中小企業や大手企業に勤める人の中にも、ベンチャー企業に興味を持つ人が増えています。
「自分の力を存分に発揮できそう」「企業とともに自身も成長できそう」など、理由は様々。ベンチャー企業に対する期待値が高いことは確かです。
しかし、実際にベンチャー企業へ転職を果たした際、実情を知って後悔をする人や、想定外のリスクに直面した人、期待した年収には届かなかった人の声も聞かれます。
そこで本記事では、後悔しないためのベンチャー企業へ転職する前に知っておくべきメリットとリスクを紹介します。
この記事の目次
そもそも「ベンチャー企業」とは?
そもそも「ベンチャー企業」とは何かというと、会社設立3年前後で未上場の若い企業で、世の中に浸透していない革新的な商品・サービスを提供する企業を指します。
もっとも、明確に定義されている言葉ではありません。しかし、ここ数年注目され始めた新進気鋭の勢いがある企業に対してよく使われる印象です。
また同様の企業として「スタートアップ企業」もあり、ベンチャー企業とスタートアップ企業は似ているようで若干異なります。
これらベンチャー企業の詳細は、「ベンチャー企業の「ベンチャー」はどういう意味?就活前に知っておこう」で解説しています。
合わせて参考にしてみてください。
大手と比較したベンチャー転職のメリット6つ
大手と比較したベンチャー企業への転職には、以下6つのメリットが挙げられます。
- 幅広い仕事に挑戦するチャンスがある
- 事業のスピードが早く経験も積める
- 事業に貢献している感覚が強い
- 経営層の近くで働ける
- 新規事業を任されるチャンスもある
- 同じような志を持っている人と働ける
幅広い仕事に挑戦するチャンスがある
従業員が少ない企業も多いベンチャーでは、会社組織に必要な業務を個々が行うケースも多いため、幅広い仕事に挑戦するチャンスがあります。
例えば、プログラマーがクライアントと仕様を固めるSEの役割を果たしたり、営業を兼任したりと、大手企業では役割分担されている業務を兼務することも多いのです。
特定の仕事に集中できないという懸念もありますが、事業に必要な業務を経験できることは大きなメリットになります。
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事業のスピードが速く経験も積める
ベンチャー企業が行う事業は、世の中を見渡しても新しい事業が多いため、意思決定のスピードは速くなります。
意思決定のスピードが速いということは、必然的に業務スピードも上がるのです。
仕事のスピードを体感することで、自身の判断力や仕事の効率化を身につけることができ、それは将来の大きな武器となるでしょう。
事業に貢献している感覚が強い
ベンチャー企業で上げる成果は、会社の売上に直結することがほとんどです。成果が数値に表れるわれることであなたが事業に貢献していることをダイレクトに感じられます。
大手企業では、組織という大きな単位で物事が進むため、この感覚が薄れてしまいがちです。
しかし、ベンチャー企業で体感できる「事業を動かしている感覚」は自信にもつながり、より仕事へのやりがいを感じられるでしょう。
経営層の近くで働ける
ベンチャー企業へ転職する上で、大きなメリットになるのが経営層に近いということです。
事業を成功させるためには、少人数の従業員がすべて同じ目的に向かって仕事をします。つまり、全員が経営者の視点で物事を考えなければならないということです。
それは、目標の共有から仕事の進め方、売上に至るまですべてです。
事業が順調に進むことも、毎月の資金繰りに胃を痛める環境も、それが経験できることは大きなメリットと考えて良いでしょう。
新規事業を任されるチャンスもある
ベンチャー企業では、大手企業よりも新規事業を任されるチャンスが多いと言えるでしょう。
経営者の力が強い企業もありますが、多くのベンチャー企業では、社員の意見を取り入れてビジネスに反映している傾向があります。
自分の中にビジネスのアイデアがあるという場合は、それを提案することで新規定業となり、舵取りを任せてもらえる可能性も高いというメリットがあります。
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同じような志を持っている人と働ける
企業が目指す方向をしっかりと共有できるのも、ベンチャー企業へ転職するメリットです。
少人数であればあるほど、同じような志を持った人が集まっていることでしょう。
例えば、自分たちが作り出したサービスを、一つでも多く世の中に送り出したいという思いも、仕事に対する高いモチベーションの維持につながります。
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ベンチャー転職で感じる不安・起こりうるリスク6つ
ベンチャー企業へ転職する前に、メリットと合わせてベンチャー企業に対する不安や、起こりうるリスクを確認しておきましょう。
ベンチャー企業へのイメージのギャップや年収ダウン、やりたい仕事ができない可能性など、転職後に起こるミスマッチや戸惑いの払拭に役立ちます。
- 転職前のイメージとのギャップ
- 会社自体の将来性
- 年収ダウン
- 想定していた仕事ができない可能性
- 研修が設けられていない
- 知名度がないうちは他社との取引に苦労することもある
転職前のイメージとのギャップ
ベンチャー企業への転職でだれもが直面するのが、イメージとのギャップです。
ベンチャー企業のイメージは、自分の実力を存分に発揮して、企業とともに自分も成長でき、比較的自由度の高い環境で仕事ができるという印象があります。
しかし、ある程度業績のあるベンチャー企業の場合、実際に転職してみると大企業の組織と変わらなかったり、意思決定のスピードが思ったよりも遅かったりと、イメージとのギャップを感じることがあるのです。
また、中小のベンチャー企業では、少人数で事業を進めるがゆえに、ひとりひとりの担当業務が多く、思ったほど自由に仕事ができないという場合もあります。
ベンチャー企業とは、これまでにない新しい事業を作り出している企業です。経験や斬新なアイディアを生かせる職場でもありますが、その他の企業と同じように、組織的な動きも想定しておく必要があるのです。
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会社自体の将来性
ベンチャー企業は、これから新しい事業を成功させなければなりません。それは、事業の成功が会社の存続を左右するからです。
ベンチャー企業へ転職する場合は、会社の将来性自体をリスクだととらえる必要があります。
もちろん、事業が世の中とマッチし、大きな利益を出せれば企業は成長しますが、事業が波に乗るまでは、いつ職を失ってもおかしくない状況です。
固い地盤の上にある企業と比べれば、会社の将来がわからないという面が最大のリスクといえるでしょう。
年収ダウン
大企業や中小企業からベンチャー企業へ転職した場合、年収ダウンのリスクがあります。
テレビCMを打ち出すような大手ベンチャー企業への転職ならば、年収がアップする可能性はありますが、すべてのベンチャー企業がそれに当てはまるわけではありません。
少人数でこれから実績を積んでいくベンチャー企業は、むしろ年収は少なくなると考えた方が良いでしょう。
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想定していた仕事ができない可能性
あなたが経験してきた実績とスキルを存分に発揮し、それが企業の成長に直結しやすいのはベンチャー企業です。
しかし、規模の小さなベンチャー企業ほど、社員ひとりひとりの業務範囲は広くなります。
例えば、プログラマーとしての高いスキルを持っていたとしても、SEの人数が限られている企業であれば、クライアントとの打ち合わせや調整に多くの時間を取られる可能性も高くなります。
また、企業トップの意思が強く反映される環境で、自分の意見がトップの裁量のみで却下されれば、ベンチャー企業で働くというイメージとの大きなギャップに悩まされます。
研修が設けられていない
設立間もないベンチャー企業には、新人を教育するノウハウも工数もありません。求められるのは即戦力で、事業の目的(ゴール)を共有したら各自が自発的に行動します。
つまり、入社していきなり実務に入るというケースも珍しくないのです。
未経験の業界や職種だと、周りの業務スピードにもついていけず、心が折れてしまう可能性も高くなります。
知名度がないうちは他社との取引に苦労することもある
知名度の高いベンチャー企業は、クライアントの方から仕事が来るでしょう。しかし、実績の少ないベンチャー企業は、自ら売り込まなければなりません。
アイディアはよくても、信頼関係はこれから構築していく必要があります。
また、新規性のある事業の場合、その事業が成功するのかどうかのプレゼン難易度も高いものとなります。
仕事を獲得するための努力と、実現できるものにギャップを感じてしまうことも多いのです。
ベンチャー企業への転職に向いている人の特徴6つ
ベンチャー企業で働くことに向いている人の特徴には以下6つが挙げられます。自分はどうか?確認してみましょう。
- 主体性がある人
- 自分の考えた企画をビジネスにしたい人
- 新しい物事に興味を持っている人
- スキルアップを怠らない人
- 柔軟な考え方ができる人
- ポジティブ思考な人
主体性がある人
ベンチャー企業では、目標達成に向かってひとりひとりが自発的に行動しなければなりません。一つの目標を共有した後は、その後細かな指示が来ることはないでしょう。
なぜなら、事業が成功するための答えがないからです。
事業成功のために今何をすべきか、どのようなプロセスが効率的かを考え、動く主体性を持つ人が、ベンチャー企業に向いています。
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自分の考えた企画をビジネスにしたい人
自分が考えた企画をビジネスとして実現したいならば、起業するか、あるいはベンチャー企業への転職が良いでしょう。
アイディアを世に出したいという意欲は、自ら考え、行動する力になるからです。
新しい物事に興味を持っている人
新しい技術や物事に興味を持っている人は、日ごろからたくさんのアンテナを張れますし、細かな情報に気付ける人材だといえます。
新しいことを実現したり取り入れる人は、変化を恐れず、チャレンジすることを楽しみます。つまり、新しいことを生み出すベンチャー企業に向いているということです。
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スキルアップを怠らない人
ベンチャー企業は新しいことを生み出す企業です。そのためには、常に自身のスキルアップが必要とされます。
学び続けることを怠らず、時間やお金を自己投資できる人は、新しい環境へ進む準備ができている人だといえるでしょう。
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柔軟な考え方ができる人
柔軟な考え方は、新しい事業を成功に導くために必要なスキルだといえるでしょう。
設立して間もないベンチャー企業は、自分たちのアイディアをどのように世の中へ売り込むか、工夫が必要です。
実績が少ないということは、信用度も低いということですが、その状況から、いかに柔軟な考え方で事業を成功させるかが問われます。
ポジティブ思考な人
ベンチャー企業が進める事業は、大手企業とは違い、スムーズに進行しない場面も多いでしょう。
このとき必要なのがポジティブな思考と精神のタフさです。
例えば、営業でのプレゼンが上手くいかなかったとき、「ならば、別の方法でやってみようか」というポジティブな思考は、企業全体の空気を良くします。
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ベンチャー企業へ転職したときの年収はどれくらい?
現在、中小企業や大企業に勤める人がベンチャー企業へ転職すると、年収が下がること自体は決して珍しくはありません。
コンサルタントやITエンジニアといった専門職の場合は、年収が上がることも期待できます。しかし、平均的には400万円〜500万円といった求人が多いようです。(参考元:type)
年収が下がってしまったとしても、やりたい仕事があったり、将来的に収入が上がる可能性があったりするのであれば、ベンやー転職に踏み切るという選択肢もありです。
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まとめ:後悔しないベンチャー転職をしよう
ベンチャー企業は、自分の能力を発揮しやすい場所です。
しかし、ベンチャー企業への転職で後悔しないためには、あらかじめリスクやメリットを検討し、あなたが最も優先する働き方に合うか否かを検討しましょう。
ベンチャー転職のコツを知りたい方は、「ベンチャー転職のコツ5選。失敗する人の特徴や成功事例も」も参考にしてください。
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