「就職・転職を考えているが、志望先が圧迫面接をしている企業かもしれない」というような不安を抱えていませんか?
就職・転職活動を行う際、応募先の企業の情報を詳しく事前に知ることは難しく、どのような面接スタイルをとっているかも本番までわかりにくいです。
実際に圧迫面接をされて、何もできず一方的に傷つけられた気分になったという方もいることでしょう。
選考を受けていると出会うかもしれない圧迫面接とは一体どのようなものなのでしょうか。そもそもなぜ圧迫面接をする企業があるのでしょう。
この記事では、圧迫面接を行う企業の意図や、対処法について紹介します。
この記事の目次
圧迫面接とは
圧迫面接とは、面接の担当者が意図して批判的・否定的な質問や発言する面接のことです。
採用面接の形式上、立場は企業側の方が上になる傾向があります。だからといって、採用担当者が立場の上下が明らかになるような振る舞いをするのは望ましくありません。
企業側と応募者との認識にズレがないよう、できる限りイーブンに近い関係を作るのが理想的です。
しかし、中には応募者を追い詰めるような面接を行う企業もあります。
圧迫面接を受けた人の割合は10〜30%
他サイト調査によると、圧迫面接を受けたことがあると回答した就活生の割合は10〜30%ほどという結果となっています。
割合としては決して多い数値ではありませんが、就職活動を行う上で絶対に圧迫面接に遭遇しない、とは言い切れません。
企業のコンプライアンスが注目を集める昨今、圧迫面接を行う企業の数は減少しつつあります。しかし、圧迫面接をされる可能性は0ではないのです。
いつどの企業でされるかわからないので、注意は必要と言えます。
調査データ元:
「すべらない話をしろ」「一人っ子はいらない」本当にあった圧迫面接の怖い体験談
なぜ圧迫面接をする企業があるのか
応募者を批判するそもそもなぜ圧迫面接をする企業があるのでしょうか。
応募者のストレス耐性を見るため
もっとも多いのが、「応募者のストレス耐性を見るため」という理由です。
仕事上、理不尽に怒られることが多かったり、厳しい職場環境だったりすると、採用してもすぐに辞めてしまう可能性が高くなります。
例えば職場の文化や社風が厳しく、体育会系と言われるような会社だったり、業務内容がクレームを受けるなど精神的にダメージを負いやすいという場合です。
そのため事前に圧迫面接をすることで、応募者がどの程度ストレスを感じ、それをうまく対処できるかどうかを調べる意図があります。
単に態度の悪い面接官もいる
中には特に意図があるわけでもなく態度の悪い面接官や、応募者を落とそうとしてわざと圧迫面接をしてくる面接官もいます。
このような面接官に当たってしまった場合、不運かもしれませんが諦めるしかないでしょう。
対策としては、それでも採用になる可能性を信じて、普段通りの振る舞いで面接を乗り切るしかありません。
具体的な圧迫面接の事例
圧迫面接には厳密な定義があるわけではありません。
しかし、面接官が以下のような態度をとっている面接は圧迫面接であると言えるでしょう。
面接官の態度や口調が威圧的
・机に肘をついたまま質問する
・応募者に対してあからさまに興味がなさそうな態度をとる
・上から目線の口調で話しかける
面接官がこのような態度だった場合、圧迫面接と言えます。
態度や口調をあえて威圧的にすることで、応募者が怯んだりしないか、どのように切り返してくるのかを試しているのでしょう。
表情がなく冷たい視線を向ける
面接官が表情を一切変えず、にらみつけたりよそ見をしたりするような面接も、圧迫面接であると言えるでしょう。
言葉には出さずとも、表情や視線だけでも威圧感を与えることは充分可能です。
応募者の意見を否定する
圧迫面接では、応募者の意見をすべて「絶対に無理」「自分はそう思わない」「その考え方はおかしい」などと言って批判するというようなこともあります。
意見だけではなく、人間性やこれまでの経歴すらも否定してくる面接官もいるようです。
面接は応募者の考えを知り、双方のマッチングを図る場であるべきです。しかし、応募者の意見を否定して考えを改めさせたり、議論するというのは、面接官が面接の趣旨を理解していないとさえ言えます。
このような圧迫面接では明らかな上下関係が構築されており、一方的に相手の尊厳を傷つけるような行為をするのです。
怒鳴る・暴言を放つ
応募者に向けて突然怒鳴ったり、罵るような暴言を放ったりすることもあります。
「君はウチの会社に向いていない」などの発言をする面接官もいるようです。
このような態度をとる面接官がいる会社は、ミスをした時に怒鳴ったり暴言を放って、社員の人格を否定したり、精神的に追い詰めるような文化である可能性が高いです。
「なんで?」と質問攻めにする
応募者がやがて答えに困るのをわかっていながら「なんで?」「なぜ?」と質問を連発する圧迫面接もあります。
質問をしつこくたたみかけるのは、その回答を知りたいからではなく、狼狽えたり、答えに窮してしまわないか、その応募者の態度を見ようとしているからなのです。
人数で圧迫する
一人の応募者に対して複数名の面接官が対応し、威圧的な態度をとることもあります。
一対一の時以上の圧迫感を与えられますし、複数人から質問攻めなどにあうと、気分も滅入るでしょう。
プライバシーに関わる質問やジェンダーに触れる発言
家族や個人情報などプライバシーに関わる質問や、性別に関わる質問や発言は、就職差別につながるため本来面接で質問するのはNGとされています。
圧迫面接では、これらについて踏み込んでくることも考えられます。
個人情報やプライバシーに関わる質問は、「お答えできません」と回答を断るなど、毅然とした態度で乗り切りましょう。
圧迫面接をされたらどうすればいい
では、実際に圧迫面接をされたらどうすればいいのでしょうか。
以下の行動を理解しておき、相手のペースや空気感に流されないよう注意しましょう。
面接官の意図を理解して冷静に対応しよう
何よりも大切なことは、面接官の意図を理解して冷静に対応すること。上記で解説した通り、面接官は応募者を試すために、わざと威圧的な態度をとっているのです。
もし、面接官の意図を知らないままだと、その威圧的な態度に動揺してしまうかもしれません。しかし「面接官は自分を試すために圧迫面接をしている」と見抜けたなら、冷静に考えを巡らせることもできます。
一度冷静になったらあえて感情的にならず、自分の思っていること、用意した答えを伝えましょう。
うまく対応できればストレス耐性があると判断され、採用に近づくかもしれません。
穏便に切り上げることを考える
もし圧迫面接に遭遇し、憤りを感じるような目にあった場合は、まず穏便に切り上げることを考えましょう。
面接官から一方的に言われ、立場上、議論するわけにもいかない応募者側ですが、面接の印象が悪ければ次の面接、内定を辞退することも可能です。
そもそも面接とは、面接官が応募者を一方的に判断するのではなく、応募者側も対等に会社を判断する場です。嫌な印象を持った企業に無理に入社する必要はありません。
お互いの意見が合わなかったということで面接は穏便に切り上げ、断ってしまいましょう。
前述の通り、圧迫面接を行うような企業は、企業文化も似たようなものであることが多いです。そのため面接の段階で嫌悪感を感じた場合、無理に入社しても、社風が合わずにやめてしまうことになるでしょう。
感情的になってはいけない
圧迫面接をされると、面接官の言葉や態度に、つい怒りの感情がこみ上げてきてしまうかもしれません。
だからといって面接官と口論になったり、面接途中でその場を後にしてしまったりといった感情的な行動は絶対に控えましょう。
感情的な行動をとって、言い返したりしてしまっては採用の可能性はほぼ0になってしまいます。本当に行きたい会社なのであれば、そのような態度は取るべきではありません。
また学生の場合、あなたの在籍する学校に連絡されてしまうことも考えられます。感情的な行動をとってその場はスッキリできたとしても、あなたにとってプラスに働くことはまずないでしょう。
面接後の過ごし方
もし圧迫面接に遭遇してしまった場合、面接後は以下のように過ごしましょう。
圧迫面接で落ち込んだ気分をいつまでも引きずるのはよくありません。
次の面接に向けて準備しよう
圧迫面接で嫌がらせのような態度を取られたら、仕返ししたくなるのも無理はないでしょう。
ですが、何かしらの手段を講じて圧迫面接をしてきた企業を訴えたり、SNSに投稿しようなどと考える必要はありません。
もしSNSに投稿することで気分は晴れても、その投稿が思いもよらず拡散して、あなたのことが様々な人に伝わってしまう恐れもあります。
就職・転職活動を成功させるためには、「圧迫面接を受けたことなどすぐに忘れて他の企業の面接に向けて準備する」というのが、もっとも適した過ごし方と言えそうです。
悲しい気持ちはきれいサッパリ洗い流そう
圧迫面接で傷ついたときは、友人と遊んだり、趣味に没頭したりして洗い流してしまいましょう。
いつまでも考えてしまうと、メンタルも消耗しますしそもそも時間の無駄です。
入社することのない会社のことで気を病んでしまわず、次の面接に挑んでください。
本当に圧迫面接?勘違いしていないか振り返ろう
注意しなければならないのが、本当に圧迫面接だったのかという点です。
もしかすると、あなたが圧迫面接だったと思っているだけで、実際は違う可能性もあります。
難しい質問が立て続いただけ
ただ単純に自分にとって難しい質問が続いただけという可能性はないでしょうか。
例えば企業の視点に立って考えて見ましょう。
企業の面接官は、応募者がなぜ自分の企業に入りたいと思ったのか、詳しく知りたいと考えるはずです。しかしその志望動機をしっかりと事前に言語化できていなければ、うまく受け答えできないので、面接官にも伝わりません。
そんな時、面接官は純粋にあなたの考えをもっと深く知りたいと考えて、何度も質問してくるでしょう。
この場合、圧迫面接とは言えません。準備不足の結果、自分にとって難しい質問が来ただけだと考えられます。
面接官の態度を過剰に受け取ってしまった
面接官が年上の場合、その場を和ませようとしてフレンドリーな態度で接してくることもあります。
例えば、「出身地はどこ?」「恋人はいるの?」など。
それを過剰に受け取ってしまっている場合も考えられるでしょう。「敬語を使わずに上から目線だった」「プライベートについて質問された」と思い込んでいませんか。
これらは面接官なりの配慮であり、決して応募者を威圧しようとしたわけではありません。
反対に、面接官の淡々とした口調などを過剰に捉え「冷たくされている」と考えすぎてしまっていることもありえます。
面接官に問題はないという場合もあるので、客観的な判断も必要です。
不採用になったことを根に持ってしまった
企業は様々な基準で応募者の選考を行います。その過程で、応募者の性格面や技術、経歴を判断し、選考通過・見送りの判断を下します。
仮に不採用になってしまった時、それを根に持って「面接が圧迫面接だった」と、半ば逆恨みのような思考になってしまわないように注意しましょう。
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圧迫面接してきた企業に入社する必要はない
前述の通り、圧迫面接をする企業に無理に入社する必要はありません。
特別な思い入れがあり、なんとしても入社したい企業であれば別ですが、いくつか候補があるうちの一企業というくらいであれば、次の選考は受けなくてもよいでしょう。
印象が悪くなってしまったのならなおさらです。企業に対する悪い印象を持ったまま働いても、仕事に対するモチベーションは上がらないもの。結果も出ず、あなたのキャリアにプラスとはなりにくい可能性があります。
もし「ストレス耐性を見るために圧迫面接をした」という企業側の意図があったとしても、すなわちそれは「うちの職場は罵詈雑言が飛び交うとても厳しい環境」と言っているようなものです。
もし圧迫面接をされた場合、そのような会社に飛び込まず、他の会社を検討した方がよいのではないでしょうか。
さいごに
圧迫面接について、企業側の意図や対処法などについて解説しました。もし圧迫面接を受けたとしても、普段通り冷静に対処しましょう。
世の中に、企業は無数にあります。自分に合わない企業の選考を無理に受けるのではなく、時間を有効に使って、自分にぴったりの企業を探してください。
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