ワイヤレスイヤホン・カーステレオでは、Bluetoothという仕組みが使われます。
Bluetoothにはバージョンの違いが存在し、それぞれ特徴が異なるため使用する際には注意が必要です。
この記事では、Bluetoothのバージョンごとの違いや互換性・バージョンアップの歴史について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
Bluetoothバージョンの違いは通信品質の違い
Bluetoothは、バージョンごとに通信品質が異なります。
ここでは、バージョンごとの通信品質の違いについて詳しく解説します。
Bluetoothバージョン一覧
Bluetoothは、1999年にバージョン1.0がリリースされてから、何度もバージョンアップをしてきました。
以下の表にBluetoothの各バージョンの内容をまとめました。
年 | バージョン | 内容 |
1999 | 1.0 | 一般にリリースされた最初のバージョン |
1.0b | バージョン1.0の問題点を改善 | |
2001 | 1.1 | 一般に普及した最初のバージョン |
2003 | 1.2 | 電波干渉を低減する機能を追加 機器検索の高速化を実現 音質向上を実現 |
2004 | 2.0 | 最大通信速度を切り替えられるオプション(EDR)を追加 |
2.1 | ペアリング処理を簡略化 | |
2009 | 3.0 | High Speedオプションを追加 最大通信速度が24Mbpsに向上 省電力性の向上を実現 |
2010 | 4.0 | 省電力特化のオプション(Low Energy)を追加 プロファイルを追加 |
2013 | 4.1 | LTEとの電波干渉を低減する機能を追加 接続が切れた際に自動で再接続を試みる機能を追加 |
2014 | 4.2 | セキュリティ機能を追加 データパケットサイズの拡大(27バイトから251バイト) |
2016 | 5.0 | 転送速度の向上 |
2019 | 5.1 | Bluetooth機器の向きを探知する機能を追加 |
2020 | 5.2 | 音声関連のデバイスを複数接続できる機能を追加 |
次の章で具体的に解説します。
通信速度・通信容量・消費電力・通信範囲が違う
Bluetoothはバージョンアップするごとに以下の通信性能が進化してきました。
- 通信速度
- 通信容量
- 消費電力
- 通信範囲
1999年に最初のバージョン1.0がリリースされ、現在普及している5.0では通信速度は2倍、通信範囲は4倍にもなりました。
また、バージョン4.0では、従来よりも消費電力を抑えられるモード「Bluetooth Low Energy」をリリースし、大幅な省電力化に成功しています。
Bluetoothの有効距離は「Class」で変わる
Bluetoothにはバージョンとは別にClassと呼ばれる、有効距離を表す概念があります。
Classを確認すれば、機器の通信範囲がどの程度あるのかが分かります。
Classは、Bluetoothを搭載している機器ごとに設定されており、現在使われているものは以下の3種類です。
- Class1:有効距離100m
- Class2:有効距離10m
- Class3:有効距離1m
Bluetoothバージョン3.0以前・4.0以降は互換性あり
Bluetoothバージョンは基本的に3.0以前・4.0以降で互換性があるので、バージョンが違っていても通信可能です。
例えば、Bluetooth4.2のワイヤレスイヤホンとBluetooth5.0のスマートフォンであれば問題なく接続ができ、Bluetooth4.2のワイヤレスイヤホンとBluetooth3.0のスマートフォンでは接続ができないといったイメージです。
3.0以前と4.0以降で互換性がない理由にプロファイルの違いが挙げられます。
プロファイルについては次の章で解説します。
Bluetoothのバージョンによって対応するプロファイルが異なる
Bluetoothは、バージョンごとに対応するプロファイルが異なります。
プロファイルとは、機器同士の通信手順などのルールを定義したもので、Bluetoothを利用する際はプロファイルに定義されたルールに基づいて処理が行われます。
Bluetoothは、マウス・キーボード・イヤホンなどあらゆる種類の機器で利用されているため、プロファイルも大量に存在します。
接続元・接続先機器のプロファイルが同じでなければBluetoothを使用できないため、対象の機器にプロファイルが対応しているか、確認が必要です。
ここでは、バージョンごとに何のプロファイルが対応しているかを一部紹介します。
バージョン3.0以前のプロファイル
バージョン3.0以前のBluetoothでは、主に音声データ関連のプロファイルが充実しているのが特徴です。
ワイヤレスイヤホンなどで音楽を聴きたい人であれば、バージョン3.0以前のBluetoothでも問題ありません。
プロファイル | 内容 |
HSP | 音声の入出力に関するプロファイル。パソコン・スマートフォン・イヤホンなどで利用されている。 |
A2DP | オーディオ機器間で音声を高品質で通信するためのプロファイル。 |
HID | キーボードやマウスを無線形式で利用できるようにするためのプロファイル。 |
FTP | パソコン間のデータ転送に関するプロファイル。File Transfer Protocol(FTP)とは別。 |
バージョン4.0以降で追加されたプロファイル
バージョン4.0以降から、多くのプロファイルが追加されました。
音声データ関連の他にも、プリンタ・画像データなどあらゆる用途に対応しています。
プロファイル | 内容 |
BPP | メールやテキストを印刷するためのプロファイル。 |
BIP | 画像データの転送に関するプロファイル。 |
PAN | 1つのパソコンを中心に、複数のパソコンを接続するためのプロファイル。 |
VDP | 動画データの転送に関するプロファイル。 |
Bluetoothのバージョンアップ方法
BluetoothはOSやアプリとは違い、原則バージョンアップはできません。
しかし、パーツの交換などでバージョンアップを実現する方法は存在します。
パーツやアダプタでアップグレードする方法はある
一部のノートパソコンは、パーツを交換することでBluetoothをアップグレードできます。
ノートパソコンに搭載されているBluetoothは、Wi-FiとともにminiPCI-Eと呼ばれるパソコンのパーツに機能が組み込まれています。
一部のノートパソコンは、miniPCI-Eの交換が可能です。
Bluetoothのバージョンを上げることができるのと同時に、Wi-Fiの機能も向上させられるため、一石二鳥です。
また、パーツ交換が困難なパソコンは、USB接続のBluetoothアダプタを接続することで、アップグレードできます。
Bluetoothのバージョンを確認するには
バージョンごとに対応している機能が異なるため、Bluetooth機器を購入する際は、バージョン確認が必要です。
関連記事で、各デバイスごとのBluetoothのバージョン確認の方法を解説しています。
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本記事はBluetoothバージョンについて解説しました。
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