パソコンを使って検索をしたりビジネスを行う方は多いと思います。
そして、パソコンが広く普及するきっかけとなったのが、「GUI」と呼ばれるインターフェースです。
そこで今回は、GUIとは何か、CUIとの違い、AIプログラミングにおけるGUIツールなどを紹介します。
後半では、UIとは何か、またUXとの違いや注目されている理由についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
※この記事は現役エンジニアによって監修済みです。
この記事の目次
GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)とは
本章では、GUIとは何かやGUIを利用するメリットとデメリットなどを解説します。
GUIはグラフィックベースで直感的な操作ができるインターフェース
GUIは、「Graphical User Interface(グラフィカルユーザーインターフェース)」の略語で、グラフィックベースでコンピューターを操作できるインターフェースのことです。
具体的には、キーボードやマウスを使って画面上のアイコンやウィンドウを使いながらコンピューターを操作するインターフェースを指します。
ちなみに、GUIはUI(User Interface)の1種であり、ユーザーに対して使いやすさを向上するためには優れたUIが必要です。
UIおよびUXについては、記事後半で改めて紹介します。
GUIの要素の例
GUIを構成する要素の例としては、以下の通りです。
- ウインドウ:各種アプリの操作や管理を行うスペース
- メニュー:画面上に表示される選択肢で、アプリケーションやOSのコマンドを実行できる
- アイコン:各種アプリを絵柄で表現したもので、アイコンを開いてアプリを起動できる
- ボタン:押すことで各種処理を実行できるもので、アイコンがボタンの役割を果たす場合もある
上記の通りで、ユーザーはこれらのGUIの要素を使ってコンピューターを操作します。
GUIを利用するメリットとデメリット
GUIを利用するメリットとデメリットは、以下の通りです。
- OSやアプリの入力コマンドを知らなくても、コンピューターを操作できる
- ウインドウを切り替えるだけで、複数のアプリを並行して操作できる
- リソース(メモリやストレージなど)が多量
- 一部GUIでは使えない入力コマンドがある
そのほか、プログラミングにおいてはグラフィカルベースのGUIよりも、後述するコマンドベースのCUIの方が利便性が高いとされています。
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パソコンの普及に重要な役割を果たしたGUI
本章では、パソコンの普及に一役買ったGUIの歴史について簡単に解説します。
GUIが初めて搭載されたパソコンがMac
アメリカの計算機科学者であるアラン・ケイ氏は、誰でも簡単に使えるパーソナルコンピューターの実現を目指して、「Dynabook構想」を1968年に発案しました。
そして約20年ほど経過した1984年、アメリカのApple社はこれまでパソコンを触ったことがない人でも視覚的に操作できるGUIを初めて標準搭載した「初代Macintosh(マッキントッシュ)」、通称Macをリリースしました。
その後、Appleに続くように1985年には、MicroSoft社が初のGUIを採用した「Windows 1.0」をリリースしました。
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GUI以前は主流だったCUI(キャラクタユーザーインターフェース)
GUI以前のコンピューターは、CUIが主流でした。
CUIは、「Character User Interface(キャラクタユーザーインターフェース)」の略語で、コマンド入力によりコンピューターを操作するインターフェースです。
GUIとCUIの違いについては、以下の通りです。
- CUIはキーボードによるコマンド入力による操作、GUIはマウスだけで操作できる
- CUIはテキストデータのみで構成、GUIはアイコンやボタンなどの視覚的なデザインで構成
また、CUIは処理が軽いことや操作履歴を残しやすいなどの観点から、プログラマーやシステムエンジニアの開発作業で好まれています。
ちなみに、Windowsはコマンドプロンプト、Macはターミナルをそれぞれ起動することで、お使いのパソコンをCUIで操作できます。
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GUIツールがAIプログラミングも変える?
AI(人工知能)の技術が進み、AIをビジネスに活用する動きが見られる一方で、導入ハードルの高さから足踏みする企業も多いです。
しかし、GUIツールの登場により、AI導入のハードルが下がりつつあります。
そこで本章では、AIプログラミングを変えるGUIツールに関して解説します。
GUIツールを使えばプログラミング不要でAI開発が可能
GUIツールとは、プログラミングが不要でマウスによる簡単な操作だけでAIプログラミングを可能とするツールのことです。
GUIツールの登場により、Pythonや機械学習などの専門知識に乏しい初心者の方でも、簡単にAIを構築できるようになりました。
このように、AIが誰でも使える「AIの民主化」が進んだことで、画像認識・音声認識・機械翻訳などの一見して難しい技術であっても、分け隔てなく誰でも使える社会となりつつあります。
AI開発向けの代表的なGUIツール
現在、AI開発向けのGUIツールは50種類近く存在しており、開発だけでなくAI教育のツールとして活用するケースもあります。
AI開発に関連する代表的なGUIツールは、以下の通りです。
- IBM Watson:IBMが開発したAI開発ツール。音声認識・画像認識・性格分析などを実現できる
- Neural Network Console:Sonyが開発したAI開発ツール。プログラミングが不要でディープラーニングのモデル構築が可能
- Azure Machine Learning:Microsoft Azureのサービスの1つ。ドラッグ&ドロップで機械学習開発を行える
- Google Colab:Googleが提供するAI開発ツール。ブラウザーからPythonを記述して実行できる
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UI(ユーザーインターフェース)とは
そこで本章では、UIの意味や基本的な内容について解説します。
UIは「ユーザーとの接点」という意味の言葉
UIは「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略語で、直訳すると「ユーザー(サービスの利用者)との接点」という意味のIT用語です。
基本的には、Webサービスやアプリといったソフトウェアのデザインを決める際にUIが使われます。
加えて、パソコンやスマートフォンなどのハードウェアに対しても、UIを意識したデザインが求められます。
したがって、ソフトウェアやハードウェアに関わらず、デジタル製品を直感的に使いこなすには、UIデザインが欠かせません。
Webサイト・サービスのUIについて
WebサイトやサービスにおけるUIとは、具体的には以下の通りです。
- 全体のレイアウト
- 文字のフォント、サイズ、カラー
- ボタンやテキストボックスの配置
例えば、Webサイトの検索機能はサイトの上部に配置されています。
しかし、検索機能が最下部に配置されていたら、ユーザーは画面を下までスクロールしなければならないため、使いづらく感じるでしょう。
すると、次回以降はUIが優れた別のWebサイトに人が流れてしまい、集客率や売り上げに悪影響を与えるかもしれません。
したがって、UIは使いやすさや製品の売り上げなども左右する、重要な要素なのです。
UIとUX(ユーザーエクスペリエンス)の違いとは
しかし、UXもUIと同様にWebサービスを構築する上で重要な考え方です。
そこで本章では、UIとUXの違いやUXの中身について解説します。
UXはユーザーが得られる体験のこと
UXは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略語で、直訳すると「ユーザーが得られる体験」という意味のIT用語です。
例えば、スマートフォンのソーシャルゲームを遊ぶと、以下のような感想を持つと思います。
- ゲームの独特の世界観が素晴らしい
- ゲーム性がシンプルで遊びやすい
- メニューがごちゃごちゃしていて、何から始めればよいか分からない
上記の通りで、そのゲームやサービスに対する印象や反応がUXなのです。
優れたUIデザインはUXの向上につながる
UIとUXは、よく「UI/UXデザイン」のように、ペアで語られるケースが多いです。
なぜなら、優れたUIデザインはUXの向上につながるからです。
例えば、IoTデバイスのスマートスピーカーは、音を拡張するという従来の機能に加えて、「人工知能(AI)」を搭載したことで、音声による検索機能や家電の操作を可能にしました。
つまり、スマートスピーカーを使った際の驚きや感動こそがUXであり、AI機能がUIにあたります。
UIデザインとビジュアルデザインの違い
ちなみに、ビジュアルデザインとは、絵・写真・色などを使って情報を与える表現方法のことです。
UIデザインとビジュアルデザインは、以下のように目的が違います。
- UIデザイン:ユーザーに対して見やすさや使いやすさなど機能性を提供するのが目的
- ビジュアルデザイン:ユーザーに対して情報やメッセージをビジュアルで提供するのが目的
UIデザインが注目されている理由
そこで本章では、UIデザインが注目されている理由を3つ解説します。
UIデザインはユーザー体験の向上に重要な役割を果たす
1つ目は、「ユーザー体験の向上に重要な役割を果たしているから」です。
前章で説明した通り、優れたUIデザインはUXの向上につながります。
また、現在は「モノ」よりも「コト」、つまり体験を重視する傾向が強まっています。
実際、Amazonや楽天などのECサイトを使えば、いつでもどこでも商品を購入できる時代です。
さまざまなサービスがある中で、それを選ぶ理由がなければユーザーに支持され続けるのは難しいでしょう。
そのような選択の理由を生み出す上で重要となるのがUIやUXなのです。
ターゲットする人にフィットするUIやUXを提供できれば、サービスの顧客の獲得につながります。
したがって、ユーザー体験を重視する傾向はこれからさらに強まっていくでしょう。
UI/UXに特化した知識やスキルセットが求められている
2つ目は、「UI/UXに特化した知識やスキルセットが求められているから」です。
理由としては、前述した消費者が体験を重視する傾向が強まったことが背景として考えられます。
WebデザイナーなどがUIデザインも兼任する場合がありましたが、その比重が大きくなったことで専門のスキルを持った人の需要が高まってきました。
ただし、UI/UXデザイナーだけがUI/UXを担当すればよいというわけではありません。
これからのWebサイトのデザインを決めるUIデザイナーやWebアプリを開発するエンジニアの方々は、ユーザーを意識したUI/UXデザインが求められるでしょう。
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IoTの浸透などでテクノロジーに触れるユーザーが増加
3つ目は、「IoTの浸透などでテクノロジーに触れるユーザーが増加しているから」です。
現在は、冷蔵庫や洗濯機のような家電を中心に、AIやインターネットにつながることで用途の幅が広まっています。
このように、日常生活の中にテクノロジーが関わることで、UIデザインの重要性もまた高まっているのです。
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GUIやUI/UXの知識はユーザーの使いやすさを考える上で重要
GUIとは何か、CUIとの違い、AIプログラミングにおけるGUIツールなどを紹介しました。
GUIはコンピューターに疎い初心者の方も扱えるため、非常に便利です。
しかし、システム開発などの現場では、コマンドベースのCUIでも操作できると生産性が上がります。
したがって、CUIに興味のある方はコマンドプロンプトやターミナルから操作できるようになりましょう。
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また、あらゆるデバイスやWebサービスにおけるユーザーの使いやすさを向上させるには、優れたUIが必要です。
この記事を読んで、UI/UXおよびWebデザインに興味を持ったのであれば、以下の記事もあわせて参考にしてみてください。
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