あなたは「いまの会社を退職したい」と思っていませんか。もし、いまの会社ではあなたが願うようなキャリアアップが望めないなら、退職を考えるのも無理はありません。
しかし、転職を考えているけれど、今の会社に大きな不満があるわけではないなら、即刻退職したいわけではないでしょう。
この記事の目次
転職活動の成功には退職のタイミングの見極めが重要
転職とは、いま勤務する会社を「退職」し、新しい会社に「就職」することを意味します。転職するためには、いまの会社を退職しなければなりません。
ですので、退職のベストタイミングを考えるには、転職活動をいつスタートさせるかが大きく関係してきます。
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退職時期から転職活動のスケジュールを考える
まず、「在職しながら転職活動」するのか「辞めて求職活動に専心」するのか、選択しなければなりません。
在職しながら転職活動
「在職しながら転職活動」する場合は、あなたの希望する退職時期から逆算して、転職活動のスタート時期を考える必要があります。
「在職しながら転職活動」するには、まず円満に退職できる時期をしっかりと見極めましょう。それには、転職先として志望する業界をリサーチし、転職者として応募しやすい時期を知ることが大事です。
転職の難易度も、準備期間の長短に関わってきますのでよく調べておくことが重要です。その他にも、面接のための有休確保など「退職前にやるべきこと」はたくさんあります。
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辞めて求職活動に専心
「辞めて求職活動に専心」する場合は、失業期間中の経済面をどうするのか先に考えておく必要があります。後ほど詳しく説明します。
転職活動から退職は3カ月程度が目安
一般的に、転職活動から内定までは1カ月から3カ月かかるといわれています。転職先から内定をもらってからいまの会社を退職するまでは、1カ月程度を見るのが目安となっています。
ですので、両方の期間を合わせると、3カ月から4カ月程度は見た方が良いのです。
退職に関する社内規定によって退職までの期間は異なるので注意
働いている会社によっては「退職に関する社内規定」がある場合があります。退職を検討する場合には、必ず社内規定を確認しましょう。その規定に従う必要があることはいうまでもありません。
上記の退職までの期間はあくまでも目安です。会社によっては、2カ月前に退職届の提出が定められていることも考えられます。
退職の最適なタイミングについて
退職の最適なタイミングとしておすすめなのは、12月と3月です。12月は年末、3月は年度末だからというわけです。
またプロジェクトが終了した後も、退職の申し出にはベストタイミングです。
しかし、この時点では申し出をおこなうに留めて、同僚たちに退職の話はまだしないでください。うわさが先に立ってしまうと、円満な退社ができなくなる事態に陥るかもしれないからです。
他にも、退職を申し出るにはおすすめのタイミングがあるので以下で挙げていきます。
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閑散期を選ぶのベスト
「閑散期」は、退職申し出のタイミングとしては最高です。上司も人間ですので、閑散期はスケジュールにも気持ちにも余裕があるのでおすすめなのです。
繁忙期は忙しすぎて、退職を申し出るタイミングとしては最悪になります。全員が立て込んでいる時期なので、いくら深刻な面持ちで申し出ても、取りあってもらえない可能性があるからです。
会社の体制が変わる前
会社の体制が変わる前に退職を申し出るのも良いでしょう。逆に、人事異動の後はタイミングとしては良くありません。
もしあなたが大任を仰せつかったり、引き受けたりしていた後は、なおさら退職しにくいです。退職のための引き継ぎも、より大変な事態になることは間違いないでしょう。
後輩が成長したタイミング
後輩があなたの業務をほぼカバーできるくらいに成長しているなら、転職時期のタイミングとして好ましいといえます。
なぜなら、場合によっては、退職にあたって後継者のためのマニュアル作成が必要になるのですが、その必要がないなら、手間も時間も殆どかからないからです。あなたの退職が与える会社への影響も小さいでしょう。
会社という組織は常に人を育てるところなので、後継が育ったところであなたが退職するなら「申し訳ない」と思う必要はありません。
後輩を十分に後継者として成長させたなら、そこまで気にせずに退職を申し出ることができるはずです。
賞与(ボーナス)をもらってから
賞与(ボーナス)をもらう前より、もらった後の方が退職を申し出るには最適です。転職を考えているなら、お金はあるに越したことはありません。もらえるものはしっかりもらいましょう。
夏のボーナスは6月や7月、冬のボーナスは12月または3月など、時期は会社によって異なりますが、これらのボーナス支給の後に退職を申し出た方がトラブルが起きにくいのです。
なぜなら、あなたの勤務先が中小企業の場合、ボーナスの支給額は上司や経営者の心象による場合があるからです。この場合、ボーナスの支給前に退職したいと申し出ると、減額されたりひどい場合には「支給対象にならない」として全くもらえなくなったりという場合もあるかもしれません。
大企業であれば、ボーナス支給のしっかりとした規定があるため、このようなことは起こらないでしょう。
ボーナスの支給後、1〜2週間で退職届を提出するのがベストタイミングです。それ以前に既に内定をもらっていたとしても、ベストなタイミングを待ちましょう。
求人が多い時期に合わせる
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)―労働市場関係指標」
上記のグラフは、平成14年から28年の月別有効求人数を平均化したものです。(新卒向け求人やアルバイト求人を除いたもの)お分かりのように、10月と3月にピークがきています。
ですので、求人の多い時期である3月と10月にあわせて転職活動をおこないましょう。
3月を目指す場合には1月から転職活動
一般的に、年度末である3月は退職者が多い時期です。そのため、欠員を補充するために求人数が激増しますが、実はこの時期に転職活動をするのはベストではありません。
3月は人事部が特に忙しい時期ですので、面接や選考がスムーズに進みにくいという場合があります。
ですので、1月頃から求人を探しはじめ、年度末である3月末~4月に退職という流れを目指しましょう。
10月を目指す場合には9月から転職活動
もう一つの求人数のピーク、10月に合わせる場合はどうすれば良いのでしょうか。
この場合、9月から転職活動をはじめて、11月前半には内定をもらい退職交渉を開始できるようにしましょう。
引継ぎを済ませた後に、冬期休暇と有給の消化をこなして12月末に退職。年末である12月も一年の節目であるため、退職の時期として選ばれやすい時期です。
社会保険料の負担の増減は考慮する必要はない
転職において、社会保険料は考慮すべきでしょうか。結論からいえば、転職時期を決めるのに社会保険料を考慮する必要はありません。
社会保険料は、給与をベースとして算出されます。「退職時期によって社会保険料を安く調節できる」といったうわさを耳にしたことがあるかもしれませんが、そういったことはありません。
このうわさは、「厚生年金と健康保険の保険料は4~6月の給与額をベースにして、9月~翌年8月の1年分が決定されるので、4~6月は給料が安い方の会社で過ごした方が良い」というものです。
しかし実際には、転職後の給与をベースに社会保険料額が変更されるので、転職した時期は関係ないのです。
転職先が決まってからの退職が基本
退職する時期は、いつにするべきでしょうか。基本としては、いまの会社を退職するのは転職先が決まってからにしましょう。以下で、その理由について詳しく解説します。
働きながら転職先を見つける方が無難
「辞める」と決めたら転職先も見つかっていないのにやめる人がいますが、それはあまりにもリスクが高いのです。退職から転職までに時期があくと、様々な煩雑な手続きを、自ら役所やハローワークに出向いて行わなければならなくなります。
その時間は転職活動に充てられないことを考えると、無職期間が長引いてしまい、もったいないのではないでしょうか。
また、金銭的な負担も生じます。退職後の無職期間中、社会保険料を任意継続にすると、全額自己負担になってしまいます。国民健康保険に切り替えるとしても、保険料は行政によるのですがぐっと高額になります。
想定外に無職期間が長引いてしまった場合、無収入の期間も長引くということです。そうすると、転職先をゆっくり選ぶどころではなくなってしまいます。
やむをえない場合以外は、今の会社を退職するのは転職先が決まってからにしましょう。
転職をする場合、働きながら転職先を探すことが基本です。「サービス残業を当然のように強いられる」「人間関係の悩みで仕事どころではない」など、どうしても現職を続けることができない場合もあるでしょう。
その場合はこの限りではありません。あなたの心と体の健康を優先しましょう。
ただし、退職してからの転職活動は経済的な負担増になるのも事実。退職のタイミングは慎重に検討する必要があることは覚えておきましょう。
退職後に無職になっても失業保険はすぐにもらえない
働きながら転職先を見つけるべきもう一つの理由は、「失業保険はすぐにもらえない」からです。
自己都合で退職した場合は会社都合退職と違い、失業保険が3カ月間もらえません。
この事実を知らない人もいるのではないでしょうか。つまり、自己都合退職の場合、失業後3カ月間は無収入になってしまうのです。
集中的にスキルを学んで転職するという方法もある
プログラマーやシステムエンジニアなどの技術が求められる未経験の職種への転職を目指す場合には、ある程度のスキルを身に付けると有利です。どうしても、働きながら学習するのが難しいと考えた場合には、短期間で集中的にスキルを学んで転職するという方法もあります。
具体的な方法としては、スクールやオンラインサービスを利用するという方法が考えられるでしょう。
スクールなどに通う場合には、「転職サポート」があるサービスを選ぶことがおすすめ。転職先が見つからないリスクが下げられるからです。ただ転職サポートがあるだけでなく、就職・転職の実績の高さもチェックしましょう。
しかし、どれだけ信頼できるスクールなどを選んだとしても仕事が見つからないリスクは0ではありません。無職期間を凌げるくらい貯蓄に余裕は持たせておきたいところです。
退職にぴったりのタイミングは人それぞれ違う
退職に最適なタイミングについてまとめてきましたが、これらはあくまでも目安です。あなたにとって良い転職先が見つかり、スムーズに退職できるならそれで良いのです。
転職にあたってトラブルはないに越したことはありません。しかし、今の会社の状況や引き継ぎ、ボーナスなどをあまりにも気にしすぎると、転職のタイミングを逃してしまう可能性もあります。
気を付けるべきは、退職の通知と引き継ぎがしっかりとされたかどうか。そこに問題がないなら、後ろめたい思いをする必要はありません。あなたのタイミングで退職し、あなたのキャリアを積んでいきましょう。
「迷惑をかけるからやめれない」と考えすぎる必要はない
転職コンサルタント丸山貴宏氏の「転職で幸せになる人、不幸になる人」から、辞める会社に対する姿勢について引用します。
なんとか相手に納得してもらおう、ハッピーエンドで退職しようと思ってずるずると辞められずにいる人もいますが、これもダメです。
要するに退職するときは礼を尽くし、段取りをきちんと踏んで不義理をしないようにしなければなりませんが、引き止められたからといっていつまでも今の会社に付き合う必要はないのです。
自分がきちんと手続きを踏まえた上でトラブルになったのなら、それは仕方がないと割り切るしかありません。出典:Diamond onlineあなたの「辞め方」を会社も同僚も見ている
あなたの退職にあたって人員の補填や業務を回すことを考えるのは、会社の役目です。ですので「いま辞められたらこまる」と引き留めに合っても、情に流されないように注意しなければなりません。
実際、「いざ退職を申し出るとあっさりと受理されて驚いた」「初めは退職を引き留められたが、固辞したらすいすい引継ぎが進み、何の問題もなく退職できた」といった声は多いのです。
業務を回したり、人を育てたりといったことを考えるのは会社の役目。あなたは自分のやるべきことをやって、考えすぎないようにしましょう。
ボーナスや求人数を意識しすぎない
また、前述した「ボーナス支給後」や「求人数がピークの時期」にこだわりすぎる必要もありません。もちろん、ボーナスがもらえるに越したことはありませんし、求人数が多い時期の方が転職しやすいでしょう。
ただし、それらはあくまでも退職のベストタイミングを考える要素でしかありません。
優先すべきは希望する仕事を見つけることと、今の会社を円満に退職することです。退職には時間がかかるので、あまりセオリーにこだわらずあなたの転職活動の進捗状況を見ながらうまく進めてください。
退職は「報告」するもの
退職はあくまでも「報告」するものです。ですので、「転職先が既に決まっており退職します」という「報告」を行なうという形を取りましょう。
不用意に上司に対して、退職に関する相談から入るのは絶対にやめましょう。なぜなら、「今辞められたら困る。後任が見つかるまでは働いてほしい」などと言われ、思わぬ引き止めに合ってしまうことも考えられるからです。
もし、そのままズルズルと働いてあなたの転職時期が先延ばしになれば、会社にとっては都合が良いかもしれません。しかし、あなたの心には、会社に対する今までの恩を忘れてしまうような強い不信感が残ってしまう可能性もあるのです。
このような結末を迎えないために、退職を申し出る前に転職先をまず決めましょう。転職先が既に決まっていれば、会社も過剰な引きとめをおこなうことはないはずです。円満な退職にもつながるでしょう。
最後に、前述の「転職で幸せになる人、不幸になる人」から、大変ためになる一文を抜粋します。
見方を変えると退職の仕方には、その人の交渉力や調整力、決断力がよくあらわれます。
ですから辞め際は退職する会社からも、これから転職する会社からもよく見られているのです。出典:Diamond onlineあなたの「辞め方」を会社も同僚も見ている
転職によるあなたのキャリアアップの機会が、情的なもつれになってしまってはもったいないです。まずは納得のいく転職先を決めましょう。
退職の交渉にあたっては、これまで培った交渉力、調整力、決断力を駆使して円満な転職を得られるように務めましょう。
いまの会社で培った人脈や能力が、新しい職場でも活かせるような転職ができれば最高です。
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