パソコンを構成する部品の1つであるストレージは、音楽やテキストなどあらゆるデータを保存するために必須です。
パソコン内部におけるストレージには「ハードディスクドライブ(HDD)」と「ソリッドステートドライブ(SSD)」の2種類があります。また、ストレージの容量もさまざまです。
今回は、2種類のストレージについて、各種類のメリットやデメリット、おすすめの容量について解説しています。パソコンを購入する際に、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
そもそもストレージとは
ストレージとは、テキスト・音楽・画像などのデータを長期間保存するための領域・部品のこと。
パソコンの他にも、スマートフォンにも標準で装備されています。このようにデバイスに標準装備されているものを「内部ストレージ」、購入後に外付けする形で使用するものを「外部ストレージ」といいます。
また、最近ではオンライン上でデータの保存が可能な「オンラインストレージ」も普及してきています。
ストレージについては以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてください。
→パソコンやスマホの「ストレージ」とは? メモリとの違いを簡単に解説
HDDとは
HDDとは、ハードディスクドライブの略称で、パソコンに備えられているストレージの1つ。
「プラッタ」と呼ばれる、円盤状の記録媒体が縦方向に数枚並んでいる構造になっています。
また、これらを高速で回転させながら「磁気ヘッド」と呼ばれる機械が移動してデータを記録しています。
HDDのメリット
HDDのメリットは、以下の通りです。
保存できる容量が大きい
1つ目のメリットは、保存できる容量が大きいことです。
最近では、10TB・100TBを超えるものが発売されており、大量のデータを保存できます。
1TBは1GBの1000倍で、1枚4MBほどの写真であれば約25万枚、1曲5MBの音楽であれば約20万曲保存できる大きさです。
低価格である
2つ目のメリットは、SSDと比べて安価であること。
HDDでは、SDDを構成しているフラッシュメモリのような高価な部品が使用されておらず、量産体制も整っているのが理由です。
HDDのデメリット
一方、HDDのデメリットは以下の通りです。
衝撃に弱い
1つ目のデメリットは、衝撃に弱いことです。
HDDは磁気ヘッドが円盤上を移動しているのですが、そのとき磁気ヘッドはわずかに浮いています。したがって、動作中はプラッタと磁気ヘッドがぴったり接することはありません。
しかし、衝撃によって磁気ヘッドがプラッタに接触することで、プラッタの表面を傷つけてしまい、データの読み書きができなくなる恐れがあります。
消費電力が大きい
2つ目のデメリットは、消費電力が大きいことです。
HDDでは、プラッタを高速で回転させるためにモーターが駆動しています。このモーターが消費する電力が大きいのです。
また、消費電力が大きいことで発する熱量も比例して大きくなるのもデメリットとして挙げられます。
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SSDとは
HDDと同じく、パソコンで利用されているストレージの1つ。
SSDでは、NAND型フラッシュメモリと呼ばれる半導体素子に対して、データを読み書きしています。
SSDのメリット
SSDのメリットは、以下の通りです。
消費電力が小さい
1つ目のメリットは、消費電力が小さいこと。
SSDは、HDDのモーターのように大きな消費電力を必要とせず、少ない電力でデータの読み書きが可能です。また、消費電力が小さいことから、発する熱の量も小さいです。
データの読み書き速度が速い
2つ目のメリットは、データの読み書き速度が速いこと。
HDDはデータを読み書きするのに磁気ヘッドを移動させる必要があり、これが手間となります。一方、SSDはフラッシュメモリに対して電気信号を送り込むだけで済みます。
この手間の少なさが、SSDの速いパフォーマンスにつながっているのです。
SSDのデメリット
一方で、SSDのデメリットは以下の通りです。
HDDと比べると高価である
1つ目のデメリットは、価格がHDDと比較すると高いこと。
SSDが世に出始めた頃よりは、技術革新によって大幅に価格は下がりました。しかし、それでもHDDと比べると依然として高価である傾向が強いです。
データの復旧が難しい
2つ目のデメリットは、故障した際のデータの復旧が難しいこと。
SSDは、データを取り出すことが困難な設計となっています。したがって、専門的な知識を有していない限り、データを復旧させることは困難といってよいでしょう。
SSDを使う際には、定期的なバックアップが求められます。
また、使用し始めてからだいぶ経過しているSSDについては、寿命にも注意する必要があります。
購入する際のストレージ容量のおすすめは?
数年前まではパソコンのストレージといえばHDDが主流でしたが、最近はSSDが主流になりつつあります。
HDDよりも快適にパソコンを利用できるため、金銭的な余裕があるならSSDを購入するのがおすすめです。
ここからは、ストレージの容量別に主な用途について解説していきます。
ここで解説する一般的な用途を参考に、どの程度の容量が必要なのかを考えてから、購入を検討しましょう。
128GB
1つ目は、128GBのストレージです。現在発売されているストレージのなかでも比較的小さい部類です。
主に、ExcelやWordなどを使った文書の作成、インターネット検索、動画視聴などが一般的な用途です。
ExcelやWordを使った文書作成は、1ファイルにつき数MB程度。したがって、ストレージの容量を大きく確保する必要はないでしょう。
ただし、作成した文書の中で画像を使用している場合だと、話が変わってきます。その場合は、倍の256GBを購入するのがおすすめです。
256GB
2つ目は、256GBのストレージです。
一般的な用途は128GBと変わりません。しかし画像データをたくさん扱う場合は、256GBのストレージを購入したほうが容量を気にせず利用できます。
ほかに、パソコンでゲームをする場合も、256GBのストレージを購入したほうが良いでしょう。
容量が足りなくなった場合に、プレイしなくなったゲームを一旦アンインストールして新しいゲームをインストールするといった面倒な運用をせずに済みます。
512GB
3つ目は、512GBのストレージです。
128GB・256GBよりも、さらに多くのデータ保存が必要となる場合におすすめです。具体的には、写真や音楽を大量に保存したいときなどです。
デザインやプログラミングなどの作業をする場合、専用のソフトウェアをインストールする必要があります。そのような際も、512GBであれば十分な容量を確保できます。
そのほか、最近ではHyper-V・VMWareに代表される仮想化技術も普及しています。これらは、1台のマシンが保有する資源を効率的に利用できるメリットがありますが、大きく容量を使います。
したがって、仮想化を適用するマシンは最低512GBのストレージを確保しておくとよいでしょう。
1TB
最後に、1TBのストレージです。128GBのおよそ8倍の容量となり、非常に多くのデータを保存できます。
動画ファイルを大量に保存する場合は、1TBあると安心できるでしょう。
また、動画に限らず、画像や音声を高画質・高音質で保存したい場合も、1TBストレージを使うのが最適です。高画質・高音質を求めようとするとファイルサイズが大きくなるためです。
そのほかにも、512GBの用途でも挙げた仮想化技術の導入、パソコンをファイルサーバーとして利用する場合においても、1TBのストレージを使うのがよいでしょう。
ストレージはパソコン購入前に確認しよう
この記事では、ストレージの種類、それぞれのメリット・デメリット、さらに容量ごとの用途について解説しました。
ストレージにはHDD・SSDの2種類があり、容量ごとに最適な使い方があることが理解できたことでしょう。
パソコンを購入する際には、HDDとSSDの違い、ストレージ容量について確認して、自身の用途に最適なものを購入するのがおすすめです。
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