「スペックの高いゲーミングPCを購入したい」
「だけど、CPU・GPUといった専門用語が出てきて混乱している…」
「パソコン初心者にも分かるように、CPU・GPUの意味や違いを教えて!」
プログラミングやオンラインゲームを快適にプレイするには、CPU・GPUともにスペックの高いパソコンを用意する必要があります。
しかしパソコンが苦手な方にとっては、専門用語でいわれてもピンとこないはずです。
そこで本記事では、パソコンの性能を決める上で重要な「CPU」「GPU」の意味や違いについて、パソコン初心者向けに分かりやすく解説します。
この記事の目次

CPUとは
CPUとは「Central Processing Unit」の略称で、中央演算処理装置・プロセッサとも呼ばれるコンピュータの1部品です。
おもな役割は、記憶装置や入出力装置と接続され、コンピュータ内で演算や制御を行うこと。いわばコンピュータの司令塔・頭脳のような存在です。
CPUには、小さくて薄いシリコン基板の表面に数千万個から数億個のトランジスタが搭載。裏面にはマザーボードと接続するための数百本のピンが並んでいます。
トランジスタで形成された回路は、演算ユニット・制御ユニット・デコーダ・バスインターフェース・キャッシュメモリなど、いくつかのブロックに分かれています。
パソコンの中で最も発熱する部品なので、冷却ファンが近くに設置されるのも特徴。
CPUは多様な用途に使用できることから、パソコンだけでなく、家電製品・工業製品・携帯機器などたくさんのシステムに組み込まれているのです。
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構成要素
CPUを構成する要素は、おもに以下の4つ。
- 演算装置
- 制御装置
- クロック
- レジスタ
これらの装置について詳しく見ていきます。
演算装置
演算装置は主記憶に格納されたデータに対して、四則演算や論理演算などを行います。
「四則演算」とは加算・減算・乗算・除算のことで、「論理演算」とは論理和・論理積・否定・排他的論理和などの計算のことです。
制御装置
制御装置は主記憶に格納されたプログラムを読み出して、デコーダによって命令を解読して様々な処理を行います。
デコーダとはプログラムの命令を解読する装置のことです。
クロック
クロックはコンピュータが動作するタイミングとなるクロック信号のことです。
レジスタ
レジスタは命令やデータを格納する領域のことです。プログラムはレジスタを使ってデータを処理しており、以下のように様々な種類があります。
- 命令レジスタ:命令を格納する
- アキュームレータ:演算を行うデータや演算結果を格納する
- フラグレジスタ:演算処理後のCPUの状態を格納する
- プログラムカウンタ:次に実行する命令のアドレスを格納する
- ベースレジスタ:プログラムの先頭のアドレスを格納する
プログラムを処理する仕組み
CPUがプログラムを処理する際には、プログラムカウンタに格納されているアドレスを読み込み、主記憶からアドレスに合った命令を抽出。
命令は命令部(オペコード)とアドレス部(オペランド)に分かれており、命令部は命令の種類、アドレス部はデータが保存されている場所をそれぞれ表しています。
また命令はCPUが理解できる機械語で記述し、JavaやCといった高水準言語は機械語にコンパイル(変換)されてから実行されます。
命令を取り出した後は、デコーダにて命令を解読。その後、データが格納されている主記憶上のアドレスを計算し、データにアクセスして演算を実施。演算の結果を元に命令を実行します。
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CPUの性能
CPUの性能を評価する指標には「クロック周波数」が用いられます。コンピュータはクロックと呼ばれる信号で動いており、クロック周波数とは1秒間当たりの信号数のこと。
またクロック周波数は「Hz(ヘルツ)」という単位で表されます。例えば4GHz(ギガヘルツ)のCPUは、1秒間に40億回もの動作をするということです。
性能が高いCPUは、クロック周波数が大きくデータを処理できる回数が多いです。
コア数
コアとはCPUの中核部分のことです。パソコン黎明期は1つのコアしかありませんでしたが、21世紀に入り、マルチコアと呼ばれる複数のCPUを搭載するマシンが登場しました。
例えば2つのコアを搭載するものをデュアルコア、4つのコアはクアッドコア、6つのコアはヘキサコア、8つのコアはオクタルコアと呼ばれます。
このようにマルチコアCPUが登場したことにより、複数のCPUを同時並行で命令を処理する「並列処理」が可能になりました。
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GPUとは
GPUとは「Graphics Processing Unit」の略称で、コンピュータグラフィックスの演算などを行う画像処理装置のことです。
1999年に半導体のメーカーであるNVIDIAが開発しました。
GPUは比較的単純な処理に特化した装置で、高速なグラフィック処理が得意。
ちなみにGPGPU(General Purpose Computing on GPU)という、画像処理などに限らずCPUのように汎用的な処理を行うことができるGPUも登場しています。
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画像処理が得意
文字だけのファイルデータと異なり、画像データはどうしても容量が大きいです。画像データは縦軸・横軸で区切られた「ピクセル(画素)」という単位で表されます。
画像データの容量は「縦のピクセル数×横のピクセル数×1ピクセルのバイト数」で決まります。3Dデータは縦横に高さが加わり、さらに容量が拡大。
容量の大きな画像を処理するには、高速処理に適したコンピュータが必要になるでしょう。そのための装置がGPUなのです。
例えば、3Dグラフィックスでは、ユーザーの操作に対応して、縦・横・高さの位置情報をリアルタイムに計算して映像を生成。
GPUはこれらの処理に必要な複雑で高度な計算を大量に行っています。
おもな活用事例
GPUがおもに活躍するケースとしては、「ゲーミングPC」と「機械学習」が挙げられます。
ゲーミングPC
最近のPCゲームは3Dグラフィックスをふんだんに使用しており、まるで現実世界を見ているが如くの映像美を体験できます。
そして映像の美しいゲームを堪能するためのPCが、ゲーミングPCです。
一般的なノートパソコンは、映像を映すためのグラフィックボードの機能がマザーボード上に組み込まれています。
これは映像を映し出すことは可能ですが、あくまでも最低限の機能であり、3Dゲームを楽しむ上では性能が不十分です。
ゲーミングPCにはGPUを中心としたグラフィックボードが搭載されており、3Dの映像でも処理落ちすることなく、滑らかで快適なプレイが可能。
また高負荷な処理を継続して行うことを想定し、優れた冷却装置も備わっています。
機械学習
機械学習はコンピュータに大量のデータを学習させ、そのデータから有用なパターンなどを導き出すもので、人工知能(AI)における研究分野の一つ。
囲碁の世界王者を破ったことで知られる「AlphaGo」で採用された「ディープラーニング」も機械学習の一種です。
おもな機械学習の手法には「教師あり学習」「教師なし学習」があり、検索エンジン・画像診断・音声認識・金融市場など、あらゆる分野で活用されています。
機械学習では膨大な量のデータを利用し、無数の行列演算を行います。そしてGPUは行列演算を得意としており、トレーニング期間の短縮が可能。
そのため、AIの研究・開発においてGPUは積極的に採用されているのです。
機械学習の詳細は「機械学習(マシンラーニング)とは?人工知能との違いや学習方法を紹介」で解説しています。
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コア数
CPUのコアは多くても数十個ですが、GPUの場合コアの数は数千にもおよびます。
そのため、GPUは同時に大量の処理を実行する並列処理に適しています。
例えば「NVIDIA GeForce」の最新シリーズともなると、CUDAコア数は1万以上です。ちなみにCUDAとはGPUコンピューティング向けの統合開発環境のこと。

CPUとGPUの違い
CPUとGPUの違いをまとめると、以下の通りです。
- CPUは複雑な作業を処理するのが得意
- GPUは単純作業を処理するのが得意
- 高負荷な処理は両方とも必要
これらの中身について解説します。
CPUは複雑な作業を処理するのが得意
CPUは中央演算処理装置と呼ばれるように、コンピュータ内の中心的な役割を担います。
プログラムの命令を元に演算を行って、メモリ・ディスプレイ・マウス・キーボード・プリンタなどを制御しながら命令を実行。
そしてこれらの命令は順番に処理していく必要があるため、GPUのようにコアがたくさんあれば処理が速くなるというものではありません。
CPUは連続的で複雑な処理をするのが得意という性質を持っています。
GPUは単純作業を処理するのが得意
GPUは単純な作業を並列に行うのが得意。3Dグラフィックスなどの画像処理は、単純な計算を大量に行う必要があるためGPUが向いています。
例えるならば、工場の単純作業を1つの優秀なCPUに任せるよりも、たくさんのGPUに任せた方が作業がはかどるということです。
高負荷な処理は両方とも必要
CPUとGPUには向き不向きがあるものの、複雑かつ負荷の大きい処理においては両方の存在が重要になってきます。
つまりCPUのような複雑な処理を行うと同時に、GPUのような大量な単純作業を行う必要がある場合です。
この場合、連続的で複雑な処理をCPUに任せて並列演算部分をGPUに任せることで、負荷の大きな処理でも対応できるのです。
CPU・GPUを把握してPCに詳しくなろう
「CPU」「GPU」の意味や違いについて解説しました。
コンピュータがどのような仕組みで動いているかを理解しておくと、自分の用途に応じたパソコン選びが可能になるでしょう。
オンラインゲーム・人工知能・3Dモデリング・VR開発など、負荷が大きい処理に耐えられるパソコンをお探しの方は、CPU・GPUの理解を深めてみてください。
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