人工知能(AI)の開発やビッグデータ解析に適しているPythonは、世界中で注目を浴びています。
そのため、Python(パイソン)エンジニアへの転職を考えている方も多いでしょう。
しかし、プログラミング未経験の場合、今から勉強を始めて目指せるのか、不安に感じる方もいるかもしれません。
そこで今回は、未経験からPythonエンジニアになる方法や転職のコツなどを解説します。
※本記事は、現役エンジニアが監修した記事です(2021年9月)
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この記事の目次
Python(パイソン)エンジニアとは?
本章では、Pythonエンジニアとは何かを簡単に解説します。
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Pythonを扱うシステム開発に携わるITエンジニアのこと
Pythonエンジニアとは、Pythonで動くWebアプリの開発やPythonを使ったデータ解析業務などに携わるITエンジニアを指す職種です。
ひとくちにPythonエンジニアといっても、担当する業務は幅広いです。
実際の開発現場では、Pythonを使用したプログラミングだけをやればいいというわけではなく、設計・開発・テスト・保守・運用など、広範囲に渡って携わります。
また、Pythonの技術はもちろんのこと、HTMLコーディング・ネットワーク・クラウド・数学・統計学など、状況に応じて周辺知識の知見も要求されます。
そのため、要求レベルは高めですが、人気・需要ともに上昇中の職種として、今後の活躍が期待されるでしょう。
Pythonは将来性のある言語
GitHubが公開した『The State of the Octoverse 2020』によると、GitHub上で人気の高いプログラミング言語として、PythonがJavaScriptに次いで2位を獲得しました。
また、Stack Overflowが公開した『Stack Overflow Developer Survey 2020』によると、「開発者が使っていないが学びたい言語」において、4年連続で1位を獲得しています。
また、パーソルキャリアが運営する「TECH Street」の『ITエンジニアが 2021年に学びたい(強化したい)プログラミング言語ランキング』では、Pythonが32.8%の割合で1位でした。
このような結果から、Pythonは世界中で活用され、ITエンジニアからの注目度も高いことから、将来性のある言語といえるでしょう。
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未経験からPythonエンジニアに転職できる?
Pythonエンジニアの業務は幅広く、Python以外にも周辺知識の知見が必要だと説明しました。
また、有名な業界大手のIT企業でPythonエンジニアを目指すとなると、応募者が多数となり競争率も上がるはずです。
そのため、プログラミング未経験からPythonエンジニアを目指すのは、応募する企業によるものの、難易度は高めだと予想されます。
しかし、必要な知識を身につけ、企業研究や面接対策などを確実に行えば、未経験からでもPythonエンジニアに転職できるチャンスは十分にあります。
未経験からPythonエンジニアになる方法
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Pythonエンジニアに必要なスキルを洗い出す
1つ目は、Pythonエンジニアに必要なスキルを洗い出すことです。
スキルを洗い出す方法としては、おもに以下の通りです。
- SNS、質問サイト、オンラインセミナーなどを利用し、現役エンジニアから直接聞く
- 転職エージェントに登録して、キャリアアドバイザーから話を聞く
- 求人情報に掲載されている必須・推奨スキルを参考にする
ITエンジニア向けの転職エージェントの求人情報を参考にすると、言語・開発環境・フレームワークなど、業務で使う技術が細かくまとめられており、洗い出しに役立つでしょう。
Pythonの基本を習得する
2つ目は、Pythonの基本を習得することです。
プログラミング未経験から始めるなら、ゼロから確実にステップアップして学べるオンライン学習サービスを活用するのがおすすめです。
具体的には、「Progate」や「paizaラーニング」などの、初心者向けの学習サービスから始めるのがよいでしょう。
そして、Pythonの文法やルールの理解が深まったら、開発環境を構築してPythonのプログラムを動かしながら、さらに理解を深めていきましょう。
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IT業界に関する知識を身につける
3つ目は、IT業界の構造や専門用語に関する知識を身につけることです。
例えば、IT業界ではSaaS・SIer・ASPなど、アルファベットで表現される用語が多いです。
また、エビデンス・コミット・デプロイなど、カタカナ用語を打ち合わせや普段の会話で使う機会も多いでしょう。
さらに、ITエンジニアの一般常識として、パソコンやネットワークに関する知識として「ITリテラシー」を養うことも重要です。
このような、IT業界に関する知識は、「ITパスポート試験」や「基本情報技術者試験」などの情報処理に関連する資格を勉強すると、効率よく学習できるかもしれません。
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ポートフォリオを作成する
4つ目は、Pythonプログラミングでポートフォリオを作成することです。
ポートフォリオを作成するメリットとしては、以下の通りです。
- 名刺代わりとして自分のスキルセットを企業に提示できる
- ポートフォリオがない人よりも入社に対する熱量が伝わる
- 品質が高ければ高いほど自分をアピールできる
- 採用時のミスマッチが減る
上記の通りで、未経験の方にとっては、ポートフォリオは自分の技術力を示す材料となるため、なおさら必要になるでしょう。
ただし、ネット上にあるサンプルを組み合わせただけの作品では、ポートフォリオとしての価値はありません。
したがって、ポートフォリオの作成においては、オリジナリティがあるか、作成した背景や考えが企業側に正しく伝わるか、といった観点が重要だと考えられます。
ITエンジニア向けの転職エージェントに登録する
5つ目は、ITエンジニア向けの転職エージェントに登録することです。
転職エージェントでは、求人紹介だけでなく、職務経歴書の添削や面接対策など、内定獲得に至るプロセスを全面的にサポートしてくれます。
登録する際は、求人情報をより多く手に入れられる、自分に合ったキャリアアドバイザーを見つけられるなどの理由から、なるべく複数登録しておきましょう。
「WORKPORT(ワークポート)」や「リクルートエージェント」は、未経験の方におすすめなので、まずは登録しておくとよいでしょう。
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未経験からPythonエンジニアに転職するコツ
ロードマップに沿って学習する
1つ目は、ロードマップに沿って学習することです。
ロードマップに従うことで、やるべきことが明確化し、独学のモチベーションも維持できます。
Pythonの独学においては、以下のような手順で進めるのが効率的です。
- 学習のゴールを設定する
- 自分の現在のレベルを把握する
- 現在地とゴールをもとに学習の方向性を定める
- 現在地とゴールのギャップを埋めるためのスキルを洗い出す
- 学習計画を立てて実行する
上記の通りで、詳しくは関連記事にて解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
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メンターからアドバイスをもらう
2つ目は、メンターからアドバイスをもらうことです。
メンターとは、簡単にいうと「教育担当係」のことで、人材育成を行う人を指す用語です。
Pythonエンジニアに転職を考えているなら、経験豊富なメンターから転職するコツや現場で使われているスキルなどを聞いてみると、転職を優位に進められるかもしれません。
個人でメンターに相談できる「MENTA(メンタ)」というスキルシェアサービスを活用すれば、オンラインで助言をもらえるのでおすすめです。
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Python資格を持っておくと有利
3つ目は、Python資格を持っておくと有利だということです。
資格を持っておくと、自分の技術レベルを証明できるため、エンジニア転職を有利に進められるでしょう。
国内のPython資格は、おもに以下の2つです。
- Python3 エンジニア認定基礎試験:基本問題が多くPython初心者向け
- Python3 エンジニア認定データ分析試験:データ分析に関する基本問題が中心で中級者向け
また、AI関連の資格だと「G検定」や「Eで検定」も代表的な資格です。
「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」など、汎用的なIT技術を証明できる資格があれば、さらに転職に役立つはずです。
独学に挫折しそうならスクールを検討する
4つ目は、独学に挫折しそうならプログラミングスクールを検討することです。
スクールで学習するメリットとしては、おもに以下の通りです。
- 洗練された学習カリキュラムで効率的に勉強できる
- 転職サポートつきなら、学習と並行して転職活動もできる
- 仲間と助け合い、切磋琢磨しながら勉強できる
- 講師の手厚いサポートを受けられる
上記の通りで、独学よりも効率よくPythonエンジニアに近づけるでしょう。
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Pythonエンジニアの仕事内容
Webアプリ開発
Pythonで作られている有名なWebアプリは多く、「YouTube」「Dropbox」「Instagram」などもその一例です。
Pythonを使ったWebアプリ開発では、Python単体だけでなく、Webデザイン・データベース・インフラ周りなど、周辺技術も駆使します。
また、場合によっては開発業務だけでなく、クライアントが抱える課題や要望に対して改善・提案を行う、コンサル的な業務を担当する機会もあるかもしれません。
AI開発
AI技術は、パソコン・スマートフォン・スマート家電・自動車など、あらゆる製品の中に含まれています。
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データサイエンティスト
データサイエンティストとは、ビッグデータをマーケティングや経営課題の解決などに活用できる形で共有・提供する職種を指します。
テクノロジーの進歩に伴い、膨大な情報を収集・蓄積できる技術が整った現代においては、データサイエンティストの需要は非常に高いです。
データサイエンティストのおもな仕事内容は、Pythonなどのプログラミングを用いたデータ収集・データマイニングや、解析結果に基づく解決策の提示などです。
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ゲーム開発
ビデオゲームの有名タイトルの中には、Pythonの技術が使われているものも多いです。
ゲーム開発では、Pythonプログラミングのほか、「Unity」「Unreal Engine」などのゲームエンジンや「AWS」などのクラウドサービスに関する知見も求められるでしょう。
Pythonエンジニアの年収
※平均年収は2021年5月末時点の情報を参照
未経験エンジニアの年収については「未経験からエンジニアになると年収は上がる?稼ぐために必要なスキルとは」をご覧ください。
Webエンジニア
「求人ボックス 給料ナビ」の『Webエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報』を参照すると、Webエンジニアの平均年収は、約598万円でした。
Webエンジニアとは、おもにWebサイト制作やWebアプリ開発に携わる職種です。
給与幅が広い職種であるため、一概に平均年収に近い給与がもらえるとは限らないものの、実力や評価次第で、平均年収を超える給与がもらえるチャンスがありそうです。
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AIエンジニア
「求人ボックス 給料ナビ」の『AIエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報』を参照すると、AIエンジニアの平均年収は、約599万円でした。
AIエンジニアとは、機械学習・ディープラーニング・データ解析などに携わる職種です。
こちらも、Webエンジニアと同じく給与幅が広いため、勤務先・実力・評価次第で、年収アップのチャンスをつかめるでしょう。
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データサイエンティスト
「求人ボックス 給料ナビ」の『データサイエンティストの仕事の年収・時給・給料情報』を参照すると、データサイエンティストの平均年収は、約696万円でした。
こちらも、Webエンジニア・AIエンジニアと同様に給与幅が広いのに加えて、年収1000万プレーヤーも存在します。
データサイエンティストとしての経験を積み、大手企業の案件に携わる機会があれば、大きく年収アップにつながるかもしれません。
ゲームクリエイター
「求人ボックス 給料ナビ」の『ゲームクリエイターの仕事の年収・時給・給料情報』を参照すると、ゲームクリエイターの平均年収は、約523万円でした。
ゲームクリエイターは、コンシューマゲーム・スマホゲームなどの開発に携わる職種です。
ゲームクリエイターについても、前述した職種と同じく給与幅が広いです。
プロデューサーやディレクターといった、プロジェクトを指揮する上級職に昇格できれば、さらに年収アップが期待できるでしょう。
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Pythonエンジニアは将来性のある魅力的な仕事
未経験からPythonエンジニアになる方法や転職のコツなどを解説しました。
IT人材不足の現代において、PythonエンジニアはAI技術やビッグデータの活用に不可欠な人材として、特に必要とされます。
未経験でも正しい手順を踏んで転職活動を着実に進めていけば、Pythonエンジニアへの道が開かれるでしょう。
将来性のある魅力的な仕事ですから、興味関心のある方はぜひ目指してみてください。
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