コスト削減や社員の働き方改革などに繋がる業務効率化。多くの企業が業務を効率化に取り組む一方、「具体的に何をすれば良いのかわからない」「取り組んではみたが効果がなかった」という現場も多いようです。
そこでこの記事では、業務効率化の基本の取り組み方や具体的な方法を解説します。効率化に繋がる便利ツールについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
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業務効率化とは
業務効率化とは、現在の業務のやり方や進め方を分析、見直しを行うことで、その業務にかかる人件費や労力などを削減することです。
業務を効率化することで、従来よりもスムーズに仕事を完了させることができます。これにより、空いた時間を他の業務に回したり、その業務に携わる人員を削減したりすることが可能になります。
そこで働く従業員のメリットとしては、残業時間の短縮、仕事のストレス減、モチベーションアップなどが挙げられます。
効率化の敵である業務の「ムリ・ムダ・ムラ」とは
効率的な業務の遂行を妨げていると言われているのが、日々の業務プロセスの中に潜む「ムリ・ムダ・ムラ」です。業務効率化の取り組みでは、これらの3つの「効率化の敵」に対処していくことが必要です。
ムリ
業務のムリとは、達成すべき目的に対して、必要十分の手段やリソースがないことです。
具体的には、実現可能性が低い業務目標(ノルマ)が設定されていることで、従業員や設備に過剰な負荷がかかり、かえってパフォーマンスを下げてしまっている状態を指します。
ムダ
業務のムダとは、人材や費用などのリソースが、達成すべき目標と関わりのない部分に投入されていることです。
具体的には、開催する意義が低い定例会議や、必要以上に詳細な報告書作成などの業務により、本当に必要な業務に時間や資金を割くことができていない状態です。
ムラ
業務のムラとは、時期や部署によって業務量に大きな偏りがあることです。
具体的には、ある部署では長時間の残業をせざるをえないほど忙しくしている一方、別の部署では仕事がなくて従業員が暇を持て余しているような状態です。
生産性向上との違い
業務効率化と同じような言葉に生産性向上があります。どちらも人材や資金などのリソース活用を目指す点では同じですが、この2つは目標へのアプローチの仕方が異なります。
業務効率化では、今と同じ成果を出すためにかかっているコストをいかに小さくするかがポイントになります。例えば、社員5人が5日間かけて行っている業務があった場合、それを5人で3日間や、4人で5日間で完了させられるようにするための取り組みが業務効率化です。
一方、生産性の向上では、現在と同じリソースを保ちつつ、より大きな成果(アウトプット)を出すことに焦点を置いています。つまり、社員5人が5日間かけて出す成果を100とした場合、それを120や150に上げるための取り組みを指します。
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業務効率化の基本の進め方
残業時間短縮などを含む働き方改革や、人件費などのコスト削減に繋がる業務効率化。業種・職種を問わず多くの企業が積極的に取り組んでいる一方で、効率化する業務をうまく絞れなかったり、期待どおりに効率化できなかったりするケースも多く見られます。
業務効率化は計画的に進めることが重要です。基本となる5つのステップごとに解説していきます。
- 【STEP1】現状の把握
- 【STEP2】課題や問題点の洗い出し
- 【STEP3】優先順位付け
- 【STEP4】ツールの選定・対策の実施
- 【STEP5】効果検証・フィードバック
【STEP1】現状の把握
現状の把握とは、現在の業務のやり方やプロセス、どの業務にどれくらいの時間がかかっているのかを整理することです。
ある業務の開始から終了まで流れ(業務フロー)を可視化し、それぞれの担当部署や担当者、作業にかかる工数、発生頻度、必要なスキルなどをまとめましょう。
【STEP2】課題や問題点の洗い出し
現状把握を行った後は、現在の業務プロセスの問題点を考えていきます。必要以上に多くの時間や労力がかかっていないか、同じような作業が異なる担当者によって重複して行われていないかなどをチェックします。
それ以外には、ベテラン社員など特定の人にしか行えない業務、いわゆる属人的な業務がないかも確認が必要です。属人的な業務は、一部の社員にのみ負荷がかかってしまったり、そこがボトルネックとなり業務が滞ってしまったりなどの非効率を生み出します。業務の属人化は効率化の妨げになるため、マニュアル作成やノウハウ共有などで対策しましょう。
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【STEP3】優先順位付け
改善・解消すべき問題の中で、どの問題を優先的に取り組むべきかを決定します。優先順位は、より大きな業務改善に繋がる問題から取り組む方法の他に、まずは取り組みやすい小さな問題から着手する方法もあります。
業務フローやプロセスを大きく変更するのは、関係部署との調整やマニュアルの整備など大きなコストが発生するため、状況に応じて決定しましょう。
【STEP4】ツールの選定・対策の実施
取り組む課題について、実際に対策の検討・実施を行いましょう。業務フローを見直したり、業務の順番を入れ替えたり、担当者を変更したりなど、方法は様々です。
必要に応じて、自動化ツールやソフトウェアの導入も検討します。業務を効率化するためのポイントはこの後に詳しく解説します。
【STEP5】効果検証・フィードバック
業務効率化の取り組みにおいて、効果検証も重要です。検証を行わないと、とりあえずやり方を変えてみただけで、その施策に本当に効果があったのかわかりません。
業務のムダ・ムラ・ムリを改善することができたのか、業務にかかる資金や人材などのリソースの削減につながったのかを確認しましょう。
うまく効率化につながらなかった部分については、反省点を活かしながらPDCAサイクルを回していくことが重要です。
業務を劇的に効率化する7つのポイント
コスト削減やモチベーションアップなどの様々なメリットのある業務効率化。しかし「どのように効率化すれば良いのか…」と肝心の施策に悩む人も多いでしょう。
業務効率化に取り組む際には、様々な視点から現状を分析することが重要です。ここからは、業務効率化の7つのポイントについて解説します。
- 不要な業務をなくす
- ツールなどで業務を自動化する
- ワークフローを改善する
- 業務を分ける・まとめる
- アウトソーシングする
- マニュアル化する
- ノウハウ・進捗をチームで共有する
不要な業務をなくす
「マニュアルに書いてあるから」「昔からそうしているから」「みんなやっているから」といった理由で、なんとなく行っている業務やプロセスはありませんか?
例えば、誰も読まない日報や報告書の作成、目的や議題のない定例会議などが挙げられます。このような不要な業務を思い切ってなくしてしまうことで、空いた時間を別の作業に当てられるようになります。
ツールなどで業務を自動化する
データのチェックや転記などの単純作業は、ツールやシステムなどで自動化ができないか検討してみましょう。
自動化するための準備には少し時間がかかるかもしれませんが、長期的に見ると大幅な時間と労力の削減になるケースが多いです。人間であれば集中力の低下などが原因でミスをしてしまう可能性がありますが、ツールやシステムはミスがなく行えるのもメリットです。
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ワークフローを改善する
ある仕事の開始から終了の流れ(ワークフロー)を見直し、状況に応じて作業の手順や順番を見直します。
例えば、ある業務で差し戻しややり直しが多く発生している場合、プロセスの早い段階から関係者に状況を報告したり、内容を確認してもらったりしてもらう方法があります。
業務を分ける・まとめる
業務を分割あるいは統合することで効率化に繋がることもあります。
例えば、1つ1つの仕事のボリュームが大きいことで特定の部署や人に負担が集中してしまい、スケジュール遅延が発生することがあります。その場合は、その仕事を2つに分割し、それぞれを別の担当者が行うことで、負担軽減とスピードアップを図ることができるでしょう。
他には、現行の業務プロセスの中で同じ作業が異なる担当者によって重複して行われている場合、それらを統合することで全体の時間短縮が可能になります。
アウトソーシングする
業務の一部を外部の企業やフリーランスなどの個人に外注することも効率化の手段の一つです。自社内でその業務に関する専門知識やノウハウを持つ人材を確保する必要がないため、採用コストや教育コストの削減にもなります。
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マニュアル化する
定期的に発生する業務は、やり方やフローをマニュアルにまとめて、担当者の負担を軽減しましょう。
特に、毎年新入社員が担当する業務や年に数回しか発生しない業務は、マニュアル化によって担当者が迷うことなくスムーズに進められるようになります。ただし、内容が古くなることで「使えないマニュアル」にならないよう、定期的に見直しや更新を行いましょう。
ノウハウ・進捗をチームで共有する
顧客情報や業務の進捗状況を共有することで、「この仕事は◯◯さんではないとわからない」という状況を作らないことも円滑な業務には大切です。
この他には、個人で作成した仕事のテンプレートや便利ツールなどの情報は積極的にチーム内で共有し、チーム全体の効率化ができるように工夫しましょう。社員同士の気軽なやり取りにはチャットツールの活用がおすすめです。おすすめツールについてはこの後に解説しています。
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業務効率化のおすすめツール
コミュニケーションやタスク管理の方法を見直すことで、業務効率化が実現するケースもあります。最後に、効率化におすすめのツールをいくつか紹介しましょう。
タスク・進捗管理ツール
各チームメンバーが抱えているタスクやプロジェクトの進捗を管理するツールを利用することで、部署や個人の現在の状況や今後の予定を整理することができます。
今誰がどのような作業を行っているのかがわからない、目の前のタスクに手一杯でプロジェクトの全体を見る余裕がない、といった現場におすすめです。
タスク管理、進捗管理ツールには以下のようなものがあります。
- backlog:ガントチャートやカンバンボードでタスク管理ができるツール。ソースコードの管理も可能。
- Trello:ドラッグアンドドロップでタスク管理ができるツール。直感的に操作できるデザインなので、ITツールに苦手意識を持つ人にも利用しやすい。
コミュニケーションツール
テレワークやフレックスタイム制度などの多様な働き方が広がっている現在、メールや電話のみのやり取りではタイムラグやコミュニケーションロスが発生しがちです。
離れた場所にいる社員同士が気軽にやり取りができるチャットツールやWeb会議ツールを利用し、情報共有や議論を活性化させましょう。
コミュニケーションツールには以下のようなものがあります。
- ChatWork:30万以上の企業で導入されている国産チャットツール。取引先など外部の人とのコミュニケーションが容易。
- Slack:世界中で利用されているチャットツール。スタンプなどを利用したカジュアルなコミュニケーションが可能。
- Zoom:最大1,000人が参加できるWeb会議ツール。強固なセキュリティが特徴。
- GoogleMeet:Googleが開発したWeb会議ツール。GoogleカレンダーなどGoogleの他のアプリとの連携が便利。
ビジネスチャットツールについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
ビジネス向けのチャットアプリおすすめ10選!業務効率化に役立つファイル共有ツール
「資料の閲覧や管理のために会社に行かないといけない」といった問題がある企業には、ファイル共有ツール(クラウドストレージ)がおすすめです。
マニュアルや成果物などのファイルをクラウド上に保管しておくことで、インターネットにアクセスできる環境と端末があれば、場所を問わずいつでも閲覧や編集が行えます。
ファイル共有ツールには以下のようなものがあります。
- Googleドライブ:Googleが開発したクラウドストレージ。無料版では15GBまでの容量がある。
- Dropbox:オンライン、オフラインでも利用できるクラウドストレージ。セキュリティなどの機能を強化したビジネス版もある。
- DocBase:10,000社に導入されている情報共有ツール。外部メンバーへの共有機能やオンライン議事録など、テレワーク対応機能も搭載。
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RPA
RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、人がパソコンで行っている作業をロボットで自動化するテクノロジーのことを指します。
RPAツールを利用することで、データのチェックや転記、定期的なメール送信などの単純作業の自動化が可能です。RPAツールには以下のようなものがあります。
- WinActor:インストールするだけですぐに使えるRPAツール。シンプルな操作性に加え、提供元であるNTTデータの技術者のサポートがある点も魅力。
- BizRobo!:100,000以上の開発・運用実績があるRPAツール。各企業の業務に適した活用方法を提案してくれる。
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業務効率化の始め方 まとめ
業務効率化と一口に言っても、その施策やアプローチの方法は様々です。闇雲に何かをやめたり、変えたりするのではなく、現状分析や問題の洗い出しをしっかりと行った上で、どの業務を効率化するのかを考えることが重要です。
業務効率化にはビジネスチャットやファイル共有などのツールを活用することも効果的です。使い勝手やコストなどを比較しながら、自社にあっているサービスを見つけましょう。
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