「採用や従業員のマネジメントを効率化したい」
「最近よく『HRテック』という言葉を耳にするが、実際にはどのようなものなのか」
現在あなたはこう考えていませんか。
HRテック(HR Tech)とは「Human Resource(人材)」と「Technology」を組み合わせた造語です。
近年はHRテック事業によって、膨大なデータを扱う人事担当者の業務効率に役立つサービスが多数リリースされています。
そこでこの記事では、成長著しいHRテック市場発展の背景や、サービスの実例を紹介します。
この記事の目次
HRテック(HR Tech)とは
冒頭で紹介したように、HR Techとは「Human Resource(人材)」と「Technology」を組み合わせた造語です。
まず身近なサービスでいうと、求人情報サービスもHRテックの一つです。近年は就職・転職活動も、スマートフォンのアプリで行うのが主流になってきました。
また、HRテックのサービスでは、企業の人事担当が行う以下のような仕事をテクノロジーの力で効率化できます。
・人事戦略
・採用
・教育・研修
・評価
・労務
例えば労務関連(社会保険手続・勤怠管理・給与計算)は、従業員が多いほど取扱う書類やデータが膨大になります。
しかし、HRテックサービスならこれらのデータをクラウドで一元管理できるため、人事の負担を大幅に軽減可能です。
従来の人事戦略と言えば、人事担当者の「経験によるノウハウ」など、体系的に共有しにくい判断材料によるものでした。
しかしHRテックサービスによって人材それぞれがもつスキルや経験が可視化しやすくなり、データや理論に基づく人事戦略が立てられるようになってきたのです。
成長するHRテック市場
近年は、人材採用を戦略と考える企業が増えてきました。
いかに効率的に人材を採用するかが求められており、そこで注目されているのがHRテックなのです。
また、将来的な労働人口の減少もHRテックが注目される理由の一つです。
国内の有効求人倍率(企業からの有効求人数を、ハローワークに登録している有効求職者数で割った値)は年々増加傾向にあり、厚生労働省職業安定局のデータによると、平成30年2月の有効求人倍率 1.58倍となっています。
海外では日本以上に、HRテックにおける活発な動きが見られます。
HRテックが発展している理由
HRテックが発展する背景には、以下の3つがあります。
スマートフォン・タブレットの普及
総務省のデータによると、2018年のスマートフォン世帯別利用率は79.2%、タブレット型端末は40.1%となっており、モバイル端末全体になると95.7%にも上ります。
つまり多くの人が在宅時のみならず、外出時もスマートフォンやタブレットで容易にインターネットにアクセスできるようになりました。
これにより、企業の人事システムも、人事担当者だけがアクセスするものから、社員一人ひとりがスマートフォンやタブレット端末などを利用してアクセスしやすいものへと変わってきました。
例えば、入社や雇用契約にかかる個人情報も社員に直接入力してもらうことにより、人事担当者の負担を大幅に削減することができます。
また、日々の活動報告もスマートデバイス上で行うことが可能になり、それに対する上司からのフィードバックもスピーディーに行えるようになりました。つまり、よりリアルタイムなマネジメントが可能になったのです。
クラウド型サービス(SaaS)の普及
従来の人事システムは、企業が自社サーバーでデータを管理するもの(オンプレミス型)が主流。
オンプレミス型はカスタマイズ性や既存システムとの連携性が高い一方で、初期コストが大きかったり、インフラ調整に時間がかかったり、障害が起こった時の対応に時間がかかったりといったデメリットがありました。
これらオンプレミス型のデメリットを解決できるのが、クラウド型サービス(SaaS:Software as a service)です。
オンプレミス型と比べ初期費用を抑えられるほか、アカウント登録後すぐに利用開始できます。
また、必要に応じてサーバー増減が可能なため、コストを最適化しやすいメリットもあり、人事システムに膨大なコストをかけられない、中小企業やスタートアップへの普及も進みました。
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ビッグデータを分析する技術の進化
近年のAI(人工知能)によるビッグデータ分析の進歩も、HRテック発展の背景にあります。
例えば、社員のメンタルヘルスのチェックに、IoTによって収集したデータを活用する試みも活発化。社員にスマートデバイス(スマートウォッチなど)を着用してもらい、そこから健康状態やストレスの度合い、集中度などのデータを収集する仕組みです。
リアルタイムでメンタルのチェックができ、得られたデータを元にモチベーション管理をすることも可能です。
AIによるデータ分析は、HRテックの進歩に大きく役立っています。
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HRテックを活用するメリット
ここでは4つの視点で解説します。
業務効率化とコストの削減
HRテック導入の一つ目のメリットは、業務効率化とコスト削減です。
これまで行なっていた、
・社員に紙の書類を提出してもらい、人事部門がエクセル上にデータを入力する
・社員に入力してもらったデータを人事部門が一括管理用のファイルに入力し直す
といった手間を省くことが可能に。
例えば、入社手続きの際のデータ入力も、社員自身に行ってもらうことで入力ミスを防げます。
基本情報に変更があった場合も、社員自身に情報を更新してもらうことにより、最新の社員名簿をリアルタイムに把握することが可能です。
従業員データの一元管理
例えば、新卒採用における適性検査の結果や面接での評価、入社後の活動報告や評価、ストレスチェックのためのアンケートなど。
さまざまなデータが集められてはいるものの、それぞれが分断されており、有効な活用方法が見出せないケースも多くあります。
これらHRテックツールによって一元管理できると、以下のようなことを把握するのも可能になってきます
・採用時にどのような評価を受けている人が入社後に高い成果を出すのか
・高い成果を出す人材の日々の業務フローの共有
・入社後のストレスタイプと適性検査の結果との相関性
つまりデータを一元管理することで、それぞれのデータを採用フローの見直しや社員の活動レベル向上、社員のメンタルヘルスの管理に活用することもできるようになるのです。
データをただ収集するだけでなく、分析も行うことで、優秀な人材の確保や、離職を未然にキャッチするなど、戦略的人事に活かすことができます。
戦略的な人事マネジメントの実施
前述したような従業員データの一元管理ができると、社員一人ひとりの経歴やスキル、経験などが「見える化」できます。
例えば、蓄積した社員のスキルデータから、新たなプロジェクト立ち上げに必要なメンバーの選抜も可能です。
社員一人ひとりの強い部分・逆に弱い部分も見えてくるため、それぞれを補い合えるようなメンバーを選んだり、相乗効果を期待できるような戦略的人事を行うことが可能になります。
また、これまでは可視化が難しかった「働きがい」「モチベーション」などが、データ分析によって把握できるようになるメリットも。
分析によって、「離職と相関性がある項目が上がっている」と判断できれば、業務フロー改善を行うなど、離職を未然に防ぐための対策をとることも可能です。
離職率の改善
「働きがい」や「モチベーション」が低下すると、生産性の低下や離職につながってしまいます。
「満足度調査」などによって社員のモチベーションチェックをする会社は多いですが、それをマネジメントに活かしきれていないところが多いのが現状です。
HRテックの中には、このようなモチベーションチェックを具体的な施策改善に繋げられるものがあります(モチベーション管理システム)。
社員にアンケートを実施し、その結果によって些細な変化を把握したり、上司からのフォロー実施状況などを見える化したりするという方法です。
このようなアンケートはアプリなどを用いているため、隙間時間に回答でき、社員の負担増を避けられます。また、上司との1on1とは異なり、本音で回答しやすいメリットも。
リアルタイム管理によって、モチベーションの低下が見られる社員に対して迅速なフォローができるため、離職率の改善に役立ちます。
HRテックのサービスが多数リリース
HRテックの成長を受けて、ITベンチャー企業などを中心に国内外問わずサービスがリリースされています。
導入する企業も増えており、人材不足で困る業界では、採用活動にHRテックの活用は必須とも言える状況です。
実際にどんなサービスがあり、どう活用されているのか。以下の記事で紹介していますので合わせてお読みください。
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