パン工場で働く無名役者。プログラミング未経験・学歴なし・26歳バイト。超逆境からのエンジニア転職
更新: 2024.07.09
高校卒業後、18歳から26歳までパン工場で働きつつ、俳優として活動してきた館山徹(たてやま・とおる)さん。
三枚目役者として味のある演技をする俳優です。しかし生活面に目を向けると、小劇団での活動が主で、オーディションには落ち続ける日々。
周りの俳優仲間や、バンドマンの友達らも似たような状況で「表現者を目指す人が、やりたくない仕事をやって消耗し、やがては夢を諦めてしまう。そんな状況をどうにかできないか」と次第に考えるようになりました。
そこで館山さんは、思い切ってエンジニアへの転職を決意。
エンタメ業界の若者が、結婚式の余興などの仕事を受注できるサイトを立ち上げることを、人生の新しい目標にしました。
とはいえ転職を思い立った時、館山さんは既に26歳。HTMLの知識は皆無。学歴もなく、職歴はアルバイト。
そんな逆境からのエンジニア転職を、館山さんはどのように乗り越えたのでしょうか。
TECH::EXPERTを受講して、見事転職に成功。夢への一歩を踏み出した館山さんに話を聞きました。
この記事の目次
パン工場で働く無名俳優の人生を変えた「クラウドソーシング」との出会い
―― もともとは高校卒業後、舞台俳優を目指して活動を始めたそうですね。
はい。
高校卒業後はパン工場に就職し、働きながら役者のオーディションを受けていました。主に小劇場の演目や、朗読劇などが中心でしたね。
どの劇場も、基本的にはアンダーグラウンドな劇場で(笑)。キャパが100人以下というような小さな会場から、コツコツとキャリアを積んでいました。
作品としては、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」などをやりましたね。もちろん、その劇団のオリジナル作品に出演することも多かったです。
―― 館山さんはどんなキャラクターを演じることが多かったのでしょう。
いわゆる「三枚目」です。そういう役は、自分の中でやりやすくて。
―― プログラミングに興味を持ったきっかけは、何だったのでしょう?
「未経験からでもエンジニアになれる」という広告を、たまたまネットで目にしたことですね。転職とは特に関係なく、純粋に「エンジニアってどんな仕事なんだろう」と興味を持ったんです。
そうして調べるうちに、初めてクラウドソーシングというサービスの存在を知り、衝撃を受けました。
―― クラウドソーシングのどんなところが衝撃だったのでしょう。
能力のある人が個人で仕事をもらったり、企業に対して自分をアピールしていることに驚いて。
僕の周りには役者や声優やバンドマン、歌手を目指している人が多いです。「僕の友達もこういうことをすれば、稼げる人がいるだろう」と思いました。
ただ、国内の大手クラウドソーシングサイトにはエンタメ関係のスキルが求められる案件がすごく少ないんですよね。
―― 確かにそうですね。
エンタメに特化したクラウドソーシングサイトも無くて。そうしたサイトを自分で作りたいと思い、プログラミングに興味を持ちました。
働く先は居酒屋、携帯販売、100円ショップ。表現と生活を両立できない若者の現状
―― 「エンタメに特化したクラウドソーシングサイト」とは具体的にどういうものをイメージしていますか?
役者やバンドマンとしてキャリアをスタートしようとする人らが、仕事を受注することができるクラウドソーシングサイトです。
表現者を目指す人は、僕の友人も含め「自分のモチベーションにならないことで仕事をする」ことに対して、悩んでいることが多いんですよ。
自分のやりたいことと、仕事でやっていることが全く噛み合わないと、仕事は楽しくないですよね。それでも体力だけは奪われてしまうので、本当にやりたいことにも集中できなくてモチベーションが落ちていく。
そうして夢を諦めてしまう人も多いです。だからこそ、そうした人たちに「仕事を通じて、能力を伸ばすきっかけになること」を提供したいんです。具体的には結婚式の余興や、エキストラ、司会といった案件の受発注ができる仕組みを考えてます。
―― 館山さんの友人の方は、どんな仕事をしていますか?
居酒屋や携帯販売、100円ショップのアルバイトなどをしながら、それぞれの活動をしていますね。
―― ご自身はいかがでしょう。パン工場の仕事を続けながら、演劇も両立するのは厳しいものなのでしょうか。
工場の仕事は単純作業の繰り返しなので、肉体的にも精神的にも疲れがたまりますね……。
本音を言えば「やりたくはない仕事」でした。
―― 「表現と仕事をどう両立するか」はすごく難しいことなのですね。
そう思います。特に役者の場合は、雇用する側に「俳優業」への理解がないと、バイトさえ厳しいです。
役者の仕事って、本当に突然決まるんですよ。
今週の土日にオーディションだよ、と突然連絡がきたり「明日朝9時に、千葉まで撮影に来て」と言われたり。はっきり言って、無茶振りですよね。
でも駆け出しの俳優からすれば、自分を売り込むためには行かないわけにはいかないんです。
―― なるほど。
「明日朝9時に千葉に来て」と言われて行くためには、急なシフト変更などに応じてもらえる職場じゃないと無理ですよね。
でも、そんなアルバイト先なんてほとんど無いです。本当にレアです。
その点、クラウドソーシングサイトは一度仕事を受注すれば、時給ではなく、自分のペースで仕事ができますよね。このことも、僕がクラウドソーシングに衝撃を感じた大きなポイントです。
「頭が良くないとできないよ」友人の忠告を押し切って決意したエンジニア転職
―― エンジニア転職を決断する、最後の一押しになったことは何でしたか?
去年の12月にTECH::EXPERT(テック エキスパート)を知ったことですね。ちょうどその時期、オーディションに落ちまくってたんです。
一方でエンタメ専門のクラウドソーシングというアイデアは既に頭にあったので、プログラミングの学習方法を色々と調べて。そうしてTECH::EXPERTの公式ウェブサイトにたどり着いたんです。
実はエンジニアになるべきか、友人にも相談しました。ITって難しそうなイメージがありましたし、僕自身、HTMLもCSSもやったことはなくて。未経験で、26歳から本当にできるものなのか不安で。
友人には「頭良くないとできないよ」と言われたりもしました。いまから転職するなんて無理だろうと。
それでも、最後は「やれるところまで一度、とことんやってみよう」という気持ちで受講を決めました。
―― Webアプリケーション開発の率直な感想を教えてください。
始めの2週間はついていくだけでもやっとという状態でした。本当に初めてやることばかりだったので、難しくて……。
TECH::EXPERTではカリキュラムの理解度を測るテストがあるのですが、試験に二回は落ちました。
やばいと思って、朝9時から23時まで勉強して、徹底的に自分を追い込んだ結果、ようやく楽しくなってきました。プログラミングの考え方が分かるようになると、一気にハマって。
アプリケーションのできていく過程が見えるのは面白いですし、書いたコードが考えた通りに動くと「よっしゃ!」と思います。
―― 悩んで、詰まってしまう時も少なくなかったのですね。
はい。
ただ頭の悪い僕と、頭のいい人でも、悩むところは一緒でした(笑)。どんな人でも、プログラミングの考え方が身につくまでには時間がかかるものなのだと思います。
TECH::EXPERTでは、効率良い勉強のための時間配分やいい参考書、就活対策や企業へのアプローチも学べたので、苦戦しながらも最短でエンジニアになるための基礎が得られました。
カリキュラムに「チーム開発」が組み込まれていたのも良かったです。同期と関わると、自然と良い刺激が得られました。
※テックキャンプ エンジニア転職のチーム開発は80期(2020年6月20日開催)をもって終了となりました。今後も受講生にとって最適な学習スタイルの提供を目指していきます。
学歴がなくてもエンジニアになれる!俳優仲間の予想を覆し、転職成功
―― 企業選びの軸はどういうものでしたか?
「技術を高められる環境」です。なので、たくさんの開発案件を体験できる受託開発企業などを中心に企業選びを進めました。
またクラウドソーシングサービス開発につながる技術も身に付けたいので、そうした分野に近いサービスを手がけている企業にも積極的に応募しました。
―― パソナテキーラへの入社を決めた理由を教えてください。
パソナテキーラ(※2020年7月サークレイス株式会社に社名変更)は、主にSalesforceのコンサルティングや開発に特化したサービスをしています。
社員はSalesforceの認定トレーニングを無償で受講できますし、最高峰の資格であるテクニカルアーキテクトが2名在籍しているので、エンジニアにとってSalesforceを極められる環境です。
そしてパソナグループにはSalesforceを使い、クラウドソーシングをやっている子会社もあります。まさに自分が身に付けたい技術を学べる環境だと思いました。
―― エンジニア転職が決まった時の、周囲の反応はいかがでしたか?
驚かれました(笑)。本当に転職できると思ってなかった人もいて。
―― (笑)。
というのも、俳優って学歴のない人も多いです。
僕自身も高卒です。だからエンジニアという専門職に就くことを、最初から諦めていたり、キャリアの選択肢に入れてないことがあるんです。
でも、実際にはエンジニアってとても開かれていて、学歴がなくてもチャレンジできる仕事なんですよね。
エンジニアの技術で演劇の世界を底上げしたい。前向きに決意した俳優引退
―― 今後、俳優業は続けるのですか?
辞めようと考えています。
―― 8年続けた演劇を辞めるのは、勇気がいることだと思います。それくらい「エンジニア」という仕事への思いが強いのですね。
辞めるとは言っても、演劇の情熱が冷めたわけではないんですよ。今後は技術を生かして、演劇に貢献する人材になりたいんです。
つまり、役者とは別の形で演劇界に関わっていきたいということです。演劇と縁を切るつもりもないですし、役者を辞めることへの葛藤もなくて。
だから、すごく気持ちは前向きですね。演劇の世界をエンジニアの技術で底上げしていきたい、と真剣に考えてます。
―― TECH::EXPERTの受講を検討している方に、アドバイスをお願いします。
とにかくやってみましょう!
プログラミングをやらなければ、自分にエンジニアが向いてるかなんていくら悩んでも分からないものです。
やってみて駄目だったら、辞める。それくらいの気持ちでも良いと思います。向いていないものを無理に続ける必要も無いですしね。
僕はTECH::EXPERTに入った時、HTMLもCSSも全く分からない状態でした。それでも集中して勉強すれば、ちゃんとエンジニア転職を実現することができました。最高の学習環境だったと、自信を持って言えますね。
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