あなたは働いていて、自身の評価について悩んだことはありませんか?
そのような人はもっと自身の価値を高めようと、自分に必要な能力や仕事のコツなどを調べたり、上司や先輩に相談したりしたことでしょう。
そしてその過程で「ナレッジワーカー」という言葉を耳にしたかもしれません。そこで本記事では、ナレッジワーカーとは一体何なのか、注目されている背景や代表的な職種などを解説します。
ナレッジワーカーに興味がある・ナレッジワーカーとして働きたいという方は参考にしてください。
この記事の目次
ナレッジワーカーとは?
ナレッジワーカーとは特定の職業を意味する言葉ではありません。「knowledge(知識)」と「worker(労働者)」を組み合わせた造語で、知的労働者とも呼ばれています。
以下でナレッジワーカーの概要について解説していきます。
- 知的生産物を生み出す労働者
- ホワイトカラーとは違う
- 対義語はマニュアルワーカー
知的生産物を生み出す労働者
ナレッジワーカーと言う言葉は、20世紀に活躍したオーストラリア出身の経営学者ピーター・ファーディナンド・ドラッカーが、自身の著書で提唱した言葉です。
マネジメントの生みの親と呼ばれているドラッカー氏は、このナレッジワーカーを「知識経済を根本から支える高度な専門知識をもち、形のない知的生産物を生み出す労働者」だと定義しました。
つまりナレッジワーカーとは、従来の仕事をただこなしているのではなく、知識によって企業に新たな付加価値を生み出す人材のことなのです。
ホワイトカラーとは違う
ナレッジワーカーのことをホワイトカラーと同じ意味だと勘違いされることがありますが、実際の意味は異なります。
ホワイトカラーはワイシャツやスーツ姿でオフィスワークのような「頭脳労働」をする人です。
しかし、ナレッジワーカーのように必ずしも知識によって企業に新たな付加価値を生み出しているわけではありません。
ホワイトカラーはその人の所属、ナレッジワーカーはその人の称号というように考えるとわかりやすいかもしれません。
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対義語はマニュアルワーカー
ナレッジワーカーの対義語はマニュアルワーカーです。
マニュアルワーカーとは、生産性と作業の効率性を高めるためマニュアル(作業手順)に沿って業務を遂行する労働者のこと。
製造業や単純作業に必要とされ、高度経済成長期にマニュアルワーカーはなくてはならない人材でした。
しかし、テクノロジーの目覚ましい発展により製造業や単純作業は機械化が進んでおり、マニュアルワーカーの仕事は減りつつあるようです。前述したブルーカラーも、このマニュアルワーカーに含まれます。
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ナレッジワーカーが注目されている背景
現在、注目を浴びているナレッジワーカーですが、なぜ注目されているのかその背景について解説します。
- 技術の進歩により知識が重要視されてきた
- ナレッジ自体が商品やサービスとなってきた
技術の進歩により知識が重要視されてきた
テクノロジーの進化により単純作業は自動化できるようになったため、人手があまり必要ではなくなりました。
そのためマニュアルがあれば誰にでもできる仕事の価値が薄くなり、人材の多さで生産力を上げるよりも、知識によって効率や生産性を上げることのほうが重要視されるようになったのです。
ナレッジ自体が商品やサービスとなってきた
ナレッジ自体が商品やサービスとして売れるようになったのも、ナレッジワーカーが注目されている理由です。
例えば、自動車を製造して販売するとしたらまずは設計図を作成し、それに合わせて部品の調達、製造、在庫管理、配送、販売という流れになります。
この全体の流れのことをサプライチェーンと言いますが、ナレッジワーカーはこのサプライチェーンの工程の管理や経営をするような立場であり、知識によって生産性や効率をあげる役割を担っています。
例をあげると、コンサルタントのような仕事です。年々変化している消費者のニーズに対応するために、サプライチェーンや生産ラインがない、知識そのものを商品とするビジネスも多くなっています。
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ナレッジワーカーの代表的な職種・仕事
ナレッジワーカーが活躍する仕事は数多くありますが、こちらの項目では4つに絞って紹介。
- ITエンジニア
- コンサルタント
- 金融アナリスト・ディーラー
- 士業
ITエンジニア
ITエンジニアはシステム開発により、業務の効率化や生産性を上げることができる仕事です。
ナレッジワーカーは、場所や時間に囚われず知識により成果を出せるいう特徴を持つっています。
そのためプログラミングという知識を活かしシステム開発を行うITエンジニアは、ナレッジワーカーとしての特徴を多く持つ仕事と言えるでしょう。
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コンサルタント
コンサルタントは企業からの相談を受け、問題解決や企業の発展に協力する役割を担っています。
ITコンサルタントなら企業に役立つITシステムの開発や導入の提案。WEBマーケティングコンサルタントなら、WEBを利用した集客や顧客獲得のためのアドバイスなどです。
クライアントにヒアリングを行い、業界について調べたり大量のデータの集計や分析をし、最良の提案を行わなければなりません。
コンサルタント個々人がビジネスマンとしての力量が高い業界という印象を受ける人も多いでしょう。
金融アナリスト・ディーラー
金融ディーラーや金融アナリストは、顧客から預かった資金を株などで運用し、利益を増やして還元するための仕事です。
企業の動向や経営状態、政治経済の情勢などあらゆる情報を分析し、株や証券の将来を予測する必要があります。
結果が数字として明確になるプレッシャーのかかる業界ですが、非常に高度な頭脳労働のためナレッジワーカーが活躍できる仕事です。
金融機関は金融ディーラーや金融アナリストの分析をもとに投資戦略を立てたり、顧客に投資のアドバイスをしています。
士業
士業(しぎょう)とは、高度で専門的な知識や技術を用いて専門的なサービスを提供する職業を総称した言葉です。日本では、高度な資格を必要とする「〇〇士」と名のつく職業に該当します。
具体的には、弁護士・税理士・弁理士・社会保険労務士・行政書士・司法書士・土地家屋調査士・海事代理士などで、これらは「8士業」とも呼ばれています。
士業はクライアントが抱えるさまざまな課題やニーズに対して、高度な専門知識を用いつつ、論理的思考や問題解決能力を発揮して向き合わなければなりません。
また法律に則った行動や倫理規範に基づいた判断、社会的責任のある仕事という観点からも、ナレッジワーカーとしての側面が強いのです。
ナレッジワーカーの知識をマネジメントすることも重要
ナレッジワーカーの知識を活かすには、知識をマネジメントするナレッジマネジメントも重要となります。
ナレッジマネジメントとは、生み出した知識や経験を共有財産として蓄積し、企業の組織・競争力を向上させる経営手法です。
ナレッジマネジメントについて詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご覧ください。
▶️ナレッジマネジメントとはなにか?メリット・デメリットも解説
優秀なナレッジワーカーとして働くためにはスキルが必要
ナレッジワーカーとは一体何なのか、注目されている背景や代表的な職種などを解説しました。
特に意識することなくがむしゃらに働いているだけでは、ナレッジワーカーとして働くことはできません。優秀なナレッジワーカーとして働くためには、スキルが必要となってきます。
以下の記事ではそのような、ナレッジワーカーとして働くために必要なスキルや働く際のコツを解説しています。合わせて参考にしてみてください。
▶️ナレッジワーカーとして働くために必要な4つの能力。おすすめの本も紹介
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