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退職の方法とは?手続きや会社を辞めるまでのステップを解説

作成: 2018.06.08 更新: 2019.05.21

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キャリアアップやスキルアップのために、あるいはよりよい待遇を求めてといったように、退職は必ずしも悪いイメージを持つものではありません。

これまで勤めた会社や同僚と別れることになっても、自分の人生やキャリアのために退職を決断することもあるでしょう。

しかし、退職を決意したところで具体的にどのようなことをすればよいか、具体的なイメージを持っていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、出来るだけ同僚に迷惑をかけずに円満に退職したい、という方もおられるでしょう。そこで今回は、退職を決意してから行うべき会社への報告、保険や年金などの手続きの手順、さらに円満に退職するためのアドバイス等をご紹介します。

退職とは

 

まずはこの記事で扱う「退職」について意味を確認しましょう。

辞書の定義では、退職とは就業していた労働者が、就業先の会社と労働契約を解除すること、となっています。同じ様な意味を持つ言葉として「退社」、「離職」、「辞職」があります。

退職の中でも、結婚や転職など労働者個人の理由によるものは自己都合退職と呼ばれます。

また、事業者からの勧奨によって退職することを退職勧奨、事業者側からの契約解除によるもの(会社の都合による解雇)は、会社都合退職と言われています。

その他にも、就業規則に基づく定年退職、労働契約期間満了に伴う退職もあります。

退職の理由によって様々な表現方法がありますが、労働基準法では、自己都合退職だけでなく、会社都合退職や解雇も含めたものとして定義されています。

本記事では、転職を機に退職といったような自己都合退職のケースを想定して解説をしていきます。

退職時の大まかな流れ

転職などにより現在の会社を退職することを決めた時、実際にどのような流れで手続きを行えばよいのでしょうか。

退職時は、書類の提出など会社で行う事務手続きの他に、退職後には保険の切り替え手続きなど、行うべきことがいくつかあります。

保険の切り替えについては、現在勤務している会社の社会保険に加入している場合は、雇用形態に関わらず、手続きをする必要があります。

実際の手続きの内容を詳しく解説していきます。

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退職前に行う手続き

退職前に行うべき手続きとして、退職時期などを調整する退職交渉、住民税の支払い方法の変更、業務で利用していたパソコンや携帯電話などの会社備品の返却、各種書類の受け取りなどがあります。

詳しくは後ほど解説します。

退職後に行う手続き

続いて、退職後に行うべき手続きとして、失業保険の申請、年金の切り替え、健康保険の切り替えがあります。

この退職後の手続きについては、「退職後に別の会社ですぐ働き始めるかどうか」によって異なります。

すでに転職先が決まっていて、前の会社の雇用期間終了日の翌日からすぐに別の会社との雇用契約が開始する人は、必要な手続きは転職先の会社が行ってくれるため、新しい会社に求められる必要書類を提出するだけで良いです。

一方で、退職後の仕事先が決まっていない、しばらく休養した後転職活動を開始するなどといった理由で、前の会社の雇用期間終了日から次の雇用契約の開始までブランク(空白期間)がある場合、その期間が1日でもある場合は、手続きを自分で行う必要があります。

条件を満たし退職後は家族や配偶者の扶養に入る、といった場合は、年金や保険の手続きがまた異なります。こちらについては、家族や配偶者と手続きの内容を確認しておくと良いでしょう。

円満退社するための具体的なステップ

退社は、必ずしも悪いイメージがあるわけではなく、スキルアップやさらなる活躍の場を求めてのチャレンジなど、本人にとっては前向きなものである一面もあります。

 

しかしながら、会社はその人が抜けた穴を埋めるために後任者の調整や業務の引き継ぎなどやるべき仕事が増えるのも確かです。

送り出してくれる上司や同僚、会社に迷惑がかからない円満退社をするためにはどうすればよいか、具体的なステップを解説します。

退職を申し出る

退職を決意したら、まず直属の上司などに話をして退職の意思を伝えましょう。上司が了承した後、会社に対して正式に退職願を提出するのが一般的な流れです。

しかし、会社は「辞めたい」と思ったらすぐに辞められるものではありません。

会社を辞められるのは、退職の意志表示をした2週間後と労働基準法で定められているため、最低でも2週間前に会社に退職の意思表明をする必要があります。また、労働基準法とは別に会社の就業規則などでも、退職の申し入れ期間が定められているケースがほとんどです。

加えて、担当業務の引き継ぎなど行うべき事がたくさんある場合も多いため、実際では2週間前では退職までの期間が十分ではないこともあります。

業務内容やポジションなどによって引き継ぎに必要な期間は異なるため、一概にいつまでに申し出れば大丈夫、と断定できるものではありませんが、後任者が決まっていない場合などは引き継ぎに時間がかかる可能性があることを理解しておきましょう。

また、退職の意思の連絡をメールで済ませてしまうのはよくありません。

あなたがどれだけ強い意思をもって退職を決意したとしても、上述した通り引き継ぎ等に時間が必要な場合もあるため、上司とは直接相談をして伝えるようにしましょう。

退職理由を説明

上司に退職の話を相談し、それが正式に了承されると、その後チームメンバーや上司、同僚にも退職の連絡をすることになるでしょう。

業務で関わった人に対して、退職のあいさつ周りを行う習慣がある会社も多いはずです。

円満に退職するためにここで注意すべき点として、ネガティブな印象を与える理由はなるべく控えることです。

多くの場合、現状に対して何らかの不満があることが退職の背景にあるでしょう。

しかしながら、待遇や条件、環境への不満よりも「キャリアアップしたい」「こういう仕事ができる環境に行きたい」「こんなスキルを伸ばしたい」といった個人的な目標を述べ、前向きな退職であることを伝えると、上司や同僚もあなたに共感し、快く送り出してくれるはずです。

引き止めにあう可能性も

退職の意思を会社に伝えたとしても、なかなか退職の話が進まないこともあります。

例えば、高いスキルを持っている、将来有望視されている、といったように、会社にとって必要な人材であればあるほど、引き止められる可能性は高くなります。

社員を新規雇用することは会社にとってもコストのかかることであるため、「入社した社員はなるべく退職させない」という人事方針の会社があったり、上司が自身の人事評価への影響を懸念して引き止めると言う場合もあります。

引き止められることで、自分が必要とされていると感じ、それが嬉しく思えるかもしれません。

ですが、あなたの将来はあなたで決めるものです。退職の自由は法的に認められた権利なので、情に流されずに決断し、これまでお世話になったことを感謝しつつ、自分の決意は変わらないことを伝えましょう。

退職日を決める

退職が決定すると、次は退職日を決定します。

これは、会社の規則に沿って退職スケジュールを組むのがベストです。

業務の引き継ぎがある場合や有給が残っている場合などは、充分な時間を設定し、余裕を持って退職日を決めましょう。

有給休暇を消化することは社員の権利として認められていますが、会社側の都合を無視したスケジュールを組んでしまうと、現場の社員に迷惑がかかり円満な退職に支障が出る可能性もあります。

また、ボーナスの支給日時点で会社に属しているようにするために、強引に退職日の希望を通そうとすることも、やっていけないことではありませんが、印象は悪くなります。

希望は伝えつつ、あなたが会社を去った後も業務を行う続ける上司や同僚、後任者に迷惑がかからないスケジュールを相談しながら決めましょう。

一方で契約社員の場合、通常の正社員と違って退職日の調整が柔軟にできない可能性があります。

契約社員は、期間が満了するまでは原則として企業側は解雇できない代わりに、前述の「2週間前までに意思表示すれば退職できる」も適用されません。もしその規則を無視して退職すると、最悪の場合、損害賠償を求められることもあるので注意しましょう。

退職時の有給休暇の消化について、こちらの記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。→「有給消化してから退職することはできる?」

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退職までに必要な手続き

ここからは、退職までに必要な書類手続きについて解説していきます。

退職日までに住民税の手続き

住民票を置いている地域に納める住民税は、会社員として働いている場合「特別徴収」という方法で、毎月の給料から天引きされています。

住民税について意識したことがない、という方は毎月の給与明細を見てみましょう。

退職後は、毎月会社が代わりに納めていた住民税を自身で納める必要があるのですが、具体的な方法として、その年の残りの住民税を最後の給料から天引きして一括で納めてもらう方法、もしくは一括では納めずに分割して自分で納める「普通徴収」に切り替える方法があります。

住民税についても、退職後のスケジュールによって異なりますので、それぞれのケースについて解説します。

1カ月以内に転職先に入社する場合

前の会社を退職してから1ヶ月以内に別の会社に入社する場合、退職した月の翌月分の住民税から、転職先の会社で給料から天引きしてもらうことが可能です。

ただし退職する会社に転職先を伝え、手続きをしてもらう必要があります。

退職後1ヶ月以上のブランクが空く場合

一方で、退職後次の会社に入社するまで1ヶ月以上のブランクが空く場合、手続方法は少し複雑になります。

そもそも、住民税はある年の1月~12月の所得にかかる税金を、翌年の6月~翌々年の5月の給料から分割して納める仕組みになっています。

多くの新卒社員が、入社1年目に住民税がかからないのは、このような仕組みになっているためです。

さて、退職後1ヶ月以上のブランクが発生する場合は、その年(6月~翌5月)の住民税をどのように支払うのかを選択する必要がありますが、この時、退職する月によって支払い方法が異なります。

1月~5月に退職する場合

この場合は、5月までに納めるべき住民税を、最後の給料から一括で支払う必要があります。これにより、最後の給料は手取り額が通常よりも少なくなります。

6月~12月に退職する場合

この場合は、翌年5月までの住民税を最後の給料から一括で支払うか、分割して自分で納めるかを選択することができます。

分割して自分で納めることを選択した場合、最後の給料は通常通りその月の住民税のみが差し引かれるため、手取り額は通常通りになりますが、退職以降、自分自身で銀行などに納税に行く必要があります。

これらの住民税に関する手続きについては、退職手続きを進める中で会社から質問されるので、事前にどのようにするか決めておきましょう。

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退職時に備品返却・書類受け取り

退職手続きや、上司・同僚・お世話になった人へのあいさつが終わり、いよいよ最終出社日となりました。

最終出社日には、会社から貸与された備品などを返したり、退職後に必要となる書類を受け取る必要があります。

例えば、健康保険証や社員証、書類、業務で使用していた備品や携帯電話などは、全て会社の持ち物であるため、全て会社に返却します。

書類については、業務中に使っていたメモやノートなどは機密書類になるため、社外への持ち出しは禁止されている会社がほとんどであるはずです。こちらについては、返却するか、その必要のないものについては会社で定められた適切な方法で破棄しましょう。

長く勤めていると書類やノートなどの量も多くなり、それらの返却や破棄に思った以上に時間がかかるかもしれません。最終出社日が決定したら、少しずつ私物を家に持ち帰るなど、机の周りの整理をしておいたほうが良いでしょう。

その他、失業保険の申請に必要な「雇用保険被保険者証」や年金の切り替え手続きに使う「年金手帳」は場合によっては会社が保管しているケースもあります。転職先の会社に申請が必要な書類もあるので、忘れずに受け取りましょう。

転職先が決まっていない場合は、失業手当の申請に「離職票」が必要になりますが、これは退職後10日程度で郵送される事が多いです。

退職後にやるべきこと:転職先が決まっている場合


続いて、退職後にやるべきことを解説していきます。

前の会社の退職日の翌日に次の会社に入社する場合、必要な手続きは新しい会社が行ってくれるため、自分自身で特別に行うことはありません。

手続きに関して、おそらく転職先の会社から書類の提出を求められるので、その内容を確認していきましょう。

提出するもの

転職先の会社に提出する必要がある書類は、以下の通りです。

多くの場合、転職先の会社が提出すべき書類のリストを送付してくれるため、そのリストに従って書類を準備しましょう。

【転職先に提出するもの】

  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳
  • 源泉徴収票(提出を求められたタイミングで提出)
  • 健康保険資格喪失証明書
  • 健康保険被扶養者異動届(扶養家族がいる場合のみ)

退職後にやるべきこと:転職先が決まっていない場合

 

前の会社の退職日から、次の会社の入社日まで1日でもブランク(空白期間)がある場合は、必要な手続きを自分で行う必要があります。

具体的な内容についてこれから解説していきますが、以下に挙げられているものの他に、確定申告があります。

確定申告は、12月31日時点で会社に雇用されている場合は会社が年末調整として手続きを行ってくれますが、12月31日時点で無職である、あるいは前の会社の源泉徴収票の提出が間に合わなかった、といった場合には、自分で行う必要があります。

確定申告は、毎年2月中旬から3月中旬にかけて手続きが可能であるため、こちらについもスケジュールや申告に必要な書類等を確認しておきましょう。

退職後すぐに失業保険の申請

出典:ハローワーク

失業保険とは、働く意志はありながら失業状態にある人が受給できる手当の事です。

受給できる額は前の会社での年収や勤続年数などから計算されます。

受給に必要な書類を居住地を管轄するハローワークに持っていくことで手続きが可能ですが、手続き後、手当をすぐに受給することができるかは、退職理由によって異なります。

会社の倒産など会社都合の退職の場合、失業手当は直ちに受給開始できますが、転職による退職など自己都合退職の場合は申請してから受給までに最短でも3ヶ月と7日かかります。

また、失業保険はあくまで「働く意思がある人のための手当」であるため、受給をし続けるためには働く意思があることを示すことが必要です。

受給期間中においても一定期間ごとにハローワークに行き、担当者と面談を行い転職活動をしていることを証明する、といったことを行う必要があります。

失業保険の受給期限は退職日から1年間です。それ以降は給付日数が残っていても受給することはできないため、申請が遅くなると満額受給できない可能性もあります。

離職票が交付され次第できるだけ早く居住地を管轄するハローワークで申請手続きを行いましょう。

なお、申請手続きに必要な書類は以下の通りです。

雇用保険被保険者離職票(-1、2)

個人番号確認書類(いずれか1種類)

マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票(住民票記載事項証明書) 身元(実在)確認書類((1)のうちいずれか1種類((1)の書類をお持ちでない方は、(2)のうち異なる2種類(コピー不可))

(1)運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、官公署が発行した身分証明書・資格証明書(写真付き)など

(2)公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書など

写真(最近の写真、正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm)2枚

印鑑

本人名義の預金通帳又はキャッシュカード(一部指定できない金融機関があります。ゆうちょ銀行は可能です。)

出典:ハローワーク

14日以内に年金の切り替え手続き

退職日から次の入社日までブランクが発生する場合、年金の切り替え手続きも必要です。

会社で厚生年金に加入していた人は、国民年金年金への切り替え手続きをする必要があります。

自らが被扶養者に該当する場合は、家族の社会保険の扶養に入る事で保険料を納める必要がなくなります。

退職後14日以内に、居住地の市町村役所の国民年金窓口で手続きをしましょう。

国民年金への切り替えは、以下のものが必要です。

  • 年金手帳
  • 離職票または退職証明書
  • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 印鑑

14 or 20日以内に健康保険の切り替え手続き

次の入社までブランクがある場合、健康保険の切り替え手続きも必要です。

退職時には、その会社で加入していた健康保険からは脱退しなければならず、配布された健康保険証も返却します。

日を空けずに次の会社に入社する場合は、すぐに新しい会社の健康保険に加入することができますが、そうでない場合は手続きをする必要があり、一般的には年金の切り替え手続きと同じタイミングで行います。

退職し、前の会社での健康保険の資格が喪失すると、「健康保険資格喪失表明書」というものを発行されます。これはすぐに発行してもらえる場合もありますが、退職後数日~数週間かかる場合もあります。

切り替えには、「健康保険を任意継続する」「国民健康保険に加入する」「家族の社会保険の扶養に入る」の3つの選択肢があります。

まず「健康保険を任意継続する」について、こちらは本来であれば退職と同時に資格を喪失する前の会社の健康保険を、任意で継続できるというものです。

保険料は条件や居住地によって異なります。

次に「国民健康保険への加入」です。こちらは自営業者などが加入している保険で、保険料は条件や居住地によって異なります。

任意継続か国民健康保険への加入か、どちらにすべきか迷ったときは、どちらの保険料が安いのかといった比較をしてみましょう。

最後に「家族の社会保険の扶養に入る」です。

この場合、年金と同様に健康保険料の支払いは必要ありませんが、扶養に入るために条件が設けられていることがありますので、その条件に当てはまるかどうか確認しましょう。

これらの手続きは退職後14日以内(これまでの健康保険を任意継続する場合は退職後20日以内)に手続きを行う必要があるため、退職を決断したタイミングでどの方法を選ぶのか、考えておきましょう。

さいごに


これまでご説明した通り、退職時には事務手続き、年金の切り替えなどやるべきことがたくさんあります。

事務的な手続きの他に、後任者への業務の引き継ぎなど現場レベルで行うこともたくさんあります。

あなたはその会社に長く勤めていたのであれば、なおさら引き継ぎには時間を要するでしょう。

退職を決意すると、つい次の会社での仕事などを考えてしまいがちですが、上司や同僚に迷惑がかからず、快く送り出してもらうためには引き継ぎ期間などを考慮して事前に計画を立てて退職する必要があります。

また、退職から次の入社までブランクがある場合は、各種手続きを自分でしなければならなくなるので、何をいつまでにするべきか、どのような書類が必要であるかを把握しておきましょう。

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この記事を書いた人

石田ゆり
石田ゆり
元システムエンジニア・コンサルタント。ERPパッケージソフトウェア会社にて設計から開発、品質保証、導入、保守までシステム開発の一通りの業務を経験し、その面白さと大変さを学ぶ。働く人々を支援するバックオフィス系システム・業務効率化ツール等に特に興味あり。趣味は旅行、ヨガ、読書など。