あなたは「ネットリテラシー」という単語はご存知でしょうか?
SNSを介してのコミュニケーションやクラウドを活用する企業も増えてきており、インターネットは現代社会では欠かすことのできないツールとなっています。
インターネットは手軽に使える反面、危険とも隣り合わせです。そのため、ますますネットリテラシーが必要な時代へとなってきました。
そこで本記事では、現代人に必須なネットリテラシーの基本を解説。ネットリテラシーの低さが招くリスクや高める方法、ネットリテラシーを学べるおすすめの本なども紹介します。
この記事を通じて、少しでも皆さんのネットリテラシーへの意識が高まれば幸いです。
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この記事の目次
ネットリテラシーとは
ネットリテラシーとは「インターネットを正しく使いこなす能力」のことを指します。
具体的にはどういったことなのでしょうか? まずはこの疑問を解消すべく、ネットリテラシーについて以下で詳しく解説していきます。
- ネットリテラシーの言葉の意味
- ネットリテラシーとはインターネットを正しく使いこなす能力
- Web検索などで情報を受け取る際のネットリテラシー
- SNSやアプリなどで情報を発信する際のネットリテラシー
- ウイルスなどを防ぐネットリテラシーの重要性
ネットリテラシーの言葉の意味
本体、リテラシーとは「読み書きの能力(識字能力)」を表す英単語です。日本ではそこから「使いこなす能力」へと意味が拡張されました。
つまり「インターネット」+「使いこなす能力」=ネットリテラシーとなるわけです。
また、ここで言う「使いこなす能力」とは、なにも技術的な意味合いだけではありません。
ネットリテラシーとはインターネットを正しく使いこなす能力
インターネットには、仕事やプライベートでも役立つ情報であふれかえっています。
しかし、正しい情報ばかりとは限りません。危険な情報、デマ情報も多く存在しています。情報は自分で取捨選択しなければなりません。
また、インターネットは全世界に公開されています。SNSを利用してのオンラインコミュニケーションが近頃盛んに行われていますが、一度発信してしまった情報は、オンライン上に残り続けてしまいます。
そのような特徴を理解しながらトラブルを回避し、正しくインターネットを活用する能力がネットリテラシーです。
Web検索などで情報を受け取る際のネットリテラシー
情報を受け取るとは、言い換えれば情報を検索することとも言えます。
インターネットは誰でも発信できる特徴から、発信者の思い込みや誤解がそのまま公開されることが多々あります。また、発信者に悪意のある場合には、デマ情報が拡散されることも十分にあり得ます。情報を検索する際には、信頼のおける情報を取捨選択する癖をつけておきましょう。
そして、インターネットに接続するからには、コンピュータウイルスにも注意が必要です。
手軽かつ便利に活用できそうなフリーソフトに仕込まれてることも。アプリケーションは、なるべく信頼できるところからダウンロード・インストールするようにしましょう。
また、メールの添付ファイルを開いただけで感染することもあります。怪しいと感じたらメールを開かず、送信元に確認することなどが有効な対策となります。
SNSやアプリなどで情報を発信する際のネットリテラシー
最近は若者を中心に、SNSを通じてのコミュニケーションが盛んに行われています。自由に発信できるがゆえに、炎上や誹謗中傷などにもつながり、マスコミなどで多く取り上げられています。
多くの人がSNSを匿名で利用しているかと思いますが、「匿名ならバレないだろう」という認識は、残念ながら大きな間違いです。誹謗中傷を書き込まれた側は「プロバイダ責任制限法」にもとづき、SNS運営者に対して発信者の情報の開示を請求できます。
情報開示までのハードルが高かったり、訴訟費用が大きかったりとまだまだ法整備が必要な部分もありますが、被害者次第では訴訟が起こされる可能性もあります。発信する際には、もう一度この内容で発信していいか読み直して発信するようにしましょう。
参考元:プロバイダ責任制限法の概要~発信者情報開示請求(第4条)
ウイルスなどを防ぐネットリテラシーの重要性
昨今の企業経営では、業務の効率化を図るためにIT化を推進するのが当たり前になってきました。クラウドを導入してデータを管理するなど、インターネットを利用しての外部とのやり取りが頻繁に行われています。
それと同時に、クラッキングによる情報漏洩やメールによるウイルス感染など、企業のデータが危険にさらされる可能性も増えています。
企業は自社の社員に対して、セキュリティの重要性を認識させることが求められており、ネットリテラシーの重要性は日々高まってきています。
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ネットリテラシーが低いことで発生するリスク
ネットリテラシーが低いとどういったリスクが発生するのでしょうか?少しでもリスクを低減させるために、理解しておくべき事柄を確認していきましょう。
- SNSなどでトラブルに巻き込まれる
- Web上で個人情報などを安易に公開してしまう
- SNSやブログの利用時に意図せず加害者になってしまう
- Web上の情報を信用し過ぎて振り回される
- セキュリティ面での危険がある
SNSなどでトラブルに巻き込まれる
SNSは匿名で利用できるので、攻撃性が高い人もいます。SNSへの投稿がきっかけで、大きなトラブルに巻き込まれるといった事例がニュースで取り上げられるのを目にする機会も増えてきました。
SNSは常にトラブルと隣り合わせです。「個人情報はなるべく出さない」「閲覧制限をかける」などのできる対策は積極的に行いましょう。
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Web上で個人情報などを安易に公開してしまう
インターネットを介して、個人情報を安易にさらしていませんか?
SNSでは、個人の名前や住所、顔、行動範囲が知られてしまうような投稿が後を絶ちません。空き巣被害やストーカー被害の原因にもなりかねず、非常に危険な状態です。
また、サイトに個人情報のアカウントを登録したり、カード情報を入力したりすれば、なりすましや不正使用の被害者になる可能性も十分にあり得ます。
SNSやブログの利用時に意図せず加害者になってしまう
友人や他人が写っている写真を、許可なくSNSやブログにアップしていませんか?他のサイトの情報や画像を、無断でコピペして自分のブログに転載していませんか?
これらのケースは、法的責任に問われる可能性があるケースの代表事例です。
被害者になるだけではありません。加害者として訴訟を起こされる可能性も十分にあることは覚えておく必要があります。
Web上の情報を信用し過ぎて振り回される
ネットリテラシーが低い方は、無条件で検索の一番上に出てくる情報を信じてしまう傾向にあります。
残念ながらインターネット上には、間違った情報や信頼できる根拠のない情報が数多くあるのが現実です。「この情報は正しいのか?」といった視点を常に持つように心がけましょう。
セキュリティ面での危険がある
開発元が不明なアプリや無料ソフトなどは、不用意にダウンロード・インストールを行わないようにしましょう。セキュリティ面での危険が大いにあります。
特に、スマホやタブレットにはセキュリティソフトを入れていない方が多いので、なるべくウイルス対策ソフトを導入して、自分の端末を悪意のある第三者から守ることが必要です。
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ネットリテラシー診断で理解度をチェック
ネットリテラシーを高めるためには、ネットリテラシー診断を活用するのも1つの方法です。以下で紹介する様々なネットリテラシー診断で理解度をチェックしてみましょう。
- 情報通信白書 for Kids
- スマホ・ケータイファミリーガイド
- ネットリテラシー検定機構
情報通信白書 for Kids
出典元:総務省
こちらの情報通信白書 for Kidsは、総務省が提供しているサイトです。
生活になくてはならない様々な情報通信メディアの仕組みや、使うときの注意点などについて楽しみながら学べるサイトです。
スマホ・ケータイファミリーガイド
出典元:KDDI
スマホ・ケータイファミリーガイド on WEBは、KDDI株式会社が提供している子供向けのスマホの安心安全な使い方をまとめたサイトです。
お子さんにスマホを持たせている親御さんはぜひこの機会に本サイトをお子さんと見ていただき、正しいスマホの使い方を学びましょう。
ネットリテラシー検定機構
出典元:ネットリテラシー検定機構
一般社団法人ネットリテラシー検定機構のサイトでも、テストを受けることができます。
既に社会人として活躍されている方、これから就職を迎える学生の方、パート・アルバイトの方など幅広い層を想定した、行動の前提となる知識にフォーカスを当てた検定試験です。
ネットリテラシー教育は子どもの頃から準備しよう
現代社会では、インターネットは必要不可欠なツールです。そうした背景から、ネットリテラシーの教育は子どもの頃から必要となってきています。
- 日本のネットリテラシー教育はまだ不十分
- ネットリテラシーは小学生から必要
日本のネットリテラシー教育はまだ不十分
総務省が行った『2018年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果』によると、高校生の95.8%が「スマホを所有している」と答えています。
その一方で、「ネット上の危険・脅威なサイトへのフィルタリングを知らない」または「使いたいアプリなどを利用できなくなる邪魔者」と考えている高校生が20%以上いることが判明しています。
このことからも、高校生になってもネットリテラシーが低い子どもが一定数いることがおわかりいただけるかと思います。まだまだ教育現場でのネットリテラシーの教育が不十分だと言えるでしょう。
ネットリテラシーは小学生から必要
小学生になり、1人でインターネットを利用する機会が増え始めたら、ネットリテラシーについて教える必要があります。
現代では、小学生でも85%がインターネットに触れる機会をもっています。トラブルや犯罪に巻き込まれることがないように、小学校だけでなく、親が子に積極的にネットリテラシーの教育を行う必要性があると言えるでしょう。
ネットリテラシーを高めるための3つの方法
ネットリテラシーを高めるためには、どのような方法があるのでしょうか?
この疑問を解消すべく、いくつかの方法をピックアップして解説していきます。自分たちにあった方法で、ネットリテラシーを高めていきましょう。
- 子どもとインターネットの使い方やルールを決める
- ネットリテラシーに関する情報サイトで学ぶ
- ネットリテラシー検定を利用する
子どもとインターネットの使い方やルールを決める
まずは、子どもとインターネットを使う上でのルールを決めてみてはいかがでしょうか。以下は、ルールの一例です。
- 時間を決めて使う
- SNSに誹謗・中傷は書かない
- 個人情報を載せない
- 許可なく他人の個人的な画像や名前を載せない
- インターネットで知り合った人とは会わない
- 不適切なサイトにはフィルタリングを行う
- 何かあったら必ず親に相談する
ただし、これらのルールを一方的に押し付けてはいけません。なぜこのルールが必要なのかといった理由も解説しながら、理解を促しましょう。
また、子どもの成長段階に合わせてルールを変えるなどして、柔軟に制限の範囲をコントロールすることも重要です。
ネットリテラシーに関する情報サイトで学ぶ
ネットリテラシーを学べるサイトはいくつかあります。ここでは、代表的なサイトを3つ紹介していきます。
- 総務省のインターネットトラブル事例ページ
- Meta社のデジタルリテラシーライブラリ
- Udemy
総務省のインターネットトラブル事例ページ
出典元:総務省
総務省のホームページでは、インターネットトラブルに関する様々な資料が閲覧できます。
「インターネットトラブル事例集 指導案」では、教職員等が学習指導要領に沿った情報モラル教育を行えるよう、学習展開や質問用紙などを掲載。
また、「インターネットトラブル事例 解説集」では、事例集で取り上げた内容や予防法などが詳細に解説されています。
▶️総務省|教育情報化の推進|インターネットトラブル事例集ダウンロードページ
Meta社のデジタルリテラシーライブラリ
出典元:デジタルリテラシーライブラリ
FacebookやMeta Questで有名なMeta社のデジタルリテラシーライブラリです。
こちらでは、専門家が開発したレッスンプランを活用して、グループディスカッション、アクティビティ、クイズ、ゲームなどを行うことができます。
どのコンテンツも無料で、授業などの集団学習や自宅での個人学習などに気軽に利用することが可能です。
Udemyの動画サイト
出典元:Udemy
様々なジャンルの講座をオンラインで学べるサービス・Udemyでは、ネットリテラシー関連の講座も多数用意されています。
例えば「メディアリテラシー マスター講座」では、インターネット・SNSに関する下記の内容について詳しく学ぶことができます。
- インターネットやSNSの仕組みや特徴
- 利用上のマナーとルール
- セキュリティ対策
- 犯罪とその対処法
- デマ情報に騙されない正しい情報の見極め方
- インターネットを使う上での著作権、複製権、肖像権の知識
▶️オンラインコース – いろんなことを、あなたのペースで | Udemy
Udemyの詳細は「Udemyとは?特徴・評判・おすすめ講座を紹介します」で解説しているので、合わせて確認してみてください。
ネットリテラシー検定を利用する
出典元:ネットリテラシー検定機構
ネットリテラシー検定を利用するのも1つの方法です。
これは、一般社団法人ネットリテラシー検定機構が実施する検定試験で、ネットリテラシーの欠如による企業リスクへの対応を目的とした検定システムです。受験者個々のネットリテラシー能力を測定してくれます。
インターネットやコンピュータ端末自体の仕組みの知識も必要ですが、知識よりもどう行動するかにフォーカスを当てたものとなっています。
自分の理解力を客観的に評価できるだけでなく、「合格」という1つの目標があることでより勉強にも力が入るでしょう。
ネットリテラシーを学べるおすすめ本6選
ここでは、ネットリテラシーに関するおすすめ書籍を紹介していきます。夏休みの期間を利用して、子どもたちに読み聞かせを行うのも良いかもしれません。
- スマホ・パソコン・SNS よく知ってネットを使おう! こどもあんぜん図鑑
- しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール
- 10代からの情報キャッチボール入門――使えるメディア・リテラシー
- 大学生のための メディアリテラシートレーニング
- FACTFULNESS
- 情報倫理
スマホ・パソコン・SNS よく知ってネットを使おう! こどもあんぜん図鑑
ネットの仕組みをはじめ、「知らないメールがきたら?」「 LINEで自分の時間がなくなってしまう?」など、子どもたちが身近に遭遇しそうな問題を具体的に取り上げて、より簡潔に解説してくれています。
「本を読む」「ワークシートをやる」「本の記述に戻って読み返す」を繰り返すことでより理解が深まる仕組みです。
ワークシートのページはWebサイトからダウンロードでき、カバーについてあるQRコードを読み込むと、スマホからでも閲覧可能。1枚ずつプリントアウトできるのも魅力で、学校の授業にも使える1冊です。
しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール
こちらの書籍は、中高生がスマホ・SNSでよくやりがちな失敗事例をいくつか取り上げ、それらをショートストーリーで紹介。
ショートストーリーをもとに、トラブルに巻き込まれない使い方を解説してくれています。実際の事例から学べるので、中高生たちもより身近に感じることでしょう。
ネット上の犯罪やトラブルに巻き込まれない、デマやフェイクニュース、詐欺にだまされないために知っておきたいキーワードなどが厳選ピックアップされています。子どもたちだけでなく大人も読んでおいた方が良い、ネットでしくじらないためのルールブックです。
10代からの情報キャッチボール入門――使えるメディア・リテラシー
中高生はもとより、小学校高学年からでも読めるネットリテラシーの入門書です。
多くの事例を通して、「被害者にならない(賢い受け止め方としての)4つのギモン」と「加害者にならない(正しい発し方としての)4つのジモン」の必要性や有用性を表現しています。
子どもたちだけでなく、大人でもネットリテラシーを十分に学べる1冊です。
大学生のための メディアリテラシートレーニング
こちらは、タイトルにも謳われているように「大学生」ならぜひ読むべき1冊。あるいは大学の教授や講師が授業で利用するべきものでもあります。
この本に答えが書いてあるわけではなく、この本をきっかけにディスカッションを行い、いろいろな考えを出し合いながら、答えの方向性を見つけていく本です。
また、トレーニングシートとテキストをうまく組み合わせれば、より一層相乗効果が期待できます。
FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
ビル・ゲイツ氏が、2018年にアメリカの大学を卒業した学生のうち、希望者全員にこの本をプレゼントしたと言われているぐらいの名作本です。
こちらの本では世界の本当の姿を知るために、教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野を取り上げています。いずれも最新の統計データを紹介しながら、世界の正しい見方を解説。
FACTFULNESSとは、データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣のことです。賢い人ほどとらわれている10の思い込みから解放されれば、世界を正しく見るスキルが身につきます。
世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキル「FACTFULNESS」を解説してくれます。
情報倫理
一見とっつきにくい印象のタイトルですが、かわいいイラストや図表が多く、とても読みやすい1冊となっています。
この本を通じて、コンピュータの社会的影響、ネットワークを介したコミュニケーション、インターネットでの犯罪、プライバシー問題とセキュリティ、ソフトウェアやネットワーク上のコンテンツの知的所有権、企業倫理などを詳しく学ぶことができます。
ネットリテラシーは子どもも大人も必須
ネットリテラシーの欠如は、多くのトラブルを生む可能性があります。
インターネットを使うのはもう大人だけではありません。子どもたちも、インターネットを利用して友達とのコミュニケーションなどを頻繁に行っています。
現代社会では子ども、大人関係なくネットリテラシーは必須知識ですので、自ら進んで高める努力を行って、子どもにも積極的に教育していきましょう。
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