日常業務を効率化するなら、プログラミング言語の「Python(パイソン)」を用いた自動化がおすすめです。
そこで本記事では、Pythonで自動化できる事例、Pythonの自動化を学べるおすすめ学習本、Pythonによる自動化で必要なものなどを紹介します。
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この記事の目次
Python(パイソン)とは?
Pythonは、1991年に登場したプログラミング言語で、オランダ人プログラマーのグイド・ヴァンロッサム氏が開発しました。
おもな用途は、Webアプリ開発やデータサイエンス関連で、特に機械学習・AI開発・データ解析の分野で活用されています。
Pythonの国内外での人気・需要は高く、「TIOBE Software」が発表した『TIOBE Index』(2021年6月末アクセス)では、Javaを抜いて人気ランキング2位でした。
また、読みやすく簡単に書けるのがPythonの特徴であり、学習サービスも豊富なことから、プログラミング初心者にもおすすめできる言語です。
関連記事にて、Pythonの特徴や基本文法などを分かりやすく紹介していますので、参考にしてみてください。
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Pythonで自動化できる事例5選
本章では、Pythonで自動化できることの事例を5つ紹介します。
- Office系ソフトの操作
- メール操作
- ブラウザ操作
- Botによるアラーム通知
- Webスクレイピング
Office系ソフトの操作
1つ目は、Word・Excel・PowerPointなどのOffice系ソフトの操作です。
具体例を挙げると、以下のような自動化を実現できます。
- Excelデータの転記
- セル内の値に合わせてセルの色を変更
- Word文書に画像を一括で挿入
- Excelデータを読み込みPowerPointの表に転記
Pythonで自動化することにより、ファイルを開かなくてもプログラムを実行するだけでデータ整理やファイル作成が容易に行えます。
メール操作
2つ目は、Gmail・Outlookなどのメール操作です。
具体例を挙げると、以下のような自動化を実現できます。
- テキストファイルの内容を取得して自動的に送信
- 決まった曜日・時間に定型文を自動的に送信
- 受信したメール内容を取得して、Excelに書き出し
上記の通りで、一度に大量の宛先にメールマガジンを配信したり、メール内容を確認してExcelの表に書き写すといった業務の自動化に活用できるでしょう。
ブラウザ操作
3つ目は、Google Chrome・Microsoft Edge・Safariなどのブラウザ操作です。
具体例を挙げると、以下のような自動化を実現できます。
- 複数のWebサイトをタブで開く
- 決まったタイミングでアクセスログからデータをダウンロード
- スクリーンショットの自動化
上記の通りで、ブラウザ上で行うキーボード入力やタッチパネル操作などを自動化できます。
Botによるアラーム通知
4つ目は、Botによるアラーム通知です。
Botとは、あらかじめ決められた処理を人間の代わりに行うプログラムを指すIT用語です。
例えば、Slack・Chatwork・Twitterなどのチャットサービスと連携することで、定時や休憩時間を知らせたり、メールを受信したことを知らせるアラーム通知などを作成できます。
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Webスクレイピング
5つ目は、Webスクレイピングです。
Webスクレイピングとは、Webページから必要なデータを取得して、分析できる形に変換する仕組みのことです。
Webスクレイピングは、競合他社の調査・SEO・マーケティングなどに活用されており、インターネット社会における情報収集の手段として重要視されています。
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Pythonで業務を自動化するメリット
本章では、Pythonで業務を自動化するメリットを6つ紹介します。
- 優先度の高い業務に集中できる
- 残業を削減できる
- 作りたいものを作れる
- オペレーションミスを防げる
- 稼げるスキルが手に入る
- 不労所得につながる
優先度の高い業務に集中できる
1つ目は、優先度の高い業務に集中できることです。
例えば、作業報告書や日報の作成を自動化すれば、浮いた時間を期日が迫っている業務や利益率の向上につながる業務などにリソースを割けるでしょう。
残業を削減できる
2つ目は、残業を削減できることです。
残業を削減することで、労働生産性の高い働き方ができ、定時に退社して趣味や家族と過ごす時間などに充てられます。
また、企業側は残業代を削減できたり、残業の少ないクリーンな企業として、企業価値も高められるでしょう。
作りたいものを作れる
3つ目は、作りたいものを作れることです。
単純作業の自動化ツールであるRPA(Robotic Process Automation)は、コーディング不要で簡単なプログラムを開発できる反面、作れるものが限定的です。
しかし、Pythonは汎用性の高いプログラミング言語であり、WebアプリからAI開発までさまざまな場面で応用できます。
したがって、Pythonを覚えておくだけで、自分が思う自動化ツールを作って自由にカスタマイズもできるのは、大きなメリットといえるでしょう。
オペレーションミスを防げる
4つ目は、オペレーションミスを防げることです。
例えば、まったく同じ単純作業を100回連続で行う場合、人間が行うと100回中数回は誤記や入力漏れなど、何らかのミスが発生するでしょう。
しかし、単純作業を自動化すれば、100回ともまったく同じ操作を実現できます。
特に、金融やITサービスなど、1つのオペレーションミスが命取りになるシビアな業界では、単純作業の自動化は必須といえる技術かもしれません。
稼げるスキルが手に入る
5つ目は、稼げるスキルが手に入ることです。
Pythonのスキルを習得すれば、副業やエンジニア転職につながるかもしれません。
実際、クラウドソーシングの中でWeb制作やアプリ開発などのプログラミングに関する案件数は、比較的多いです。
そのため、日常業務を自動化しつつ、空いた時間を副業に活用すれば、本業と合わせて収入アップにつながるでしょう。
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不労所得につながる
6つ目は、不労所得を得るチャンスにつながることです。
Pythonによる自動化プログラミングは、日常業務だけでなく、FXやビットコインの自動売買にも応用できます。
ただし、Pythonに関する知識と仮想通貨に関する知識を要求されるため、初心者には難易度が高めといえるでしょう。
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Pythonによる自動化で必要なもの
本章では、Pythonによる自動化を行うのに必要なものを解説します。
- Pythonのインストール
- 統合開発環境(IDE)の用意
- ライブラリ・APIの用意
Pythonのインストール
Pythonは、こちらのダウンロードリンクから最新版のパッケージを入手できます。
また、プログラミング初心者は、Python本体と主要ライブラリがパッケージ化された「Anaconda」もおすすめです。
Anacondaは、こちらの公式サイトから最新版のインストーラを入手できます。
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統合開発環境(IDE)の用意
プログラミングでは、コードエディタ・コンパイラ・デバッガなどの必要なツールがひととおり備わった統合開発環境(IDE)で行うのがセオリーです。
Pythonの場合は、以下のIDEがおすすめです。
- PyCharm:Python特化のIDEでCommunity版は無料
- VSCode(Visual Studio Code):Microsoft社が提供する無料コードエディタ
- Atom:GitHubが提供する無料コードエディタ
上記の通りで、特にこだわりがなければ、Python開発を支援する機能が多く備わった「Pycharm」を選択するのがよいでしょう。
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ライブラリ・APIの用意
Pythonによる自動化プログラムの開発において、ライブラリ・APIの用意も欠かせません。
Pythonには、おもに以下のようなライブラリ・APIが存在します。
- Selenium:ブラウザの操作を自動化するためのフレームワーク
- Openpyxl:Excel操作を自動化するためのライブラリ
- Twitter API:Twitterサービスを自動化するためのAPI
- BeautifulSoup:Webスクレイピングを実現するためのライブラリ
上記の通りで、目的に合わせたライブラリをインストールしましょう。
Pythonの自動化を学べるおすすめ学習本
本章では、初心者向けにPythonの自動化を学べるおすすめの学習本を5つ紹介します。
PythonでExcel、メール、Webを自動化する本
本書は、Pythonを用いたExcelファイル操作・メール送信・ブラウザ操作の自動化を、実践的な例題を用いて紹介している一冊です。
実務で使えるテクニックがふんだんに盛り込まれており、Excelファイル操作に関しては特に内容が濃くまとめられています。
要点をおさえて学習できるため、Python初心者におすすめです。
めんどうな作業が秒速で終わる! Excel×Python自動化の超基本
本書は、PythonによるExcelの自動化に特化した内容の一冊です。
図解を用いて要点をおさえているため、スラスラ読みながら効率よく学習できます。
また、本書はYouTubeによる動画解説にも対応しており、プログラミング初心者に優しい構成なのもポイントです。
退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング
本書は、Pythonの基本から自動処理プログラミングまでを体系的に学習できる一冊です。
特に、自動化に関しては各種ファイル操作・画像操作・Webスクレイピングなどを網羅的に学べるため、本書を通してPythonを深く理解できるでしょう。
また、非常にボリュームが多いため、上から順に読むよりも、必要な部分をピックアップしながら読み進めるのがおすすめです。
シゴトがはかどる Python自動処理の教科書
本書は、Excel・PDF・メール・マウス操作などの定型作業を自動化するノウハウがまとめられた一冊です。
著者が実際に行っている自動化の例や業務上で発生するさまざまな作業の自動化を、豊富なコードを用いて分かりやすくまとめられています。
単純に読み物としても面白く、ゲーム感覚で楽しく読み進められるとして評価の高い良著です。
スッキリわかるPython入門
本書は、Pythonの基礎から勉強したい方におすすめの一冊です。
初心者がつまずきやすいポイントを、対話形式や例え話を交えながら丁寧に解説しており、納得しながら読み進められるでしょう。
また、プログラミング学習で重要なエラーの解決法についても収録されており、自分でエラーを解決できる力も養えるでしょう。
Python以外のおすすめ自動化ツール
「Pythonで自動化したいけど、ハードルが高そう」と感じる方もいるかもしれません。
そこで本章では、Python以外で使えるおすすめの自動化ツールを4つ紹介します。
- Microsoft Power Automate Desktop
- Automator
- Excelマクロ
- UiPath
Microsoft Power Automate Desktop
「Microsoft Power Automate Desktop」は、コーディング不要でパソコン操作を自動化できる、Windows専用のRPAツールです。
クリック操作やファイル移動、特定の操作をしたら通知を送る、といったデスクトップ上の手作業を自動化できます。
Windows 10ユーザーかつMicrosoftアカウントがあれば無料で使えるため、ダウンロードしておいて損はないでしょう。
Automator
「Automator」は、macOSの標準アプリで、コーディング不要でパソコン操作を自動化できるツールです。
具体的には、画像のリサイズ・マウス操作・標準アプリの操作などを自動化できます。
また、音声入力コマンドも非常に便利で、Google アシスタントやSiriのような音声入力によるパソコン操作も可能です。
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Excelマクロ
「Excelマクロ」は、Excel上のさまざまな作業を自動化するマクロツールです。
Excelマクロの機能を大きく分けると、「マクロの記録」と「VBA」の2つです。
「マクロの記録」は、Excelの操作情報を記録することで、実行内容をマクロとして保存するだけなので、初心者でも簡単に作成できます。
「VBA(Visual Basic for Applications)」は、プログラミングでマクロを作成する方法で、複雑なExcel操作が可能です。
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UiPath
「UiPath」は、ルーマニア発のRPAツールで、業務を自動化できるソフトウェアロボットの開発環境を提供しています。
複数のアプリをまたいだ複雑なワークフローを自動化できるため、製造・金融・通信・不動産など、あらゆる業界の大手企業で採用されています。
本ツールは有償版で、一部機能は無料トライアル版で利用が可能です。
Pythonで日常業務を自動化して生産性を高めよう
Pythonで自動化できる事例、Pythonの自動化を学べるおすすめ学習本、Pythonによる自動化で必要なものなどを紹介しました。
パソコンで毎日使うアプリの起動やExcelのドキュメント作成などは、単純ながら時間が取られる作業です。
これらの日常業務をPythonで自動化して、本当にリソースを割くべき仕事に集中し、労働生産性を高めましょう。
ちなみに、プログラミングを学びたい方は、プロの講師に質問しながらスキルが身につくスクールを検討してみてはいかがでしょうか?
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