「エンジニアって、IT以外にも種類があるの?」
そのような疑問を持つ人向けに、この記事ではIT分野以外で活躍するエンジニアの種類とおもな仕事内容を解説します。
ITエンジニアに限定せず、技術職全般に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事は現役エンジニアによって監修済みです。
この記事の目次
エンジニア(技術職)とは何かわかりやすく解説
エンジニアとは、エンジニアリング(工学)に関する専門的な知識や技能を持った人のこと。日本語では「技術者」と言います。
エンジニアの詳しい種類はこの後に解説しますが、扱う専門技術によって「◯◯エンジニア」と呼ばれるのが一般的です。
エンジニアの意味とは
エンジニアとは「工学」という意味で、数学、自然科学、人文社会学などを指します。
つまり、工学の知識・技能によって、世の中を便利にしたり、快適にしたりすることがエンジニアの仕事ということです。
「エンジニア=ITエンジニア」と使われることも増えていますが、ITエンジニア以外にもモノづくりを行う機械系エンジニアなどの職種があります。
いまもっとも一般的なエンジニアであるITエンジニアについては「今さら聞けないITエンジニアとは?仕事内容・種類・年収などをわかりやすく解説」で解説しています。
IT以外のエンジニアの種類とおもな仕事内容
「エンジニア」と聞くと、SE(システムエンジニア)を主とするITエンジニアをイメージする方が多いでしょう。
しかし、エンジニアはIT以外にもさまざまな業界で活躍しており、生活の基盤を支えるものとして欠かせません。
そこで、IT以外のエンジニアを分類してみると、以下の4つが挙げられます。
- 機械系(メカニカル)エンジニア
- 化学系・食品系エンジニア
- 環境エンジニア
- 医療に関わるエンジニア
- 自動車エンジニア
- 音楽系エンジニア
上記のエンジニアの仕事内容について、本章で詳しく解説します。
機械系(メカニカル)エンジニア
機械系(メカニカル)エンジニアを一言で表すと、機械を作るエンジニアです。
そのままなので少し分かりづらいですね。具体的には、
- 工作機械
- 産業用ロボット
- 音響機器
- 家電製品
- 通信機器
- 航空・宇宙機器
などで、数えるとキリがないほどあふれています。
また、機械系エンジニアは、扱う機器によって物理学、量子力学、流体力学などの専門性の高い知識が求められます。
仕事の流れを簡単に説明すると、以下の通りです。
- 企画・立案:取引先が抱える課題や要望をヒアリングし、どのような機器を作るのかを決める
- 設計:決定したコンセプトを元に、機械の全体像や制作に必要な材料などを設計書に落とし込む
- 開発:設計書を元にプロトタイプを作成する。試験を通して要件を満たせば、量産体制に入る
上記の通りで、基本は企画、設計、開発の流れで業務を遂行します。
近年では、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」やBoston Dynamicsの犬型ロボット「Spot」など、ロボット分野の成長が著しく、将来性が期待できます。
機械系エンジニアを目指すなら、専門学校・大学・大学院などで興味関心のある分野を研究し、必要最低限の知識を習得する必要があるでしょう。
転職を目指す場合は、スキルや知識のほか、一定の実務経験が求められる場合もあります。
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化学系・食品系エンジニア
化学系エンジニアは、金属、化学製品、素材などの開発や分析を行うエンジニアのこと。
食品系エンジニアは、食品の生産ラインの効率や改善、品質管理に伴う開発を行うエンジニアのことです。
化学製品や食品は、人の手に触れたり人体に影響を与えるものですから、設計・開発だけでなく徹底した品質管理や安全性の担保も求められるでしょう。
近年の化学分野は技術が進んでおり、クライアントの要望に合わせた複雑な化学製品が誕生しています。
そのため、化学製品を活用するには、より専門的な知識やスキルが必要。
化学系エンジニアはクライアントとのコミュニケーションも必要なため、営業的なスキルも求められるでしょう。
食品系エンジニアはコンビニエンスストア業界に代表されるように、毎年さまざまな食品がリリースされます。そのため、食品系エンジニアには、生産技術に関する高いスキルが要求されます。
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環境エンジニア
経済活動を行う上で、環境問題は切っても切れない重要な課題の1つです。
環境エンジニアは、産業廃棄物や工業廃水などをリサイクルする装置や技術を開発し、環境問題の解決を担うエンジニアのこと。
近年は、地球温暖化の対策として、二酸化炭素の排出量を抑える動きが世界各国で高まっています。
また、環境・社会・経済の観点から持続可能な世の中を目指す「サステナビリティ」の意識が芽生えたことで、プラスチックの削減やカーボンニュートラルの技術を欲する企業が増加。
このように、環境保全を考える社会や企業が増えたことで、環境エンジニアの需要は今後さらに高まるでしょう。
さらに、環境エンジニアは、具体的な装置や技術だけでなく、快適に過ごせる空間も提供します。
したがって、自宅や外出先で快適に過ごせるのも環境エンジニアによるデザインや技術によるものであり、これから先も求められる職業だといえるでしょう。
医療に関わるエンジニア
医療に関わるエンジニアの具体例を挙げると、以下の通りです。
- 臨床検査技師:血液検査、微生物検査、心電図検査などを実施して病気を特定し、医師の診断や治療方針をサポートする
- 臨床工学士:医療機器のエキスパート。人工呼吸器、体外循環装置、人工透析装置などの操作・管理を担う
- 歯科技工士:歯科医療の医療技術を扱う。歯科医師の指示に従って、入れ歯や矯正装置などの加工・修正を行う
- 診療放射線技師(レントゲン技師):放射線のエキスパート。CTやMRIを用いた検査や放射線治療を担う
- 義肢装具士:義足や義手などの義肢装具の制作を担う。「義肢装具士法」に規定される国家資格である
上記の通りで、これらのほかにも医薬品の研究開発職についても広範な意味で医療系エンジニアといえるでしょう。
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の例にあるように、新種のウイルスや細菌が発見されるごとに、医療系エンジニアは知識をアップデートしなければなりません。
専門性が高く求められるレベルが高い一方で、人命に関わる業務としてこれからも需要の伸びが期待される仕事といえるでしょう。
自動車エンジニア
自動車エンジニアとは、文字通り自動車の設計・開発に携わる技術者を指します。車の製造には様々な技術が必要であるため、自動車エンジニアもボディ、インテリア、エンジンなど部品ごとに担当が分かれていることが一般的です。
モデルチェンジ・マイナーチェンジのための設計や開発が主な仕事内容で、最近では、追突防止機能、自動運転技術、環境に配慮した車などの技術開発が活発に行われています。
音楽系エンジニア
音楽業界にもエンジニアの存在は欠かせません。音楽系エンジニアは、具体的に次のような種類があります。
- レコーディングエンジニア:レコーディング作業において、ボーカル、ギター、ピアノなどそれぞれのパートの音量・バランスを調整する
- PAエンジニア(音響エンジニア):コンサート、テレビなどの現場で、機材の設置、音響効果のレベルやバランスの調整など、音の演出を行う
- 照明エンジニア:コンサート、舞台などで、照明機器の設置、色味調整など照明(光)の演出を行う
- 映像エンジニア:CMやプロモーションビデオ(PV)の製作において、撮影・編集などを行う
いずれも専門技術が求められますが、レコード会社、コンサート会場、商業施設など幅広いシーン・現場で活用できる職種です。
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IT関連のエンジニアは将来性が高くておすすめ
IT以外のエンジニアの種類と、主な仕事内容を紹介しました。
どのエンジニアも日々の生活の基盤を支える重要なポジションですから、目指す価値があるでしょう。
その中でも、AI(人工知能)、IoT(Internet of Things)、5GなどのIT技術の急速な発展から予想される将来性の高さ、他のエンジニアと比較すると転職・就職がしやすいといった観点からIT関連のエンジニアはおすすめです。
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