「転職エージェントを利用すれば、転職は必ずうまくいく」
このようにお考えの方は、少し注意が必要かもしれません。
転職エージェントには、メリットもあればデメリットもあります。万人におすすめというわけではなく、場合によっては転職エージェントを利用しない方がよいことも。
両方の側面を理解した上で、最適な手段を用いて転職活動するのが成功への近道です。
そこでこの記事では、転職エージェントを利用することのデメリットにフォーカスし、エージェントの利用がおすすめな人・そうでない人や、エージェントをうまく活用する方法をまとめました。
転職エージェントを利用するかどうか迷っている方は、参考にしてみてください。
この記事の目次
そもそも転職エージェントとは?
そもそも「転職エージェント」とは、求職者と企業の間の仲介役を担う事業者のこと。
求職者は、担当のキャリアアドバイザーに希望や現状のスキルセットを伝えることで、条件に合う求人情報を紹介してもらえるのです。
求人情報のほか、以下のようなサービスも提供しています。
- キャリア相談:転職活動の悩み相談や適職のアドバイスなど
- 履歴書・職務経歴書の添削指導
- 面接の準備や回答に関するアドバイス
- 各種代行:求人への応募・日程調整・労働条件の交渉などの代行
企業側としては、成長意識の高い優秀な人材を確保できる可能性が高まるでしょう。
大手の転職エージェントとして有名なのは、「リクルートエージェント」「doda」「マイナビエージェント」の3社。利用する際は、複数サービスに登録するのがセオリーです。
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転職エージェントを使うデメリット9つ
転職エージェントを利用するデメリットとして、以下の9つが挙げられます。
- 転職以外の方法を訴求されることがない
- すぐに求人の応募に移れない
- 担当者と相性が合わない場合がある
- 特定の業界の求人しか紹介できない場合がある
- ユーザーの満足度が低いエージェントもある
- 求人を自由に閲覧できない
- 無理なスケジュールを組まれる場合がある
- 転職サポート期間が決まっている場合がある
- 採用ハードルが上がる可能性がある
転職以外の方法を訴求されることがない
転職エージェントを利用するデメリットとしてよく挙げられることの1つが、「転職以外の方法を訴求されることがない」こと。
しかし、これはある種当然のことともいえます。
なぜなら、転職エージェントは企業にマッチする人材を紹介することで、紹介料(報酬)を受け取るビジネスモデルだからです。
つまり、転職エージェント側は求職者に転職してもらわないと、売上が発生しないということ。
仮に面談に訪れた方が、必ずしも転職したいわけではなかったとしても、面談の中で転職する方向に話が進んでしまい、結果として望まない転職を強いられる可能性も。
今後のキャリアプランを考える時に、転職以外の方法まで総合的に判断したい場合は、転職エージェントの利用は必ずしもおすすめはできません。
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すぐに求人の応募に移れない
転職エージェントに登録すると、キャリアアドバイザー(キャリアカウンセラーなど呼び方はエージェントによって異なる)という担当者がつきます。
このキャリアアドバイザーが求職者の悩みの相談や、応募企業との連絡、採用条件のすり合わせなどを行ってくれることが転職エージェントを利用するメリットです。
しかし、転職エージェントから求人の紹介を受けるためには、まずキャリアアドバイザーとの面談を行わなければなりません。
面談の日時を調整する必要があることを踏まえると、「応募したい求人が決まっている」などの場合、面談に時間がかかることがデメリットに感じてしまう可能性があります。
担当者と相性が合わない場合がある
担当になったキャリアアドバイザーとの相性が合うかどうかは、実際に面談をしてみるまで分かりません。
キャリアアドバイザーにもさまざまなタイプの人がいるため、あなたの性格にマッチしない人が担当になってしまう可能性もあります。
その他にも、以下のような希望もあるでしょう。
- 年齢が近いキャリアアドバイザーの方が話しやすい
- 同性のキャリアアドバイザーの方が相談しやすい
自分に合わないキャリアアドバイザーの場合は、担当を変えてもらうか、別の転職エージェントを利用するなどの対策が必要になります。
特定の業界の求人しか紹介できない場合がある
転職エージェントと一口に言っても、特徴は大きく異なります。
あらゆる業界の求人を紹介できるエージェントもあれば、「IT業界特化」のように特定の業界の求人のみ紹介できるエージェントもあるのです。
利用を検討している転職エージェントの特徴や紹介可能な求人の業界などを理解していないと、希望の求人を紹介してもらえないことも。
すると、結果的に面談の時間が無駄になってしまうかもしれません。
また地域によっても紹介できる求人の数に差があり、地方よりも都心部に位置する転職エージェントの方が紹介できる求人数も多い傾向があります。
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ユーザーの満足度が低いエージェントもある
サポート体制が不十分だったり、ユーザーが希望している求人と全く異なるものを紹介したりしたことなどが原因で、ユーザーの満足度が低い転職エージェントも存在します。
過去の実績やユーザーの評価を確認しないと、転職エージェントを利用しても満足のいく結果が得られない可能性もあります。
特に、本記事冒頭に記載したような「エージェントを利用すれば転職がうまくいく」という考えで、下調べせずに転職エージェントを利用するのは注意が必要です。
求人を自由に閲覧できない
転職エージェントではキャリアアドバイザーとの面談後、アドバイザーが求職者の希望やキャリアに沿った求人を紹介し、その中から応募先を選びます。
キャリアアドバイザーは数多くの求職者に対応してきた、いわば「転職活動のプロ」であるため、過去の経験やデータから求職者にマッチした求人を紹介してくれるでしょう。
しかし、キャリアアドバイザーに紹介してもらった求人以外を見ることができないケースが多く「いろんな求人を見て比較したい」という人にとっては、デメリットになる可能性も。
無理なスケジュールを組まれる場合がある
実際に転職エージェントを利用すると、担当のキャリアアドバイザーが応募先の企業と連絡を取り、面接日程の調整などを進めてくれます。
早く次の仕事を見つけたい方や、比較的いつでも面接に対応できる方なら、メリットに感じられるかもしれません。
その一方、1社ずつじっくり比較しながら転職先を選びたい方や、在職中で時間の調整が難しい方からすると、無理なスケジュールを組まれているように感じてしまう可能性も。
転職エージェント側としてはユーザーに早く内定を獲得してほしい気持ちがあるため、短い期間内に面接を設定する傾向があります。
転職サポート期間が決まっている場合がある
転職エージェントの中には、「面談後3カ月まで」といったように、サポート期間に制限を設けているケースがあります。
ゆっくり転職活動を進めたい方や、面接の日程調整がうまくいかず長期化してしまう可能性がある方は注意が必要です。
この場合、サポート期間が決められている転職エージェントの利用は、デメリットの方が大きいかもしれません。
採用ハードルが上がる可能性がある
転職エージェントから紹介された人材は、企業にとっては求める人材と合致する可能性の高い優秀な人材だと期待して面接に臨みます。
そのため、求職者側は履歴書や面接での採用ハードルが上がる可能性も。
面接では、前職での実績や成果、あるいはスキルセットについて細かく聞かれることもあるので、十分な面接対策が求められるでしょう。
もっとも、企業側は手数料を支払って転職エージェントから紹介してもらっているので、採用ハードルが上がるのは自然なことともいえます。
転職エージェントを使わない方がいい人とは
キャリアアドバイザーに相談したい方や初めて転職する方にとっては便利な転職エージェント。しかし、利用しない方がよいケースもあります。
前述したデメリットを踏まえて、ここでは転職エージェントの利用に向いていない人の特徴を3つ紹介。自分と照らし合わせて確認してみてください。
- 応募したい企業が決まっている
- 明確なキャリアプランが決まっている
- 自分のペースで転職活動をしたい
応募したい求人が決まっている
「この求人に応募したい」とすでに決まっている場合、転職エージェントを利用するとかえって遠回りになってしまうかもしれません。
転職エージェントを利用する場合、登録後にキャリアアドバイザーとの面談を挟むため、応募までに時間がかかってしまいます。
応募したい求人が明確ならば、企業のHPから直接自分で応募した方が、転職活動をスピーディに進められるでしょう。
明確なキャリアプランが決まっている
将来のキャリアプランが決まっており、それに向けて転職をするのであればエージェントの利用は不要かもしれません。
転職エージェントは、今後のキャリアについてアドバイザーに相談できます。
しかし、すでにキャリアプランが明確なのであれば、相談の時間を履歴書作成や面接対策などに回した方が効率的でしょう。
また助言によって思い描いていたキャリアが揺らいでしまいそうな人は、転職エージェントの利用がネガティブな方向に作用してしまう可能性も。
自分のペースで転職活動をしたい
ここまでに紹介してきたとおり、転職エージェントは短期間のうちに面接のスケジュールを組もうとする傾向があります。
またエージェントによってはサポート期間が限定されていることも考えると、ゆっくり自分のペースで転職活動をしたいという方には、転職エージェントの利用は不向きといえます。
具体的には、以下の通りです。
- 数カ月ほど資格の勉強をしてから転職したい
- 現職の仕事が忙しく、一段落してから転職活動を始めたい
- 応募する企業を精査して、1社ずつ時間を使って対策を練りたい
この場合、転職エージェントを使わずに、自分自身で転職活動を進めるのがおすすめ。
メリットもある!転職エージェントの利用がおすすめな人とは
デメリットもあれば、もちろんメリットもあります。
以下のケースに当てはまる方は、ここまでに紹介してきた転職エージェントのデメリット以上にメリットを強く感じられるでしょう。
- 転職に詳しいプロに相談したい
- 転職活動の流れが分からない
- 非公開の求人を公開してほしい
- 短期間で転職したい
- 転職できるかどうか不安が強い
転職に詳しいプロに相談したい
「転職エージェントを利用することのデメリット」の項目で紹介した通り、転職エージェントを利用するとキャリアアドバイザーが担当としてついてくれます。
キャリアアドバイザーには、以下のようなことを相談可能です。
- どのような職種が自分のキャリアに合っているか
- 自分の希望に近い求人はあるのか
- 履歴書には何を書けばいいのか
- 面接対策として何をすればいいのか(模擬面接の依頼)
- 面接当日の身だしなみや話し方で意識するべきことは何か
またキャリアアドバイザーは業界・企業に関する情報もたくさん持っているため、インターネットで検索しても集められない情報を聞くこともできるでしょう。
転職活動を行う前に、転職について詳しいプロの客観的な意見をもらいたい人は、複数登録してそれぞれの意見を参考にしてみてください。
転職活動の流れが分からない
初めての転職で、まず何から取り掛かればいいのか分からない人は、転職エージェントで現状の疑問点や悩みをざっくばらんに話してみてください。
転職エージェントでは、履歴書の書き方の指南から希望の求人への応募、面接のスケジュール設定などを担当のキャリアアドバイザーが行ってくれます。
転職活動の流れがわからなくても、エージェントが代わりに進めてくれるので、安心でしょう。
非公開の求人を紹介してほしい
転職エージェントを利用すると、一般の求人サイトでは公開していない「非公開求人」を紹介してもらえる場合があります。
企業が人材を採用する際、少しでも採用の手間を省略し、希望に近い人材のみが応募してくれるよう転職エージェント経由でしか応募できない求人を出す場合があります。
自社で面接を行う前に、転職エージェント側でマッチする人材かどうか判断した上で応募するため、「非公開求人」は企業側にメリットがあるのです。
求職者側からすると、転職エージェントを利用することで一般のサイト上で募集していない求人に応募することも可能です。
求人サイトでお目当ての募集が見つからないければ、転職エージェントの利用も検討してみるとよいでしょう。
短期間で転職したい
「明確にどんな仕事をしたいか決まってはいないものの、すぐに次の仕事を見つけたい」という方は、転職エージェントの利用がおすすめです。
キャリアアドバイザーに相談し、紹介してもらった求人の応募を始めたら、アドバイザーはかなり早いペースで面談の日程調整をしてくれる傾向があります。
自分で応募先の企業と連絡を取り合うよりも転職活動が早く進む場合もあるので、短期間で転職したいのであれば転職エージェントの利用はメリットになるでしょう。
特に「日中は働いてて企業と連絡が取れるのは夜になってしまう」という方は、日中でも連絡を代行してくれる転職エージェントを利用した方が、効率的に転職活動を進められます。
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転職できるかどうか不安が強い
初めて転職活動をする方や、採用面接に苦手意識を持っている方は「うまく転職できるだろうか」という不安を抱えていると思われます。
不安を強く感じているのであれば、転職エージェントを利用した方がよいでしょう。
キャリアアドバイザーに不安を相談でき、プロの視点から解決方法を教えてくれます。
また、実際の面接でアピールできない点があったとしても、キャリアアドバイザーが企業に対して求職者の長所などをプッシュしてくれる場合も。
転職エージェントの利用が、採用になる可能性を高めることにもつながるでしょう。
転職エージェントの利用に失敗しないためのポイント
もし転職エージェントを利用するならば、失敗してしまうリスクは少しでも下げたいところ。
ここでは、転職エージェントをうまく利用するためのポイントを3つ紹介します。
- 利用を考えている転職エージェントの特徴や評判を調べる
- 複数の転職エージェントを比較する
- 最終的な意思決定は自分で下す
前もって特徴や評判について調べる
「転職エージェントを利用することのデメリット」で紹介したように、ある業界に特化したエージェントや、ユーザーの満足度が低いエージェントも存在します。
- 実際にキャリアアドバイザーと面談したけれど、希望している業界の求人を取り扱っていなかった
- 転職エージェントに紹介してもらった企業に転職したけれど、働き方が合わずにすぐ退職してしまった
このような事態にならないよう、事前にエージェントの特徴や評判・クチコミなどをインターネットを使って調べておきましょう。
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複数の転職エージェントを比較する
転職エージェントを利用するにあたり、複数のエージェントを比較することをおすすめ。
転職エージェントによって取り扱っている求人の種類が異なるだけでなく、担当となるキャリアアドバイザーのタイプも異なります。
なるべく相性の良いアドバイザーが担当についてくれた方が相談もしやすくなるでしょう。
あなたにピッタリな転職エージェントを見つけるためにも、少なくとも2〜3つの転職エージェントを比較してみてください。
転職エージェントは基本的に無料で利用できます。理由は、転職エージェントはユーザー(求職者)からではなく、求職者を紹介して採用した企業から報酬をもらっているためです。
複数のエージェントに相談してもお金はかからないので、ご安心ください。
最終的な意思決定は自分で下す
転職エージェントはあくまでも「求職者の転職活動をサポートするサービス」です。
キャリアアドバイザーに転職活動の舵取り全てを任せてしまうのは禁物。
どの企業に応募し、どの企業の内定を受けるのかといった最終的な意思決定は、求職者であるあなた自身が下すのだと考えましょう。
キャリアアドバイザーの言われるがままに転職してしまうと、仮に転職先の働き方が自分とマッチしなかった場合、後悔してしまう人が多いのではないでしょうか。
自分の判断を後悔しないためにも、キャリアアドバイザーに決定権を委ねるのではなく、決断は必ず自分自身で行うようにしましょう。
転職エージェントのメリット・デメリットを把握しよう
本記事では、転職エージェントを利用することのデメリットにフォーカスし、エージェントの利用がおすすめな人・そうでない人や、エージェントをうまく活用する方法を紹介しました。
転職エージェントの利用は、全ての求職者にとっておすすめとは言い切れません。
応募したい求人や今後のキャリアプランが決まっている人、自分のペースで転職活動を進めたい人などにとっては、転職エージェントのデメリットの方が優ってしまう可能性があります。
どのような求人に応募するか決めることも重要ですが、転職活動の進め方としてエージェントを利用するかどうかも慎重に判断しましょう。
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