これからのさらなる発展が期待できるIT業界に興味はあるという方は多いでしょう。ただ、ブラック企業が多いイメージがあるため、不安を感じてしまい一歩が踏み出せないと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、IT業界はブラック企業が多いと言われているが本当なのかについて詳しく解説。
IT業界にブラック企業が多いと言われる理由や、ホワイト企業の見分け方についても理解できます。IT業界への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
「IT業界はブラック企業が多いからやめとけ」は本当なのか
出典元:勝手にランキング
「エンジニア35歳定年説」「3K(キツい・キビシイ・帰れない)」など、IT業界はブラック企業が多いというイメージを持っている方もいらっしゃるでしょう。
結論から言えば、いわゆる過酷なブラック企業もあれば、働きやすいホワイトな企業もあります。以下で、IT業界の実態について解説していきますので、IT業界への転職・就職を考えている方は参考にしてみてください。
- 働きやすいホワイトな企業もある
- 常に求人を出している企業はブラックなのか
- 長時間労働・深夜残業を強いられる企業も存在する
働きやすいホワイトな企業もある
IT業界はブラック企業ばかりではありません。誰から見ても「良好な職場環境」と感じるホワイトな企業もあります。
しかし、「一人あたりが担う仕事量が多い」「毎日終電ギリギリまで働くほど労働時間が長い」「給料が安い」といった、過酷な労働環境の企業もIT業界に存在するのは事実です。設立したばかりのベンチャー企業などがこのような状態になりやすい傾向があります。
そして、そのような過酷な労働環境と実際に働いている人がどのように感じているかは別の問題です。忙しいけれど、やりがいを感じていて、将来に期待を持っている場合もあるでしょう。何をもって「ブラック企業」と感じるかは多少の個人差も考えられます。
IT業界にはブラック企業だけでなく、フレックスタイムで柔軟な働き方ができて、オシャレなオフィスで快適に働けるホワイトな企業があることも覚えておきましょう。
常に求人を出している企業はブラックなのか
年間をコンスタントに求人を出している企業は、「人が定着しない企業」と考えるのが一般的。このような頻繁に求人を出している企業が多ければ、「ブラックな業界」というイメージがつきやすいです。
ただし、IT業界の場合は、急成長を続けているため人が足りないという状況も考えられます。どのような背景によって人材を求めているのかを見極めることも重要です。
長時間労働・深夜残業を強いられる企業も存在する
出典元:「プログラマ35歳定年説」を思い起こさせるIPAの調査結果:40歳代を境にIT以外の業務に転職増加 – @IT
上記の資料は、IT関連の職種から他の業界に転職した方の理由についてのアンケート結果です。「給与・待遇が良くない」「労働時間が長い」という理由が約30%を占めていることがわかります。
この結果を見ると残念ながらIT業界には、働きづらい企業も存在することがわかります。
なぜIT業界はブラック企業が多いと思われるのか
なぜ、IT業界はブラック企業が多いというイメージを持たれやすいのでしょうか。その理由について以下で3つのポイントを解説します。
- 下請けは労働環境がきつくなりやすい
- 突発的なトラブルで想定外の業務が発生しやすい
- 職種や職務内容で労働環境は異なるという認識が薄い
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下請けは労働環境がきつくなりやすい
実際の開発を行う下請けのIT企業は、労働環境が過酷になりやすいです。
IT業界は元請け企業が下請け企業に業務を発注し、二次請け・三次請けへと委託される多重下請構造が存在。これは、ゼネコン構造と呼ばれることもあります。
元請け企業は大手企業のSIerが多く、中小企業がそれ以降の下請けの仕事を行っているのがIT業界の現実です。もしも、クライアントからの変更や追加の発注があった際には、下請け企業は残業・休日出勤で対応せざるを得ません。
もちろん、間に入るが企業が多くなれば、その分利益率は下がっていきます。案件の単価は社員の給与に直結しますので、長時間労働でありながらも低賃金というブラック企業の状態が発生しやすくなるのです。
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突発的なトラブルで想定外の業務が発生しやすい
突発的なトラブルや急な変更によって、想定していなかった業務が発生する時があることもブラック企業が多いと思われる理由の1つです。
納期前にバグが見つかって炎上したり、顧客からの無茶な要求がトリガーになったりするなどさまざまなケースが存在。最近では、スピードに対する要求が高まっており、納期が短くなっていることも、突発的な残業の発生に影響しています。
委託企業と下請け企業との認識違いによって作業が増えてしまうといった、上記の多重下請構造が問題になるネックになることもあるのです。
IT業界のSEなどの職種は一時的に残業が多くなることはあります。ただし、平均的な残業時間は他の業界よりもやや多い程度なので、SNSや一部の意見を鵜呑みにするのはやめましょう。
職種や職務内容で労働環境は異なるという認識が薄い
時間や体力的にきつい状況があるSEやプログラマーをIT業界の職種としてイメージする人が多いでしょう。IT業界には、SEやプログラマーだけでなく、営業・広報・マーケターや経理・総務・人事といった間接部門にいたるまでさまざまな職種が存在します。
職種や職務内容が違えば、労働環境はそれぞれ異なります。残業とは無縁の職種も少なくありません。
IT業界はインターネット業界・ソフトウェア業界・ハードウェア業界・通信業界の4つに大きく分類が可能。企業によっては、複数の業界の事業を展開しているケースもあります。
Google・Apple・Meta(旧Facebook)・Amazonなどが複数事業を展開している代表的な企業と言えるでしょう。IT業界の仕事について、正確に捉え難いことも良いイメージを持ちづらい理由として考えられます。
ホワイト企業とブラック企業を見分ける方法
IT業界での労働環境は、企業や職種によってまったく違います。IT業界で働きやすい仕事を見つけるにはどうすれば良いのでしょうか。
以下で、さまざまな仕事の中から、ホワイトな企業とブラック企業を見分けるポイントについて解説します。
- 企業について詳しく調べる
- 大手企業・人気企業というだけで判断しない
- 第三者の立場の人間の意見を聞く
企業について詳しく調べる
企業の風土や社長の考え方は働く環境を理解する上でとても重要。ES(従業員満足)やワークライフバランスを重視しており、自社で働く社員を大切にしているかを確認しましょう。
企業のホームページや求人情報をよく読めば、どのような企業なのか見えてきます。社長からのメッセージや整備されている制度、実際に行ってきた取り組みの成果も調べましょう。
また、企業について詳しく調べることは、企業研究につながるというメリットもあります。これから働く企業について調べることは就職・転職活動の基本ですが、ホワイトな企業か判断する上でもとても重要です。
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大手企業・人気企業というだけで判断しない
大手企業・人気企業というだけで、ホワイトな企業と判断しないことも大切です。
IT業界のスタートアップやベンチャー企業は忙しいケースが多々見られます。だからといって、大手企業・人気企業なら安心で働きやすいと安易に考えるのも危険です。
大手企業・人気企業であっても、企業についての情報収集は必須。労働環境をより詳しく知るために実際に働いた方の体験談など、口コミなども調べた方が良いでしょう。
情報を集める際には、求人情報・企業ホームページ・企業のSNS・経営者のSNS・口コミサイト・転職サイト・転職エージェントなどが役立ちます。
第三者の立場の人間の意見を聞く
自分だけでは見落としていた事柄にも気づけますので、第三者の立場の人間の意見も聞きましょう。企業は悪い面よりも良い面をアピールしたいものです。そして、就職希望者は自分の選択の正しさを信じたいという気持ちが無意識に働き、マイナス面を軽視してしまう場合があります。
第三者であれば誰でも良いと言うわけではなく、自分の能力や性格を理解してくれる人であることが前提。他の企業と比較して、どの企業を選ぶかという他人の意見はとても重要。自分の主観だけよりも正確に判断できるでしょう。
IT業界で働く先輩や友人に話を伺えば、率直な意見が聞けます。実情を踏まえた意見を聞くのは難しいかもしれませんが、家族や友人に相談するという方法も良いでしょう。
就職・転職活動に取り組んでいる場合には、プロである転職エージェントなどに相談する方法がおすすめです。どの転職エージェントを利用すれば良いかについては、後ほど詳しく紹介します。
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ホワイト企業と判断する具体的なポイント
上記の見分ける方法から一歩踏み込んだ、ホワイト企業を判断する具体的なポイントを紹介します。
- 人事評価制度や福利厚生は整備されているか
- 3年以上働いている人の割合はどれくらいか
- 独自サービスの開発に力を入れているか
人事評価制度や福利厚生は整備されているか
人事評価制度や福利厚生がしっかり整備されている企業は、ホワイトな企業である可能性が高いです。
社員を大切にしている企業は、人事評価の制度に工夫を行っています。仕事に意欲的に取り組み、成果を上げた人が正当な評価を受けられる会社は従業員も満足して働けるでしょう。
また、福利厚生についても必ずチェックするべきです。勉強会・研修・資格取得支援など、スキルアップにつながるサポートを行っているのかを確認すると良いでしょう。
社員教育への力の入れ具合で、従業員を使い捨ての労働力ではなく、会社を成長させる原動力となる貴重な財産として社員を大切にしているかがわかります。
管理職レベルの方や経営者に話す機会があった時には、SEやプログラマーに理解があり、敬意を持っているかもチェックしましょう。
3年以上働いている人の割合はどれくらいか
出典元:新卒入社3年以内の離職率は大卒で31.8% – 2年ぶり減 | マイナビニュース
その企業に、「3年以上働いている人がどれくらいいるのか」を知ることもホワイトな企業なのかを知る上で役立ちます。
マイナビニュースによれば、新卒の約3割が入社3年以内でやめていくとあります。IT業界だけでなく、3年以上同じ会社で働き続ける新卒の人は少ないのです。
企業がホワイトなのかブラックなのかを判断する際には、入社した方がどれだけ退職しているかがわかる離職率もチェックしましょう。離職率が高い企業は、労働条件に不満を感じている社員が多い可能性があります。
離職率が公表されている場合には、調査の対象となっている期間も確認しましょう。1年・2年・3年では、その意味合いが大きく異なるからです。
もしも公表されていない場合は、会社の説明会や面接の際に会社を見回して若手の割合をチェックすれば、おおよその空気をつかめるでしょう。
わからなければ、説明会や面接の時に会社への定着率を直接聞くという方法もあります。それで、あからさまに嫌な顔をするようであれば、ブラック企業である可能性が高いです。ホワイトな企業は、しっかりと事実を答えてくれるでしょう。
ただし、あからさまに会社を試すような態度で聞けば、悪い印象を与えかねません。長期間働きたいという気持ちの表れとして、丁寧に質問を行うようにしましょう。
独自サービスの開発に力を入れているか
その企業独自のサービスの開発に力を入れているかもホワイトな企業が判断する上で参考にしたい要素。
もちろん、受託開発を行っているから悪い企業というわけではありません。オリジナルの独自サービスの開発に取り組んでいるかがポイントです。自分たちで仕事を創造しようとしている姿勢を持った会社なのかが大切。
また、そこで働く社員にとって、自社のサービスや商品に携われるかはやりがいに関わってきます。「リリースされているサービスなのか」「どの程度開発は進んでいるのか」「開発の規模はどの程度か」といった質問を行えば、その企業の独自サービスに対する真剣さがわかるでしょう。
IT業界への転職におすすめの転職エージェント3選
ここでは、第三者の意見を聞く上で役立つおすすめの転職エージェントを紹介します。
- マイナビエージェント
- doda
- レバテックキャリア
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マイナビエージェント
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公式サイト:マイナビITエージェント【公式】IT・Webエンジニアの求人・転職エージェント
doda
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レバテックキャリア
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まとめ:IT業界のブラック企業率は少なくなっている
IT業界はブラック企業が多いと言われているが本当なのかどうか、ホワイト企業を見分けるポイント、おすすめの転職エージェントなどを紹介しました。
かつてのIT業界はIT技術自体が新しい技術であり、ベンチャーやスタートアップが多い特性上、ブラックな働き方になりやすい側面がありました。
しかし現在では技術がある程度成熟し、規模や体力のある企業も増えたことで徐々にブラックな働き方を強いる企業は少なくなってきました。
その一方で、依然として長時間労働や無理な納期・スケジュールが横行する職場もなくはありません。そのため、ご紹介した方法でホワイトなのかブラックなのか見極める必要があるでしょう。
IT企業への転職を考えている方は、ぜひホワイト企業を見極めて、安心かつ成長できる環境で自分のキャリアを前に進めてみてください。
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