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今さら聞けない「ブラウザ」とは?おもな機能やおすすめのブラウザを解説

更新: 2023.09.25

インターネットやスマホの普及で、ブラウザを利用する機会が爆発的に増えました。

その一方で、「利用してはいるもののブラウザについて良く知らない」あるいは「ブラウザについてもっと詳しく知りたい」という方も多いでしょう。

そこでこの記事では、今さら聞けない「ブラウザとは何か」という概要や、歴史・役割・仕組みなどを解説します。

また、パソコン・スマホ別のブラウザシェアやおすすめのブラウザなども紹介。ブラウザの基本について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

「ブラウザ」とはどういう意味?

まず、ブラウザとは何かや歴史など、基礎知識を理解しましょう。

  • 情報を閲覧可能にするソフトウェア
  • ブラウザ(browser)の意味
  • ブラウザの歴史

情報を閲覧可能にするソフトウェア

ブラウザとは、コンピュータ(パソコン)の情報をある目的に沿って、表示して閲覧できるようにするソフトウェアのことです。

厳密には、ブラウザにも「画像ブラウザ」「ファイルブラウザ」など、様々なブラウザがあります。ただし、一般的にブラウザと言うときには「Webブラウザ」のことを指します。

Webブラウザは、インターネットを利用する時に使用するもので、Webの画像を表示したり、動画や音声を再生したり、ハイパーリンクをたどるといった機能を備えています。

例えばインターネットを検索する時には、パソコンでGoogleやYahoo!などの検索エンジンを利用することが多いです。

ホームページにアクセスする際、パソコン上ではGoogle ChromeやSafariなどのWebブラウザが立ち上がっています。

ちなみにGoogle Chromeは、Googleが開発したブラウザソフト。SafariはApple社が開発したブラウザソフトで、一度は使ったことがある方も多いはずです。

ブラウザ(browser)の意味

ブラウザという言葉の語源は、英単語の「browse」。英語の動詞で「閲覧する」という意味。

browseの名詞形が「browser」。そこから転じて、ホームページの閲覧ソフトウェアは「browser(ブラウザ)」と一般的に呼ばれるようになりました。

ブラウザの歴史

ブラウザには長い歴史があります。ブラウザの歴史を紹介しましょう。

現在インターネット上にあるウェブページは、画像や動画が散りばめられていて見ていても楽しいホームページが多いです。

しかしパソコンが普及し、インターネットが登場したばかりの頃は文字だけのホームページでした。現在のような華やかなページを表現する技術がまだなかったのです。

そして1993年、イリノイ工科大学のマーク・アンドリーセンらが世界で初めて画像を扱えるWebブラウザ「Mosaic」を開発しました。

このMosaicは、現代のウェブブラウザの祖先に当たります。Mosaicの登場により、インターネットの利用者が爆発的に増加しました。

Internet Explorer(インターネットエクスプローラー)やFirefox(ファイアフォックス)などのブラウザの原型とも言える存在が、Mosaicなのです。

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ブラウザのおもな機能

ここでは、Webブラウザのおもな機能について詳しく解説していきます。

  • 「ブラウザを開く」とは?
  • ウェブページにアクセスする
  • ブラウジングを快適にする
  • HTML/CSSを解釈して表示する
  • ブラウジングの高速化
  • 情報を保存する

「ブラウザを開く」とは?

「Webブラウザを開く」とは、使用しているパソコンのWebブラウザのアイコンをデスクトップ上でクリックする行為を指します。

アイコンをクリックしてWebブラウザを起動すると、ブラウザの検索画面が表示されるはずです。これでホームページの閲覧ができます。

ウェブページにアクセスする

ウェブブラウザの主な機能は、インターネット上に存在するホームページにアクセスすること。

どのWebブラウザでも、上部にインターネット上の住所を示すURLを入力する欄があり、そこにURLを入力することで該当するホームページにアクセスすることができます。

ブラウジングを快適にする

Webブラウザはユーザーインターフェイスにおいて、利用者が快適にブラウジングできる機能を提供しています。

Webブラウザにはたくさんの種類がありますが、ユーザーインターフェイスは共通する部分が多く、主に以下のものが備わっています(以下の画像はGoogle Chromeの例)。

アドレスバー:アドレスバーにURLを入力します。

進む・戻るボタン:ウェブページを進んだり戻ったりすることができます。

更新ボタン:情報を再度読み込みます。

中止ボタン:情報の読み込みを中止します。

ホームボタン:登録したホームページに戻ることができます。

ブックマーク:お気に入りのページを登録することができます。

履歴:ブラウジングの履歴を見ることができます。

 HTML/CSSを解釈して表示する

一般的なホームページは、「HTML/CSS」という言語によって作成されています。

HTMLはハイパーテキスト・マークアップランゲージの略で、タグを使ってウェブページの構造を決定します。

例えば、<p></p>タグはパラグラフを意味するタグで、このタグの中に文章を書くことで文章を表示することができるのです。

Google Chromeであれば、ホームページを閲覧中に「ページのソースを表示」を選択すると、HTMLが表示。ブラウザはこのHTMLを解釈してページを表示しています

CSSはカスケーディング・スタイルシートと呼ばれ、プロパティを使って文字の大きさや色などウェブページのスタイルを指定できる言語。

文字のフォントを指定するにはfontプロパティ、色を指定するにはcolorプロパティといった具合にカスタマイズが可能です。

HTMLとCSSについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

ブラウジングの高速化

Webブラウザには、一度訪れたページを保存する仕組みが備わっています。この仕組みのことを「キャッシュ」と言います。

ブラウジング中に戻るボタンで前のページに戻るときは、キャッシュに保存されたデータを使用するため、再度Webにアクセスするよりも高速にページを表示することができます

ブラウザがHTMLを表示するためには、通常はウェブサーバにHTTPリクエストを発行して、レスポンスを受け取らなければなりません。

しかしキャッシュを使うと、リクエストを発行せずに済むため、動作が高速化されます。

情報を保存する

Webブラウザは、ユーザーの各種情報を保存することもできます

例えば、いつも利用するショッピングサイトを訪問した時、最初からログイン状態になっていたり、カートに入れた商品が残ったままになっているでしょう。

これは、ブラウザが「クッキー(Cookie)」を利用して情報を保存しているからです。

クッキーとは、ユーザーID・パスワード・メールアドレスなどの情報を保存する仕組み、またはデータのことを指します。

クッキーはユーザー自身で有効・無効にしたり、削除したりすることができます。

クッキーはもともと、Netscape Communications社によって開発された独自の技術でした。

そこから、ウェブアプリケーションにおいて非常に有用な技術だったこともあり、他のブラウザにも適用され標準化されています。

モダンブラウザとレガシーブラウザについて

実はブラウザには「モダンブラウザ」と「レガシーブラウザ」の2種類があります。この両者の違いとは何でしょうか。以下で解説します。

レガシーブラウザとは?

W3Cなどが定義している、現在のWebのスタンダードを十分にサポートできていないWebブラウザを、レガシーブラウザと呼びます。

具体的には、バージョン6以下のInternet Explorerやバージョン3.6以下のFirefoxなどが該当。

モダンブラウザとは?

現在のWebの規格を満たしたWebブラウザが、モダンブラウザと呼ばれます。

Google Chromeは登場当初からW3Cの規格を満たしており、レガシーブラウザとみなされる機会がほぼ皆無です。よってChromeはモダンブラウザの代表的な好例とされます。

ブラウザに関連する用語について

ここでは、「タブブラウザ」や「プラグイン」といったブラウザに関する用語について解説。

タブブラウザとは?

タブブラウザとは、複数のタブを切り替えて複数のウェブページを1つのブラウザの中で閲覧可能にするものです。これにより、タブでウィンドウを切り替えることが可能。

ウィンドウサイズを固定したまま複数のページが見れる上、ポップアップウィンドウが立ち上がらないためデスクトップが快適な状態に保たれます。

現在の主流なウェブブラウザは、基本的にすべてタブに対応しています。

ただし数十個から数百個のタブを1つのブラウザの中で立ち上げる、というようなヘビーなブラウジングを行うと、タブの切り替えの負荷が大きく、処理落ちするケースも。

タブの切り替えで処理落ちする場合、ご使用の端末のCPUとブラウザ自体の性能にそれぞれ問題がある可能性が高いです。

また数十個から数百個のタブを同時に立ち上げる場合、目当てのタブがどこにあるのかを見つけやすくする「タブの検索性」のデザインがブラウザには問われます。

例えば国産ブラウザの「Sleipnir」は、シェアこそ決して多くはないもののタブの管理と見つけやすさ、タブブラウザとしてのデザイン性は極めて高く評価されています。

大量のタブを同時に立ち上げ、ブラウジングを行うというニッチな層のユーザーには高い人気。ポップアップウィンドウを好まず、タブ管理にこだわりがある方におすすめです。

一方、数個から最大でも10個程度しかタブを使わないという方であれば、主要なブラウザであればあまり大きくブラウジング体験には影響がないでしょう。

どのブラウザもタブは一定の快適さを持って切り替えられるよう、デザインされています。

ブラウザの「プラグイン」とは?

ブラウザにはプラグインという機能追加の仕組みがあります。

プラグインとは、ブラウザに新たな機能を追加できるソフトウェアのことです。

代表的なプラグインには、ホームページ上の広告を非表示にするアドブロックプラグインや、サイトの文字の読み上げプラグインなど。

DropboxやEvernoteといった外部サービスと連携するプラグインなどもあります。

ブラウザにプラグインを追加する場合は、各種ブラウザのプラグイン追加サイトから必要なものをダウンロードします。

Google Chromeの場合は、Chromeウェブストアからプラグインを選んでダウンロード。

日本国内のパソコン向けブラウザのシェア

出典元:StatCounter

近年では、Webブラウザの種類は実に豊富。それでは、どのブラウザが多くの人に利用されているのでしょうか?

インターネットユーザーはホームページを閲覧するとき、何を使っているのでしょう。FirefoxとGoogle Chromeはどっちの方が人気なのでしょうか。

そんな疑問を解決してくれる、ブラウザシェアに関するサイトがあります。

例えば「StatCounter」というサイトでは、ブラウザやOS、ソーシャルメディアなどのブラウザシェアをグラフで見ることができます。

また、デスクトップ、タブレット、スマホの端末別、世界中、日本、アメリカなど地域別でブラウザシェアを表示可能。

以下は、2009年1月における日本国内のデスクトップ(パソコン向け)のブラウザシェアです。

  • 1位:Internet Explorer(67.85%)
  • 2位:Firefox(22.82%)
  • 3位:Safari(4.67%)
  • 4位:Opera(2.23%)
  • 5位:Google Chrome(1.59%)

上記の通りで、かつてはMicrosoft社の「Internet Explorer(IE)」がブラウザシェアの一時代を築いていました

現在はChromeとMicrosoft Edgeの2強

そして約14年後の2023年8月時点におけるデスクトップのブラウザシェアは、以下の通り。

  • 1位:Google Chrome(62.36%)
  • 2位:Microsoft Edge(22.64%)
  • 3位:Safari (6.27%)
  • 4位:FireFox(6.24%)
  • 5位:Opera(0.92%)
  • 6位:Internet Explorer(0.62%)

上記の通りで、現在ではGoogle Chromeが全体の約6割でブラウザシェアのトップ。続いて、Microsoft Edgeが全体の約2割と続いています。

ちなみにIEは2022年6月でサポート終了、Edgeへの移行もあってシェア率は1%未満。このように、ブラウザシェアの動向を見ると、ここ15年で大きく様変わりしました。

SafariやFirefoxが後に続く

ChromeとEdgeに続いて、SafariとFirefoxがブラウザシェアの3位と4位にランクイン。FirefoxはMozilla Corporationによって開発されているオープンソースのウェブブラウザです。

日本国内でのブラウザシェアはいずれも6%前後。しかし、豊富な追加機能がそろっており根強いファンが多いブラウザです。

日本国内のスマホ向けブラウザのシェア

出典元:StatCounter

同じく「StatCounter」にて、続いては日本国内のスマホ向けブラウザシェアを見ていきます。下記は、2010年1月時点におけるスマホのブラウザシェアです。

  • 1位:Safari(76.61%)
  • 2位:DoCoMo(6.2%)
  • 3位:KDDI(5.86%)
  • 4位:NetFront(4.01%)
  • 5位:Sony PSP(3.25%)

iPhoneが登場して以降、やはり日本国内ではApple社のSafariがブラウザシェアが高いです。

現在はSafariとChromeの2強

そして約14年後の2023年8月時点におけるスマホのブラウザシェアは、以下の通りです。

  • 1位:Safari(61.81%)
  • 2位:Google Chrome(33.56%)
  • 3位:Samsung Internet(2.08%)
  • 4位:Firefox(0.68%)
  • 5位:UC Browser(0.56%)

2023年現在においても、日本ではiPhoneが普及していることもあって、Safariが単独でブラウザシェアの過半数に達しています。

続いてGoogle Chromeが30%程度なので、Safariと合わせると90%以上のブラウザシェアをこの2つで独占している状態です。

パソコン向けブラウザのおすすめ4選

ここでは、おすすめのパソコン向けブラウザについて紹介します。

  • Google Chrome
  • Safari
  • Sleipnir(スレイプニール)
  • Kinza

Google Chrome

出典元:Google

Google Chromeは、ウェブページの読み込みやアプリケーションの実行速度が速く、軽量で高速であることが特徴です

Chromeはそのサクサクとした動作で、非常に高い人気を誇るブラウザ。開発元はGoogleです。

サクサクとページを読み進めることは、ウェブブラウジングにおいて重要な要素の1つ。

Chromeのもう一つの特徴は、とにかくシンプルということです。ユーザーがホームページのコンテンツに集中できるようシンプルに設計されています。

また、拡張機能やテーマを追加することで、自分が使いやすいようにカスタマイズもできます。

Safari

出典元:Apple

Safariの特徴は色彩や文字の表示がきれいで、ホームページを読みやすいということです

アップル社が開発しているので、Macを使う場合は最も高速にネットサーフィンができるブラウザ。macOSのデフォルトブラウザです。

safariはiphoneやiPadと同期する機能があり、どの端末からでもシームレスにブラウジングを楽しむことができます。Apple社の製品を使用している方におすすめです。

Sleipnir(スレイプニール)

出典元:Sleipnir

Sleipnir(スレイプニール)は、フォントの美しさにこだわったブラウザです。

独自のフォントレンダリングの技術によって、プロが使うグラフィックツール並みの見た目を実現しています。

インターネットが登場した頃と比べて、現在ではたくさんのページを開いたままブラウジングすることも多いと思います。

しかしSleipnirでは、タブを100個開いていてもすぐに探したいものが見つけられる工夫がなされた、利便性にも配慮されたブラウザです。

Kinza

出典元:Kinza
※Kinzaは2021年7月9日に開発終了を発表しました。

KinzaはChromeのChromiumをベースとして開発されたブラウザです。

Kinzaの開発者たちは、ブラウザはもっと個々の用途に合わせて発展していくものだと考え、ユーザーの意見を大切にして開発を進めています。

スーパードラッグという機能は、ユーザーの声を聞くことで実現した機能の一つで、ウェブページ上で選択したテキストをドラッグ&ドロップするだけで検索が行えます。

Chromeをベースとしているので高速性や安全性、また拡張性にも優れています。

「こんなブラウザを使ってみたい」という要望も受け付けているようなので、興味のある方は投稿してみてはいかがでしょうか?

まとめ:ブラウザの仕組みを理解して使いこなそう

以上、ブラウザの機能や市場シェア、おすすめのブラウザについて解説してきました。

ブラウザは毎日のように使っているものでありながら、意外と知らないことがたくさんあったのではないでしょうか?

ブラウザには様々なものがあり、ブラウザによって得意なことや不得意なことがあります。

どのブラウザを選択するかによって、ネットライフが大きく変わることもあります。大切なことは自分の用途に合ったブラウザを選択することです。

この記事を読むことでブラウザの理解を深めて頂けると幸いです。

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この記事を書いた人

Yoshi Otobe
アメリカの大学でジャーナリズムを専攻。帰国後、医療、教育、ビジネス、ITなどの分野でライティング、編集、翻訳業務に携わる。現在はITとプログラミングについて勉強中。「基本情報技術者試験」「ITパスポート」「Webクリエイター能力認定試験」などの資格を所有。

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