ビジネスの問題解決に役立つ「ロジックツリー」について解説

「現在発生している問題の原因がわからず、作業が進められないまま何日も経っている」
「チームで解決したい問題があるが、解決策が思い浮かばず無駄な会議で時間ばかりを浪費してしまう」
「現在進捗中のプロジェクトで、関連部署の作業に遅れが発生している」

このような悩みを抱えていませんか。
問題の解決策を考えようにも、方法がわからなければ思いつきません。
そんな状況下では、「ロジックツリー」を使って考えてみてください。
問題の真因がつかめ、解決策を導き出せることでしょう。

この記事では「ロジックツリー」の種類や作り方、考える時の注意点などを解説します。
あなた自身や、所属するチームが抱える問題点の解決にお役立てください。

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問題解決のフレームワークとは

「フレームワーク」には「枠組み、骨組み」という意味があります。ある問題や課題を枠組みに当てはめて解決策を導き出すものが「問題解決のフレームワーク」です。

企業などでも問題解決の際にはフレームワークが取り入れられています。

問題が発生している原因がわからない、あるいはパニックによって冷静に物事が判断できなくなっているときなどに、フレームワークは最大限に効果を発揮するでしょう。

フレームワークを使い、論理的に問題を分析することで、適切な解決策を導き出す手助けとなります。

ロジックツリーとは

ロジックツリーとは、問題解決のフレームワークの1つです。

「ロジック(論理)をツリー(木)のように展開していく」という意味から、ロジックツリーと呼ばれます。実際に完成したロジックツリーは、枝を伸ばす木のような形になります。

ロジックツリーを作る目的は主に、ある問題点の要因を分解して整理することで、本質的な原因を理解し、解決策を考えることです。

様々な切り口から見えてきた問題の要因を階層ごとに並べることで、俯瞰的に分析することができます。

論理的に考えた中で導き出せた施策であれば、問題解決につながる可能性は非常に高いです。

社員教育にも取り入れられるロジックツリー

最近は、新卒社員の研修でロジックツリーの作り方を勉強する企業も増えています。論理的な考え方を養う上でも、ロジックツリーを使って物事を考えるのは有効な方法なのです。

また、研修が終わってからのビジネスにおいても、有効な問題発見・解決の手段としてロジクツリーを活用する機会は多いです。

研修の段階からロジックツリーの作り方を学ぶことで、作り方に慣れるとともに、論理的思考力を高めることにもつながります。

ロジックツリーを活用するメリット

ロジックツリーを活用する上で、以下のような利点があります。

個人でも、チームなど複数名でも活用できるため、ロジックツリーは広く取り入れられているのです。

問題の原因発見が素早く行える

問題の原因となっている要素を書き出していくロジックツリーは、視覚的に何が原因なのか、全体像がわかります、

漠然と原因を考え、頭の中で解決策をまとめても、全てを把握することは難しいです。フレームワークに当てはめて、考えを整理しながら案を出せるロジックツリーは、素早い原因の特定につながります。

チームでの議論をまとめやすくなる

ロジックツリーは、個人だけでなくチームのディスカッションでも活用できます。

議論のテーマに沿って、メンバーで意見を出し合えば、一人で考える以上にたくさんの案を出るでしょう。より適切な解決策を導き出すことにつながるはずです。

また、ロジックツリーに沿って議論を進めていけば、議題からそれることなくディスカッションを進行しやすくなります。

議論の無駄を省き、結論をまとめる上でもロジックツリーは役立つのです。

複雑な構造の把握ができる

言葉では一言で表現できたとしても、たくさんの要素で構成されているものがあります。

例えば、「エンジニアの仕事」を一言で表しても、実際は「クライアントの要件定義」「システム設計書の作成」「コーディング」「テスト(デバッグ)」などたくさんの要素を含んでいますね。

複雑ものを一覧できるようにまとめるにも、ロジックツリーを使うのが効果的です。

ロジカルシンキング(論理的思考)が身につく

問題やその原因を並べていくロジカルツリー。この作業を繰り返し行えば、ロジカルシンキング(論理的思考)を身につけることにもつながります。

問題が発生した時に頭の中がパニックになってしまうという人は、論理的思考力が不足している可能性があります。その結果、論理的に考えればすぐに解決策が見つかるはずが、長引きがちです。

まずはロジカルツリーの手法に当てはめて、論理的に考える練習をします。できれば、紙の上でもいいので、思考のプロセスを書き出してみましょう。

慣れてくると、紙とペンを使わなくても、論理的に考える癖が身についてきます。

ロジックツリーが役立つ場面

ロジックツリーは主に、以下のような場面で活用すると効果を発揮します。

どれも個人、チーム、あるいは会社全体においても発生しうる状況です。場面に合わせて適切なロジックツリーの作成が求められます。

発生した問題の原因がわからない場面(原因分析)

業務の中で必ずと言ってもいいほど発生してしまうのが、異常事態や問題。

「クライアントとの契約が突然白紙になってしまった」
「納品したシステムにエラーが見つかりクレームを受けてしまった」

など。仕事には人が携わる分、人的なミスは特につきものです。

発生した問題の原因がすぐにわかるものとわからないものとがあります。

このうち、「原因がわからない問題」を分解し、追究するためにロジックツリーを用いることが多いです。

問題の解決策がわからない場面

仮に問題の原因が導き出せたとします。しかし、その解決策まで一緒に見つかるとは限りません。

例えば、チームで発生したミスの原因が「人員不足」にあったとします。解決策としては、「チームメンバーの増員」が挙げられそうです。

しかし、ここでさらに問題が発生します。

「人員を増やそうにも、自分には人事権がない」
「今回はイレギュラーなミスであり、別の案件ならば増員しなくてもミスは発生しなかった可能性がある」
「新しい人材採用を行ってもらう明確な理由が必要」

など、簡単には解決しません。

このように解決策を深掘りしていくことで、もっとも正解に近い策を導き出すためにも、ロジックツリーは役立ちます。

プロジェクトに遅れが見られる場面

1つのプロジェクトにたくさんの担当者がからむことは珍しくありません。その場合、各担当者の許可をもらったり、進捗状況を確認しながらプロジェクトを進めていきます。

関係する人が多いほど、連携を取るのが難しくなり、進捗に遅れが発生しがちです。

このようなケースでも、ロジックツリーを使って整理ができます。

1つのプロジェクトに関係する担当者を階層ごとに並べることで、誰に連絡を取ればいいのか、誰から指示を出して貰えばいいのかなどを再確認できるのです。

ロジックツリーの種類

ロジックツリーが使われる場面は、問題解決のためというのは先ほど紹介した通りです。

他にもロジックツリーは、目的に応じていくつかの種類に分かれます。基本的に、以下の3つに分類されます。

原因究明ツリー(WHYツリー)

原因究明ツリー(WHYツリー)は、なぜその問題が発生しているのかを探る時に役立つ手法です。

問題が発生していても、その原因が判明しない時は、分解して考えていくと根本的な原因が見えてきます。

この結果、無駄な会議を重ね、頭を悩ませて時間だけが浪費してしまうという状態を打開できるのです。

問題に対して「Why」という質問を繰り返して原因を追求していきます。

原因がわかっていないのに、原因を考えるというのは難しいかもしれません。ですので、まずは自由に、たくさん原因の候補を挙げることから始めてみるといいでしょう。

原因究明ツリーの例

「会社の売上が低下した原因を追求する」というテーマでロジックツリーを作ってみました(例題なので、3層まででとどめています)。

問題解決ツリー(HOWツリー)

問題解決ツリー(HOWツリー)は、冒頭で説明したロジックツリーの使い方と同じです。ある問題が発生した時に、どうやって解決するか、対策を考えていく時に活用します。

問題に対して「How」、つまり「どうやって解決するのか」を繰り返し考えることで、具体的な解決策を探っていく時に役立つ手法です。

問題に直面した時に、漠然と解決策を考えていても、適切な方法が見つからないことも考えられます。その時は問題解決ツリー(HOWツリー)を使って、解決策を分解しながら考えていくといいでしょう。

問題解決ツリーの例

「即戦力となる社員を採用するにはどうすればいいか」というテーマでロジックツリーを作ってみました。

要素分解ツリー(WHATツリー)

要素分解ツリー(WHATツリー)は、複雑で膨大な構成要素によって成り立っているものを分解して理解する時などに用いられます。
例えば、会社でのプロジェクトには、たくさんの部署、担当者が関わっているケースが見られます。特に大手企業ではこの傾向が強いです。

このような状況でプロジェクトの遅延などが発生してしまった場合、原因は関わる部署などの構造が分解されておらず、うまく連携が取れていないことが考えられます。

この時に役立つのが要素分解ツリー(WHATツリー)です。一つのものに対して「What」の質問を繰り返し、構成要素を導き出します。

自社で開発している製品やサービスに対して「What」を繰り返すことで、構成している要素を理解するためにも役立ちます。

要素分解ツリーの例

「システム開発における必要な作業と担当者」をまとめるロジックツリーを作りました。この場合は、「人」が関連するので「Who?」という観点でも要素を分解しています。

ロジックツリーを上手く書き上げるポイント・注意点

ロジックツリーの作り方がよくわからない、試してもうまくいかないという人は、以下のポイント・注意点を意識しながら実践してみてください。

左から右へと展開していく

ロジックツリーを作成する時は、基本的に左から右へと要素を展開していきます。最終的にロジックツリーは左から右へとピラミット型になるはずです。

この形式で作成することで、自分以外の人が見た時でも、すぐに理解しやすくなります。

特に、チームなどでロジックツリーを作成する時は、左から右へ展開するようにしましょう。

シンプルな言葉で記述する

ロジックツリーに記述する要素は、シンプルな言葉を選びましょう。
この後に説明する「MECE(ミーシー、ミッシー)」の視点から、「意味の重複がない」という意味でシンプルな言葉を選んでください。

複数の意味がある言葉だと、案を並べていく中で、重複があるかどうかの確認がしにくくなってしまいます。

「MECE(ミーシー)」を意識する

ロジックツリーを作成する時は、「MECE」を意識することが重要です。。この「MECE」に沿って作成することで、最適な改善策を見つけやすくなります。

「MECE」とは「相互にダブりがなく、全体でモレがない」ということを意味した概念です。

M=Mutually(相互に)
E=Exclusive(重複のない)
C=Collectively(全体的に)
E=Exhausitive(漏れがない)

4つの英単語の頭文字をとって「MECE」と呼びます。

問題の要素を分解していく際には、重なった要素がないようにしつつ、挙がっていない要素もないようにしましょう。

階層を同じ列にそろえる

要素を並べていく時は、同じ階層の要素は同じ列に並べるようにしましょう。

こうすることで、同じ階層にある要素を比較しやすくなります。

階層が深くなるほど抽象度を下げて具体的にする

要素を増やしていき、階層を深く(ピラミッド型を右のほうへ展開)していくほど、抽象度を下げていきましょう。より具体的にすることで、改善策が見つかりやすくなります。

一般的に、ロジックツリーを作成する時は5層まで深掘りしていくことが望ましいとされています。

ロジックツリーの作成におすすめのツール

ロジックツリーを作成する時は、以下のツール(マインドマップ作成ツール)を使うと非常に便利です。

テンプレートなどがそろっており、初めてロジックツリーを作るという人でもPC上で簡単に作成できます。

ここからは、おすすめのマインドマップ作成ツールを4つ紹介します。

マインドマップとロジックツリーの違い

「マインドマップ」という言葉を使いましたので、マインドマップについても説明しておきます。

マインドマップとは、頭に思い浮かべているものを目に見えるようにした思考ツールのことです。
ロジックツリーと似ていますが、書き表し方が異なります。

ロジックツリーは、ピラミッド型に展開していくのは先ほど説明した通りです。一方でマインドマップは、考えるテーマを中心に置き、放射状にキーワードやイメージをつなげていきます。

例えば、「新卒採用の評価基準」についてマインドマップを作るとしたら、以下のように表していきます。

ロジックツリーと比較して、マインドマップはより自由に発想したアイデアをまとめるツールとして活用されることが多いです。

マインドマップで要素を全て洗い出し、その後、ロジックツリーとして関連している要素をまとめていくという使い方もできます。

マインドマップとロジックツリーは区別して使われるのが一般的です。

XMind

出典:XMind

無料のマインドマップツールの中で、最も知名度が高く人気を集めているのがこの「XMind」です。この記事で使ったロジックツリーやマインドマップの画像は、「XMind」で作成しました。

有料版にすると多数の機能が使えますが、無料版でも十分活用できる機能が備わっています。

ロジックツリーの作成はもちろん、組織図などの作成にも活用可能です。

Mac、Windows両方でダウンロードできます。XMindの文章はすべて日本語に対応してますので、迷うことなく使えるでしょう。どれにするか迷うのであれば、「XMind」を使うことをおすすめします。

参照:XMind

FreeMind

出典:FreeMind

「FreeMind」も知名度の高いマインドマップツールです。「XMind」と同様、ロジックツリーの作成ができます。

「FreeMind」の大きな特徴は、作成したマインドマップの暗号化が可能な点です。暗号化することで閲覧できる人を制限することができます。

「FreeMind」もMac、Windows両方でダウンロード可能。日本語にも対応しています。

参照:FreeMind

Edraw

出典:Edraw

「EDRAW」は様々なテンプレートが用意されています。ロジックツリー作成、営業戦略立案や社内教育などにも使えるテンプレートがあり、カスタマイズの自由度も高いです。

「EDRAW」もMac、Windows両方でダウンロード可能。日本語で利用できます。

参照:Edraw

MindMeister

出典:MindMeister

「MindMeister」はWeb上で利用できるツールです。そのためアプリケーションをダウンロードする必要はありません。Mac、Windowsどちらでも使えます。

無料版と有料版があり、無料版だけでもロジックツリーを作る上では充分活用できます。もし拡張機能を使うために有料版が必要となっても、比較的安価で利用可能です。

参照:MindMeister

 

マインドマップ以外にも、ビジネスの問題解決・効率化に役立つツールはたくさんあります。

以下の記事にて紹介しているので、併せてご参照ください。

参照:業務効率化・開発高速化に最適。おすすめツールを4つの悩み別に紹介

ロジックツリーを作るのが苦手だと感じた時の対策

人それぞれ得意不得意がありますので、ロジックツリーを作ることに苦手意識を感じてしまうかもしれません。

その時は、「Why?(なぜ)」「How?(どうやって)」「What?(どんなもの)」と考えることを徹底してください。

ロジックツリーを作る場面によりますが、基本はこれらの観点からすべての要素を考えることにあります。できない時ほど基礎に立ち返り、丁寧にロジックツリーを作成しましょう。

また、先ほど説明した「マインドマップ」から始めるのもおすすめです。マインドマップで頭に思い浮かんだアイデア全てを書き出し、そのあとにロジックツリーとして整理してみてください。

ロジックツリーを作成する問題の優先順位も考える

ロジックツリーは、問題発見と原因究明を素早く行えるフレームワークであることは説明した通りです。

ただ、ロジックツリー作成には少なからず時間がかかります。そのため、ロジックツリーを作成するべき問題の優先順位も考えましょう。優先度の高い問題から考えるようにしてください。

一般的に問題の優先順位は、緊急性や重要性の点から考えます。緊急性、重要性ともに高い問題は最優先にし、反対に低い問題は優先度を下げます。

優先度の高いものからロジックツリーを作成し、時間の効率化を図りましょう。

仕事全般における効率化については、以下の記事も参考になります。

参照:仕事の効率化の方法とは?仕事が終わらない7つの理由と解決策を解説

ロジックツリーを作成したら実行する

ロジックツリーを作るだけで満足してしまったは意味がありません。逆に、作成の時間をかけただけで、仕事が非効率になってしまいます。

問題の原因や解決策が具体化したら、その策を必ず実行してください。その後、実行した結果をまとめることも忘れないようにしましょう。

「ロジックツリーで導き出した行動は正しかったのかどうか」
「もっと効率的な方法はなかったか」
「実施する期間は適切だったのか」

などを再度考えてください。こうして思考と実行を繰り返すことで、より洗練された施策にたどり着けます。

さいごに

ロジックツリーは、ビジネスで発生した問題解決、論理的思考理力の向上に役立つ大切なフレームワークです。覚えておいて、使えるようにしましょう。

現状を分析していけば、問題の解決策は必ず見つかるはずです。その手段の一つとして、ロジックツリーをお役立てください。

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Nakano Ginjiro Nakano Ginjiro
TECH::NOTEのライターとして、日々IT技術の進歩と奥深さを感じながら記事を書いています。 個人でブログも運営しています。少年漫画とテニスが好きです。
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