最近VRという言葉をよく目にしませんか?
「VRってゲームだけじゃないの?」と思われるかもしれませんが、今後確実にVRの技術が様々なものに影響を与えます。そこで今回は、VRの市場規模、VRがもたらす変化、今後のVRの可能性について解説していきます。
確実に来るVR業界を知ることは、あなたのキャリアを考える上で役立つこと間違いなしです。
この記事の目次
VRとは?
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参考ください。
VR元年
2016年は、VR元年と言われています。それはVRに必要不可欠なヘッドマウントディスプレイが2016年にひととおり出揃ったからです。
高性能かつ一般消費者にも手が届く価格帯で商品化されたヘッドマウントディスプレイは、Facebookの「Oculus Rift」、HTCの「HTC Vive」、Samsungの「Galaxy Gear VR」、SONYの「PlayStation®VR」といった多くの製品が、2016年販売開始となっています。
ヘッドマウントディスプレイ市場に参入しているこれらのメーカーに加え、Google、Microsoft、Appleといった巨大IT企業もVR市場に参入しています。日本では、コロプラ、DMM、GREE、gumiなどのゲーム分野や動画分野への参入が有名です。
それでは、なぜVR市場がここまで注目を集めているのでしょうか?
VRの市場規模
VR市場予測
VR市場にここまで注目が集まる理由はその無限の可能性です。
ここでゴールドマン・サックスのVRに関する調査による市場予測を見てみましょう。
ゴールドマン・サックス
ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部は、 今後AR/VR市場が2025年には約950億米ドルまで 拡大すると予測しており、PC・スマートフォンに続く 第3のプラットフォームとして市場を形成する可能性 があるとしています。
AR/VR市場の成長に伴い、 ハードウェア面では、Facebookの「Oculus」、SONY、HTCやSamsungといったヘッドマウントディスプレイを製造する企業や、パーツを提供する半導体メーカーなどへの恩恵が期待されます。また、ソフトウェア面では、画像解析やデータ処理を手掛ける企業、ゲーム開発会社やコンテンツ配信を手掛ける企業などが挙げられます。
2025年には約950億ドルまで市場が拡大するとありますが、これは日本円でおよそ11兆円です。
この金額は、2015年の全店ベースの年間売上高で考えたコンビニの市場規模である10.8兆円に近い金額です。
ほんの10年先にはこれほどの市場規模になると予測されているのです。
VR市場の可能性を感じていただけたでしょうか。
では、VR市場の内訳はどのようになっているのでしょうか?
VR関連ソフトウェアの2025年市場内訳(下図)に示されるように、エンターテインメント関連が市場全体を牽引していくと予測されています。 既に、将来のVR市場を見据えた動画コンテンツの 取得合戦は始まっており、例えばJリーグは7月、英動画配信企業と2017年からの10年間で2000億円超という規模の放映権契約を結んだことを発表しました。1年あたり200億円という放映権料は現行水準の7倍の金額ともいわれ、スマートフォンやPCから見られる動画配信はもちろんのこと、VR映像の配信も視野に入っていると言われています。VRの普及はエンターテインメント市場のあり方に大きな変化をもたらす可能性を秘めています。
このようにVR市場の多くはエンターテイメント分野が占める予測となっています。
いかにして産業分野で応用していくことができるかが、今後VRが普及する上での課題と言えるでしょう。
VR市場勢力図
これほどの注目を集めるVR市場ですが、VRブームはまだまだ始まったばかりです。
では現在の世界と日本のVR業界の勢力図はどうなっているのでしょうか。それぞれ見てみましょう。
出典 MoguraVR VR業界マップの最新版が公開 春時点版との相違点は
出典 【特集】国内VR市場を俯瞰した業界マップ「2016 VR Industry Landscape in JAPAN」作成
世界のVR業界勢力図では巨大IT企業であるFacebookやGoogleをはじめ、Amazon、SAMSUNGなどの有名企業の名前が目立ちます。
その中でも、掲載されている日本企業はSONYやFOVE、Nikon、RICOHといった限られた業界かつ数も少なく、日本は世界に対して遅れをとっていると言えます。
一方、日本のVR業界勢力図では一般的に知られていない企業も多く、市場の伸びに伴ってこれから多くの企業が参入してくるのではないでしょうか。
これらの図から見られるように、あなたの知らないところでさまざまな企業がVR技術に注目し、VR市場に参入していることがわかります。
この勢力図は2016年9月のものなので、これからこの業界勢力図も大きく変わり、さらに多くの企業の参入、市場の拡大が予想されています。
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VRの登場によって変化する業界
ここまではVR業界の市場規模や業界勢力図から、いかにVRの市場が大きく、これから拡大する可能性があるか見ていただきました。
では、こういったVR技術は、実際にどのような業種、業界の企業がVRを活用していくのでしょうか?
ここではすでに取り入れられている例をあげながら見ていきたいと思います。
エンタメ
VRと聞いて、まず思い浮かびやすいエンタメ業界についてみていきましょう。
GREEは、2016年12月16日オープンのアドアーズ初となるVRエンターテインメント施設”VR PARK TOKYO(ブイアールパークトーキョー)”にて、対戦や協力ができるマルチプレイVRゲーム2機種を新設することを発表しました。
施設内に常設される合計7機種/8台(予定)のVRアトラクション2機種(『対戦!ハチャメチャスタジアムVR』と『協力!GHOST ATTACKERS VR』)は、アドアーズとグリーの共同開発によるものです。
出典 ファミ通App
建築
積木製作は、大規模な都市開発をVRによって分かりやすくしようと、情報地図を3Dビジュアル化したVR City Viewerというデジタルコミュニケーションツールを開発しています。
例えば、都市計画に利用もできるため、新しいスマートシティや、2020年開催の東京オリンピックの会場の開発計画での利用を目指しています。
以下の動画では、3D化された情報地図がどんなものか見ることができます。
積木製作は他にもVRを利用した体験教育、訓練、トレーニングシステム、ゲーム・エンターテインメントのコンテンツがあります。
出典 積木製作
不動産業
全景株式会社は、現地に行かなくても物件がVRで体験できる不動産向けVRシステムとして、ZENKEI 360を開発しています。
これは図面や写真が準備できれば、ZENKEI 360専用の管理画面からすぐに物件の登録が可能でき、不動産管理システムとして売買の新築・中古一戸建て物件や土地、賃貸のマンションやアパート、モデルハウスなど、現在までに100万物件以上に利用されるVRプラットフォームシステムとなっています。
下記の動画では開発時のZENKEI360を実際に見ることができます。
出典 ZENKEI360
教育
Googleが2015年の9月に発表した、擬似的な社会科見学を可能とする教育サービスのExpeditionsは皆さんもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
このサービスは11ヵ国、合計100万人以上の子どもたちを200回以上のバーチャル社会科見学へと招待しています。VRを用いることで、通常では行けない場所に子どもたちを連れて行くことができ、経済的な事情で子供をフィールドワークに行かせてあげられないご家庭には最適で最も革新的であるとされています。
観光
観光でのVR利用例としては、北海道美唄市が国内初の自治体主導による観光VRアプリをリリースしています。
北海道美唄市の観光スポットの体験はもちろん、限られた時期にしか見られない、5万羽のガンが一斉に飛び立ち、文字通り空が埋め尽くされる様子の体験をすることもできます。
Android、iPhone共にアプリがリリースされており、ヘッドマウントディスプレイがなくても利用できるため、一度ダウンロードしてVRの世界を体験して見るのはいかがでしょうか?
ブライダル
楽天は2016年1月に発表した「楽天ウエディング」で結婚式場の下見をVR上で行えるバーチャルウエディングシステムを発表しました。
このサービスによって、企業は式場へ直接行けない検討者向けに、まるで式場に行ったかのように式場を紹介できます。
コントローラーを使うことで空間内を移動することができるため、実際に会場を下見しているような体験ができます。
出典 楽天株式会社
医療
医療分野で応用されているVR技術は、手術技術の向上などトレーニングのために利用される場合と擬似体験を用いた治療のために利用される場合の大きく2つに分けられます。
ここではイメージが湧きにくい擬似体験を用いた治療について取り上げます。
例えば、高所恐怖症や閉所恐怖症などの治療、悲惨な事件や事故・戦争などの体験者が発症する心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対する治療に用いられています。
擬似体験療法はその状況を再現することが治療に効果的なため、VR技術の進歩はこれらの治療に役立っています。
出典 VRゴーグルAppレビュー 様々な分野で生かされるVR技術
マンガ
VRを利用したマンガと聞いて、アニメやゲームと何が違うのか?と疑問に思うかもしれません。
SQUARE ENIXが技術デモという形で発表した「プロジェクト Hikari」は、
『あなたが大好きな「あの物語」の向こう側に行けたら…』という思いから始まったとてもユニークな取り組みです。
VR×マンガの不思議な世界は、今後どうなっていくのでしょうか。
参考サイト:TGS2016最大の目玉はスクエニの「Project Hikari」かもしれない!
ファッション
現在、ファッション業界でVRを利用しているのは、擬似ファッションショー体験においてです。
特に力を入れているDiorは、「Dior Eyes」というVRヘッドセットを製作しています。これは、着用者の頭の動きと連動して現場の映像が360度展開されます。
今まで会場に行って見るものだったショーや展示会も、会場に行かずとも体験できるようになってきました。
メディア
VRと相性が良いとされているメディアの1つにスポーツ観戦があります。
PANOPLAZAという企業は、さまざまな競技をまるで自分が競技しているかのように体験できるVRコンテンツを作っています。陸上競技やビーチバレー、スキー、フィギュアスケートなどさまざまなコンテンツが充実しています。
また、スポーツ観戦の中でも特にVRの活用が進んでいるのがサッカーです。Jリーグのクラブ練習、試合、インタビューなどを扱う動画メディアである『サカチャン』は、サッカー経験者にはたまらないコンテンツとなっています。
下の動画であなたも中村俊輔選手のフリーキックを壁になって体験してみてはいかがでしょうか。
出典 サカチャン
まとめ
いかがでしたか?VRがこれほど様々な業界に取り入れられているとは知らなかったのではないでしょうか。
VR市場はまだまだ発展途上にある大注目の業界です。そんな新しい市場を開拓し、自ら今後の発展の礎を築くことができるのは、この市場の大きな魅力です。
VR市場に興味がある方は、自分のキャリアを考える上で1つ「転職の選択肢」としても役立つこと間違いなしです。
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