマイズ
Webページに動きを加える(DOM操作)
JavaScriptのおもな役割は、Webページに動きを加えること(DOM操作)です。
これにより、操作性やオリジナリティのあるWebサイトを作れます。
具体的な動きについては、以下で詳しく紹介します。
イベント
JavaScriptにおける「イベント」とは、システム上で起きる何らかのアクションのことです。
イベントの具体例を挙げると、以下の通りです。
- Webページの読み込み
- ボタンのクリック
- マウスカーソルが何らかの要素と重なったとき
そして、JavaScriptの「イベントハンドラ」を使うことで、これらのイベントが発生したときに、特定の処理を実行できます。
例えば、ボタンがクリックされたときの処理は、「onclick」を使います。
アニメーション
JavaScriptにおける「アニメーション」とは、時間経過で変化するアクションのことです。
具体的には、時間経過で上下左右に動いたり、フェードイン・フェードアウトするデザインなどを作成できます。
アニメーションを作成する方法はいくつかあり、「animate」メソッドや「anime.js」ライブラリなどを使います。
ポップアップウインドウ
「ポップアップウインドウ」とは、ボタンやリンクを押したときに、遷移先の画面が別のウインドウで開くことを指します。
使用例としては、Webページの閲覧に対する警告や入力ミスの通知などです。
モーダルウインドウ
「モーダルウインドウ」とは、指定された操作が完了しない限り、ほかの画面に遷移できないウインドウを指します。
ポップアップウインドウとの違いは、ほかの画面に遷移できるかできないかです。
使用例としては、入力前に必ず読む注意事項やロード中の操作の防止などです。
アコーディオンメニュー
「アコーディオンメニュー」とは、選択項目がその場で広がって詳細な内容を表示する形式のメニューを指します。
選択項目が多いメニューをアコーディオンにすることで、メニューの表示領域がコンパクトになり、Webサイトのユーザビリティが向上します。
スライダー
「スライダー(スライドショー)」とは、複数のデザインや画像を切り替えて表示させる仕組みのことです。
使用例としては、Webサイトのトップページでインパクトを出したいときやECサイトの商品ページで商品画像を複数挿入したいときなどです。
ソート機能
「ソート機能」とは、テーブルやページなどを日付順や番号順といった、任意の順番に並べ替える機能のことです。
JavaScriptでソート機能を実装するときは、「sort()」メソッドを使います。
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バリデーションチェック
「バリデーションチェック」とは、フォームに入力されたデータが仕様・規則に沿っているか確認することで、いわゆる「入力値チェック」のことです。
例えば、パスワードを入力するテキストボックスで、「半角英数字のみ」を許容したい場合、半角英数字以外が入力されたらエラーメッセージを表示できます。
Ajax
「Ajax」とは、「Asynchronous JavaScript And XML」の略称で、JavaScriptとXMLを使った非同期通信のことです。
非同期通信を簡単に説明すると、画面遷移なしでサーバー通信を行うことを指します。
これにより、入力と同時に検索をリアルタイムで行ったり、編集中の一時保存といった機能を実現でき、操作性や快適性のあるWebサイトを構築できます。
Webアプリ開発
JavaScriptは、インストール不要でブラウザから使うWebアプリの開発に向いています。
Webアプリ開発では、フロントエンドでHTML/CSS/JavaScript、サーバーサイドでRuby/PHPなどを使って実装します。
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スマホアプリ開発
通常のスマホアプリ開発では、iOSはSwift、AndroidはJavaやKotlinなどを使います。
そして、これらの言語はOSに依存しており、iOSとAndroidの両方に対応したスマホアプリを作るには、それぞれの言語を習得して個別に開発しなければなりません。
しかし、JavaScriptの「React Native」というフレームワークを活用すると、1つの言語でiOSとAndroidに対応した、ハイブリッドなスマホアプリを開発できます。
サーバーサイド開発
JavaScriptのおもな役割は、フロントエンド開発です。
しかし、JavaScript実行環境の「Node.js」により、サーバーサイド開発にも対応できます。
Node.jsを採用することで、アクセスユーザーが約1万台を超えるとサーバーのレスポンス性能が下がる「C10K問題」に対処できます。
kintoneのカスタマイズ
kintone(キントーン)とは、日本のサイボウズ株式会社が提供している業務アプリを簡単に構築できるクラウドサービスです。
日々の業務における煩雑な雑務や書類作成などの面倒な業務をkintoneでアプリ化して効率化、本来やるべきタスクにリソースを充てられるようになります。
そしてJavaScriptの知識があればkintoneをカスタマイズできます。これにより、アプリの動作や設定を変更してより使いやすくなり、生産性が高い仕事ができるでしょう。
JavaScriptで作られたアプリ・ゲーム
本章では、JavaScriptで作られたアプリやゲームを5つ紹介します。
- ブックマークレット
- Google Chromeの拡張機能
- Google Map
- ブロック崩しゲーム
- テトリス風ゲーム
ブックマークレット
ブックマークレットとは、ブラウザのブックマークから利用するサービスで、効率的なブラウザ操作を提供します。
使い方は簡単で、ブラウザからブックマークの編集画面を開き、URLの入力項目にJavaScriptで記述したコードを追加するだけです。
関連記事にて、ブックマークレットの概要やおすすめを紹介していますので、気になる方は合わせてご覧ください。
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Google Chromeの拡張機能
Google Chromeが多くのユーザーから評価を得ている理由の1つが、便利な拡張機能です。
拡張機能は、ウェブストアからダウンロードできるだけでなく、JavaScriptの知識があれば自前で作成できます。
簡単なプログラミングで開発できるので、勉強がてら作ってみるのもおすすめです。
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Google Map
Google Mapのような地図アプリには、非同期通信のAjax技術が使われています。
これにより、画面が切り替わることなく、リアルタイムで操作しながら地図を移動・拡大・縮小できます。
ブロック崩しゲーム
こちらのブロック崩しゲームは、JavaScriptで作られています。
具体的には、画面描画で使われる「Canvas」を活用することで、ブロック崩しに必要なボールを動かす・ボールを弾ませる・崩れるブロックなどを実装しています。
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テトリス風ゲーム
こちらのテトリス風ゲームも、JavaScriptで作られています。
ソースコードと説明も公開されているので、ゲームアプリに興味のある方は参考にしてみるのもよいでしょう。
JavaScriptでできないこと・苦手なこと
JavaScriptでできないこと・苦手なことをまとめると、以下の通りです。
- 高速処理には不向き(C系言語と比較すると速度は劣る)
- ブラウザ環境によって挙動が異なる場合がある
- コマンドが長くなりやすい
- 機械学習やAI開発には不向き
高速処理については、JITコンパイラや非同期通信を活用することで高速化を実現できるものの、C系言語と比較すると及ばないというのが現状です。
また、「document.forms[index].elements[index].value」のように、コマンドが長文化して可読性が下がりやすい側面もあります。
機械学習系は、JavaScriptでも開発できるものの、ライブラリが豊富で開発環境を整えやすいPythonの方が適しているでしょう。
JavaScript初心者におすすめの学習方法
本章では、JavaScript初心者におすすめの学習方法を解説します。
- JavaScriptは初心者には難しい?
- 初心者向けの本で勉強する
- ひたすらコードを書く
- Webサイトや学習サービスを活用する
- 効率よく学ぶならプログラミングスクール
JavaScriptは初心者には難しい?
JavaScriptは、用途の範囲が広く開発環境を整えるのも簡単なことから、初心者におすすめのプログラミング言語です。
しかし、実際に学習してみると難しく感じてしまう方もいます。その理由としては、HTML/CSSの知識も要求される、オブジェクト指向の考え方が難しいなどが挙げられます。
難しいと感じる理由の詳細は、関連記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
初心者向けの本で勉強する
JavaScript学習向けの本は、初心者から上級者まで豊富にそろっています。
初心者向けの本を探すときは、図解やサンプルコードが豊富で、専門用語を丁寧に解説している1冊を選んでみましょう。
JavaScript学習におすすめの本は、関連記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
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ひたすらコードを書く
初心者から脱出するコツは、ひたすらコードを書いて体で覚えることです。
JavaScriptは、ブラウザのコンソール機能を使えば、実行結果をすぐに確認できます。
そのため、サンプルコードやWebアプリのソースコードなどを模写して、文法や組み立て方を勉強しましょう。
Webサイトや学習サービスを活用する
プログラミング学習では、文法やテクニックをまとめたWebサイトや学習サービスをうまく活用しましょう。
JavaScript初心者向けとしては、「Progate」や「ドットインストール」がおすすめです。
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効率よく学ぶならプログラミングスクール
JavaScriptを勉強したいけど、仕事が忙しくて学習時間が取れない方は、効率よく学べるプログラミングスクールがおすすめです。
近年は、新型コロナによる影響で、オンラインスクールの利用者が増えています。
オンラインスクールは、時間・場所を問わず学習でき、オフラインと比較して費用が安いです。
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JavaScript学習に必要な関連技術
本章では、JavaScriptを学習する上で必要となる、おもな関連技術を解説します。
- HTML/CSS
- サーバーサイド言語
- jQuery
- フレームワーク
- JSON
HTML/CSS
HTML/CSS/JavaScriptは、フロントエンド開発の3点セットとして覚えておきたいプログラミング言語です。
HTMLは、Webページを構成するマークアップ言語で、標準規格が2021年1月28日付けで「HTML5」から「HTML Living Standard」にアップデートされました。
CSSは、Webサイトのデザインを細かく設定するために使われる、スタイルシートの1種です。
サーバーサイド言語
サーバーサイド言語でおさえておきたいのは、PHP/Rubyなどです。
特に、Rubyに関しては「Ruby on Rails」という優秀なフレームワークが存在し、Webアプリ開発を強力にサポートしてくれるでしょう。
ただし、サーバー側も「Node.js」で実装する場合は、覚えなくてもかまいません。
jQuery
「jQuery」とは、JavaScriptでできることを、より簡単な記述で実現できるライブラリです。
jQueryを使うことで、コマンドが長くなりやすいJavaScriptのコードを短縮したり、クロスブラウザに対応したコードを記述できます。
特に、複雑化しやすいAjax処理の実装をjQueryで簡潔に記述できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
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フレームワーク
フレームワーク系で必要な関連技術は、作りたいアプリや実装したい処理によって異なります。
具体例を挙げると、以下がJavaScriptの3大フレームワークです。
- AngularJS:「MVW」パターン、双方向データバインディングなどの特徴を持つ
- React:宣言的なView、コンポーネントベースなどの特徴を持つ
- Vue.js:シンプル構造、拡張性が高いなどの特徴を持つ
JSON
「JSON」とは、「JavaScript Object Notation」の略称で、プログラミング言語間のデータ受け渡しに使われる、データフォーマットの1種です。
データフォーマットは、JSONのほかにも「CSV」や「XML」などが存在します。
JSONを使うメリットとしては、複雑な構造を持つデータも扱える、JavaScriptと相性がよいなどが挙げられます。
JavaScriptでできることはたくさんある
JavaScriptでできること、できないこと、初心者におすすめの学習方法などを解説しました。
JavaScriptは、Webページに動きを加えるだけでなく、サーバーサイド開発やスマホアプリ開発にも採用される、非常に優秀なプログラミング言語です。
また、可読性が高くプログラミング初心者でも習得しやすいのが魅力です。
JavaScriptでできることは多いので、プログラミングに興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。
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