初めての退職で、引き継ぎの方法がよくわからない方。
引き継ぐ業務が多くて、退職日までに終えられるか不安な方。
ぜひ、作業を始める前の5分間を使って、本記事を最後までお読みください。
スムーズに引き継ぎを進め、退職日の3日前までに終えるためのポイントを解説します。
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この記事の目次
引き継ぎの時によくあるトラブル
まず、引き継ぎを行う時に起こりやすいトラブルについて見ていきましょう。
「辞める会社のことだから自分には関係ない」と無責任に放り出してしまうと、転職までのスケジュールに影響が出ることもあります。
円満に退職するためにも、以下の点に気をつけてください。
- 説明やマニュアルに不備がある
- 後任者のスキル不足
- 退職予定日に間に合わない
- 同僚からの印象
説明やマニュアルに不備がある
前任者には、仕事を引き継ぐ後任者が問題なく作業できる環境を整えることが求められます。
手順の説明をしたりマニュアルを渡したりしても、内容に不備があれば引き継いだとは言えません。
抜け漏れはないか、わかりにくい言い回しはないかなどを気にかけながら準備を進めましょう。
後任者のスキル不足
あなたの説明や作成したマニュアルに問題がなくても、後任者のスキルによっては仕事がうまく回らなくなる恐れがあります。
例えば、あなたが1年かけてできるようになった仕事を、今月入社してきたばかりの新入社員が同じレベルでできるかというと難しいです。
説明に長い時間を使ったのに、実際にやってみたらミスばかりしてしまうという事態にもなりかねません。
少々極端な例を挙げましたが、誰にどの仕事を割り振るか考えることもスムーズな引き継ぎに欠かせない要素です。
退職予定日に間に合わない
もっとも注意したい点が、退職日までに引き継ぎ作業がすべて終わらないこと。
引き継ぎの作業が退職日までに終わらないと、上司から「退職日を引き伸ばしてほしい」と言われるかもしれません。
仮に、次の職場がすでに決まっていて、退職日の翌日が初出勤の日だとしたらどうでしょう。
あなたを受け入れる準備をしてくれていた転職先の企業にまで、予定を変更してもらう必要が出てきます。
このような事態になってしまうと、転職先からの印象が悪い状態で新しい仕事を始めなければなりません。
引き継ぎの期間も考えて、次の職場に出勤する日には余裕を持っておくことをおすすめします。
同僚からの印象
引き継ぎが終わっていないのに退職してしまうと、これまで一緒に働いてきた同僚からの印象もよくないでしょう。
退職しても、同僚との関係が完全に切れるわけではありません。
食事に行ったり、別の環境で一緒に仕事をしたりすることもあるでしょう。
同僚と今後も良好な関係を築いていたいと考えるなら、引き継ぎは最後までしっかり行うべきです。
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引き継ぎの前にやっておくべきこと
引き継ぎはトラブルなく済ませたいところ。
そのためには、まずやっておくべき準備があります。
以下で紹介するポイントを参考に、スムーズに引き継ぎを行うための下地作りをしておきましょう。
- 引き継ぐ仕事をリストアップする
- 業務ごとの後任者を決める
- 引き継ぎ完了までのスケジュールを立てる
引き継ぐ仕事をリストアップする
まずは、どの仕事を引き継げばいいのかリストアップしましょう。
あなたが日常業務でやっていることと、その業務の手順などを簡単にまとめてください。
今後、引き継ぎの担当割り振りやスケジュール立てをするために使います。
Excelやスプレッドシートを使って一覧できるようにしておくと、後任者も見やすくなるでしょう。
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業務ごとの後任者を決める
仕事のリストアップができたら、それぞれの後任者を決めます。後任者となるのは、自分の上司か同じチームのメンバーになることが多いです。
誰にどの仕事を割り振るのかは、あなただけでなく上司や後任者と相談した上で決めることになります。
能力やスケジュール、抱えているタスクの量などを精査した上で割り振っていきましょう。
後任者についても、仕事のリストと一緒に一覧できるようにしておくと便利です。
引き継ぎ完了までのスケジュールを立てる
後任者まで決まったら、いつ引き継ぎの作業を行うのかスケジュールを立てます。
あなたが退職する日から逆算して、それまで何を行うのか日別にスケジューリングするといいでしょう。
引き継ぎの中には時間がかかるものもあります。例えば、社外の人に引き継ぎの挨拶に行く場合などは、半日〜1日がかりになることもあるでしょう。
引き継ぎの作業がどれくらいの時間がかかりそうかも大まかに想定しておけると、スケジュールが狂いにくいです。
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上司やチームメンバーと相談してスケジューリングしよう
後任者の決定から引き継ぎのスケジュール立てを行うまでは、上司や後任者と相談しながら進めていくのがベストです。
勝手に自分だけのスケジュールを決めてしまうと、引き継ぎに関係する人たちのスケジュールが合わず、十分な時間が確保できない恐れがあります。
その結果、後任者がミスをしてしまい、チームや会社全体に大きな迷惑をかけてしまうことも考えられるでしょう。
引き継ぎが問題なく行われているかは上司も把握したい部分だと思いますので、必ず相談しながら行うようにしてください。
特に初めて引き継ぎをするという方は、上司からアドバイスをもらいながら進めると作業ミスを減らせます。
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スムーズに引き継ぎを行う4つのポイント
ここまでの準備を踏まえ、スムーズに引き継ぎを行うにはどうすればいいのでしょうか。
そのために重要なポイントを4つ紹介します。
職種によって細かな違いはあるものの、以下の点を意識することで素早く引き継げるでしょう。
- 書類やデータをわかりやすくまとめる
- マニュアルを作成する
- 後任者に作業をやってみせる
- 社外の人には早めにアポイントを取る
書類やデータをわかりやすくまとめる
あなたが業務で使っていた書類やデータをまとめておきましょう。後任者がそれらを使って作業することが考えられます。
引き継ぐ際はあなた以外の人が見ても、どの書類がどこにあるかわかるように整理しておいてください。
書類の種類ごとにファイル分けなどをしておくといいでしょう。
パソコンに保存してあるデータも同様です。フォルダごとに書類を分類しておくと、後任者にとって親切です。
マニュアルを作成する
あなたが行なっていた業務内容はできるだけでマニュアル化しておきましょう。
そうすることで、口頭での説明よりもわかりやすくなりますし、あなたが退職した後でも作業内容の確認がすぐにできます。
マニュアルの形式は、社内の決まりがあればそれに従ってください。
誰が読んでもわかるマニュアルを目指そう
さらに注意しておきたいのが、マニュアルの書き方について。
仕事をしてきたあなただけにわかるような表現を使っていないかチェックしてください。
完成したマニュアルは、後任者や上司に1度目を通してもらうのがいいでしょう。
もしわからない部分があると指摘されたら修正してください。誰が読んでも内容を理解できるマニュアルを作りましょう。
マニュアルをパソコンで作るなら、画像を載せるのも簡単です。
文章で説明するより画像を載せた方がわかりやすいこともあるので、工夫しながら作成してください。
後任者に作業をやってみせる
作業のマニュアルが完成したら、内容に沿って実際の手順を後任者にやってみせましょう。
マニュアルに加えて実演もすることで、より素早く理解してもらえます。
実際にやってみることでマニュアルに書き漏らしていた内容を発見することも考えられるでしょう。
自分自身で引き継ぎに漏れがないか確認するためにも、実演もしておくべきです。
疑問点はなるべくその場で解決する
マニュアルの内容や実演を見て、後任者から疑問を投げかけられることも考えられます。
それらの疑問はできる限りその場で解決できるようにしましょう。
疑問点を残したままにしておくと、退職した後に後任者と何度も連絡を取り合う必要が出てきます。
転職後に忙しくなる可能性を考えたならば、連絡せずに済むよう引き継いでおくべきです。
多少の抜け漏れは仕方ないとはいえ、疑問点には全てその場で答え、必要があればマニュアルに追記しておきましょう。
社外の人には早めにアポイントを取る
引き継ぎは社内で完結するものだけとは限りません。社外の人に退職する挨拶と後任者の紹介などを行うこともあります。
その場合は、社外の人にアポイントを取る必要も出てくるでしょう。
退職まで時間が限られているならば、早めにアポイントを取るようにするべきです。
退職直前だと先方の都合が合わなかった時に別日の提案ができなくなってしまう恐れがあります。
引き継ぎのスケジュールが決まったら、随時先方へと連絡するようにしましょう。
メールや電話も活用する
遠方の取引先や、やりとりが少なかった取引先にはメールや電話での挨拶で済ませるのも一つの方法です。
片道数時間かかる企業まで訪問していたのでは、引き継ぎが間に合わない可能性も高いです。
取引先が多い場合も、一つ一つの企業へ挨拶に行く余裕はないでしょう。
メールや電話で連絡をする際は、「メール(電話)にて失礼します」という旨を付け加えれば失礼にはあたりません。
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引き継ぎの際に注意すること
そのほか、引き継ぎを行う際の注意点についても説明します。
以下の点を理解しておけば、引き継ぎを素早く終わらせられるだけでなく、後任者も不安なく仕事を引き継げるでしょう。
- 口頭で説明するだけにしない
- 前倒しでスケジュールを進める
- 上司には緊急連絡先を教えておく
口頭で説明するだけにしない
業務内容の説明を口頭でしかしないのは極力避けましょう。
後任者が作業内容を確認しずらく、「説明をした、していない」という点で問題になることもあります。
口頭で説明した方が楽かもしれませんが、横着することでトラブルを生み出してしまいかねません。
時間が許す限り、必ず作業内容はマニュアルにまとめておきましょう。
前倒しでスケジュールを進める
引き継ぎの作業は、なるべく前倒しで進めていくことをおすすめします。
退職日までという時間の制限がありますし、なかなかスケジュール通りに進まないことも発生すると想定できるためです。
例えば、取引先へ挨拶を行く予定の日が、先方の都合で別日になることは大いにありえます。
そのようなスケジュールの変更が出ても対応できるよう、余裕を持って進めていきましょう。
上司には緊急連絡先を教えておく
自分では完璧に引き継ぎを終えられたと思っても、後任者が実際に作業をしてみたら不明点が見つかることもあります。
そのようなケースに備え、上司には緊急の連絡先を教えておきましょう。ケータイ電話の番号などで構いません。
基本的に、退職後まで連絡を取る必要はありませんが、仕事で困っている後任者を助けられるのは前任者であるあなただけの可能性もあります。
非常時のみ対応できるよう、連絡先を教えておくと安心です。
引き継ぎに時間がかかりそうな場合の対策
「思った以上に引き継ぎに時間がかかって退職日までに終わらない…」
そうわかったら、すぐに対策を取りましょう。
ここからは、引き継ぎが間に合わなそうになった場合の対処法を紹介します。
- スケジュールを組み直す
- 引き継ぐべき仕事かどうか考え直す
- 上司に指示を仰ぐ
スケジュールを組み直す
引き継ぎに時間がかかっているのは、事前に立てたスケジュールに問題がある可能性も考えられます。
改めてスケジュールを組み直してみましょう。
短縮できる作業はないか、統合できそうな引き継ぎ業務がないかなどを洗い出してください。
引き継ぐべき仕事かどうか考え直す
引き継ぐ業務の中に、たっぷり時間をとって説明する必要のない業務はないでしょうか。
マニュアルがすでにあってそれを少し直すだけで十分だったり、後任者が普段やっている作業を応用すればできる仕事だったり。
このように見直して、引き継ぎの時間配分も考えてみましょう。時間を削減できるものが見つかるはずです。
上司に指示を仰ぐ
どうしても間に合わないならば、直属の上司に相談してください。
上司からの指示に従って行動しましょう。
経験豊富な上司であれば、引き継ぎの効率化についてアドバイスをもらえることもあります。
場合によっては退職日を遅らせる必要があるかもしれません。それでも、上司から指示をもらうことで少しでも遅らせる日数を減らすことに繋がります。
「今後も関係が続く」と思ってしっかり引き継ぎをしよう
「会社は辞めるから、この後の仕事は自分には関係ない」などと無責任に考えず、引き継ぎはできる限りしっかりと行なってください。
もしかしたら、新しい仕事をする中で前職の企業と取引をする可能性も0ではありません。
その場合、中途半端に引き継ぎをしたあなたに対し、企業側はいいイメージを持ってくれないことも考えられます。
「自分が働いていた企業とは今後も関係が続く」と考えて、引き継ぎが完了するまで責任を持ちましょう。
実際に筆者は、以前退職した企業と数年後に取引をするようになったことがあります。自分のやった仕事が、別のタイミングで振りかかってくるかもしれません。
取引先となる企業にも迷惑はかけない
引き継ぎを中途半端に終えた場合、その影響は後任者だけでなく取引先の企業にも及ぶ可能性があります。
引き継ぎが不十分だったことで後任者がミスを連発。その結果、取引自体がなくなってしまったというケースも考えられるでしょう。
特に社外の人と交流が多く、取引を主導で進てきた営業職の方は注意が必要です。
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