「高卒で就職するのは大卒よりも不利なの?」
「高卒は大卒よりも稼げないの?」
「高卒と大卒では生涯年収の差が大きいって本当?」
現在あなたはこう悩んでいませんか。
高卒は大卒よりも就職に不利というイメージを持っている方は多いと思いますが、それは誤解です。
この記事ではこれから高卒就職を考える人に向けて、知っておくべきことや、高卒就職のメリット・デメリットを解説します。
高卒就職を考えるときに知っておくべきこと
はじめに冒頭で紹介したような、高卒就職に関してよく挙がる疑問について解説しましょう。
高卒=就職に不利とは限らない
まず「高卒は大卒よりも就職に不利?」という疑問ですが、そうとは限りません。
以下の記事によると、2018年度卒の高卒就職率は98.2%を記録。これはバブル期並みの高さだといいます。
同データの大卒者の就職率が97.6%ですから、高卒者が大卒者よりも就職率で不利とは言い切れないことがわかるでしょう。
参照:大卒就職率97.6%好調維持 高卒98.2%、バブル期並み:社会(TOKYO Web)
高卒=給料が安いとは限らない
次に「高卒は大卒よりも稼げないの?」という疑問ですが、確かに初任給は大卒者よりも高卒者の方が低いのがデータとして出ています(金額は後ほど提示)。
しかし専門教育を受けた高卒者で専門職に就職する場合はこの限りではありません。
生涯年収は自分次第
続いて生涯年収についてです。高卒者が大卒者よりも初任給が低いことから、生涯年収も低くなるイメージがあるでしょう。
しかしこれも、実際のところは自分次第。高卒でも着実にステップアップして年収を上げられる人はいます。
誰もが知るところで言うと、株式会社ZOZO創業者の前澤友作氏も学歴は中卒です。後ほど改めて紹介しますが、中卒で起業し、いまでは誰もが知る有名企業の社長になっている方もいます。
ただし大卒者でないと応募できない求人も
ただし、高卒者の就職先が大卒者よりも狭まる可能性はあります。なぜなら大卒者でないと応募できない求人があるからです。
未だに条件として「大卒以上」と提示している求人はあります。そのような求人に応募できないことは大卒の人と比較するとマイナスの面と言えるでしょう。
次の項目からはより詳しく、高卒就職のメリット・デメリットを解説していきましょう。
高卒就職のメリット
まず高卒就職のメリットについてです。今回は以下4つのポイントで解説します。
- 費用負担が少ない
- より早く自立できる
- 社会人経験が長く詰める
- 「やりたいこと」より早く模索できる
大学進学の費用負担がない
大学進学にはさまざまな費用がかかります。まず入試を受けるのでさえ受験料がかかりますし、遠方の大学であれば宿泊費等もかかるでしょう。
さらにいざ進学するとなると一人暮らしの生活費や家賃、学費などあらゆる費用がかかります。
リクナビ進学によると、国立大学の4年生学部の場合、学費やそれらに関する費用だけでも、卒業までに2425,200円かかるとされています。
ここで出てくる選択肢が学費を奨学金で賄う方法ですが、そうなると社会人になった時点で毎月のローン返済がはじまります。
借りる際はそこまで意識していなかった返済が、「社会人になってあたらめて負担に感じる」というのはよくある話です。
このようなことも踏まえ、「大学に4年間通って特に学びたいものがない」という場合は、大学進学の費用負担をなくすために高卒で就職するのも一つの道でしょう。
より早く自立できる
高卒で就職すると、大卒者よりも早く自分で稼ぎ、生計を立てる力をつけられます。
大学に進学すると周囲の環境の変化もあり、「親に学費を払ってもらいながら勉強している意識」がなかなか保てなくなるもの。
中には無計画に過ごしてしまい、大学卒業時に「4年間何やっていだのだろう」と感じてしまう人もいます。
たとえ家庭の事情で進学を諦めざるを得ない場合も、一旦社会に出て自分の力で稼ぎ、貯めた資金で再度大学進学の道を目指すこともできます。
その場合は高校から大学に進学するケースよりも、意識を高く保てるでしょう。
社会人経験を長く積める
高卒で就職すると、18歳から社会に出ることになります。大卒者は一般的に22歳で社会に出ることになりますので、この社会人として4年間の差は大きいでしょう。
高卒者のほうが「組織の一員として働くとはどのようなことなのか」をより早く実感できると言えます。
そのうちに「大学を出ていればよかった」と思うような経験が出てくるかもしれません。
しかし本当に学ぶ意欲があれば、社会人になってからでも大学へ行ったり、専門スクールで学んだりすることは可能です。
「社会に出てやりたいこと」をより早く模索できる
大卒者よりも早く社会に出られると、より早く「社会に出てやりたいこと」を模索できます。
たとえ大学で4年間学び、時間をかけて就活を行い「これだ」と思えるような会社に入社できたとしても、実際に働き始めて「思っていたのと違った」となるケースはあります。
また就職して5年あたりで転職を考えはじめる場合、大卒者ですとそのころはもう20代後半。「この年齢から雇ってもらえるところはあるのだろうか」と不安に感じる人もいるでしょう。
その点高卒者の場合は入社して5年を経てもまだ23歳。この差は大きいでしょう。
より早く社会に出て「自分の働き方」を模索でき、かつ次のステップへ進むハードルも低いのも、高卒就職のメリットと言えます。
高卒就職のデメリット
一方、高卒就職はデメリットも存在します。今回は以下の5つのポイントで解説しましょう。
- 初任給が低い
- 選択肢が狭くなりがち
- 大学生活を経験できない
- 専門知識をより深く学べない
- 高卒ですぐに就職できない可能性
初任給が低い
一般的に、高卒者と大卒者では初任給に差があります。以下は厚生労働省が発表した、平成30年の大卒者と高卒者の初任給です。
- 大卒者: 207,000円
- 高卒者:165,100円
つまり大卒者と高卒者の初任給には41,900円の差があることがわかります。
しかし前述したように大学進学には相応の費用がかかりますし、奨学金を利用する場合はこの給料からローン返済がはじまりますので、実際に手元に残る金額ベースで考える必要もあるでしょう。
選択肢が狭くなりがち
求人の中には大卒者でないと応募できないものがあります。そのため高卒では必然的に選択肢が狭められることも。
また高校は3年間で、大学の4年間に比べると時間的制約があります。
将来を考える時間があまりないまま就職先を選ぶことになるため、結果的に将来に向けて視野が広げられず、選択肢が狭くなることも考えられます。
大学生活を経験できない
「高卒就職はより早く社会人として自立できるメリットがある」とはいえ、やはり同年代で大学生活を送る人を見て憧れを抱くこともあるでしょう。
大学のサークル活動や勉強しながら一人暮らしすることへの憧れを、社会人になって改めて感じる人もいます。
専門知識をより深く学べない
大学は学部によって学ぶものが異なります。4年間を通じて専門知識を深める場なのです。
3年次には研究室やゼミへの配属、卒業前には卒業論文制作・発表など、学術的なあらゆる経験ができるでしょう。
このような知識が必ずしも社会人生活で役立つとは限りませんが、専門分野を突き詰める経験は貴重です。
高卒ですぐに就職できない可能性
万が一高校卒業後の就職先が決まらなかった場合、高卒からしばらく空白期間ができることに。
アルバイトなどで生計は立てられるかもしれませんが、いざ就職する際、その期間は「ニート」とみなされ、不利に働く可能性があります。
これは大卒者でも起こり得る話ですが、学んできた期間に差があるため、高卒の方が不利になる傾向があります。
高卒就職で目指せる職業
では高卒で目指せる職業にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは比較的高卒者でも目指しやすい職業を8つ紹介します。
営業職
「高卒でも大卒と変わらずに稼ぎたい」と考えている方は、営業職はいかがでしょうか。
営業職と一口で言ってもあらゆる業界がありますので、その業界の知識を学びながら働く必要があります。しかし営業職は学歴関係なく成果をあげれば評価される職種でしょう。
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販売・接客
販売や接客業は高卒でも採用されやすいです。基本的に学歴関係なく、人と接するのが好きな人に向く職業でしょう。
高校在学中に販売・接客のアルバイト経験を持つ人も多いでしょうから、ハードルも低いと言えます。ただし週休二日制ではない可能性が高いです。
事務職
コツコツと決まった業務を行う事務職は、企業にとって縁の下の力持ち。人のサポートが好きな人が向く職業でしょう。
基本的なPC業務(ワード・エクセル・パワーポイントなど)が可能であれば、高卒でも採用されやすいです。ただし近年はさまざまなITツールが開発されており、単純作業が機械化されているのも現状です。
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プログラマー(PG)
技術があれば学歴は関係ない仕事がプログラマーです。
さらに近年はIT市場の成長が著しく人材不足が深刻な状況。つまりIT人材は引く手数多です。
キャリアアップを目指す場合も、大卒者よりも早く現場に出ている分有利にはたらく可能性もあります。
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公務員
公務員は高卒で目指せるものと目指せないものがあります。
高卒でもなれるものは警察官、消防官、行政事務学校事務、警察事務など。もちろん公務員試験に合格する必要があります。
工事・建設現場に関する職業
いわゆる“ガテン系”も高卒者が就きやすい職業でしょう。例えば鳶職などは高い給料を得られる職業として知られます。
一方で怪我などのリスクがあったり、体力勝負であったりする部分は理解しましょう。技術を身につけ独立する道もある分野です。
トラック運転手
運転免許があれば目指せる職業です。2017年3月の法改正以前は中型トラック運転には免許保有期間の制限がありました。
しかし法改正後は準中型免許が新設。車両総重量3.5t以上7.5t未満、最大積載量2t以上4.5t未満の中型トラックであれば、免許保有期間関係なく高卒者(18歳以上)でも運転可能です。
介護職
介護職も高卒者が目指せる職業の一つ。体力や医療に関する知識も必要ですが、後期高齢化社会を支える重要な仕事です。
人材不足が深刻な業界でもありますから、学歴関係なく、やる気があれば採用される可能性が高いでしょう。
高卒で就職先を見つけるには
高卒で就職先を見つける方法は、
- 高卒向けの就職支援サービスを利用する
- 高卒に特化した求人サイトを利用する
- 高校から紹介してもらう
といった方法があります。詳細については「高卒で就職先を見つける5つの方法と就職以外の選べる道」をご覧ください。
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