「月給とは何か知りたい」
「月収・総支給額・基本給・手取りとの違いも気になる」
求人情報でよく目にする「月給」、その正しい定義についてご存知でしょうか?
本記事では、月給とは何か、月収との違い、総支給額・基本給・手取りの考え方などを分かりやすく解説します。
この記事の目次
月給とは?
まず、収入の基本となる月給について説明します。
- 基本給について
- 月給は「基本給+各種手当」
基本給について
月給を解説する前の事前知識として、先に基本給を解説します。
基本給とは、手当やインセンティブが含まれない「基本賃金」のことです。
日本企業では、一般的に基本給テーブルをもとに1年ごとに昇給する仕組みがとられており、昇給額は年齢や勤続年数、スキルや会社貢献度などを総合的に判断して決められます。
また、職種によって基本給テーブルが分けられている企業もあり、一般事務職と比較してエンジニア職や総合職は基本給テーブルのレートが高く設定されていることがほとんどです。
月給は「基本給+各種手当」
月給とは、月に支払われる賃金の総額を指します。
具体的には、基本給に加えて、住宅手当や役職手当などの金額が固定となる手当を含めた合計賃金を月給とみなします。
つまり、通勤手当や残業手当などの金額変動見込みのある手当や、ボーナス・インセンティブ報酬は含まないので注意してください。
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日本における月給の平均は?
厚生労働省の『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、令和4年度の一般労働者の平均月収(所定内給与額:諸手当等は除く)は約31.1万円でした。
男女別では、男性の平均月収が約34.2万円、女性の平均月収が約25.8万円とのこと。
各種手当が月2〜3万円程度支給されるとすると、一般労働者の月給の平均は約35万円前後になると予想されます。
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月給と月収の違い
本章では、月給と月収の違いを解説します。
- 年収について
- 月収との違い
- 総支給額について
- 源泉徴収について
年収について
月給と月収の違いを解説する上で、「年収とは何か」を理解すると分かりやすいです。
年収とは、「1年間でもらった給与全て」を指します。
具体的には、12ヶ月分の基本給・各種手当・残業代・ボーナスなども含めた金額の総額です。
月収との違い
月収とは、「年収を12ヶ月で分割した金額」を指します。
月収に含まれる残業代は、毎月の残業時間によって支給額が変動し、ボーナスも年1~2回と決まったタイミングで支給されます。
そのため、ある1ヶ月の収入のみを見た月給と年収を12で分割した月収とは、違う金額になることがお分かりいただけるでしょう。
したがって、月収は「年間収入の実績月額平均」、月給は「月額見込み」と考えておけばよいでしょう。
ちなみに、各種手当やインセンティブ、ボーナスがなく、毎月定額が給料として支払われる場合、月給と月収は同じ額になります。
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総支給額について
ちなみに、総支給額とは給与明細に記載される、会社側が従業員に支払うすべての金額を表し、月収と同じ意味で使われます。
また、額面から社会保険料や各種税金などが源泉徴収される前の金額のため、「額面給与」と呼ばれることも多いです。
源泉徴収について
源泉徴収とは、会社が個人に代わって国に税金を納める仕組みのことです。
会社員の場合、1年の終わりに会社から発行される源泉徴収票に、年間の額面給与(年収)と源泉徴収額がそれぞれ記載されています。
また、年末調整として生命保険控除や住宅ローン控除を行うことで、払いすぎた税金が還付されます。
月給と手取りの違い
手取りとは、月給から社会保険料や所得税などの各種金額を引いた金額のことで、源泉徴収後の金額を表します。
つまり、自分の銀行口座に振り込まれる金額と思って問題ありません。
ちなみに、求人案内には給料が「月給」として表記されている場合が一般的で、実際の手取り額は月給から源泉徴収された金額なので、低くなると考えておきましょう。
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月給を上げるための5つの方法
月給は、「基本給+各種手当」であることは理解できたと思います。
続いて本章では、月給を上げようと思った場合にどういった手段を取ればよいか、具体策を5つ紹介しましょう。
- 基本給を上げる
- 勤務時間を伸ばす
- インセンティブ(報奨金)を得る
- 資格や経験を身につける
- 転職をする
基本給を上げる
1つ目は、基本給を上げるという方法です。
年功序列型の企業が多い日本では、正社員の基本給は従業員の年齢や勤務年数によって少しずつベースアップするのが一般的といわれています。
しかし、年齢や勤務年数によるベースアップは、全社員一律のため昇給率は小さいです。
そこで、大きく基本給をアップさせるには、以下のような行動が必要です。
- 誰の目にも明らかな実績を残す
- 上司や部下からの信頼を得る
- 1つ上のステージで働く覚悟を持つこと
上記の内容について、深掘りします。
実績を残す
大きく基本給をアップさせるには、圧倒的な実績を挙げて会社に貢献することが近道です。
たとえ能力があっても結果を出していない人は、出世のチャンスが回ってきません。来るべきチャンスに備えて、目の前の仕事に真摯に取り組みましょう。
信頼を得る
周囲から信頼を勝ち取り、出世を望まれる評価をもらうのもポイントです。
上司から認められることは必須条件と考えて、仕事で関わるすべての人と良好なコミュニケーションを心がけましょう。
1つ上のステージで働く覚悟を持つ
出世すれば役割が変わり、これまで同僚だった人たちが部下になることもありえます。
出世したはいいけど役割が変わると成果が出せない、といったことが無いように、普段から1つ上の視点で仕事に取り組むようにしましょう。
勤務時間を伸ばす
2つ目は、勤務時間を伸ばすことです。
つまり、勤務時間が長いほど残業手当も増え、収入アップにつながるでしょう。
しかし、日本社会は働き方改革によって、残業時間を削減する方向に向かっており、長時間労働で給料が安いイメージがあったエンジニアやプログラマーなどの職場環境は改善されつつあります。
実際、トップダウンでのマネジメント改善や、フレックスタイム制、テレワークの採用など、個人の労働環境改善に着目している企業は確実に増えています。
また、労働基準法でも残業ができる時間は制限されており、労働組合との労使協定にて残業時間が制限されている会社も多いです。
したがって、残業時間を増やすことで月給を上げるのは理論的には可能なものの、周囲の勤務状況を冷静に見極めた上で、本当に必要な場合にだけ残業するようにしましょう。
インセンティブ(報奨金)を得る
3つ目は、インセンティブを得ることです。
インセンティブは賞与とは異なり、月ごとの社員個人の業績や成果に応じて支払われる手当のことで、仕事に対する従業員のモチベーションを上げるために設けている企業も多いです。
そのため、仕事で成果を残せれば、インセンティブの金額も上がるため、会社と個人双方にとってメリットになるでしょう。
自分が仕事で成し遂げたことが給与として評価され、その評価が仕事に対するやる気にもつながるはずです。
インセンティブは、ボーナスの一部として支払われることがほとんどなので、会社業績に加えて個人業績が連動されるボーナス制度として理解しておきましょう。
ちなみに、会社の規則によっては、有給を使い切った状態で病欠して欠勤扱いとなった場合、ボーナス査定に影響することがあるので注意しましょう。
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資格や経験を身につける
4つ目は、資格や経験を身につけることです。
会社によっては、従業員の持っている資格や経験に応じて各種手当を支給することもあります。
特に、その会社が事業として行なっている分野に関連する資格だと、評価の対象になりやすいです。
資格や経験に応じた手当を設置している場合、事前に会社側から手当の対象となる具体的な資格や経験が明示されている場合が多いです。
なお、会社内での評価に加えて、求人条件で有資格者が優遇されるケースもあるので、転職時にも有利に働くことを覚えておきましょう。
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転職をする
5つ目は、収入アップが見込めそうな業界・職種に転職することです。
例えば、IT業界ではIT人材の不足が深刻化しており、経済産業省の『IT人材需給に関する調査』によると、2030年には78.9万人が不足するといわれています。
厚生労働省の『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、令和4年度のシステムエンジニアに該当する「ソフトウェア作成者」の平均年収は約550万円でした。
これは、国税庁の『令和4年分 民間給与実態統計調査』で発表された、給与所得者の平均年収458万円よりも約50万円ほど高い金額であると分かります。
そのため、ITエンジニアは恒常的に売り手市場であり、現在の月給が日本全体の平均年収と比べてあまりにも低い場合は、転職を検討するのも1つの手段です。
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月給の意味を理解して収入に関する知識を身につけよう
本記事のまとめとしては、以下の通りです。
- 月給:「基本給+各種手当(交通費・役職手当など)合計」
- 月収(=総支給額):年収を12ヶ月で分割した収入
- 基本給:手当やインセンティブが含まれない「基本賃金」
- 年収:月給にボーナス、インセンティブ、残業手当を含めた1年間で得た全収入合計
- 手取り:月給から社会保険料や住民税・所得税などを差し引いた収入
月給についてしっかり理解しているかどうかで、今後の働き方を見直すこともできます。
自分のキャリアを見つめ直す上でも重要な観点になるので、収入に関する知識は早いうちからしっかり身につけておきましょう。
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